岩井圭也のレビュー一覧

  • 文身

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    初めから衝撃的でグッと掴まれた。弟の書いた筋書き通りの破天荒な生き方を兄が実行して生きていく。この二人の切れない絆が、物語がエスカレートしていくにつれて怖かった。だけど後半にまた一番の衝撃があり、最後は頭が混乱。結局庸一の人生は誰が決めたものなんだろう。悲しくて虚しい人生。でも小説だから本当のところはわからないということなんだな。

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    2023年07月14日
  • プリズン・ドクター

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    短編の連続で面白かった。刑務所内ミステリー。主人公が矯正医官で、プライベートも大変で気持ちを寄せやすい。父親と、恋人とこれからどうなるのか、続編が楽しみ。90

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    2021年04月24日
  • 拳の声が聞こえるか

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    どこにいても誰といてもひとりぼっち。そんな主人公は対戦相手と拳で向き合い、自分の存在を確認するためにリングにあがる。
    ボクシングのことがまるで分からないけど、ボクサーのストイックな様子が美しいと思った。
    本書を読みながらポテチをつまみ、気づけば一袋完食していた自分の何百倍も美しい。

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    2026年07月25日
  • 風車と巨人

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    若手ディレクターの三田紗矢子は、「不老因子」の発見で脚光を浴びるがん研究者・嘉山宗弘教授を追うドキュメンタリー番組『十一時の肖像』の撮影を始める。
    だが、嘉山教授の研究不正疑惑に辿り着き…。

    捏造、疑惑、虚構のなかで、真実を見つけるのは至難の業であり、そのために何をしたのか…。
    そして…。


    母が乳がんだったせいか、三田の嘉山に対する思い入れは熱く企画が通ってからは、全力投球で撮影に挑む姿は凄さを感じるのだが、不正を知ると一転する態度や自分だけが正しいと思い込み、他の人を蔑むような性格に嫌悪を感じた。

    最後は潔さを感じたが、それでも自分をこういう形で見せるという態度は、やはり好きになれな

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    2026年07月23日
  • 夜更けより静かな場所

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    タイトルがまず、読書好きの心をくすぐると思います。
    そして読み始めてすぐに、好きになりました。

    初めに「真昼の子」を勧められた吉乃
    翻訳物の海外小説かぁ…と、きっと私も思います。
    でも読み始めたら止まらなくなる…。

    古書店<深海>に集まる読書会メンバー。

    みんな同じではない感想が、リアルで良い。
    自分と全く違う受け止め方もあるけれど
    その違いを、ざらりとした違和感にしないように
    店主の叔父さんがうまく中和してくれる。
    いったん泥が舞い上がった水底も
    また穏やかな澄んだ水に戻る感じが、素敵だなと思う。

    そして共感ポイントも沢山ありました。
    本を手に入れて
    「今日の昼ごはん、いやついでに

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    2026年07月22日
  • 科捜研の砦

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    科捜研と科警研の違いや研究者の苦悩が丁寧に描かれていて良かった。岩井圭也さんの作り出す世界観やストーリーが好きすぎる。

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    2026年07月22日
  • あしたの肖像

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    私は絵を描く才能がある訳じゃない。自分にはこれしかないと言うものすらない。
    でも主人公の苦しみや葛藤にとても共感した。
    だからこそ、1番の謎である恋人に関する謎の内容についてはこれじゃなくても良いんじゃないかと思った。
    死と生は当価値だと言いたいのか。
    作品を産み出す作家だから書けた作品だろうけど、著者が男性だからその描写は一面でしか捉えられない結果なのかと思う。
    勿論そうではない男性作家もいると思うが。

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    2026年07月19日
  • 永遠についての証明

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    この本を読んで一番心に残った言葉は、「真理」でした。
    読みながら何度も思い浮かんだのは、『鋼の錬金術師』に登場する「真理の扉」です。真理とは、ただ正しい答えではなく、人を飲み込んでしまう魔物のような存在なのではないか、と感じました。突き止めたいという強い思いは、人を前へ進ませる一方で、その人の人生そのものを変えてしまう危うさも持っています。

    真理に取り憑かれてしまった人は、孤独になるのではないでしょうか。人間らしい生活や人とのつながりよりも、真理だけを求め続けることで、人間として生きることが難しくなってしまうのかもしれません。それでも真理があるからこそ、新しい発見が生まれ、人類は前へ進んでい

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    2026年07月14日
  • プリズン・ドクター

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    岩井さんの割と初期作品かな?未読でした。刑務所に勤務する若きドクターのお話。こちら映像化できるのでは?と思うほど、わかりやすくとても良かったです。…とはいえ、ちょっと設定やエピソード盛り過ぎかな?とも思ったかな…

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    2026年07月06日
  • 真珠配列

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    とっても興味深い一冊

    物語としてはとっても面白かったし
    起こった事件がどういう風にキャラクター達に関係していくかとか
    考えながら読んでいくのも楽しかった
    ただ医療に関しることだけはどんなタイプの小説を読んだとしても難しい…
    このお話もしかり…

    ただ扱っている題材が人の倫理に関することだったから
    現実の中に落とし込んでしまうと
    ただただ物語として楽しんでいることに複雑さを感じることも…

    マリクとアーロンの関係が少しづつ変わっていく様子とか
    事件に関わっていくごとに上からの圧力とか自分の力だけではどうしようもないこととか
    感情移入して読むというよりは第三者的な目で読んだ
    私にしては珍しいお話

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    2026年07月05日
  • サバイブ!

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    「友情」「努力」「勝利」、まさにジャンプ三原則みたいな小説。
    癌サバイバーの主人公コタローが生きるために友達を誘って起業するところから始まる。生き残る(倒産しない)ために勝負し、その度に仲間が増え、また闘う。コタローの信念の強さがとても清々しく、何事も未来に繋げることができるかどうかは自分次第なんだと気づかせてもらいました。

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    2026年07月04日
  • 水よ踊れ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なんの前情報なく読み始めたので、最初は題材が好みでないななんて思いながら。
    主人公の輪郭がわからないというか、ぼやっとしていて、混乱していたが、それは見事に術中にはまっていただけだと途中から気がついて、その後からは完全にはまってしまった。
    頭も心もまだまだ知らないことばかりだということに驚愕しつつ、小説としては、ものすごい伏線回収で、面白かった。

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    2026年06月25日
  • われは熊楠

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    「永遠についての証明」の岩井圭也さんの作品。

    天才的な頭脳を持ちながら、「知識欲」と「世間」との間で苦悩する南方熊楠像を描きだす。

    「永遠についての証明」の主人公も同じように特性を持ちながら、「世間」との戦いに負けてしまったが、この南方熊楠は周囲に支えられてなんとかギリギリもちこたえた。
    それでも大事な集会に酔っ払って殴り込むとか「なんでそんなことするの!」と松枝婦人に代わって怒りたくなる。

    とにかく南方熊楠の行動が奇々怪々すぎて、丁寧に書けば書くほど現実感がなくなってしまったのが残念。

    こんな人におすすめ↓
    ☆博物学や民俗学に興味のある人
    ☆和歌山県に縁のある人
    ☆脳の特性がある方が

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    2026年06月22日
  • 付き添うひと 子ども担当弁護士・朧太一

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     犯罪を犯した少年たちが、家庭裁判所で審判を受ける際に、その権利を擁護、代弁する付添人。

     付添人の朧太一は、少年少女に寄り添い生活や将来へのサポートをしていく。
     子どもの犯罪は奥がとても深く複雑で、一筋縄ではいかないものが多い。家庭環境や学校、職場などの人間関係を表には見えない部分まで探り出していく姿は圧巻だった。

     朧自身も過去に毒親の指示で少年院へ入っていた経験を持っていることが、付添人として子どもたちを救いたい気持ちに繋がっている。
     そして、子どもたちを救いの手を差し伸べることで、過去の自分自身を救ってもいるのだろう。

     子どもとはいえ、犯罪を犯した罪が許される訳ではないけど

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    2026年06月20日
  • パパたちの肖像

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    『パパたちの肖像』は、父親を主人公にした短編集です。育児の喜びや苦労を描いた作品集ではありますが、読んでいて強く感じたのは、「家族の幸せの形は様々、一般論では語れない」ということでした。ノウハウでは語り尽くせない生々しさに心揺さぶられます。

    特に印象に残ったのは「息子の進学」です。

    父親は、豊かな暮らしや便利な都会での生活に価値を見出してきました。一方で息子は、収入や効率よりも、自分が本当にやりたい研究の道を選ぼうとします。どちらが正しいという話ではありません。むしろ、親子であっても見ている世界が違うこと、そして父親が息子の価値観を理解しようとする姿に心を動かされました。

    「髪を結ぶ」も

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    2026年06月13日
  • 檻を出ろ!横浜ネイバーズSP

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    今回も楽しかった!舞台は海外にまで及び、今回は欽ちゃん大活躍。ロンの向こう見ずだけど頼られるとほっとけない性格も相変わらずで良い。欽ちゃん、バディを組んだ先輩とイイ仲に進展したりしないのか…?!きっと続きが出るはず。岩井さん期待しています!

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    2026年06月13日
  • サバイブ!

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    ネタバレ



    元ガン患者のコタローが、生きることを最大限に楽しむために友人と一緒に起業する話です。

    最初の予想よりも何倍も楽しむことができました。
    ベンチャーとやらが漠然としかわからなかったけど、なるほど、今の若い人は「仕事」についてこんな風に考えるのか、と勉強にもなりました。

    何度も壁にぶち当たり、起業して維持し続ける大変さ。
    手に汗握りながらわくわくドキドキしながらの読書でした。

    沙彩の治療の結末が書いていなかったことだけが残念。

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    2026年06月13日
  • 拳の声が聞こえるか

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    ボクシングが持つ圧倒的な臨場感と、手に汗握る熱量がそのまま本の中から伝わってくるような傑作だった。ボクシング観戦が好きな自分にとっても、リング上の緊迫感や駆け引きの描写はリアルそのもので、終始引き込まれた。
    物語の芯にあるのは、コミュ症気味で生きづらさを抱えていた主人公の成長譚だ。言葉でうまく自分を表現できない彼が、リングという四角いジャングルの中に自分の「確かな居場所」を見つけ、ひたすら愚直に突き進んでいく。その姿を見て、単なる身体能力だけでなく、一つのことを泥臭くやり続けられること自体が、何よりも尊い「才能」なのだと強く実感させられた。
    言葉を超えて、拳と拳のぶつかり合いを通じて相手と深く

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    2026年06月04日
  • 拳の声が聞こえるか

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    ボクシングは全く興味がなく、知識ゼロにも関わらず、元プロボクサーの知人が二人いる。
    一人は王者のベルトを持ち、一人は早々に引退して専門職として働いている。
    彼らとボクシングの話をしたことはあまりない。
    けれども、ボクシングから離れた二人はとても活き活きとしているし、誰よりも他者への気遣いのできる人達だ。そして、暴力をとても嫌う。

    ボクシングをはじめとした格闘技をする人達は、どんな思いで挑んでいるのか、長年疑問だった。
    単に殴り合いが好きで、血氣溢れるのかと思いきや、私の知り合いの元ボクサー達はとてもそんな様子でなかったから…

    本書を読んで、当たり前ではあるけれどボクサー達が様々な思いで挑ん

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    2026年06月03日
  • あしたの肖像

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    岩井圭也さん、本当に幅広い。

    そしていずれの話もその世界に引き込まれ、
    没入したまま、あっという間に読み終えてしまいます。

    今回は美大が舞台。
    (美大の最難関、上野の森の向こうにある東京藝大と思われる。
    新倉と待ち合わせしてルシアンをのんだ古民家の喫茶店はカヤバ珈琲です、きっと!)

    才能ひしめく中で、そこでまた優劣がつく。
    真の天才の前で、自己を保つことはなんて難しいんでしょう。
    それが愛してる人ならなお辛い。

    小滝とひなたの決断はとても現実的で
    あれぽっちの言葉だけで通じ合って
    読んでるこっちの心はカラカラに乾燥してしまいそうだよと思ったら
    思わぬファンタジー要素でなんだか少し潤いま

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    2026年05月27日