岩井圭也のレビュー一覧

  • 暗い引力

    Posted by ブクログ

    暗い引力。実に的確なタイトルだった。
    岩井圭也氏は心癒される作品が多いと思っていたが、この小説は心の暗部をじわじわ見せつけてくる。
    各短編は勧善懲悪ではない結末がまた唸らせる。2話目の夫婦の話は実に身につまされる話で、このような夫婦関係に自らの生活を顧みて疑心を浮かばせてしまった程である。
    人が暗い引力に囚われる様を淡々と描くこの小説はお薦めです。

    0
    2024年02月15日
  • 夏の陰

    Posted by ブクログ

    こちらのアプリが履歴を見ておすすめしてくれたので読みました。岩井先生は初読です。

    結論からいうと、面白くて一気読みでした。被害者の息子と加害者の息子の両面から描くことで、どちらの苦悩にも思いを馳せることができました。
    事件の真相が段々と明らかになりますが、最後まで読むと様々なことが腑に落ちます。

    0
    2024年02月15日
  • 夏の陰

    Posted by ブクログ

    加害者の子と被害者の子。
    二人に降りかかる出来事がどうしようもなく理不尽で辛い。
    孤独と虚しさと憎しみに蝕まれながらも、剣の道に生きる二人の邂逅に引き込まれた。
    最後は思わず涙した。

    0
    2024年01月05日
  • 文身

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どんでん返しのどんでん返し。

    1回目のどんでん返しではちょっとガッカリしたけど
    やはりラストは裏切らなかった!
    よしっ!

    しかし私小説って面白いのかな。
    文章読んだ感じではそんなにヒット作になるような作品ではなかったけど。(奥さんの死のとこは除く)

    とりあえず弟の人生は嫌だ。
    波乱万丈だった兄の方がマシだ。

    0
    2023年08月16日
  • プリズン・ドクター

    Posted by ブクログ

    短編の連続で面白かった。刑務所内ミステリー。主人公が矯正医官で、プライベートも大変で気持ちを寄せやすい。父親と、恋人とこれからどうなるのか、続編が楽しみ。90

    0
    2021年04月24日
  • 追憶の鑑定人

    Posted by ブクログ

    シリーズ3作目でこの作品だけでも楽しめるけど、はやり土門の人柄を理解しながら順番に読むのがオススメ。土門の同級生が登場して、土門の人間味のある部分が垣間見れて良かった。科学は嘘をつかないけど、たまには人間を信じてみても良い。土門の言葉が心にしみる。

    0
    2026年09月26日
  • あしたの肖像

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    恋人が行方不明になる、学内で死者がでる。
    大きな出来事が起きてはいるけれど序盤は物語が淡々と進んでいく。けれど小滝の激情が垣間見える。小滝はどう考えてもいっぱいいっぱい。恋人が消えた、故人の肖像画を描かなければならない、自分の作品。そんな時に現れたのがリュウ。スマホもお金もない彼は何者なのだろうか、そう考えた時ひなたの縁者かと思いました。正解は当たらずも遠からず。
    日常に潜む幻。それがリュウだった。
    ミステリー、人間関係を描いた作品としてすごく面白かったのですが、リュウの存在によりとても好きな作品になりました。
    本来だったらありえないかもしれないけれど、でも奇跡のような夢のような物語をどうしても読みたいと願ってしまうから。
    すごく素敵な作品でした。

    0
    2026年09月24日
  • 夜更けより静かな場所

    Posted by ブクログ

    私もその読書会に参加させてほしい…。

    回ごとに参加者一人ひとりが選んだ
    課題図書を全員が読み
    その本についてあれやこれやをシェア。

    どんな本を選ぶか、どう感じたかで
    その人自身がにじみ出る。

    頭の中で古本屋「深海」の内装や
    各々の人物像、読書会の空気感を想像しながら
    自分もその空間で話を聴いている感覚になった。

    0
    2026年09月22日
  • 風車と巨人

    Posted by ブクログ

    真実を追求する重さ
    嘘が必要になる(と思い込む)瞬間
    目的のためにはなりふり構わない感じ
    狂気じみていてゾワゾワした。

    医療業界にいるものとしては過去の捏造事件のことも頭をよぎり、誠実に実験した結果を受け止めることの重さを感じている
    報道業界のことはわからないけど
    モノになるならないは「そこにある真実」よりも「作り方による」んだろうか?と想像をすすめてしてしまう

    0
    2026年09月21日
  • 永遠についての証明

    Posted by ブクログ

    数学の天才、三ツ矢瞭司は特別推薦生で協和大学に入学する。彼の数学に特化した世界は幼い頃から誰からも理解されず一人だったが、大学の恩師、小沼と同期の同じ推薦入学の熊沢勇一と斎藤佐那、研究室の先輩、田中と木下という始めての仲間を得て、彼の天才的な証明までの漠然とした道筋を、皆で証明する作業の楽しさを知る。しかし、その世界はどこかで崩壊したらしく、瞭司が亡くなり熊沢の手元に残されたノートに、コラッツ予想の証明が書かれているようなのだが、もちろんその内容は解読が必要な独特のメモなのだった。
    これがデビュー作と知らずに読み、完成度の高さに驚かされました。誰も証明したことのないような高度な数学の世界を不自由なく体感させる表現。読むのには数学ができなくても全く問題ないです。ただ、瞭司の生き方の不器用すぎる様が、読んでいて苦しすぎる。熊沢の方もある程度普通に生きられると、雑事多くて数学に埋没できず、また、瞭司への嫉妬・羨望心が友情に勝ってしまうのも辛い。
    瞭司が死んでしまっているので、凄く楽しく読める本ではないのですが、内容の重厚感と、天才の追体験できるのが良かったです。
    アルコール依存の表現がやや小学生向けではないところなどあり、中学校以上向け。

    0
    2026年09月13日
  • 永遠についての証明

    Posted by ブクログ

    専門的なことを扱いリアル感を感じさせつつも、読みやすいテンポ感と、これらを渦巻く心情が伝わってくる構成で良かった。

    0
    2026年09月11日
  • 横浜ネイバーズ

    Posted by ブクログ

    シリーズ一作目。
    中華街を舞台に山手町の名探偵ロンとその仲間たちが厄介ごとを解決するお話。

    厄介ごとはもっと日常の謎的なのを想像していたら、結構大きな事件系だった。シリーズ続いているので読み進めたい。

    0
    2026年09月10日
  • プリズン・ドクター

    Posted by ブクログ

    刑務所内の医師(矯正医官というらしい)の話。刑務所内の病問題、薬問題に立ち向かうだけでなく、彼らの心の病にも寄り添いながら、自分の母親の介護や恋人、仲間との絆もありながら、しぶしぶやってた仕事から本職に向かって成長していくストーリー。まさにプリズンドクター!面白かった。

    0
    2026年09月08日
  • 楽園の犬

    Posted by ブクログ

    本好きさんから借りた本。
    太平洋戦争勃発直前の南洋を舞台にした
    スパイ小説。

    太平洋開戦直前、持病の喘息のため、
    英語教師を辞めた麻田健吾は、妻子を日本に残し、表向きは南洋庁の役人としてサイパンに赴任する。
    海軍少佐、堂本頼三の下で、海軍のスパイ(犬)と
    して働く麻田。堂本からの指示で島で起こる不審な死の真相を調査していく。

    その頃日本は、勝てる見込みがない米国との開戦に向かわざるを得ない状況となっていた。
    麻田と堂本の共通の思いは戦争を止めること。
    だが、大きな時代のうねりの中では個人の意思や
    信念など、あって無きにも等しい。
    表紙の南洋桜、日本の桜とは似ても似つかないが、堂本少佐はサイパンに咲く、この南洋桜に日本の桜を思ったのか。堂本少佐が、あのような最期を選んだとは対照的に、麻田の最後まで生き延びようと
    する姿、信念に心をうたれた。
    生き延びて、家族に再会して欲しかった。
    美しい死など決して存在しない。

    このような極限の状態となった時、
    自分は果たして信念を持ち続けられるのか、
    深く考えさせられた。
    読み応えのある作品だった。

    0
    2026年09月08日
  • 風車と巨人

    Posted by ブクログ

    著者作品、久しぶりのヒット。
    新刊が続いていたが、なんだか最近ピンとこなかったので(私だけ?)

    究極の真実とはなにか・・・いろいろな社会問題を秘めた壮大な人間の心の奥底を見た気がした。
    同じ感覚をもつ正義<信念は、共鳴するのか。

    小説はエンディンクを迎えたが、どんな先が待っているのか、現実世界を想像するのは難しい。

    0
    2026年09月07日
  • 暗い引力

    Posted by ブクログ

    一縷の望みが人を闇に引き寄せる。
    希望を抱くことが罪という話ではなく、
    能動的かつ突発的な希望の発露は、人間に大きな変化をもたらす場合があり、その結果を制御する術はない。漫然と生きてても行き詰まる。

    少々誇張された話だとは思うが、リアリティがあり
    身を摘まされる。



    0
    2026年09月04日
  • 風車と巨人

    Posted by ブクログ

    医学分野での研究不正疑惑を暴くというあらすじに飛びついた感じで手にしたものの、私の予想とはかけ離れた着地点で驚き!

    本のテーマから、STAP細胞とその研究者をイメージした人が多いようだけれど、私はまた別の研究者のイメージだった。(誰とはいわないけど)

    近年の様々な社会現象から医学研究そのものが、科学ではないな…と感じている私にとって、論文というものはやはりあてにならないシロモノだなと実感してしまった。
    論文にさえしてしまえば、再現可能かどうかも問われないなんてなんでもありじゃないかと思う。

    岩井圭也さんがそのあたりを見事に暴いてくれたのはさすが!

    嘉山教授も三田も真実を追究したり証明することに夢中になりすぎて、何が真実か分からなくなってしまったのだろうけれど、こういうことは少なくないはず。
    嘘がよくないことは当たり前だけど、大切なものを守るために時と場合によって人は嘘を使いこなして生きているわけで…
    その嘘の重大性も大切なものの重大性も人によって受け止め方は様々なのだ。

    研究者が夢を追いかけることは素晴らしいし、始めは世界を救うためにと思って研究するのだろう。けれど、きっと様々なしがらみで本来の意思が失われたり歪曲してしまうことは少なくないはず。
    お金や名誉といったものに縛られずに研究できればよいのだろうけれど、なかなかそうはいかない。

    医学というものが、こんなに崩れやすい論文を元に人の生命を握っている…
    みんなもっと気づけばいいのに…と改めて思う読書でした。

    0
    2026年09月04日
  • 横浜ネイバーズ

    Posted by ブクログ

    池袋ウエストゲートパークを思い出した。似ていることが全く気にならないので、すごく面白かった。シリーズ読み進めていきたい。

    0
    2026年08月30日
  • 夜更けより静かな場所

    Posted by ブクログ

    【夜更けより静かな場所】
    〝読書へのラブレター〟という帯の言葉がぴったりの作品。
    読書会をテーマにした連作短編になっていて同じ本を読んでも見ている世界は違ったり、ときに共感したり。やっぱり他の方の感想を見聞きするのは素直に楽しい

    0
    2026年08月30日
  • 夜更けより静かな場所

    Posted by ブクログ

    クズ准教授以外は悪い人が出てこないのがよかった。

    本ではやった事がないけれど、
    絵画を見て語り合う対話型鑑賞は経験あり、
    一度きりで名前も知らない人たちとの1時間弱だったけど、自分とは違う感覚に触れる独特の体験だった。
    繰り返し同じ人と語り合うと、また違うのかなと思いながら読んだ。

    0
    2026年08月30日