岩井圭也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
生まれつき文系の自分には数学のことは何一つさっぱりわからなかったけどとても読みやすい天才数学者の哀しい物語だった。天才と秀才と凡人。天才に対する秀才の面々の思い、結局はついていけずに天才を死に追いやってしまうことになる友人や指導者の言動や気持ち、凡人の私にもなんとなくわかるなぁ。主人公の天才、暸司がもう痛々しくて見てられない。悲劇的最期を遂げた天才数学者がいるって話は聞いたことがある。恐ろしいほどの天賦の才能を持って生まれたが故に数学に取り憑かれる悲劇。天才ゆえの孤独、社会とも上手く関われず食い扶持も稼げずに荒れた生活の中で全人生をかけて取り組むその証明がいつ終わるかの見通しも立たず死ぬまでに
-
Posted by ブクログ
何かしら問題を抱えた6人が、深夜0時に古本屋に集い、一冊の本について語り合う「読書会」を開き、各々の問題に向き合って決断する話。
教官と不倫する女子大生、イップスで球投げれなくなった野球部員、毎日の生活に不安を抱えながら好きな仕事を続ける司書、親と決別したグラフィックデザイナー、演奏する事をやめたバイオリニスト。そして成り行きで店を引き継ぐ事になった読書家の古本屋店主。
皆それぞれに感銘を受けた本を持ち寄り、その感銘を共有したいと、読書会に臨みますが、他の参加者が自分とは同じ感想をなかなか持ってくれない所が、良かったです。
自分の感想を時には否定されたり、自身では全く気づかなかった視点からの -
Posted by ブクログ
岩井圭也さんらしい…
遺伝子操作、ウイグル問題といった日本人が無関心な問題を真正面から扱っている。
しかも、設定は2029年という近未来。
中国が舞台であることで聴き慣れない名称ばかりが続き、日本人にはまるで他人事のように感じるストーリー。
そして、近未来すぎて現実味がない故に陰謀論のようだと感じさせる。
でも、どこかの国で似たような研究が実際に行われている可能性はあると思う。
遺伝子操作もウイグル人問題も、真相はわからないことだらけだけれど、こんなディストピアな世界は近づいているはず。
そうだとして、これからどう生きて行こうかと考えさせられる。
遺伝子操作やクローン技術で生まれた人 -
Posted by ブクログ
あなたは本当にやりたいことを忘れていませんか? 「青春」を真正面から描き切った力作 #あしたの肖像
■あらすじ
美大生の小滝は、いつも自画像を描いていた。彼のもとに教授からある人物の似顔絵を描いてほしいと相談される。その人物は同大学の学生樺沢穂香、彼女は既に事故で亡くなっており、両親から依頼を受けたものだった。
小滝は人物像を描くために穂香の関係者に聞き込みをするも判然としない、また穂香の死因にも疑問が残る。さらに小滝には同級生の恋人がいたが、音信不通になっており…
■きっと読みたくなるレビュー
「青春」を真正面から書き切った力作ですね。
岩井圭也先生の作品は何冊は拝読してますが、パワ -
Posted by ブクログ
岩井ファンの1Qさんはすぐに気づいちゃいました!
本作『あしたの肖像』の主人公・美大生の小滝英哉は彼にそっくりだと
彼って誰って…?
それは、「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめた男・土門誠だ
なぜなら土門さんのトレードマークといえば、ベージュのジャケットとパンツですよね
これはもう周知の事実です
で、小滝英哉も土門さんに負けじと紺色のセットアップを愛用している
夏場は毎日これを着て、洋服には興味がない、着るものに頭を悩ませる時間がもったいないという考え方も土門さんにそっくり
しかーし、小滝くん、君はまだまだ土門さんには及ばないよ!
だって君は紺 -
Posted by ブクログ
----------------------------------
ぼくを救うのは肖像画だけ。
君の姿を描かせてほしい。
『永遠についての証明』の著者があらたに描く、
いとおしくて魂が震える、青春小説のニュー・ヴィンテージ。』
----------------------------------
自画像にこだわり続ける美大三年の小滝。
ある日学内の事故で亡くなった樺沢穂花の肖像画の制作依頼を受ける。
彼女を知るために周囲の人間から話を聞き、事故について調べて始める…。
そんな小滝は、恋人の宇野ひなたが行方不明になっており…。
美術に対する拘り、プライド、祈り、嫉妬。
そして複数の謎。