岩井圭也のレビュー一覧
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「不老因子」の発見で脚光を浴びる若きがん研究者の嘉山宗弘。彼を追う人気ドキュメンタリー番組の撮影を始めた三田紗矢子は、やがて嘉山の成果の根幹を揺るがす研究不正疑惑に気づき…。
終始、嘉山教授に対してモヤモヤした感じで物語が進み、若手ディレクター三田の彼に対する疑惑に歯止めが効かなくなっていく姿はわかるような、わからないような…これまたモヤモヤした気持ちになったが、彼女が起こす行動は実際にありそうな展開で恐ろしくなった。
数年前に「とある細胞がある」と信じた女性研究者が話題になったことを思い出し、この『風車と巨人』というタイトルに納得。スペインの名作『ドン・キホーテ』からきてるとは、さすが岩 -
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がんの治療に役立つ「不老因子」を発見したという嘉山教授を題材にしたドキュメンタリーをを制作するため、撮影を始めた三田。しかしその途中で嘉山の研究不正疑惑を知る。母ががんに罹患したこともありがん研究の発展を願う三田は番組の制作に執念を燃やし、さらに調査を進めるのだが疑惑は増えるばかり。真実はどこにあるのか。
タイトルは「ドン・キホーテ」になぞらえたもの。信じることは真摯ともとれるし、愚かともとれます。たとえ真実と信じていたとしても、証拠がなければ事実にはならない。そんな中で嘉山の研究に疑いを持ちながら必死で撮影と取材を続ける三田の姿がとんでもなく危うく感じました。何事も知りたいという「しつこさ」 -
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ネタバレ語学学校で学んだ時の知り合いに、このお話の舞台になった返還前の香港を案内してもらったことがあった。林立する高層ビル群の中を、カイタック空港に降り立ち、物理的な制約の中で、人間がやりたいことをなんでもやろうとするとこんな社会になるんだなあと圧倒された。
しかしただの観光客という立場で、日本好きな友人に案内されながら見た香港の街が、まったく表層的なものだったんだなあということを、本書を読んで感じさせられた。
反日的な感情や、その根っこにある日本がやってきたことについての無知だけでなく、この島に渡ってくる移民たちがどんな生活をしているかといったことも想像力に欠けていた。
作者がこの時期の香港をテー -
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岩井圭也さん作品なので
手に取りました。
主人公は恐らく場面緘黙症で
声を出す能力はあるし
家庭では話せるのに
外では言葉が出てこない。
辛い子供時代を過ごし
ひっそりと影のように生きている青年、遼馬。
そんな遼馬がボクシングと出会う。
「話せなくてもボクシングは出来るから」
その言葉に支えられ
地道な努力を積み重ねて
遼馬の人生が徐々に徐々に変わっていく。
ボクシングの知識はあまりなくとも試合の臨場感がすごくて、手に汗握りながら一気読み。
ボクシングは拳による対話。
こう書くととてもスマートでかっこいいー感じだけど、
そこは血みどろで、倒されてもすぐ起き上がり、敗ける恐怖、死ぬかもし -
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若手ディレクターの三田紗矢子は、「不老因子」の発見で脚光を浴びるがん研究者・嘉山宗弘教授を追うドキュメンタリー番組『十一時の肖像』の撮影を始める。
だが、嘉山教授の研究不正疑惑に辿り着き…。
捏造、疑惑、虚構のなかで、真実を見つけるのは至難の業であり、そのために何をしたのか…。
そして…。
母が乳がんだったせいか、三田の嘉山に対する思い入れは熱く企画が通ってからは、全力投球で撮影に挑む姿は凄さを感じるのだが、不正を知ると一転する態度や自分だけが正しいと思い込み、他の人を蔑むような性格に嫌悪を感じた。
最後は潔さを感じたが、それでも自分をこういう形で見せるという態度は、やはり好きになれな -
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タイトルがまず、読書好きの心をくすぐると思います。
そして読み始めてすぐに、好きになりました。
初めに「真昼の子」を勧められた吉乃
翻訳物の海外小説かぁ…と、きっと私も思います。
でも読み始めたら止まらなくなる…。
古書店<深海>に集まる読書会メンバー。
みんな同じではない感想が、リアルで良い。
自分と全く違う受け止め方もあるけれど
その違いを、ざらりとした違和感にしないように
店主の叔父さんがうまく中和してくれる。
いったん泥が舞い上がった水底も
また穏やかな澄んだ水に戻る感じが、素敵だなと思う。
そして共感ポイントも沢山ありました。
本を手に入れて
「今日の昼ごはん、いやついでに -
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この本を読んで一番心に残った言葉は、「真理」でした。
読みながら何度も思い浮かんだのは、『鋼の錬金術師』に登場する「真理の扉」です。真理とは、ただ正しい答えではなく、人を飲み込んでしまう魔物のような存在なのではないか、と感じました。突き止めたいという強い思いは、人を前へ進ませる一方で、その人の人生そのものを変えてしまう危うさも持っています。
真理に取り憑かれてしまった人は、孤独になるのではないでしょうか。人間らしい生活や人とのつながりよりも、真理だけを求め続けることで、人間として生きることが難しくなってしまうのかもしれません。それでも真理があるからこそ、新しい発見が生まれ、人類は前へ進んでい -
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とっても興味深い一冊
物語としてはとっても面白かったし
起こった事件がどういう風にキャラクター達に関係していくかとか
考えながら読んでいくのも楽しかった
ただ医療に関しることだけはどんなタイプの小説を読んだとしても難しい…
このお話もしかり…
ただ扱っている題材が人の倫理に関することだったから
現実の中に落とし込んでしまうと
ただただ物語として楽しんでいることに複雑さを感じることも…
マリクとアーロンの関係が少しづつ変わっていく様子とか
事件に関わっていくごとに上からの圧力とか自分の力だけではどうしようもないこととか
感情移入して読むというよりは第三者的な目で読んだ
私にしては珍しいお話 -
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「永遠についての証明」の岩井圭也さんの作品。
天才的な頭脳を持ちながら、「知識欲」と「世間」との間で苦悩する南方熊楠像を描きだす。
「永遠についての証明」の主人公も同じように特性を持ちながら、「世間」との戦いに負けてしまったが、この南方熊楠は周囲に支えられてなんとかギリギリもちこたえた。
それでも大事な集会に酔っ払って殴り込むとか「なんでそんなことするの!」と松枝婦人に代わって怒りたくなる。
とにかく南方熊楠の行動が奇々怪々すぎて、丁寧に書けば書くほど現実感がなくなってしまったのが残念。
こんな人におすすめ↓
☆博物学や民俗学に興味のある人
☆和歌山県に縁のある人
☆脳の特性がある方が -
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犯罪を犯した少年たちが、家庭裁判所で審判を受ける際に、その権利を擁護、代弁する付添人。
付添人の朧太一は、少年少女に寄り添い生活や将来へのサポートをしていく。
子どもの犯罪は奥がとても深く複雑で、一筋縄ではいかないものが多い。家庭環境や学校、職場などの人間関係を表には見えない部分まで探り出していく姿は圧巻だった。
朧自身も過去に毒親の指示で少年院へ入っていた経験を持っていることが、付添人として子どもたちを救いたい気持ちに繋がっている。
そして、子どもたちを救いの手を差し伸べることで、過去の自分自身を救ってもいるのだろう。
子どもとはいえ、犯罪を犯した罪が許される訳ではないけど