岩井圭也のレビュー一覧

  • 夏の陰

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    3年前に刊行された単行本に加筆修正した文庫版。単行本は未読なので詳細は不明だ。
    殺人者の父親を持つ岳と、父親を殺された和馬。加害者の家族と被害者の家族という違いはあるが、2人には共通点があった。その象徴として剣道がある。
    本書は父親を失った家族の物語、少年の成長譚、贖罪の行方など様々な読み方ができるが、ぼくは本作を“ハードボイルド”と捉えた。ミステリーの1ジャンルではない。男の生き様の話だ。人はいかに生きるのかという話なのだ。

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    2022年04月26日
  • 水よ踊れ

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    1996年の香港。
    13歳から17歳まで香港で暮らしていた和志は、その時に知り合った彼女の死が忘れられず、大学での交換留学生として香港へ。
    そこで、彼女の死の真相を調べる。

    これは、政治が絡んだ事件だった。
    すべて政治で決まる。
    殺人事件をなかったことにするのも…。

    とても複雑な流れではあったが、結末を知ると納得できる。
    どの時代であっても、すべて政治で、ものごとは決まるというのも世の中の常なのかと思うとやりきれなさを感じた。

    読みながら2003年1月に香港へ行ったことを思いだした。
    香港のイメージといえば、狭い場所にやたらと高くて細長いビルが建ち並んでいる…窮屈で閉塞感を感じたように思

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    2022年02月02日
  • 水よ踊れ

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    いつも個性的な設定で、悩める主人公を登場させる。
     返還前の香港で、過去を問い直す交換留学生(建築学)か。

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    2022年01月30日
  • 水よ踊れ

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    めちゃくちゃ良い/ 97年の、まだアナログだった時代の猥雑な香港の感じとか学生たちの生活感とか、空気が懐かしくてのめり込んでしまう/ 少年時代の恋人の死の真相を探ろうという大学生の主人公が普通の子で良い/ スーパーマンじゃないし、頭が抜群に切れるわけでもない/ 作品内のあらゆる事象に丁寧な振りがあって好感が持てる/ 主人公の名前ひとつ取っても、しっかり意味が持たせてある/ 後半のタクシー運転手とのやりとりも、大きなオチのフリに使っているわけだ/ かなり計算して色々決めたんだろうと思う/ 細かいところを抜きにしても、同じ屋上に住んだ二人の少女の心中を慮ると本当に切なくて悲しい/ ただ、最後の〝救

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    2022年01月12日
  • 水よ踊れ

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    1997年7月の中国返還を間近に控えた香港を訪れた1人の日本人留学生。彼は昔、香港に住んでいたことがあり、ある目的を持ってこの地を再訪したのだった。ミステリー仕立ての構成だが、犯人探しが目的の小説ではない。自由の象徴としての香港や、様々な事情で母国を去らねばならなかった人々の思いが交錯し、読む手が止まらない。最終章が理想論になってしまったのは惜しいが、読み応えのある力作だった。

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    2021年10月31日
  • 水よ踊れ

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    返還前の香港、愛していた少女が目の前でスラムのビルから落ちて死んだ。犯人を目撃した和志は警察に告げた後家庭の事情で帰国する。3年後香港の大学に留学し、彼女の死の真相を調べる。この謎、事故死にされた理由が物語の本筋だが、本当の面白さは香港の人々の風景、空気、難民や本土からの違法入国など共産党支配の影に怯えつつ戦う人々にある。
    歴史物としても恋愛友情モノとしてももちろんミステリーとしても読める力作だ。

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    2021年09月28日
  • プリズン・ドクター

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    奨学金の返済を免除してもらうために仕方なく就いた矯正医官の史郎だが次第にその仕事にのめり込んでいきます。こういう成長物語、好きです。
    病だけでなく、その奥にある罪も治療する姿が良いね。是非とも続編を。

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    2020年08月06日
  • プリズン・ドクター

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     主人公は、タイトル通り刑務所のお医者さん。でも本人が希望した職場ではない。しかも、若い医師に対する患者の受刑者は見下してくる。助手の人もベテランで、新米の若い医師には立場が逆転したかの様に次々と経験値から言える指導をする。日々、薬を求めて受診に訪れる患者(受刑者)は詐病を訴えるのが多い中、本当の病気を疑う症状を見逃さない感性が真剣に病の症状に悩む犯罪者を救う結果になる。
     主人公の母親は認知症を患い看病で生じるトラブルもある。そんな家庭環境を理解している彼女との恋愛では、級友の女友達とのいざこざもある。医療のメインストーリーの合間に描かれている私生活も苦楽が満載である。
     冒頭の場面は、犯罪

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    2020年07月23日
  • プリズン・ドクター

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    神経内科医としてのキャリアを目指していたのに経済的理由で奨学金免除の義務を果たすべく3年だけと刑務所の医師、矯正医官となった是永史郎。
    刑務所であるから患者は犯罪を犯した海千山千の受刑者。医務の助手は准看護師の資格を持つベテラン刑務官。限られた医療体制に薬剤、検査方法。そんな環境下でも、主人公は研修医を終えて即、単独でしかも総合医的な診断をしなくてはならない。
    帯には本格医療ミステリー的な扇情的なフレーズが書かれているが、受刑者の病状を明らかにする過程は、数年前にNHKでやってたドクターGのカンファレンスを彷彿させる。
    またミステリーよりも矯正医官としての成長するヒューマンドラマと感じる。学生

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    2020年06月20日
  • あしたの肖像

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    ネタバレ

    デビュー作「永遠についての証明」の芸術編と思わせる展開だったが、エンドは違っていてなんだかホッとした。

    音信不通になった理由は解けなかったけれど、
    なるほど、従弟については、結果あるあるかなというオチも。

    いずれにしても、未来は明るい、そう想像できる世界があった。

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    2026年02月22日
  • あしたの肖像

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    自画像を描き続ける小滝英哉。
    小説最初からこの男の言動に言いようのない嫌悪感があった。
    彼女を妊娠させてしまった行為の稚拙さ、妊娠が分かった時の身勝手な対応など、主人公に魅力がない。
    そのうえ怪しいタイムトラベルらしき挿話で、物語を良い方へ無理やり持っていくには無理があるように思う。

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    2026年02月19日
  • パパたちの肖像

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    パパ作家7人による家族の物語。
    著者たちも、日々こういうことを考えながら家庭と向き合って奮闘しているのかと思うととても興味深かった。

    当たり前だけど「父親」と言っても、いろんなタイプがいる。本作に登場するのも、妻の負担を軽減しようとおっぱいを出そうと奮闘する父親から、息子が一人暮らしする家を用意周到に内見する超真面目な父親までさまざまだ。でもどの父親も一生懸命でかっこよかった。

    子育てでは母親の大変さがやはり前に出てきやすいし、それは事実だろうけど、父親も妻との家事育児分担や周りの余計な言葉、自分の仕事など、たくさんのものに追い詰められ追い込まれて、こりゃ大変だなぁと感じた。
    本当に他人の

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    2026年02月19日
  • 飛べない雛 横浜ネイバーズ(2)

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    ドラマ化されるということで。タイトル通りヒナ掘り下げ巻。ヒナのひみつが明かされる。ドラマではどう描写されるかな?

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    2026年02月16日
  • 中華街の子どもたち 横浜ネイバーズ(6)

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    ネタバレ

    今までの読後感と同じ感じで、母と決着をつけられてよかったねという感想。ヒナに想いを伝えるのは「結局そこかよー」と予想していたけど、思ってたよりよかった。いつでも自分を認めてくれたとか応援してくれたという人がヒナで、だから好きだって伝えて泣いちゃうなんて、すごく人間らしいね。まあまあでしたが、ちゃんと6冊目まで読み切ったのでそれなりに好きになりました。

    「感動の第一シーズン完結」とあるが、続編もあるのか、、、?!

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    2026年02月15日
  • 夜更けより静かな場所

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    ネタバレ

    【読書会】癒されるー。ホッとするー。静かな書店でアルバイトに憧れる。『おまえうまそうだな』は実際に泣きそうになった絵本。『隠花』にあったゾンビの詩、これがめっちゃ好き。血、伝染、腐った肉等ゾンビっぽさと、ぬくもり、家族になれたら等優しさが当たり前のように共存していて可愛い。あと、古本が高価なことを初めて知って驚きました。幸せってお金じゃない。仕事に人生を奪われてはいけない。自宅に大量の本は置いておけないけど、自宅兼古書店ならたくさん置けるな。本当に羨ましい。

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    2026年02月11日
  • 最後の鑑定人

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    鑑定人シリーズの第一作。そういえば読んでなかった。
    何か事件が起きて、その犯人を追い詰めるためとか動機を探るとか事件の突破口としてなんらかのトリッキーな鑑定を土門誠が行う流れ。
    一編が割とサラッとして読みやすい。鑑定の専門的なところは語り手である人物が基本的にわからないという体なので小難しいところはなし。そして寡黙で無愛想な土門の過去が話の核になっていくというのはこの後のシリーズでも受け継がれていくわけで。
    そんな読みやすい反面、トリックとかはあっさりなのでミステリとしてはちょっと物足りなく感じるかな。あくまでもミステリ風味のお仕事小説であり土門の過去話というかキャラクターを楽しむ一冊と割り切

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    2026年02月08日
  • 横浜ネイバーズ

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    とにかく主人公はいいやつ。
    エンタメとしては王道で読みやすい。
    相棒の強い人が活躍するアクションシーンを続編で楽しみにしてます!

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    2026年02月08日
  • 真珠配列

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    岩井圭也さんの作品かつSF設定が面白そうということで本作を手に取りました。帯コメでディストピア感を謳っているほど、絶望感はないが何とも言われる結末だったかなと思いました。

    本作はバイオテクノロジーが進歩した中国でのお話。癌の進行が不審なほど急激に進行し、立て続けに4名の方がなくなる。そのことに不信感を抱いた警察官である主人公が捜査に乗り出すというお話。

    バイオテクノロジーの研究をお仕事としているので、設定は割とすんなり入ってきましたが、馴染みのない方からすると、塩基配列とかクリスパーキャスとか難しいのかなと。ただ、現実でもバイオテクノロジーの進歩により新たな社会問題が生まれているのでSF設

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    2026年02月08日
  • いつも駅からだった

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    気軽にサクッと読めた。なぞなぞは得意じゃないけど何回かページ巻き戻しながら読んだ。短編やけど最後の話に全部繋がってるのが良かった。府中編と最後の聖蹟桜ヶ丘編が良かった。

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    2026年02月07日
  • 追憶の鑑定人

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    民間科学鑑定人・土門誠シリーズ第三作。

    これまで科学鑑定人としてはスペシャリストだが、取っつきにくい彼の姿が描かれてきたが、この作品ではその能面のような表情の裏に人間らしさが見えてくるようになった。

    大学時代の同期である、猪狩愛(大学教授)、鳥飼(気象サービス会社代表)、窪(麻薬取締官)三人との絆が主に描かれていて、シリーズとしては異色な気がするが土門の新たな魅力を引き出すための展開だったのだろう。
    これまでの二作品だと土門は生きづらそうだなと感じていたので、助手の高倉以外にも土門を理解し寄り添えている人がいて良かったと思う。

    さらにこれまで科学以外は信じないと言っていた土門が、人を信じ

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    2026年02月07日