岩井圭也のレビュー一覧
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12月29日は、南方熊楠文学忌。熊楠忌です。
南方熊楠の「文学忌」(熊楠忌)を季語・文学忌として提唱した人は、
「南方熊楠顕彰館(初代館長)・中瀬喜陽(なかせ きよう)氏とのこと。
岩井圭也さんの参考文献にも何冊かお名前があります。博物学者で生物学者の文学忌は、とても珍しいと思います。
そこに民俗学への功績と 多大な日記、書簡が認められているということなのかなと思います。
さて、と書きつつ、南方熊楠という人物を、私は本当に知っていたのかというと心許ない。
柳田國男との関係性の中で、その名を見聞きしていたかもしれない程度。
民俗学の文脈で、「異才」といった認識だったように思う。
岩井圭也さん -
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「最後の鑑定人」の前日談。
刊行はこちらが後だが、主人公の土門誠がなぜ科捜研を辞めて民間の鑑定所を立ち上げることになったのか、その理由が明かされる。
「最後の~」の土門は取っつきにくい、科学のことしか頭にないような名探偵キャラクターだったが、こちらではその土門に人間らしい感情があることを教えてくれた。
本作では『科捜研の砦』と呼ばれている土門が、今回も彼ならではの様々な視点で真実をあぶり出していく。
ただ彼だからできたということではなく、科警研や大学などにも協力を依頼しているので、彼一人で出来たということではなく、執念ともいうほどの真実を追究する姿が描かれていた。
一見、科学以外の、人間 -
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初めて読む作家さんです。
無差別殺傷犯を取材対象として追う事件記者が主人公の社会派小説。
犯人を他人だとは思えないほど共感してしまう主人公。けれど主人公は人を殺めたりはしていない。犯人との境界線は何か?
タイトルの汽水域とは淡水と海水が入り混じるところだそうで、人は誰もが善悪の汽水域にいてどっちに転ぶかはわからない。悪へと転ばぬために誰かや何かと(一方的でも)繋がりを持っておくことの大切さを伝えようとしている一冊だと受け止めました。
一理ありますね。
なるほどと思って興味深く読みました。
結局のところ、犯人が何をどう考えていたのかははっきりしないのでモヤモヤは残りますが、この作品のポイ -
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無差別殺人の容疑者を追う記者、安田。あんまりこのジャンルを読んでないんで取材の仕方とか新鮮に感じられる。今はもうSNSを駆使して情報を集めるんだ。一昔前はどうしてたんだろうと素朴に思う。
家族にも見放さられ、仕事にしか打ち込めない安田がどうしようもない人物に見えてくるが、有りがちなキャラにも思え中々共感は出来ない。
犯人の深瀬と同じく父親に憎悪を抱きながら生きてきたが故に心が近づいていくのはわからんでもないが、どうも物語に山が感じられず最後まで読み切ってしまった。
ただ、誰かと必ず繋がっている命綱がある限り、無敵の人にはなれない、と言う点はわかり、海斗にも伝えようとする最後の思いは良かった。 -
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冒頭、岩井圭也さんからこのようなメッセージがありました
読者のみなさんへ
この本は、普通の短編集とはちょっと違います。
京王電鉄の各駅を舞台にした五つの短編が収録されていて、各編で登場人物が「謎解き」に挑戦します。
読者のみなさんには、登場人物と一緒に「謎」に挑戦していただくことも、普通の小説と同じように読み進めてもらうこともできます。
(はい、もちろん私は謎解きなど挑戦せず、普通に読み進めました)
挑戦する場合は、「謎」 が出てきたところでいったんページをめくるのを止めましょう。読み進めると、本文中に答えが出てきます。
(はい、謎解きをしていないのでページをめくるのも止めず気に -
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2029年、北京──
常軌を逸した速さで進行する癌で有力政治家の息子が死亡し、 同様の癌での死亡事例が見つかる
これは偶然なのか? 連続殺人なのか?
事件を解決するために刑事と遺伝子エンジニアがタッグを組んで立ち向かうのだが、、、
はい、出てくる出てくる難しい単語が!
ほー、ゲノム編集ですか
へぇー
ほー、人工塩基ですか
ふぅーん
ほー、真珠配列ですか
はーいっ
なんのこっちゃですね!
ちんぷんかんぷんです!
だけど、私レベルになると"なんのこっちゃ"も"ちんぷんかんぷん"も物ともせずに読み進めていけます
そんなことで立ち止まっていると -
Posted by ブクログ
2029年、北京で進行する癌で有力政治家の息子が死亡し、同様の癌での死亡事例が見つかった為、連続殺人なのか?を解決するために動く刑事のアーロンと協力するのが、遺伝子エンジニアのウイグル人であるマリクだった。
最初から息の合わないアーロンとマリクだったが、禁忌の人体改変である真珠配列が組み込まれていたと知り、次第に協力するようになるのだが…
予測不能な展開でまさかの結末にことばも出ない…。
近未来のことなど予測もできないが、何かを生みだすことは理想的な未来へと繋がるのだろうか…
完璧な人類、理想的な人類ばかりだと偽りの世界のように感じてしまう。
未来は何が起こるかわからない。