岩井圭也のレビュー一覧
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熊楠さんの作品しか読んでいない岩井さん。
これはかなり 面白く読め 一気読み。
季節労働者として集められたいわば流れ者の男女。
40歳までという勤務条件だから、まぁ平成、令和の空気感が良く出ている行動、会話内容。
一個の遺体が発見されたところから流れは激流に。
よく海外物ミステリーにある「一夜話」
7人のそれぞれにある事情が、どれもあるあるで、身をつまされそうになってしまう。
キャラ設定が巧みな性か、荒唐無稽の展開がない。
筆者は我が家の息子らより少し下。
北大農学部大学院出身と言えども、そっち臭くはなく、手垢が付く道事情描写がないのは新鮮。
サスペンスを通してポイっと投げてきたメッセ -
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舞台は横浜中華街。20歳の主人公とその仲間たちで問題を解決していく4編の連作短編。
トー横キッズの横浜版や特殊詐欺など、ニュースで見るような現代のリアルな社会問題がテーマとなっている。
主人公にクセがないので読みやすく、軽くサクサクっと読むには良いのかな。
現在このシリーズは『6』まで出版されているけど、多分続きは読まないと思う^^;
約1ヶ月勝手にひっそりと開催しました『岩井圭也さんフェア』ですが、残り1作品で終了しようと思います^_^
岩井圭也さんは、デビューからまだ7年なのに驚くほど多くの作品が出版されていて、私はこの作品で14作品目。
全部読みたかったけど、この5作品は見送りま -
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ネタバレ南方熊楠の名を知ったのは、水木しげる先生の漫画。小学生だったと思うが、全く分からなくて断念。漫画なのに!?と衝撃を受けたことを覚えている。
ハヤマ兄弟との関係性が同性愛者としての熊楠のようなのだが事実かどうなのか判然としない。
弟のツネグスが献身的に援助する理由と、それを打ち切った時の気持ちはすんなり理解できた。
息子が精神病になってしまった時の葉書は実在するのだろうか。
この作品では粘菌の研究内容についてよりも内面描写が多く、同じ葛藤が繰り返し描写される。人間熊楠を表現したかったのかなとは思うのだが、常軌を逸する研究熱を疑似体験出来なかったのが残念。また、交友関係ももう少し広そうなので、 -
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奨学金免除のため、しぶしぶ刑務所の医者になった史郎先生。
【罪を犯した人間にも医療を受ける権利はある】
刑務作業を休むためや、医薬品欲しさに詐病も多い。詐欺師もいるし、殺人犯もいる。
受刑者の医療費は受刑者からではなく、税金で運営している。
限られた予算の中でどこまでケアを行うか…。
普通の医療ものにはない葛藤がある。
次第に史郎先生は病だけではなく、患者の人生ごと診察していく。
そしてまた介護問題かー。。。
本音を言えば介護は私の日常なので、小説まで介護の辛い話を読みたくない…。
ただ、史郎先生の気持ちと重なる部分もあって感情移入してしまった。
科捜研の土門さんにはハマれなかったけ -
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ネタバレ今までのような興味を広げてくれるタイプの作品ではなく、ミステリーっぽい作品を読んでみた。
「警察を呼ばないで」
彼らには、それぞれ人に言えない秘密があった。自分の無罪を主張するために、1人ずつ過去を語り始めるが。。。
それぞれの過去が辛くて重い。
全員の悲惨な過去を聞き続けるのが苦痛になってしまった。
私は現実逃避で読書してるので、この手の現実にありそうな重い話は苦手だ。
その中には自分が直面している介護問題もあり、自分で傷口に塩をズリズリ塗り込んでいるような感じになって読むのが辛かった。
【「いやぁ……俺が代わりに面倒見たいくらいだよ」「だったら、やってみろ」】
兄弟のセリフがリアル過 -
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主人公は小柳龍一(通称ロン)
ロンの実家は横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」
オーナーである祖父、良三郎からいずれその座を継ぐつもりであったが、「翠玉楼」は閉店を迎えることとなりその目論見は外れ、毎日ぶらぶらと暇を持て余している
そんな暇っ子ロンの元に次々と厄介事が持ち込まれてくる
特殊能力なんて何も持たないロン
強いて言うなら普通の人よりも「頭のネジが一本外れているのかな?」というぐらい
それも特にびっくりするような外れ方ではない
つまり、普通にいそうな青年が仲間と共に事件を解決していく物語
普通っぽいところがこの物語の良いところなのかも
短編でサクッと読みやすいですし