岩井圭也のレビュー一覧

  • いつも駅からだった

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    やっぱり知っている場所は感情移入しやすい
    謎解きも兼ねて京王線乗ってみようかな?

    更に短編なので、読みやすさに拍車をかける

    幸太郎〜(Rockyのセリフ「エイドリアン」風に)

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    2025年10月19日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    【収録作品】
    「ダディトラック」 外山薫 
    「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫 
    「連絡帳の父」 岩井圭也 
    「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏 
    「息子の進学」 石持浅海 
    「髪を結ぶ」 河邉徹 
    「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ

    それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
    家族の形に正解はない。
    今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
    せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。

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    2025年10月08日
  • 追憶の鑑定人

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    鑑定人・土門誠シリーズ第3弾。
    警察の捜査が間違った方向に行きそうなところを、土門の鑑定が真相に導いた四つの事件。

    土門誠、高倉柊子、相田直樹、都丸勇人らに加え、土門の大学時代の同期三人が登場。友人関係を通して、学生時代の土門の人となりが明かされていくのも面白い。

    ベンチャー企業代表の鳥飼、麻薬取締官の窪、大学教授の猪狩とこれからもシリーズに関わってきそうな個性的な面々が楽しみ。
    そして、彼らの前では少しだけ感情が溢れる土門が可愛い。
    ドラマは敢えて見なかったのに、本を読みながら土門が藤木直人に変換されそうになって嫌だった〜。ドラマ化ってだからね…

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    2025年10月08日
  • 永遠についての証明

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    数学的なことは何一つ理解できなかった(知識がないので)のですが、読みやすかったです。
    数学者というと遠い世界の人という印象なので最後まで読めるかな?と思いましたが、人間臭さがリアルに描かれていて、敬遠することなく読み切れました。

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    2025年10月05日
  • 科捜研の砦

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    科捜研の技官で最後の砦と評される土門誠を中心に、彼を通して事件の解決に携わる人々を描いた連作短編集。

    警察組織って大変そうだな、というのが一番の印象。技官と、現場に出る捜査員達の立場の違い等、本当に大変そう。それでも、たんたんと科学に殉じて結果を導き出す土門。そんな土門に、影響されていく周りの人々…。
    この先どうなるのかな?という、終わり方でしたが、どうやら続編があるようで気になります。

    ハラハラとしたサスペンスではありませんが、短編集で読みやすい作品でした。

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    2025年10月04日
  • 追憶の鑑定人

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    科捜研で働いていた鑑定人が4つの事件を科学的に解決していく。焼け跡からや体の中からなど、まずは物的証拠を見付けるところからしてスゴイ。そして、それを根拠に犯人までたどりつく!本当に科学って素晴らしいし面白い。シリーズ物でドラマ化もされているらしい。

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    2025年10月02日
  • いつも駅からだった

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    この作者さんをもう少し嗜んでみる、の4冊目。

    下北沢、高尾山口、調布、府中、聖蹟桜ヶ丘―、京王沿線を舞台にした短編集。
    東京に住んでいた頃は小田急沿線だったので京王にはあまり縁がなかった(渋谷からの帰りに下北沢まで乗ったくらい)のだが、それでも『謎解きはいつも駅から始まった―』というのは鉄道好きにはそそられるよねえ。
    と思って読み進めていたのだが、謎解きはクイズみたいで、駅を中心にした街歩きも行ったり来たりを繰り返しているだけのような、なんだかちょっと薄い感じに、う~ん…となった。

    「あとがき」を読めば、京王電鉄とのコラボで、電鉄会社としては“移動ニーズの創出”、作者さんとしては単行本や文

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    2025年09月28日
  • 永遠についての証明

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    ネタバレ

    学者として真理を追究するための才覚と集中力を持ち合わせながら、社会性が少し足りなかったがために、身を滅ぼす結末を迎えてしまう切ないストーリーであった。瞭司に容赦なく厳しい指導をする新教授や、自身の生活を優先せざるを得ず、旧友との距離が深まっていく熊沢の描写を見て、残酷だけれども次の展開が気になってしまい、ページをめくる手が止まらない。
    結局、サラリーマンのように、才能ではなく世の中の立ち振る舞いが「生活者」としての基礎であるため、瞭司1人だけでは、社会的な成功はおろか、生きていくこともままならない現実を突きつけられた。
    もし、瞭司と熊沢と佐那の3人が、共にビジネスパートナーとして新規に民間で起

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    2025年09月28日
  • われは熊楠

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    岩井さんのサバイブを読んで岩井さんのファンになり、2冊目はこの本、熊にたどり着きました。全然サバイブと毛色が違いますね。少し驚きました。
    でも結構面白く読ませていただきました。
    研究者というものは孤独で少し寂しいものなんですね。最後に人の一生を終える描写はなかなか迫力もあり、これが現実の人の終わり方なんだなあと妙に納得してしまいました。
    筆力はある作者なのでもう一冊読んでみたいと思います。

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    2025年09月27日
  • パパたちの肖像

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    共働き育児経験者なら昔の自分達夫婦を思い出し、未経験者にはこんなものなのかと思わせる小説。
    物語はかなりデフォルメされているが、子育てにおいて父親は母親には絶対的に敵わないという事は、当然のように再認識させてくれた一冊だった。
    軽く読むにはちょうど良いと思う。

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    2025年09月21日
  • いつも駅からだった

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    謎解きはいつも駅から始まった…。実在のスポットが目白押し!実際に謎解き体験できる参加型ミステリー。
    ミステリーというジャンルも本当に幅広くなった。関西在住なので名前しか聞いたことのない駅ばかりだが、雰囲気は伝わってきた。ただミステリーとしては物足りない。

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    2025年09月16日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    2025/08/20予約2
    母親はお腹の赤ちゃんと十月十日一緒に過ごすからこそ、だんだん母になっていく。その姿を見ているだけでは父親になれないんだな。この7人の父親は、その家族にとってのあるべき姿というより、ありたい姿を試行錯誤しながら進んでいく、とても今どきの夫婦だと感じた。
    最後の「そういう家族がそこにある」、これは2人で考え専業主婦を選んだ家族の話で、主人公のパパにいい友人がいて救われる。誰にも外から見えない悩み葛藤があるよね。
    面白い視点の本だった。

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    2025年09月15日
  • 汽水域

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    少し刺さる部分があり、自分自身にも投影して考えることがあったので良かったです。

    中年になり人生の折り返し地点で過去のことを振り返れば、良い思い出より後悔することの方が多い。勉強をもっと頑張っておけば良かった。新入社員で入った会社にもっと心血を注げば良かった。家族や友人ともっと誠実に向き合えば良かった。などなど、本書を読み進めるたびに思い起こしていました。

    無差別殺人を起こす人物が過去にどのような人生を送ってきたのか、どんな心理状態にあったのか、事件の真相を事件記者が追っていく過程がとても良かったです。

    贅沢できなくてもマイナス面が少ない子供時代を過ごせることが、いかに恵まれていることなの

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    2025年09月11日
  • 汽水域

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    SL 2025.9.8-2025.9.10
    誰もが常に、善悪の汽水域を漂っている。
    無差別通り魔事件。犯人はなぜ犯行に及んだのか。被害者の思い、時に理不尽なまでに責任を追求する気持ち。ジャーナリストは中立な報道ができるのか。
    こういった事件の加害者がここに至る背景や、被害者の誰に責任をぶつけても救われない思いとか、答えの出ないいろいろを考えさせられた作品だった。そしてジャーナリズムのありかたも。

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    2025年09月10日
  • 汽水域

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    重たい。岩井さん、理系から文系に?二度と悲惨な事件が起きないように、その動機や社会的な背景を抉り出し社会に警鐘鳴らすのが事件報道の意義だろうけど、現実社会は表面なぞるだけのケースばかり。下世話な好奇心満たすだけで、主人公のような深掘りは…そもそも本人だって動機、理路整然とは語れない。「誰もが常に、善悪の汽水域を漂っている。100%の善や悪に浸かっている人間はいない。その時々で異なる濃度に身を置きながら、どうにかバランスをとって生きている。しかし、ごく稀に、極端な場所へ流されてしまうこともある。汽水域にいる限り、そちらへ流されないという保証はどこにもない」ここでも運か⁈

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    2025年09月05日
  • 竜血の山

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    舞台は北海道東部、フレシラ鉱山という場で始まる。
    水銀鉱床を巡るノンフィクションであり、ミステリーでもある。
    最近嵌まっている伊予原作品の科学ものとはまた違ったテイストだ。

    主人公アシヤ∼水飲みという語が繰り返し作品中に出てくる。特に悲劇が起きた後には。
    生来、自分の出自に疑問はあるものの、繰り返される差別苛めに立ち向かっていくうちに、身についた「不死身の」身上。

    フレシア鉱山の組合トップにまで上がりつめる。
    だがその身上から出た錆?で二重生活を余儀なくされ、3人の子を持つ。そしてまだ続く黒い悲劇と湖の謎に絡む不可解な出来事。

    水銀=竜血。
    水俣病に連なっていくとはいえ、或る意味 昭和期

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    2025年09月05日
  • 完全なる白銀

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    この作者さんをもう少し嗜んでみる、の3冊目。

    舞台になるのは、北米最高峰のデナリ。私の世代にはマッキンリーのほうが通りが良い。
    某大統領が就任直後にこの山の名前を変えるように命令していたが、本当にまた昔の名前に戻ったのかしらん?(レビューは、本の通りに「デナリ」で書いておく)

    冬季デナリ単独登頂に挑み下山途中に消息を絶ったリタの足跡を追って、二人でデナリに登る緑里とシーラ。
    アラスカの小さな島での彼女らの出会いからの日々と、そこから15年後の二人の登攀の経過が交互に語られる話は軽い中身でスイスイと読める。
    地球温暖化、人種差別、女性差別などを塗しながら進む話は巧く構成されていると思うが、掘

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    2025年08月28日
  • 永遠についての証明

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    ネタバレ

    わたし自身、大学の時に数学を専攻していた事もあって少しだけ親近感を覚えながら読んでいた。
    難しい証明や理論についての概要は丸ごと飛ばされ、非常に文学的な説明に言い換えられていてその辺はちょっと物足りなさを感じた。でも多くの人に見てもらう小説なら、こういう形の方がいいのかもしれない。
    岩井圭也は以前、『文身』を読んでとても感動したので、それと比べると非常にあっさりとしててシンプル過ぎる印象だけど、これがデビュー作と聞いてなるほどとも思った。
    暸司が酒に溺れていく姿は本当に痛々しいし、熊沢の傲慢さも人間らしくてとても良い。

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    2025年08月17日
  • われは熊楠

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    南方熊楠の一生。明るい描写は天皇への進講くらいであとは暗めの話かな。時間がとんだ時期に熊楠がどうしていたかを知りたかった。

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    2025年08月11日
  • 汽水域

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     いやぁ、キツい!岩井圭也さんはどこに重点を置いて描いたのかわからないが、私にはジャーナリストの仕事が本当にしんどいと思えてならない。

     確かに色んな意見を受けるのはしょうがないかもしれないけれど、よほど信念を持ってないと務まらない仕事だと思った。

     主人公はフリーのジャーナリスト。仕事を理由に子育ての手伝いもせずに、妻との関係が悪くなり離婚している。そんな安田は取り決め通り、定期的(決して積極的ではない)に息子と会っては釣りなどをして過ごしていた。

     さて、無差別殺傷事件が起こり、安田は取り憑かれたようにその事件を追う。犯人は『死刑になりたい』一心で犯行に及んだ。なぜ死刑になりたかった

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    2025年08月04日