岩井圭也のレビュー一覧

  • 文身

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    凄い作品に出会った。
    作品自体がその時代背景があるからなのか、昔好きで読んでいた昭和の文豪の小説を読んでいるような不思議な感覚を感じる。

    まずタイトルが「分身」ではなく「文身」。読後考えてみて「分身」でも違和感なくストーリーと共和する気がするが、さらに彫っての「文身」なのだろうと推測。

    「現実と虚構」というテーマ、読後に考えてみれば作品全体に蔓延り、読者である自分も作品を読みながら「現実と虚構」が整理がつかずグチャグチャに混ざりなんだかわからない状態になる。
    虚構を読んでいるのにその中の虚構に虚構か現実かが分からなくなってくる不思議さ。

    そこを上手くミステリー風に仕立てている感じが凄く関心を引っ張られていく。

    これは凄い作品だと。

    文体や言葉の表情等は違うのだが、太宰治の「人間失格」ような不思議な魅力を感じる、文学史に残るべく作品かとも思う。

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    2023年03月28日
  • 永遠についての証明

    H

    ネタバレ 購入済み

    読み応えあります

    む〜ん 後半の暗さである瞭司の苦悩が、私には辛かった。その上で、熊沢の苦悩も辛い。一方で、平賀先生の対応が今の世界の普通の対応でないかとの思いが捨てきれず、現在の生き難さを示していると思う。その上、平賀先生本人は苦悩が無いのであろう。これも真実。
    瞭司の凄さを理解すると共に瞭司二世が出てきたという、このような終わり方で良いのだろうかという、不満が心の底にある。

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    2022年10月20日
  • 文身

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    ネタバレ

    なんとも表現し難い作品でした。
    あまりの展開に嫌悪感が募り、顔を背けたくなりながらもどうしても先が気になり読んでしまう。

    昔のウッチャンナンチャンのバラエティ番組で『未来日記』というコーナーがあったのですが、それを思い出しました(歳がバレる笑)。司令書に未来の日記が書いてあって、そうなるように自分たちで動いていくのです。
    この物語の主人公は兄弟ふたり。15歳の時に偽装自殺した弟が、その後姿を隠して小説を書き続け、兄の名前で世に出す。その小説は私小説として発表する。
    「私小説は自然主義の文学であり、現実にあったことでなければ書いてはならないという認識すらある。」
    でも普通の私小説と違うのは、弟が書いた小説の内容を後から兄が経験するというところ。
    ここまで読んで、え?ということは、序幕で書かれていたあの場面は弟が書いたシナリオの結果なの?と気付き、なんとも言えない嫌悪感が‥‥。
    どこまでが事実でどこからが虚構なのか?この兄弟を結びつけているものは何なのか?
    何とも言えない薄暗い物語でした。
    でも、先が気になってどうしてもページを捲ってしまいました。



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    2025年09月23日
  • 夏の陰

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    父親を殺害された和真とその犯人の息子の岳。犯人とその家族に憎しみを抱く和真。剣道にその憎しみをぶつけるように生きている和真と生きている資格がないと思いながら剣道をする岳。何のために剣道をするのか、生きているのか。この思いを抱えた先にあるのは何か。二人の思いは違えど抱えてる痛みや苦しみはどこか似ていてだから理解し合えない。その二人が交わる終盤の展開と剣道の試合の描写はなかなか圧巻でそれまでの二人の人生がそこに凝縮されている。著者の作品はまだ数作しか読んでないけれど読むほどにハマっていく面白さがある。

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    2022年05月20日
  • 夏の陰

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    3年前に刊行された単行本に加筆修正した文庫版。単行本は未読なので詳細は不明だ。
    殺人者の父親を持つ岳と、父親を殺された和馬。加害者の家族と被害者の家族という違いはあるが、2人には共通点があった。その象徴として剣道がある。
    本書は父親を失った家族の物語、少年の成長譚、贖罪の行方など様々な読み方ができるが、ぼくは本作を“ハードボイルド”と捉えた。ミステリーの1ジャンルではない。男の生き様の話だ。人はいかに生きるのかという話なのだ。

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    2022年04月26日
  • プリズン・ドクター

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    奨学金の返済を免除してもらうために仕方なく就いた矯正医官の史郎だが次第にその仕事にのめり込んでいきます。こういう成長物語、好きです。
    病だけでなく、その奥にある罪も治療する姿が良いね。是非とも続編を。

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    2020年08月06日
  • プリズン・ドクター

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     主人公は、タイトル通り刑務所のお医者さん。でも本人が希望した職場ではない。しかも、若い医師に対する患者の受刑者は見下してくる。助手の人もベテランで、新米の若い医師には立場が逆転したかの様に次々と経験値から言える指導をする。日々、薬を求めて受診に訪れる患者(受刑者)は詐病を訴えるのが多い中、本当の病気を疑う症状を見逃さない感性が真剣に病の症状に悩む犯罪者を救う結果になる。
     主人公の母親は認知症を患い看病で生じるトラブルもある。そんな家庭環境を理解している彼女との恋愛では、級友の女友達とのいざこざもある。医療のメインストーリーの合間に描かれている私生活も苦楽が満載である。
     冒頭の場面は、犯罪者が逃亡している情景が描かれており逮捕される瞬間で終る。その場面が中盤になり、診察の状況を一変させる。逮捕された犯罪者と主人公の医師の関係が後半の中では主軸になり、最後には背けていた感情を少し和らぐ変化が読み取れる。
     不本意な感情が使命感を帯びて、前向きな気持ちに変化していく様が仕事の面、私生活の面で並行して描かれているところが現実の自分の生活を見直す考えを促される気がする。

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    2020年07月23日
  • プリズン・ドクター

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    神経内科医としてのキャリアを目指していたのに経済的理由で奨学金免除の義務を果たすべく3年だけと刑務所の医師、矯正医官となった是永史郎。
    刑務所であるから患者は犯罪を犯した海千山千の受刑者。医務の助手は准看護師の資格を持つベテラン刑務官。限られた医療体制に薬剤、検査方法。そんな環境下でも、主人公は研修医を終えて即、単独でしかも総合医的な診断をしなくてはならない。
    帯には本格医療ミステリー的な扇情的なフレーズが書かれているが、受刑者の病状を明らかにする過程は、数年前にNHKでやってたドクターGのカンファレンスを彷彿させる。
    またミステリーよりも矯正医官としての成長するヒューマンドラマと感じる。学生時代の仲間、刑務所のスタッフ、家族、恋人、そして受刑者たち。物語が進むに連れて、主人公との距離感が近づいたり離れたり。楽しめた。

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    2020年06月20日
  • 檻を出ろ!横浜ネイバーズSP

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    山下町の名探偵の初長編。対象はアジアの国を拠点とした特殊詐欺。実際にありそうな犯罪がベース。そこへ乗り込んでいく小柳。いつもの通り無鉄砲。でも少し、弁護士の勉強を始めたからか、頭が前あるようになってきたような。
    それでも問題も解決も簡単すぎ。一直線に解決して終わりだ。新たに登場した女性刑事がちょっと面白い。欽太と仲良くなっていきそうだ。

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    2026年10月08日
  • 風車と巨人

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    展開は想像できるけど結末が全く予想できない、稀有な作品。おかげで一気に読んでしまった。
    主人公を含め嫌な登場人物ばかりで終始胸糞悪いのだが、逆にそれがリアルで良かったりする。
    あのSTAP細胞を思い出した。

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    2026年10月04日
  • 中華街の子どもたち 横浜ネイバーズ(6)

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    season1がとうとう終わり!ロンの母親ともやっと決着…?祖父も歩み寄ろうとしてて拍手。そしてロンの仲間達、皆で大円団!勿論、ロンも自分の気持ちに気付いて満足。ロン達と一緒に駆け抜けた横浜ネイバーズでした。

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    2026年09月24日
  • 風車と巨人

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    「STAP細胞はあります」とBBCのトランプ大統領演説捏造を思い出した。

    物語としては面白かったんだけど、主人公が性格悪く感じてしまって、読んでいて微妙に嫌な気持ちが続いてしんどかった。
    汽水域読んだときもそうだったから、著者の主人公観(描写法?)と合わないのかもしれない。

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    2026年09月23日
  • ディテクティブ・ハイ 横浜ネイバーズ(5)

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    今回はロンの頼れる先輩欽ちゃんの話。うっわ…格好いい。第5巻にして1番好きになってしまった。番狂せだ。縁の大事さを感じられるそんな話でした。とうとう次で第1シーズンは終わり。このまま突っ走る!

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    2026年09月23日
  • 人生賭博 横浜ネイバーズ(4)

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    今回はマツがメインの話。マツの恋愛の顛末は切なかった…。マツ、幸せになってくれ。そしてロンとヒナの関係がやっと…!?進むか!?マッチングアプリやAIとか本当令和だわ…。

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    2026年09月19日
  • 凪の海 横浜ネイバーズ(3)

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    横浜ネイバーズ3巻目!今回は凪にスポットが当たった話。仲間を全力で助けるロンの熱い気持ちが凄く良い。内容は本当今どきではあるが…だからこそ考えさせられる。こんな仲間欲しかったなぁ…。

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    2026年09月17日
  • 汽水域

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    無差別殺人事件を追うフリーの記者の父親との関係、息子との関係を描いた話でした。驚くような話や、どんでん返しはないですが、ジャーナリストの苦悩がリアルに描かれていて、読み応えがあります。

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    2026年09月16日
  • 飛べない雛 横浜ネイバーズ(2)

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    お気に入りのヒナが大前進!でもこんな幼馴染達、私にも欲しかったなぁ。信頼し合ってるのが凄く感じる。そして相変わらず題材は重いが、そうと読ませない文体。これはタイトル通り1人1人に焦点が合っていく感じか。ロンの母親とも何れ決着つくんだろうな。

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    2026年09月15日
  • 横浜ネイバーズ

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    池袋ウエストゲートパーク!!横浜に行きたくなった。若い子達が横浜の事件解決って軽い話だろうっと思って読み始めたら侮るなかれ。滅茶苦茶事件!ドラッグや詐欺などなど。主役のロンのこれからの成長に期待。

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    2026年09月14日
  • 永遠についての証明

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    【永遠についての証明】

    「数覚」を持つ者達の才能や苦悩を描いた作品。特に瞭司の孤独については考えさせられた(ᵕ̩̩⩊ᵕ̩̩ )数学の部分は分からなかったけれど岩井圭也さんの描く美しい描写と世界観に魅了された1冊。

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    2026年09月13日
  • この夜が明ければ

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    みんな訳アリ過ぎ。笑
    ちょっと現実味には欠けるものの、心理戦や徐々に明かされる秘密の展開に引き込まれ、最後までサクサクと読める一冊だった。

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    2026年09月12日