岩井圭也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ人間の欲望や嘘から広がる波紋がじわりじわりと暗い闇に引きずり混むような怖さの短編集。
岩井圭也さんで期待し過ぎたのか、何個かちょっとラストが想像つくものがあり★3。
極楽
パチンコ依存の借金から逃げるために認知症のふりをする事で行方をくらました清江。
介護施設に身元不明者として保護されることに成功するも、退屈な毎日と本当の認知症の入居者と接するうちに清江にも変化が現れてくる。
堕ちる
一生涯妻を描き続けた無名の画家、藤代恒彦は妻が病死した翌日に自殺した。
海外でのキュレーターの夢も叶わず32歳まで非正規で独身の加奈は焦っていた。
ようやく決まった縁もゆかりもない市の美術館で任された藤代恒彦 -
Posted by ブクログ
ネタバレ露骨にミステリーなタイトルと主人公無双系と想像して読んでみる。結果、半分正解って感じ。ミステリーでなおかつ推理力で無双ってのは外してなかったものの、登場人物が割と少なめゆえにあまり深く考えずとも犯人が察せてしまう章があってその辺りが微妙。
犯罪に至るまでの動機や犯行手口を詳らかにするのに重点を置いているという意味ではこれでいいのかもしれないが…。まあ、逆に言えば犯行手口については結構よく練られていてそういう鑑定方法があるのかと学になる一面も。
シリーズものらしいけど一作目にして科捜研を辞めた理由が明かされたけどこの先は大丈夫そう? -
Posted by ブクログ
仕事だけでも大変なのに、当たり前のように家事・育児との両立が求められる令和のパパ。大変でないはずがない。
女性活躍の必要性が叫ばれるようになり、日本型雇用慣行のもとで、女性が育児と両立しながら働き続けることの難しさは、広く認識されるようになってきた。だからこそ、女性が働き続けるためには男性の育児参画が不可欠だという流れは、ある意味で自然なものだと思う。
一方で、男性にとっては前例のない大きな負荷が課されているにもかかわらず、それが「当然のこと」として求められている側面もある。(かくいう私自身も、夫にそれを求めている一人だ。)
こうした本を通じて、「パパも大変なんだ」「それでも頑張っているん -
Posted by ブクログ
具志堅用高さんの
「ちょっちゅね〜」
ガッツ石松さんの
「(ディズニーシーに行ったとき)ディズニーAとBはどこにあんの?」
「(喫茶店で隣の客が「すみません コーヒーブラックで下さい」と言うと)じゃあ 俺 ホワイト!?」
など、ボクシング界には数々の名言があります
このような名言は対話の中から生まれるものです
しかし、岩井さんはこの作品を書くにあたり、「言葉によるコミュニケーションが主流の時代に、言葉ではない対話の形を描きたいと思いました。」とおっしゃっています
本作は、話そうとすると言葉が詰まり、人と上手に会話できない青年がボクシングに出会い、自分を変えていくという王道の青春ストー -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
交感原理
雑踏に消ゆ
見知らぬ水底
灰色の追憶
元科捜研の土門誠の学生時代の仲間たち(猪狩愛、鳥飼、窪)との絆が描かれる。
「交感原理」 大学教授の猪狩愛に協力を要請。離婚後ストーカーと化した夫を殺したという妻の事件。
「雑踏に消ゆ」 気象予報会社に勤める鳥飼から花火大会の日の事故を検証するよう依頼される。
「見知らぬ水底」 マトリの窪。水死体の鑑定で麻薬の成分が見つかる。
「灰色の追憶」 大学内の火事で一酸化炭素中毒になり記憶を失った猪狩。放火を疑う土門は徹底した調査を行う。
土門の人間性が描かれる。いい仲間がいてよかった。 -
Posted by ブクログ
芸術家志望も大変。趣味で絵描いたり、彫刻刀握っている分には楽しいんだろうけど。何度も表紙見返したが、哀しみ?虚無?何と表現すればいいんだろう?この表情。そして、この肖像画は小滝くん?最後はきれいにまとめているけど、小滝くん、あっさり別れちゃダメだろう。どう理屈つけても自分勝手。岩井さんの引き出しの多さには感心するけど、ミステリーとしてはモヤモヤ感残った。「肖像画には、その人そのものが表われる。絵は時に、写真や映像よりも雄弁に物語る」なぜか唐突に「麗子像」頭に浮かぶ。「肖像画は、ただ見たまま描けばいいというわけじゃない。描かれている人の内面が滲んでいなければ、絶対にその人には見えない」ふーん。
-
Posted by ブクログ
この作者さん、何冊か読んできたがどれもが載っている★の数ほどには私には刺さってこず、なんとなく相性の悪さを感じているところだが、今回はどうかな。
かつて科捜研のエースとして活躍しながら、“ある事件”をきっかけに辞職をし、今は民間の鑑定所を立ち上げた土門と、彼のもとで働く助手の高倉。
帯にはドラマで演じた藤木直人さんと白石麻衣さんの写真。そう言えば、配偶者がテレビで観ていたのを、横目で見たことがあるような。
科捜研ではその能力から「最後の鑑定人」と呼ばれていた土門のもとに持ち込まれる鑑定依頼の話が4つ。
挨拶代わりの最初の話から、いささか変質的な顛末にはちょっと引く。
12年前に起こった強盗 -
Posted by ブクログ
岩井圭也さんの作品は多種多様でいつも驚かされる。
今回の作品は、美大生が自画像を描くことをライフワークとしながら、自我に向かい合い、生きることの苦悩と葛藤を描いた内容。
芸術の探究が趣味の領域を超えて、生きる術にしたいと考えた人は、こんな風に思い悩むんだろうか。
描けなくなることがイコール、死までも連想させる。
さらに、若さ故の不器用さや純粋さ、青春のほろ苦さが、これでもかと迫ってくる。
きっとそこに身を置く者にしか想像できない世界があるのだと思う。そして、そんな特異な世界へ静かに読者を誘う岩井さんの引力がすごい。
静寂感と緊張感のただよう作品だが、結末も予想外で驚いた。
何者?という