岩井圭也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
岩井圭也さんの新作です
ザバイブも、土門の新作も
なかなか借りられそうにない、、、
と思っていたら入荷ホヤホヤで本書が並んでおりました(o^^o)
これは借りるしかない!!!
何も知らずに読み始めると
どうやら中国が舞台のよう。
カタカナ苦手族なんだが、、、
と思いつつ読み進めました
聞き慣れない言葉や文化はありつつも
問題なく読めました(´∀`)
誰が誰かわかりやすくて
岩井さんうまいな、、、、
そして舞台が中国であることで
違和感が最小限になっているなと。
リアリティが増していて
またまたうまいなと思いました
どんな話かって??
遺伝子の話です。
2029年、北京。
常軌を逸した速さで進行する癌で有力者の息子が死亡した。これは仕組まれた連続殺人なのか?
刑事偵査総隊の刑事アーロンは、ウイグル人の遺伝子エンジニア、マリクとともに捜査を行なう。
やがてアーロンとマリクは、生命科学上の闇に直面し……
作中ではゲノム編集、つまり遺伝子を編集した食材や生物が一般的になっています。
たとえば肉付きのいい牛を養殖することで、同じ手間でも生産量を増加させたり
同じトマトでも栄養価を高めたり。
木材もゲノム編集することで生育スピードを速め、強度やしなやかさに優れた木材になったり
そして人体にも、、、。
人の倫理観に訴えかける作品というか
なんだか背筋がぞぞぞーとする話でした
後半は畳み掛ける展開で星一個増やしました(^^)
相変わらず作品のペースが速すぎ!!
そしてまた新たな分野を開拓した岩井さん
これからも追いかけます(゚∀゚) -
Posted by ブクログ
「三人殺せば死刑になる」と無差別に通行人を刺した深瀬。
フリーの記者・安田は週刊誌から依頼を受け、その事件を追う。深瀬の同級生や担任、元恋人の取材を通じて次第に明らかになる過去。
他の媒体が深瀬を残虐な犯人と報じる中、元同僚は彼の印象が悪人とは違ったと語る。会社の不正を許せず上司に詰め寄った過去があり、周囲との衝突があったという。報道に違和感を抱いた元同級生もまた、深瀬の正義感めいた人間性や、父の借金で東大進学を諦めざるを得なかった過去を語る。
タイトルの「汽水域」とは淡水と海水の混ざる境界域を指す。我々もまた、ある種の汽水域に漂っているのではないか。自分が「正しい」と信じることが必ずしも正解として判定されるとは限らない。しかし深瀬は、正しいと信じたことを全て正解にしたかったのだろう。
本書はタイトルの汽水域を比喩に、善と悪、加害者と被害者、オールドメディアとウェブメディアといった複雑な領域を描き出す。
最終章では、息子が生まれてからも父性を感じなかった安田が、事件を通じて小さな父性の芽生えを経験する。だがそれは離婚後の最後の面会でのことであり、安田の喪失感に胸が締め付けられた。ただ、ライターとしての背中を見せるという小さな光を見出し、絶望のまま終わらなかったことに救いを覚えた。 -
Posted by ブクログ
400ページ超えの大作だけれど、面白くて一気に読み終わってしまった!
昔TBSでやっていた、
ベンチャー企業をおこす若者たちについてのドラマ「ユニコーンに乗って」に
「半沢直樹」に出てくるような敵役を出している感じの作品。
ただ、主人公を末期がんのステージ4サバイバーにしたことで、
主人公の、仕事、ひいては生きることへの熱量が圧倒的でぐんぐん引き込まれた。
何もやりたいことがないけどただ起業したい、と思っていた学生が、
がんに打ち勝った経験から、
どんどん仲間を増やし、メンターに会い、でも次々に困難が降りかかって、、
まったく飽きずに読み進められた。
仕事へのやる気が湧いてくるような作品。 -
Posted by ブクログ
y yさんのレビューで、本書と『文身』の繋がりを教えていただき、なぬ?読まなくては!と思い手に取りました。
『文身』は私にとってはかなり衝撃的な物語でした。弟が書いた小説の内容を後から兄が経験する、そして経験した後に自分の私小説として兄が世に出す、それもその内容がもう‥‥。
その兄の娘が本書には登場します。やはり、小説家として。
主人公は遠野茉莉子という舞台女優。自分の中身は空っぽで演じることでしか生きることができないと思っている。その演じ方がストイック過ぎて、実際に経験したことでなければ演じられないという信条で、自ら辛い目に遭いにいく。
その狂気じみた行動が『文身』を彷彿とさせて、薄気味悪くなります。さらには茉莉子が惚れ込み、ぜひ演じてみたいと思う作品を書いたのが、あの『文身』の兄の娘。
もう薄気味悪さでお腹はいっぱいなのに、どんどんページは捲ってしまいます。
でも、『文身』と違っていたのは、茉莉子がそうなってしまったのは、原因があると思えたところでしょうか。いつも演じている、中身は空っぽ‥‥なんて、結構みんな思っていることなのでは、と思うのですが、茉莉子は母親との関係やそれまでの経験から、人並み以上の傷を心に負っていたのだと思います。
そう思うと茉莉子に一人でも心を許せる人がいたなら、と思ってしまいます。 -
Posted by ブクログ
冒頭を読み始めたときは少し難しくて、最後まで読めるか不安になったのだけど、一章一章読み進めるうちにどっぷりと世界にはまって一気に読んだ。
天才が生きる上での生きづらさ、周りの理解や葛藤。そういった決して明るいだけではない道のりの先に先人の知識がある。そんな鬼気迫るまでの知への欲望が痛々しくも魅力的だった。
辛くとも自分の道を突き進むことで周りに希望を与える人っているんだな。と思った。
物語の中に度々登場する「如来」について、若干ファンタジーの要素はありつつ、案外人智を超えたひらめきというものは神がかり的なものなのかも知れないなとも思ったり。
とりあえず、読み切れてホッとしている(笑 -
Posted by ブクログ
毎年この時期に戦争に纏わるものを読もうと思って2年目。今年は「最後の鑑定人」の岩井先生の著者を手に取ってみました。
太平洋戦争勃直前のサイパンを舞台にしたスパイものとのことで、スパイ映画的なモノ(前に読んだもので言うなら「破滅の王」なような)を勝手に想像してしまっていたのですが、主人公は元教師の温厚な人物で、こんな人がスパイなんて出来るのか?と首を傾げてしまいました。…が、見るからにスパイ!みたいなキレものっぽい人だと逆に諜報活動してもすぐにバレてしまうんですかね?自分が同じ立場になったらここまで立ち回れるか。四苦八苦しながら日本で待っている家族のために諜報活動を必死に続ける主人公の姿に心を打たれながら読み進めました。
全体を通して1つの話なのですが、4章+終章から成り立っていて、各章で1つの諜報に関わる事件が描かれています。史実をベースにした話なので4章では戦争が始まってしまい個人の尊厳が軽んじられる時勢になってしまいます。4章の中では戦争の中で主人公がどうなったのか分からないまま終わり、終章で戦後の話が描かれ主人公がどうなったか明かされますが涙涙でした。最初、本のページをめくった際に短歌が載っていて、短歌を嗜まないわたしにはなんのことか?で、さして気にも止めず最後まで読み進めたんですが、最後に繋がってまた涙でした。
ありきたりな感想と思われるかもですが、戦争は古今東西を問わず人間が人間としてのあるべき姿を奪ってしまうものであり、いかなる理由があっても戦争はしてはならないと再認識しました。 -
Posted by ブクログ
横浜中華街の名店「翠玉楼」を営む祖父に育てられたロンこと小柳龍一は高校のときに起こった事件を解決したことで〈山下町の名探偵〉というふたつ名を持つ(本人はダサくて嫌)。真面目に働くのが嫌で店を手伝いながら二十歳すぎまでブラブラしていたのだが、時代の流れで儲からなくなり、祖父が廃業を決め、将来のことを考えて始める。そんな時、高校の同級生の妹が、横浜駅西口のヨコ西というエリアで事故死。警察ももう追わない事件の真相を知る男を探して欲しいと人伝に頼みが来て…
といったふうに、身近なのに、結構ハードな事件を望まずに解いていくロン。「洋洋飯店」息子でロンと同じくフリーターの趙松雄、あることがきっかけ(ここが2巻の内容に繋がるらしい)で部屋から出られない引きこもり美人幼馴染みヒナ;菊地妃奈子、SNS多重人格者。神奈川県警刑事部捜査一課の岩清水欽太(29)は実家が中華街で幼いときからの兄貴分など、元々の仲間達が魅力的なのに加え、依頼を解くと、またその人たちが協力してくれる仲間になっていく。ロンが特別な力も能力もないのに、正義感はあって(強くはないけど、絶対曲げない)暇だからと手助けし、知り合いは裏切らない。そういう性根の真っ直ぐなところと、何にも怖じ気づかず突入していくネジの飛んだ感覚が手が届くような格好良さがあって、共感しながら読めました。横浜の地理感覚があって、没入して楽しめるのも良かったです。
登場人物が魅力的で内容も読みやすいけどしっかりしているので、ぼちぼち読み進めたいと思います。個人的には★5寄りの★4。
暴力表現がなかなかハードな部分あるのと、性的な犯罪などもあるので、中学校以上。