岩井圭也のレビュー一覧

  • 水よ踊れ

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    香港の政治的背景を熟知していれば、もっと楽しめたのにと、自分の無知を恥じました。日本は金銭的に恵まれていますが、大事なのは心だなと改めて気付かされました。瀬戸が創る新しい街を見てみたいと思います。

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    2025年01月22日
  • 楽園の犬

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    第13回うつのみや大賞

    死の覚悟をもって南洋諸島で戦時下を生きた人達が描かれる。 
    今ならわかることだけど、その覚悟は自死として発揮されるべきではない。
    どうして捕虜になって生きながらえることが悪徳なのか。
    命さえあれば未来がつながるし、どんな形でも愛する人には生きていて欲しいのが人として当たり前だと思う。
    当たり前の感覚が通じない時代に、軍人ではなくスパイとして人の死を見てきた麻田が辿り着く「死は死でしかない」という悲痛な叫びが胸を抉る。
    途中、麻田がスパイとして事件を解決する短編集のようで短調に思えたけど、後半はスピード感がありローザや堂本少佐の意思に迫り、麻田の行く末に手に汗を握る展開

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    2025年01月21日
  • この夜が明ければ

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    登場人物みんなが抱えてる秘密が現代でも誰かしらが抱えてるように思えるもので...みんな苦しい過去を生きてきたんだな...って思った。みんなの秘密が暴かれていくシーン、そんなに辛い過去があったんだって心苦しくなりながら読んでた。ルールを守るのは確かに大事だけど、必ずしもそれが正解じゃないっていう彩子さんのセリフは刺さったな。自分がもしそんな立場に立ったらどうするかなって思う。とにかく一気に読んだし、面白かった。

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    2025年01月19日
  • 完全なる白銀

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    三人の女性達の雪山登山
    一人は、新鋭の女性登山家として、活動していたリタ 彼女は地球温暖化により故郷の島が海に沈む事に心痛めていた
    故郷の惨状を世界に知らしめるためデナリ単独登頂に挑んだ
    しかし「完全なる白銀」を見たという言葉を最後に消息を断つ
    一人は、プロカメラマンとなった日本人女性
    リタとは旧知の仲
    一人は、リタの幼馴染で登山家のシーラ

    リタの登頂を証明すべく、残された二人は冬山に挑んでいく
    山岳小説であり友情の物語であり
    そして、地球温暖化、人種性別の差別問題にも抵抗して社会派の面も読ませてくれる



    それにしても岩井さんは、短期間に幅広いテーマに挑んでいますね

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    2025年01月12日
  • この夜が明ければ

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    各章で語り手になっていない人物がほとんどいない作りになっており、結末の予想がつきづらかったです。
    それぞれが抱える過去がどれもつらく、全員幸せになってもらいたいと思いました。

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    2025年01月03日
  • われは熊楠

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    南方熊楠は粘菌の研究家と思っていたが、それどころではなく、菌類や植物、およそ自然の中に生存するものすべてにはつながりがあり、そのすべてを知り尽くしたいと望む人であった。
    脳に持病があり、(死後の脳から海馬に萎縮が見られたことがわかった。原因の一つかもしれない)てんかん発作や癇癪を起こしたり、暴力を振るったりするので、寄行も絶えなかった。

    評伝のようでもあるが、小説として色々なファクターを含んだ描きかたがしてある。宗教的な問いかけがあったり、男色を匂わせる要素も取り入れ、(実際は不明だが、研究していたことがある)熊楠の頭の中の表現は独特だった。それは熊楠の情熱であり、自分のidentityを問

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    2024年12月31日
  • 楽園の犬

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    ネタバレ

     そうだったのか。と、参考文献を読んで納得した。なぜこういう設定の小説が生まれたのか。南洋通信だったのか。
     虎になる男のことは、コメント欄では、あまり話題になっていないのかな。

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    2024年12月13日
  • 舞台には誰もいない

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    ──私はもう、遠野茉莉子という役から降りた。
    私は今、誰でもない、ただの〈私〉だ。──


    語り手は幽霊の茉莉子。
    ずっと自分自身を演じて生きてきた。
    演じる事でしか生きられない人生とは…


    最初から最後まで不穏な空気を纏ったまま、物語は進行していく。
    しかし重苦しくは感じず、すいすいと頁を捲ってしまうのは、私が岩井さんの文章を好きだから?


    人間は誰でも、様々な顔を持っていると思う。
    職場での自分、実家での自分、友人の前での自分、家族との自分…
    と、それぞれ違うはずだ。
    では一人でいる時こそ、本当の自分なのか?
    それもよく分からない。
    だって、どれも自分だから。


    しかし茉莉子はこうい

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    2024年12月06日
  • 楽園の犬

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    戦時下のサイパンで海軍の諜報活動をせざるを得なくなった麻田健吾の話。ある意味、密室とも言えるサイパン島で海軍少佐から無理強いされる諜報活動における推理ドラマと、戦争に翻弄される民間人の苦悩の両方を見事に描いている。

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    2024年12月04日
  • 舞台には誰もいない

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    ネタバレ

    女優 遠野茉莉子がゲネプロの最中に奈落に落ちて亡くなった。公演は中止となり、劇場に関係者が集まる。それを袖からそっと見ている茉莉子。茉莉子が自分の過去を語っていく。


    ちょっと思っていたのと違った。ミステリーだと思っていた。
    茉莉子の死が事故なのか、自殺なのか、他殺なのか、それを問題にする話かと思っていたのだけれど、そうではなかった。なのに、読ませる読ませる。ハードカバーの分厚い本なのに、一気読みしてしまった。
    単にあらすじだけ書いてしまえば、「面白くない話」と私は思ってしまっていただろう。しかし読んでいると目が離せず、次を読みたくなる。茉莉子の生き方は共感を得にくいし、そりゃ病むわ、と思わ

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    2024年12月04日
  • 水よ踊れ

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    コルビジェの都市計画が鍵を握ってて、めっちゃ面白かった。(プロットがシャレオツ!)

    アジアの混沌。いろんな国から来た香港人のそれぞれの視点が見えて興味深く、香港の街並みも独特の魅力があった。(時折り画像検索しながら読んで楽しかった。旅行気分。)
    登場人物も皆魅力的。(特にベトナム人のトゥーイや、大学の同級生の女子たちがよかった)

    でも主人公が軟弱すぎて、ちょっと辟易した。でもそれが現代人っぽくて良かったのかな。最後のペナンの計画は、ん??と思ったが、その辺も主人公の軟弱さを現してる気がする。

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    2024年12月01日
  • 科捜研の砦

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    科捜研時代の土門の連作短編集 4編
    最後の鑑定人の第2弾

    「科学は嘘をつかない」
    という信条の元、科捜研トップの鑑定技術と知識の科学鑑定で真実を追求する土門
    土門の現在の状況の一作目を補完する第2作

    各作品とも 土門に関わる他者からの視点で描かれるのですが、信念ある有能な変人ですので
    最初は、受け入れ難い様子
    隠蔽捜査の竜崎さんと同じで 最後は結局信頼していくんですね
    すごく読みやすい質と量なので、どこかに連載していたのかと思ったのですが
    「罪の花」以外は、書き下ろしとのこと
    どんだけ書いているんでしょう

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    2024年11月29日
  • いつも駅からだった

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    ストーリーも連作で面白かったし、最後の謎解き仕掛けも良かった!!!
    実際に謎解き街歩きやりたかったなー

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    2024年11月24日
  • この夜が明ければ

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    季節バイトに集まった7人のうち、1人が遺体で見つかる。犯人捜しのミステリに進むのかと思いきや、意外な方向に。
    先が気になって一気に読んだ。
    踏み出した明るい場所に待つものが、本当に夜明けなのかは分からない。
    ただ、過去への執着やしがらみから抜け出し、意志をもって踏み出す一歩こそが、自分を変えていくのだと感じた。

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    2024年11月24日
  • 舞台には誰もいない

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    ゲネプロ中に奈落に落ちて死亡した女優、遠野茉莉子。彼女がなぜ死んだのか?彼女の生い立ち、遠野茉莉子がどういう人間だったのか?を幽霊となった遠野茉莉子が、自分自身を淡々と語っていく。
    たぶん淡々と語る口調が、人の怖さを感じさせる効果があるんだろうな。なんか終始怖かった。

    まず彼女の生い立ち。毒母のせいで感情が欠落してしまう。高校生の時、女優になろうと決めたきっかけがあるんだけど、そこが怖い。感情が欠落してるせいなんだと思うけど、とっさにあんな行動が出来るものなのか?

    女優の遠野茉莉子も怖い。役作りのためにそこまでやるのか?そこまで追い込むものなのか?役者という職業をよく知っている訳ではないの

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    2024年11月23日
  • いつも駅からだった

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    全体的に読みやすい本でした。
    大きな事件がある訳ではないですが、知っている地名が出てくる分実際にその街に行ってこの本をもう一度読みながら歩いてみたいなと思いました。

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    2024年11月19日
  • 舞台には誰もいない

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    主演女優が舞台直前に亡くなった、ミステリーと思いきや主人公がこうしなければならなかった切ないノワール文学に近い本でした。
    岩井圭也さんの作品は楽しみに拝読していますが、今回も期待を超えた深い洞察で、読み進めながらも考えさせられる内容でした。

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    2024年11月17日
  • 楽園の犬

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     舞台は太平洋戦争開戦前の1940年のサイパン。タイトルの「楽園の犬」の犬とはここではスパイのことを意味します。
     スパイと聞くとドラマや映画ではなんとなくかっこいいいイメージもありますが、実際には孤独で常に危険と隣り合わせの命を賭けた任務のように思います。スパイであることにいいことは一つもないように思えてしまいますが、抜けたくても抜けられなくなってしまうのでしょうね。
     日本ではスパイ活動を取り締まる法律がなく、世界からは「スパイ天国」と言われているようです。大丈夫なのかな?
     第二次世界大戦のさなかに勃発した太平洋戦争では、アメリカには石油等の資源量、経済力や軍事力でも到底敵わないことをわ

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    2024年11月16日
  • 舞台には誰もいない

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    ゲネプロの最中に不可解な死を遂げた女優・遠野茉莉子。
    事故なのか、自殺なのか、『幽人』の関係者たちが彼女について語りだすのだが、ラストに幽霊になった彼女が語ったのは…。

    母親の言いなりに生きて、自分の感情を露わにすることがなかった彼女が、高3の夏に母を事故で亡くしてから好きに生きようと東京へ出た。

    自分以外の役柄を演じることができるなら別の誰かになれると役者の世界へ。
    最初についた役の名前〈遠野茉莉子〉を芸名にし、影響を受けた劇作家・名倉敏史が信奉するメゾット演技を武器にして名だたる舞台女優となったのだが。


    彼女にはしばしば母の幻影が取り憑いていたのも誰かを演じなければ自分というものが

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    2024年11月14日
  • 飛べない雛 横浜ネイバーズ(2)

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    ネタバレ

    横浜ネイバーズの第二弾、第4章のマザーズ・ランドは地面師の話で特にサクサク読み進めることができた。QRコードを使った詐欺やSNSなど現代を表したわかりやすいストーリーだと思う。

    心に残ったワード
    P60 大半の人はあなたを外見で判断する。しかしごく一部の人は外見以外の部分に目を向けてくれる。ルッキズムに満ちた世の中は誰があなたに取って本当に大事な人かを教えてくれるはず

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    2024年11月10日