【感想・ネタバレ】付き添うひと 子ども担当弁護士・朧太一のレビュー

あらすじ

弁護士・朧が、子ども達の閉ざされた心に向き合う、感動のヒューマン大作。 過去の経験を通して、付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)の仕事に就いたオボロ。彼に舞い込む依頼の先では、簡単には心を開かない、声を上げる方法すら分からない子どもたちが、心の叫びを胸に押し込め生き延びていた。オボロは、彼らの心に向き合い寄り添う中で、彼らとともに人生を模索していく――。

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Posted by ブクログ

岩井圭也さんの作品 3冊目のこちら

主人公朧太一が、弁護士として色んな事情を抱えた子どもたちを助ける物語

朧自身も過去の自分と向き合いながら、
子どもたちのために日々奮闘している姿に
めちゃくちゃ感動しました

子どもの弁護士をする人を付き添い人と呼ぶことを
初めて知りました‪‪‪‪‪

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

子ども担当弁護士、コタン。
成人には弁護士が付くが、未成年には...?
未成年の担当弁護士、通称コタンは、あらゆる背景を持つ子供達と向き合い、荒れた子供達のその後の人生が良くなるよう伴走していく。

過去に学び、これからをどう生きるかを考えさせる役割を担う。成果や結果を求められる社会において、地道に人と向き合うことが価値とされる仕事。AIにはできない仕事だと思った。

適切な理解者、そしてサポートがあれば、更生はできる。そう思わせてくれた一冊。

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2025年04月18日

Posted by ブクログ

自らも少年のころに罪を犯してしまった過去がある弁護士が、少年の弁護士にあたる「付添人」として、子どもたちに寄り添い支えていくエピソードをつづった物語。

私は子どもの声を聴く傾聴ボランティアを長くやっていて、子どもに心の内を話してもらうことの難しさをずっと考えながらやってきてるんだけど、「なんでも話して」なんて言ったって、その相手を信用できなければ自分の本当の気持ちなんて話せないと思うのね。

主人公の朧太一が言う「ここは安全です。落ち着いて話してください」っていうひとことをどれだけ責任をもっていえるか。そういった言葉たちをいくつもかみしめながら読んだ。

エピソードと並行して主人公自身の心の傷もにも焦点が当てられていくんだけど、支える人をまた別の人が支えて…というひとのつながりで得られる癒しみたいなものも描かれているのがとてもよかった。

ボランティア仲間にも勧めて読んでもらって、感想を言い合ったりしたりもしたんだけど、それをそばで聞いていた他の人も読み始めたりして、うちのボランティア界隈でちょっとした「付き添うひと」ブームが来ているのも最高にいい。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

子どもは親を選べない。
すごく苦しい題材だった。
血は繋がってなくても
オボロ先生のような笹木さんのような
心を預けれる人が近くにいてくれたらいいな。
続き出して欲しいです!!

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

スラスラ読める。とても良かった。読後、解説の弁護士さんの『自分自身と目の前の相手を大事にしながら、子供たちや社会のあらゆる人々に付き添うことのできる素敵な「付き添うひと」が、この小説を通してまた一人増えた事、すなわち、この小説の読者の方とここでこうして出会えたことを、弁護士としてとても嬉しくおもっています。』の言葉に感動おぼえた、、

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2025年08月27日

Posted by ブクログ

暗く辛い経歴の弁護士オボロが 少年たちの心に向き合い寄り添う中で、彼らとともに人生を模索していくーー。 そしてオボロにも付き添う人が現れた。

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

子供時代に親に強いられて窃盗を繰り返していた朧弁護士。
その時の経験から、弁護士になって少年に寄り添う仕事に就く。

子供の苦しみに寄り添い、味方になってくれる大人が増えれば、子供たちはどれだけ救われるだろう。

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

 2000年の少年法改正により、少年審判の手続きや処遇を適正に進めるため、裁判所に協力する役割を果たす「付添人」(主に弁護士が担当)が公的に認められたとのこと。つまりは、被疑者の少年(少女を含む)の味方となる人ですね。

 本作は、副題の「子ども担当弁護士・朧太一」が主人公の、5話からなる連作短編集です。名前はオボロ、見なりはオンボロ‥、でも少年たちへ寄り添い、手を差し伸べ続ける熱い心の持ち主で、自身が過去に傷を負っている背景がありました。

 オボロは様々な問題を抱えた子どもたちへ真摯に対峙しますが、彼らはなかなか心を開かず、SOSの声の上げ方もわからないようです。それでもオボロの丁寧な語りかけが少しずつ彼らを変容させ、徐々に内に秘めた心の叫びを吐き出していきます。各話とも、リアルな描写に心が痛みます。

 これらの要因を辿っていくと、親たちの傲慢で勝手な言動に行き着きます。結局、翻弄されるのはいつも子どもで、心の逃げ場を失って自分を諦め、前向きな思考ができなくなっていくんですね。
 法整備が進んでも、それだけでは対処療法で根本的な解決にならないのは自明です。親や周囲の無自覚が子どもを追い込んでいると理解し、他人事ではないと胸に刻む必要がありそうです。

 とまあ偉そうに書きましたが、深刻で重い内容ではあるものの、オボロの奮闘と短編ゆえか、結構さらりと各話が展開していきます。最終話で、オボロ自身が救われる終わり方もよかったです。
 辛い思いをしている、かつてしていた全ての人へ伝えたいですね。「過去・他人は変えられないけれど、未来・自分は変えられる」と‥。

 岩井さんの想いがオボロに反映され、温かな筆致で優しく先を照らしてくれる一冊でした。

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

初めましての作家さんです。
主人公は朧太一、弁護士。
少年犯罪において弁護人の役割を担う付添人をしている。
5つの話が収められていて、
ホームレスを襲った少年とその友達の話
親の虐待から逃げてきた少女の話
親の支配から家出を繰り返す少女の話
自分の部屋に引きこもった少年のSNS炎上の話
親が会社のお金を横領した少年の話
それぞれの事に真摯に向き合って、その子にとって一番良い環境、未来を探すのですが、そうする中で主人公、朧太一も自身の過去と向き合い出口を探して行くという話。
この話を読んで思ったのは、子どもは環境に一番影響されるということ。子ども相手の仕事をしていると感じていたことですが、「やっぱりな」と思いました。
そして、付添人がどのようなことをするのかも知ることができました。
少年鑑別所、子どもシェルターなどのことも出てきました。
子どもたちのためにたくさんの人が関わっていることも知れましたが、実際は人手不足だろうと思います。
少年少女を取り巻く現状と未来をリアルに力強く描き出した、感動ヒューマンドラマとカバーに書かれていましたが、私はお仕事系の話にも思えました。

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2024年09月22日

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