織守きょうやのレビュー一覧
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短編集。
私の思い描いていた「脱出」より、より広義な意味での脱出がテーマだったかな…。
阿津川辰海さんの屋上に閉じ込められて…というのが最も私の思う脱出に近かったんだけれども、途中何だか策略が読めて、冷めてしまった感がある。
もっとこう、皆が脱出に向けて一丸となってという話が読みたい。
織守きょうやさんの森から出られなくなる話は好み。なぜか名前を思い出せなくなってしまうという設定と、真相は分からないがなぜ森が人を離してくれなかったのかその理由を面白く感じた。
私にとって森は神秘的だが恐ろしい場所でもあるので、森に囚われるという話は結構ドンピシャだった。 -
Posted by ブクログ
140文字で描く怪談。ほとんど歌詞のような意味不明な内容のものからオチまでちゃんと着いた物語になってるものまで作家それぞれ個性が出ていて面白かった。
もちろん私の好みは短くとも物語になっているものだ。下手の横好きではあるが物を書いたこともあるので僅かな字数で書くことの難しさはわかる。でもこの短編集はおそらく一般ウケは狙ってないように思う。ああ、でもWebで人気の意味怖に近いものがあるかもしれない。短すぎるだけに文章の裏を読む想像力は必要だ。
澤村伊智のは短いながらもやはりキレがあった。あとは一田和樹、岩城裕明の作品が個人的には好みだった。 -
Posted by ブクログ
想像していたミステリーとは違ったけど、ジャンルが幅広くて、自分では絶対に選ばないジャンルを読むことができたので良かった。
阿津川辰海「屋上からの脱出」★★★★★
学園ものミステリー。
自分の好きなミステリーで、やっぱり阿津川さんは面白かった。
学校の真冬の屋上に閉じ込められるスリルもあり、最後の1行まで楽しめる。さすが阿津川さん。
織守きょうや「名とりの森」★★★★★
ジャンルはホラーなのかな?
没入感が高く、ゾッとするセリフが上手い。何度も驚いた。普段読まないジャンルだけどすごく面白かった。
斜線堂有紀「鳥の密室」★★☆☆☆
魔女狩りの拷問の様子が辛かった。
人が身体的に苦しんでいる様 -
Posted by ブクログ
最後の夏生と猪瀬が記憶屋の必要性について話している場面がお互いの考え方の違いを認識しつつも、相手を尊重する姿勢での会話だったため心地良かった。誠実な会話というのはこのことを言うのだと思った。
この作品は記憶屋自身がまだ幼い事が、記憶を消すことや記憶屋の存在に対する判断をより難しくしていると感じる。記憶屋の判断か未熟であるから、一過性の気持ちの昂りでの依頼が容易く通ってしまう。一過性の感情で取り返しのつかない決断をしてしまう事は間違った事だと思う。そう考えると、記憶を消せる選択肢を容易く持てることは危ないので記憶屋は必要ないという意見にならざる負えない。ただひとつ、記憶屋が全てを卓越する神だった