あらすじ
第1話「あの子はついてない」
母と共に庭付きの一軒家へ引っ越してきた中学生の茜里。妹の面倒を見ながら、新しい学校に馴染んでゆく茜里だが、家の中で奇妙なことが起こり始める。知らない髪の毛が落ちている。TVが勝手に消える。花壇に顔の形の染みが出来る。ささやかだが気になる出来事の連続に戸惑う茜里。ある夜カーテンを開けると、庭に見知らぬ男性の姿が――。
第2話「その家には何もない」
不動産仲介会社に勤める朝見は、大学の先輩でフリーライターの高田に「曰わく付きの物件」を紹介して欲しいと頼まれる。次々に貸借人が入れ替わる家の話をしたところ、「内覧したい」という高田に押し切られて現地へ向かうことに。そこは最近まで中学生の娘と母親が暮らしていた庭付きの一軒家だった。
第3話「そこにはいない」
その家にはなぜ人が居つかないのか? 新たな住人をきっかけに、過去の「ある事件」が浮かび上がる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
第1話の茜里がいろいろ気がついちゃう人で共感を覚える。そして結末はびっくり。「そこ」への持って行き方がとても鮮やか。そっち方向で来るとはね。第2話、第3話と視点移動する展開はとても面白い。澤村伊智『ぼぎわんが、来る』を連想。あと、何と言っても、本のタイトルと章タイトルがナイス。第1話「あの子はついてない」第2話「その家にはなにもない」第3話「そこにはいない」タイトル『彼女はそこにいる』。つなげて考えると、なんとも余韻を感じるタイトルだこと。
Posted by ブクログ
一話 母娘が越してきた一軒家。娘は、何度捨てても戻ってくる人形を無事解決できたものの、続く怪奇現象に疲弊していく。
二話 一軒家でのミステリーの実態が。ホラーよりも恐ろしい事実の連鎖。
ホラーとミステリーが交互にきて、ゾクゾクしながら読み進められた。
人の思いやりがあったはずなのに、本性なんて見えないもんだな。生きる希望なんてなくたって、本人がよければそれでいいのかもしれない。と思った
Posted by ブクログ
適度な怖さで読みやすかった。落ちてる人形を拾ってくるとかあり得ないと思ったけど…やっぱりな展開が待ってる。お友達が良い子で良かったよ〜。そして最後にはお母さんの言葉に驚いた!
本当に怖いのは怪奇現象や幽霊じゃなくて生きている人間の方なのかも…?
Posted by ブクログ
初織守きょうやさんであった。3話からなる連作短編集でホラー?ミステリ?あ、ミステリかあ…と思ったらやっぱりホラーやないかい!という3話目…。私はこういうホラーとミステリ両方の要素が緻密に含まれた話が大好きなので、もし織守きょうやさんの他の作品もこういった系統なら読んでみたい
特に1話目の子どもの視点から描かれた恐怖体験は子どもだからこそ自分の言うことを信じてもらえないのではないかという助けを求められない絶望感かどうにもできない無力感などが伝わってきたし、1話終盤で明らかになるある事実も言われてみればたしかに…!となるものの何も知らないで読んでいると何も気づかないという種を仕込む巧みさ…いやー、他の作品も絶対おもしろいんだろうな…
Posted by ブクログ
つい最近ホラー好きな人から「ホラーは伏線に全て説明が付くものではない」と教わった。
だから、深く考察したらもしかしたら答えが出てくるかもしれないけど、第一章のあの現象って結局なんだったの?何を示唆してるの?とか細かい事を考えては駄目なんだと思う。
ただ、これは全体を読み終えたからこういう感想になってるだけで、第一章を読んでるときはトイレに行けなくなるぐらいにビビり散らかしながら読んでたし、あの会話で反転した瞬間は怖さとは違うゾクゾク感を覚えた。
まあ、二章三章は「でしょうね」の想定内の範疇で、ホラーでなくなったら急に万能感を纏う内弁慶みたいになった。
他の作品でも思ったけど、織守氏の「日常にまぎれている異常者(異能者)」を書くのが上手いよなぁ。文体の読みやすさがそうさせるのかな。
1章だけだと馬鹿面白かった。
Posted by ブクログ
タイトルからして、心霊物かな?
と「あの子はついていない」を読み始めたら・・・・
怪奇現象のオンパレード
「その家には何もない」で、その家の謎を解く二人のやりとりが何とも楽しかった。
「そこにはいない」で、謎解きがされるが、
最初から、気になる人物が、そうだったんだ、と納得。
でも、どうしても理解できない心理だった。
善人の仮面をかぶった人間の恐ろしさを感じた。
ウォシュレットやリモコン、そんなことできるんだと、初めて知った。
Posted by ブクログ
心霊とヒトコワをうまいこと混ぜてて面白かった。
ひとつの家を軸にうまく話がつながっててよい。
最後のオチの「男の幽霊が女に見えた」ってとこの伏線回収具合、すばらしい。
文章が平易で、なんとなくリズム感もよく読みやすい。
この著者の本、また読みたいなと思った。
Posted by ブクログ
かなり長いこと積読していましたが、とてもよかった!
2章に入ったあたりで「もしや……?」と思い、3章で「ほらな!」と思ってからの大どんでん返し。淡々とした筆致の裏にきちんと感情が乗っていて、また、登場人物もキャラが立っていて面白かったです。
母娘の関係性と、美波ちゃんとの関係性がさわやかであたたかく、それが全体のトーンを丸めていました。作者の他の作品も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
夏休みに読むのに、ちょうどいい肌寒さの、ホラーミステリーでした。
とても読みやすくって、サラッと、スッと読めて、でもちゃんと、読み応えもありました。
いちばんこわいのは、やっぱり、大家さんだなぁ。。。
Posted by ブクログ
犯人の目処は 早々についた…
でもそれ以外、第3話からの恭絵さんの事や倉木の事は予想出来ず 驚きの連続…
最後は すっきり全て完結…という終わり方じゃないから その後はどうなるんだろう…?と思ったけど 続きが気になって スルスル読めた作品だった。
Posted by ブクログ
巧みである。
ホラーとミステリの間をスイスイと行き来して読者を翻弄するのは流石だし、舞台をほぼ一軒家に設定しているのもサスペンスフルで面白い。
なんと言ってもタイトルがまたいい。読み終えてこのタイトルをこう活かしてくるのか! と唸った。大風呂敷を広げたがるエンタメ本ではないが、面白かった。
Posted by ブクログ
ホラーとミステリーの中間のような話。展開・結末は概ね予想通りだったけれど、それでも読み終えた時にタイトルの意味が分かったときは「なるほど」と思わされた。各話のつながり方も上手く面白かった。
Posted by ブクログ
最初はホラー小説かな?思ったのと違うなぁ…と思いましたが、読み進めると作者らしい物語が展開していきそして最後はそう来たか!という感じで読み終えました
意外と現実にこういう事はあるのではないかと思いました
Posted by ブクログ
ホラー小説だと思って読んだが、ミステリーとファンタジーが交ざったような連作短編集だった。
夜、一話目を読んでいたら謎の寒気に襲われて、ダウンを着て寝る羽目に。何故?霊感など皆無のはずなのに。
Posted by ブクログ
静岡は浜松の賃貸庭付一戸建
このお家にまとわりつく
ホラーでミステリーなお話
第一話「あの子はついてない」
母親の転勤(化粧品会社らしい、POLAかしらシャンソンかしら)に伴い 静岡に越してきた中学生
新しい住まいは一戸建で広いけど
奇妙な出来事が積み重なり、遂に引越しを決意
第2話「その家には何もない」
なぜか短期退去が続くそのお家
興味を持ったフリーライターが不動産業者と
物件下見のふりをして真相に近づく
第3話「そこにはいない」
今までの怪現象がミステリーの一部として解かれていく
ホラーを期待して読むと違ってしまうけど
第3話を読んで1話の答え合わせをしたら面白そう
この小説を読んで「安部公房企画展」に行きましたら、「幽霊はここにいる」という戯曲を書いていることを知りました
“論理化されてしまえば、たいていの幽霊は消えてしまう ところがこの幽霊が金もうけの道具にされてしまう” というのが安部公房の言葉
「彼女はそこにいる」の本質と似通っていると思うのだけど、意識されてたかな
Posted by ブクログ
お母さんはあなたを生んで初めてお母さんになったの、だから間違えちゃうこともあるけど一緒に考えたいな
全然本筋じゃないけど、最初のお話のなかのお母さんと娘の関係が、物語っぽく理想でありつつ、でも理想が描かれててそうなりたいなと思った。
本自体は、ただのホラーかと思いきや、そうでもなく、どういうこと??と思いながら飽きずにサクッと読めた。
Posted by ブクログ
ホラーなのかミステリなのかな?
「あの子はついてない」はドンデン返しびっくりでした。新野母娘が住んでいた家は幽霊がいるのか、それとも怪異は人為的なものなのか。
さらっと読める話でした。
Posted by ブクログ
霊より生きてる人間の方が怖いって、よく言うけどね。なんだよーリーガルミステリーを期待して読み始めたのにオカルトかよー。と思いかけて裏切られ続けた。割と心地よく。
Posted by ブクログ
読んでいて、途中から、あっ、犯人はこの人かな?と分かりましたが、最後の展開にびっくり!理由も何となく分かるけど、なぜわざわざそれを言ったのか、言い方も脅すでもなく世間話みたいだったのでそっちがこわいと思いました。
1章はほっこりするところもあり、とても良かったです!
Posted by ブクログ
一軒家を巡るお話です。複数人の目線から一軒家についての物語を展開していくのは、とても難しく飽きてしまうだろうなと思いましたが、伏線もあるので、面白かったです。
個人的には、霊的なもっと怖い話を想像していたので、結局人間の仕業か・・・となるところは物足りない印象でした。
人間の仕業かと思っていたら違った・・・的なストーリーを最後に意味深に持ってくるともっと不気味な本になるのに・・・と思いながら読んでいました。作者さんからしたら、余計なお世話ですって感じですが・・・笑 すみません。
とはいえ、一軒家を舞台にここまで話を作りこめるのが、素晴らしかったで、⭐️3つにしました。
Posted by ブクログ
★3.5
ホラーミステリー調。
もっと怖い方に振り切れるか、もっと論理的に解決するか…といった方が好み。
最後の幕切れも、え、そうなの?それでいいの?
方向性のまだ掴めない、第一章が一番楽しめる。
Posted by ブクログ
この本は3章に別れているが、最初の話しが幽霊とかの話し寄りのホラーで、あまり個人的にそそられないかなと思いつつ読み進めた。
2章で話の向きがガラリと変わる。ん?どうなるんだろうかと思いつつ、最後まで読み進めるとなるほどなという結末だった。
3章が独白が結構長くて、重い。それだけ想いを持っていたということかもしれないがちょっとくどく感じた。
そして、やはり最後に出てきた急な人からの話しには驚かされた。やはり本当に怖いのは生きてる人間。
Posted by ブクログ
まず1話、なんだ普通のホラーね〜とちよっとがっかりしたのだが、、まさかそれだけで終わらず2話、3話と同じ心霊現象の家の話、、、、、からの謎解き。
うわ〜そうか!
単なるホラーでもなく、ミステリーとの調合、面白い〜
早くからオチが読めたというレビューもあるが、私には全く謎解きできず。純粋に怖くて、早く真相が知りたい一心でした。
Posted by ブクログ
ジワジワくる怖さ
最初は心霊ものの怖さ
次に種明かし的な感じになって
犯人目線で過去何があったのか語られる。
霊も怖いけど
生きてる人間が怖いと思った。
あとは犯人の動機が何か弱いというか
そんなにこの家にこだわる
思いを感じなかった。
種明かしされる辺りが
一番おもしろかった。