織守きょうやのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最初の「記憶屋」を読んだのが数年前なので、記憶が少しあやふや。
ただ、忘れたい記憶を消してくれる「記憶屋」という人物がいるという都市伝説があるということは覚えている。
今回、「記憶屋」に知り合いが記憶を消されたという新聞記者の猪瀬が、「記憶屋」のことを知りたいと、数年前に記憶を失くしたという女子高生の夏生に接触する。
夏生も記憶がなくなったということを周りから指摘されてわかってはいたが、詳細はわからないまま。
夏生の近くにいる人物が「記憶屋」ではないかと疑う猪瀬と共に、記憶を失ったとされる人たちを夏生は訪ねていく。
「記憶屋」は何を思って、どんな対象の記憶を消しているのか…不思議なことばかりだ -
Posted by ブクログ
「記憶屋Ⅱ」の続編。前作の続きの毬谷シェフの話から。彼が記憶屋に依頼をして、記憶が消されたところだったか。さすがにまだ前作の記憶は残っている。
このシェフの気持ちも少しは分かる。彼が消したいと願った記憶は、仲良くなりたい相手との過去のわだかまり。実際そんな風に思っていたのは自分だけだったわけだが。相手は無愛想なだけでちゃんと彼を認めていたのだ。お互い言葉にしないと伝わらない。
そして終盤、記者の猪瀬に協力していた女子高生の夏生は、ここで記憶屋探しを止める。そこからが長い。記憶を消すことの善悪が語られる。同じようなやりとりを何度も読まされた感じが。記憶屋の正体は…まぁ想像の範囲内。「記憶屋0 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
第一話 鉄格子と空-河合凪
第二話 罪人-阿久津真哉
第三話 贖罪-山本芳史/北田楓
第四話 獣と目撃者-奥田佐奈/高塚智明
第五話 追放/解放
民営刑務所を舞台に、受刑者とそこで働く刑務官らが抱える事情を描く。
受刑者は人間か。
罪を犯した人と犯さない人に決定的な違いはあるのか。
理解できない人間は存在する。それでも相手を人間と見るのか。
一線を越える、と言うけれど、その一線は普通に生きていても意外にたやすく越えてしまうことがあるような気がする。越えようとして越えるのではなく、「間が悪い」ということもあるだろう。
一方で、赤崎のような人間もいる。意識するもなにもない。本能の