櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2024年87冊目】
幼い息子を失い、魂を失ったような皆川家。真面目な長女、一歩置かれたような次女、ワガママな三女と家に寄り付かない父親に、錯乱する母親。そんなある日、母親が小さな男の子を保護したことで、家族の均衡は崩れ出す。互いに憎しみあい、罵詈雑言を口にする皆川家に寄り添う謎の女と男。家族はひとつにならなくちゃ――ね。
さすが櫛木理宇さんでしたね、鬼怖い。表紙が怖かったので、覚悟はしてましたが、途中の描写は本当に勘弁してくれよと思うほどでした。依存症シリーズを拝読していたので「いや、からの〜?」って思いながら祈るように読んでましたが、想像していた+願っていた以上の展開でひっくり返りまし -
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お、重かったです。辛かったです。
でも、ノンストップで読んでしまいました。止められませんでした。
私、特に理由もなく、性善説を信じたくて、
そもそもみんないい部分はあるのに、育った環境でどうとでも変わってしまう。でも実は奥底の底の根っこの部分は優しいものが残ってるって、信じたいんだけど。
よく分からなくなりましたね。
読みながら自分の考えが一転二転して、もう、よく分からなくなりました。
実際にこんなことって、あるの?
なんでそんなことができるの?
って理解できなくて、それは私が恵まれてるからかな…
実際にこういうことが日本で世界できっと起こってるのかな…
つら…つらすぎる
夜も寝る前にず -
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ネタバレジェンダー問題、毒親、ネグレクト。
家族、夫婦、社会の『普通』。
学校のいじめ。
閉鎖的で、がんじがらめ、抜け出せない問題多い。
愛情と憎悪。
性的対象、聖母。
たくさんの問題が、一冊の本にギュッとつまっていって、続きが気になって読み進める。
つい最近、犯人の心情が、一切わからない小説を何冊か読んだので、犯人の気持ち、彼らの殺人衝動、神からの啓示だなど、歪な考え(彼らの中では整合性がとれていると思っている)を読めたので良かった。
やっぱりわからない行動は、一つ一つ説明されている方が歪みを理解はできないけれど、知ることができる。
樹里、十和子が、少しずつ変わっていく姿良かった。
元夫の -
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キャラ重視のホラー小説「ホーンテッド・キャンパス」があまり合わなかったが、筆致から作者は相当本を読んでいて実力があるのではないかと感じ、諦めずに本書にも手を伸ばしてみた。
結果、大正解。この作品に出会えて良かった。やはり櫛木さんはすごい。
山奥の寒村で起こる豪雨による土砂崩れ災害、それに伴う停電や断水、殺人事件、対立する村人達。
僻地の村人の描写がすごい。
それぞれの住民が屋号を持っているというのがリアリティがあって良かった。自身も田舎育ちのため、村に一軒の魚屋の娘は「魚屋のひろみちゃん」と呼ばれるし、
和菓子屋があれば「饅頭屋の茂くん」などというように〇〇の誰それと読んでいたことを思 -
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緒方櫂15才は体格の良い普通の中学生である。幼い頃から仲が良かった従弟の土橋祥太がイジメにより片眼を失い昏睡状態にあることから犯人や学校、そしてマスコミの対応に対して鬱屈した感情を昇華できないでいた。
そんな彼が夜の泉第二公園で出会ったのは同級生の高橋文稀だった。クラスでも目立たない文稀の口から出たのは「15才の誕生日に自殺する」だった。櫂はその言葉に驚くわけでもなく、自殺を手伝う代わりに従弟の復讐を手伝ってもらう事を提案する。
櫂と文稀は期限である文稀の誕生日までに祥太の仇である長谷部兄弟に復讐することを計画し、復讐の予行演習として少年法に守られる極悪な少年少女をターゲットとし次々に襲ってい -
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1累ヶ淵百貨店・・・両角巧は「霊能者タクミ」で一世を風靡した有名人。霊能力を売りに芸能活動をしていたが能力が薄れてきてオカ研に相談に来た。映画撮影中に事故が起きて廃墟になった累ヶ淵百貨店でロケを行うことになり,,,
2渇く子・・・稲生藤乃歯学部二年、尼だった祖母が他界し、その屋敷で住むことになったがその屋敷でやせた幼い子供の幽霊に覗かれることがあった。
3赤珊瑚 白珊瑚・・・法学部二年、林田萌菜は同棲していた彼氏と別れたがお守りとしていた赤白の珊瑚のペアの片方、赤珊瑚を元彼に隠された。その珊瑚を離ればなれにすると不幸になるという謂われを気にするが元彼のバイト先の学習塾ではバイトに対する厳しい労 -
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1壁の美人画・・・古館文音が住みだした古民家は夜な夜な掛け軸から女性が這いだしてくる。身体醜形障害の話。
2涙壺に雨の降る・・・武市青葉が泉水を通じて買い取りを求めた涙壺、泉水が触れたとたん、青葉の寝ているそばでのぞき込む人と屋根裏から覗く人の映像が浮かんだ。亡くなった母と住んでいた格安の借家は瑕疵物件だった。
3最後の七不思議・・・部長の先輩、早乙女雛子が持ってきた相談は学校の七不思議の七つ目、ササラ先生の話だった。過去の噂話を確かめようと早乙女幹太と大江田遥が夜の学校を訪れ、同行した楢木先輩が行方不明になったが、その先輩が夜、それぞれの家を訪ねてくるという相談だった。
社会人のリレーに代 -
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1有罪無罪原罪・・・粟崎山隧道で起こった殺人事件はホストの円谷勇雅が客の塙みゆりに殺された事件だった。藁科貴大が動画配信サイトに投稿するため事件現場でロケを行って霊に唾を吐きかけられたとオカ研に持ち込んできた。
2黒いサンタクロース・・・イブの夜、ショットバー「Laguna」にいた鈴木と泉水と部長が同席した鈴木澪子からこの時期色のない世界になり、それは亡くなった親戚のサエちゃんが原因だと語った。
3待ちにし主は来ませり・・・陣内桐吾がオカ研に持ち込んだには叔父さんから相続したビスクドールにまつわる奇怪譚だった。その人形は亡くなった娘の遺髪や爪や遺骨が使用されており、毎日世話する遺言だったが事情 -
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少年の惨殺遺体が発見され、その犯人と目された15歳の少年当間が拳銃を持って食堂に立てこもる。自分は犯人ではない、人質を解放してほしければ真犯人を見つけ出して自分の前で謝罪させろと要求。
面白かったです。なんというか、ネグレクトであったり親に虐待されたりみたいな背景というか舞台があってのお話なので暗い気持ちに・・・は案外なりませんでしたね。それよりも話の展開が気になって先を読み進めたくなりました。籠城中のじりじりとした緊迫感がなんともいいですね。
もちろん、虐待されたりとかそういう劣悪な環境で育った子供たちのあれこれのような真面目な側面もあるんですが、それよりも小説の面白さが際立ったかな、と。