【感想・ネタバレ】虜囚の犬 元家裁調査官・白石洛のレビュー

あらすじ

穏やかな日常を送る、元家裁調査官の白石洛(しらいし らく)は、友人で刑事の和井田(わいだ)から、ある事件の相談を持ち掛けられる。白石がかつて担当した少年、薩摩治郎(さつまじろう)。7年後の今、彼が安ホテルで死体となって発見されたという。しかし警察が治郎の自宅を訪ねると、そこには鎖につながれ、やせ細った女性の姿が。なんと治郎は女性たちを監禁、虐待し、その死後は「肉」として他の女性に与えていたという。かつての治郎について聞かれた白石は、「ぼくは、犬だ」と繰り返していた少年時代の彼を思い出し、気が進まないながらも調査を開始する。史上最悪の監禁犯を殺したのは、誰? 戦慄のサスペンスミステリ!

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白石洛
白石果子
和井田英一郎
名取
紺野美和

薩摩治郎
薩摩伊知郎
薩摩志津
善吉
幸恵
早瀬医師
伊田瞬矢
伊田大悟
土屋尚文
橋爪蛍介

稲葉千夏
北畠彩香

大須賀光男
大須賀弘
大須賀礼美
伊藤竜一

國広海斗
清水
鷺谷
三橋未尋
三橋亜寿沙
三橋睦月

ーケツをこっちに向けろよ。雌犬

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

買った理由→
表紙買い(好きな画家さん)
「『死刑にいたる病』の人なんだーへー読んでみようかな〜」


ラストの怒涛の展開で鳥肌立った。
文体の硬さも程良くて読みやすい。

犯人の動機とキャラクターが特に良かった。
主人とは常にそうあって欲しい。
予想外の着地。どんでん返し大好き。
エピローグまで読んでプロローグ読むと溜め息が出ちゃう。

全員キャラが立っていて作り込まれている。
読んでいて「誰だっけ?」っていう無駄な時間が一切無かった。ストレスフリー。
フラグが丁寧でわかりにくいのに、解決の瞬間「あれがフラグだったんだ!」と直ぐに気付ける気持ちよさがある。

この人の小説全部読みたい!

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2024年04月29日

購入済み

予想できない展開!

最後まで、誰が犯人なのか全く予想がつきませんでした。
事件の真相が分かると更に驚きました!これを予想出来る人はいないんじゃないでしょうか。
誰もかれもが被害者であり加害者である複雑すぎる人間関係・・・。ドロドロ残酷シーンだけでなく、心休まるシーンもちゃんとあったのであまり辛くなり過ぎずに読み切ることができました。
シリーズになったら、美味しいご飯パートがまた読みたいです。

#怖い #ドロドロ #ダーク

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2023年10月12日

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元家裁調査員が主人公の話。
ある事件をきっかけに仕事続けられなくなった主人公・白石は、妹と同居しながら専業主夫をやっていた。
ある日、自分が昔担当した少年が殺される事件が起こる。白石は自主的にニュースの類をシャットアウトしていた為事件を知らなかったが、彼の友人である刑事の和井田に「薩摩治郎を知っているか」と尋ねられる。
彼は白石が昔担当した少年だ。だが、自分はもう関係ない、そう言うが、和井田は言う。
「薩摩治郎はただの被害者じゃない」
そして再度問う。
「薩摩治郎はどんな奴だったか」と。

薩摩治郎は自宅の地下室に女性を監禁し、まるで犬のように飼っていた。素っ裸で首輪をつけ、床に置いた皿でドックフードを食べさせていた。
そこから始まる治郎の周辺の人物への深堀。薩摩家が「犬神持ち」だと言われたのは何故か。治郎の父、伊知朗がした事、された事。大須賀家との関わり。妻の志津という女性。家政婦、庭師。
色んな人に話を聞いていく白石。そしてそれを和井田と共有しながら警察と一緒に事件を追いかけていく。
白石は事件を追いかけながら思い返す。
治郎と会った時の事を。
彼は言った。
ーーー僕は、犬だ。

その言葉通り物語の至る所に「犬」が登場する。
白石と和井田の話と交差するように出てくる、海斗という少年と未尋という少年の話でも。

海斗と未尋の話が出た時は、また話が交差するのか、と正直思った。パターン化してるな、と。
白石達の事件の後か前かどっちかの話だろう、と思いながら読んでいた。

物語が進むに連れ、「アズサ」という女性が事件の鍵を握っている事にたどり着く。
アズサは誰だ。
治郎は監禁していた女性を「アズサ」と呼んでいた。
そしてときおり弱気になり、ごめんアズサと口ずさむ事もあった。治郎にとってアズサとの関係はなんだ?
そして家政婦から話を聞き、伊知郎の口からも「アズサ」という名前が出てきていたことを知った。普段とは違い、泣いて縋り付き捨てないでくれと言う伊知郎に怖くなったと。

事件を追いかけるうちに家裁を辞める事になった事件の事を度々思い出す白石。蓋をずっとしてきた。だが和井田に吐露する。自分が担当した少年に、同僚の女性を送っている最中に会った。でも無視されそのまま気にせず女性と会話で盛り上がっていたら、その少年が仲間を連れ、同僚をハイエースに引きづり混み暴行を加えた。
少年は言った。あいつが悪い。俺は女と揉めているのに、あいつは女とよろしくやってるから。

白石はその事件が起こってから分からなくなった。

「非行少年は、社会の犠牲者」だと思っていた。
でももうそうだとはわからない。

色んな非行少年、非行少女が出てくる。
彼らは親に虐待され、ネグレクトされ、不当な扱いをされている。そこに出てくる少年少女達は白石の言うように「社会の犠牲者」なのだろう。
しかし、1歩道を踏み外した先にあるのは、この事件の主犯や治郎達と同じ未来。
だって彼らは皆、元を辿れば、社会の犠牲者だったのだから。
これは虐待の連鎖だ。主犯も幼き頃虐待され犬になった。
大きくなり、支配し、子供達に犬がどんなかを教えこんだ。その子供達は大きくなり、また犬を作った。

虐待の恐ろしさと、自分の体験した虐待を他の人にも与え続ける主犯にゾッとした。
しかし、魔性の女系好きねぇ、櫛木先生。

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2025年03月27日

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始まりの描写が異常で衝撃が強く、誰がこんなことをしたんだろうという思いで読み進めた。

犯人フラグの人が何人か現れたが見事に騙された。

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2025年02月28日

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好きじゃない。でも一気に読んでしまった。
猟奇的な事件に病んだ人々。嫌なことの詰め合わせ。
読むほどに嫌な気持ちが積み重なった。
ようやく終わったかとほっとしたところに、エピローグでとどめをくらった。

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2024年11月20日

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ネタバレ

巧みな描写と、交差する事件
残酷で残忍な描写の数々に、櫛木理宇という人の頭の中を覗きたくなる(笑)
登場人物の多さと、絡みに絡んだ人間関係がとても複雑でちょっと混乱しながらも回収はさすが。
白石&和井田コンビが大変魅力的だったので、続編が楽しみなシリーズものとなった。

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2024年08月24日

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キツイ。櫛木作品の中でもトップレベルのキツさがある。
監禁事件の犯人の殺害から幕を開ける物語だが、何度も何度もその重さと報われない人々にため息が漏れた。それでも頁をめくる手を止められないのはやはり文章と構成の巧みさがあってのものだろう。面白い。けれどキツイ。自分の中で複雑な感情が渦巻いている。

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2024年08月05日

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やっぱり櫛木理宇さんの小説。
残虐さが凄い。
途中から「この話はどんな風に関係してくるんだろ」からの「えっ?」「えっ?」って思う時間の経過。ホントいつも一気読みしてしまう櫛木作品。

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2023年07月09日

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やっぱり櫛木さんの描く虐待のシーンは凄惨でおぞましい。
対照的に、洛、和井田、果子のやり取りのシーンは癒される。
もしシリーズ化(白石洛シリーズ)されたら、次作も読んでみたい。

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2023年05月10日

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櫛木理宇『虜囚の犬 元家裁調査官・白石洛』角川ホラー文庫。

元家裁調査官を主人公にしたサスペンスミステリー小説。

猟奇的な監禁事件の真相と監禁犯を殺害した犯人の正体も気になるのだが、主人公の白石洛が家裁調査官を辞めた理由も何やら謎めいていて非常に気になるところ。

予想外の時間経過と二転三転の展開に加え、かなり複雑怪奇な事件の全貌と余りにも情報量が多い後半の展開に、読んでいて非常に疲れた。

前半は時間経過が緩やかな割りに展開が速いが、情報量は然したることもなく、安心して読めた。ところが、後半は登場人物が入れ替わり立ち替わりの上に、ストーリーは複雑怪奇、混迷の極みの泥沼。そして、いきなり8年もの時間が経過するのには愕然とした。

家裁調査官を辞めて、主夫となり、妹の果子と同居する白石洛は、友人である刑事の和井田から白石が7年前に担当した少年の薩摩治郎の件で相談を持ち掛けられる。

和井田の話によると、薩摩治郎が安ホテルで刺殺死体となって発見され、警察が治郎の自宅を調べると、全裸で鎖に繋がれて異臭を放つ痩せ細った女性を発見したという。殺害された治郎が複数の女性を監禁し、死後にはその肉をドックフードに混ぜて他の監禁女性に与えていたというのだ。

白石は気が進まないままに事件を調査すると……

本体価格780円
★★★★

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ものすごい物語を読んだという感じです。

 虐待が虐待に繋がり、最終的には人間性を否定する屈辱を与えられてからの死へと繋がる。

そんな人間を生み出してしまうような今の日本という国のことを今一度考えたいと思ってしまいました。

 櫛木さんってこの手の話に容赦がないもんなぁー。

 次はホーンテッドキャンパスを待ってます。

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2023年03月21日

Posted by ブクログ

昔担当した少年が殺され、その自宅では
監禁された女性が見つかった。

びっくりの始まりから、びっくりの女性発見。
一体何がどうしてこうなったのか、から始まる
過去の話と、さらなる…。

突如として主人公が変わったので
これがどうなるかと思ったら、でした。
名字が変わる、というのは、これほどまでに
象が変わってしまうのだな、と。

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2024年12月06日

Posted by ブクログ

ドロッとした感情と爽やかさが、混ざらないのだけれどある時交差して。
かなり引き込むが終盤はサクッと終わってしまった。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元家裁調査官の主人公が過去に担当した少年が殺される。しかし7年を経てその元少年は最悪の監禁犯となっていた。
「犬」というキーワードがその元少年と、さらに自身のトラウマに深く関わりがあり、離職した身でありながら事件の真相を追及していく。
被害者が加害者であり、加害者が被害者と複雑にいりくんでいく。
問、虐待など残虐な描写が多くかなり重いが、この負の連鎖がどこに行き着くのか気になって読むのがとまらなかった。
3章の中学生パートではどう事件に絡んでいるのか検討もつかなかったが、終盤で一気に畳み掛ける展開に。
大元はこいつだったの!?とびっくり。
そして大元の怪物も被害者という悲しい事実。
登場人物ほぼ全てが立場を変えつつ虜囚の犬だった。

登場人物が多く少し混乱したのと、やはりとても好きにはなれない内容でしたが、一気読みでした。

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2023年07月26日

Posted by ブクログ

わかってはいたけど、残酷すぎて人には勧められない…
しかし、事件の解明パートは食い入って読んでしまいました。
そしてラストスパートで畳み掛けるように真相が明かされていきます。後半のスピード感がすごい。

読み終わると実写版があったか?というくらい登場人物の容貌が勝手に頭で形成されてました。
家の外観とか、庭木の緑の濃さまでイメージが頭にこびりつく。
だから現実味を帯びてしまって余計におぞましく感じるような。

「虐待の連鎖」というテーマがテーマなので、エンタメで消費されるだけで終わらない、考えさせられるところがあるという意味でも現実味はあって然るべきところなのかもしれませんね。
こんなおぞましい事、現実にはあり得ないと思いたいけど。

本当に読後感最悪です(褒め言葉)

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2023年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

負の連鎖。虐待、親子関係、洗脳。
事件だけでなく、主人公の少年たちとかかわれなくなった理由など、気になるところがたくさんあって一気読み。
シリーズ化されるのかな。
親友の和井田、妹、白石の食事の場面が唯一ほっこりする。

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2023年04月07日

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