櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ホラー×キャンパスライフ×恋愛=面白くない…、と思っていたのですが、まさかまさかの面白過ぎて、2日で読破しちゃいました。4,5話程の怪奇現象の謎を解き明かしつつ、ヒロインとの恋愛成就を目指す森次くん。草食系男子でありながら、霊感持ち、なのにホラーは苦手。しかしヒロインのこよみちゃんがオカルトサークルに入るものだから、自分も入っちゃう。ここまでだと、至極平凡なキャンパススウィートライフになってしまいそうだが、スパイスとしてサークルに持ち込まれる怪奇現象の悩みを解き明かしつつ展開されていくストーリーが実に爽快です。きっと、怪奇現象も科学的に解明されて、「ほら、おばけなんて噓でしょ」というオチなの
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Posted by ブクログ
ネタバレトータル3.5くらい。
書き下ろしなので全部新作だったのが良かった。
この中で好きなのは貴志祐介の『猫のいる風景』かな。曖昧オチではなく、きっちりミステリーもしてホラーもやってる。お化け無しで楽しませてくれた。
有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』
クローズドサークルの定義について話をしていて、どこかミステリーな雰囲気はあるものの、結局何かは不明で、結局どこかの異界らしいということで終わる。でも面白かった。
ミステリー小説だったら犯人がいるのに、この話では何かを見つけてはいけない、見てはいけない。犯人を見つけることが禁じられる恐怖。
北沢陶『お家さん』
丁稚奉公目線なので時代がわ -
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Posted by ブクログ
ずっと愛読しているシリーズ。
櫛木理宇先生の著作にしてはマイルドなホラーで心にダメージがくる展開は少なく読みやすい。
ホラーというよりもはや恋愛小説だと思ってよんでいる。
怪異に対する蘊蓄などまだまだこんなネタがあるのかと毎度驚かされる。
死霊や無差別な呪いだけでなく、人の悪意や害意がしっかり練られていて読み応えがあった。
今回は表題作が好みだった。
今回は三編載っている。
さよならカサブランカ
シネマバーで起こる空間が閉鎖する異常事態
原因は建物自体に棲みつくものか別にあるのか。
さえずりとドライブ
ドライブ好きな姉と同乗する弟。
乗車後に車や飼う鳥に異常が起き始める。
狼は月に吠 -
Posted by ブクログ
2025.07.13
怖さと謎解きが双方とも満たされている良書。多くの登場人物が現れるが、それぞれの人柄を描き出すために、細かいところに目を配った拍子がされているという読後感が強い。
女性と男性の物の感じ方の違いについても考えさせられる。普通の男は普通であるが故に「ストーカー」される「女」の気持ちがわからないのだなと思う。私自身が作中の登場人物であったにしてもこんな対応だろうなと思いながら読んでいた。
もうひとつ。執着というか、執念というかを、日本人はあまり持ち続けられないのだなとも思う。日本人以外のほうが、こうした執着を持ち続けることができるような気がしている。これは、なんの根拠もない感想で