感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「死んだほうがましだ」は真っ赤なシグナルだった。「死にたくない」はあざやかなエメラルドグリーンだった。
そう90ページで思いを馳せるのは《彼》だ。
厭に詩的な、それでいて場違いな言葉だなあと印象に残っている。
前作の【殺人依存性】で嫌という程の《絶望》を叩きつけられた私が手に取ったのは本作、【残酷依存性】だ。
やはり櫛木理宇には「もう嫌だ、読みたくない」と思わせながらも中毒性があり私を離してなどくれないカリスマ性がある。
否、離してくれないとは思い上がりも甚だしい。
私はこの天才小説家、或いは彼女の描く世界に、彼女が伝えたい《現実》に打ちのめされることに、心酔してしまっているのだ。さながら【櫛木依存性】である。
と、余談を挟むが それは著者が一番されたくないことなのだろうなと十二分に分かっていた。何故なら彼女はあくまで「これは現実にも起こり得ること」「または起こったこと」なのだと作中に実事件を挙げることで私たちを制している。
本作品に描かれていること全てがフィクションなのではなく、この地球のどこかで、否 この日本のどこかで、いいや 私の住むこの都道府県で起こっている事件なのだ。
それでも、本作品には最後には救いがあった。
救いがあったのだと私は思った。
読んだ作品には必ずレビューと共に《タグ》をつける私が、《イヤミス》の選択を除外したくらいには、清々しい最後だった。
前作で猛威を奮い、《殺人依存性》 だった《彼女》が犯した新たな事件は絶望ではなく希望だった。
少なくとも最後に泣きながら笑った、
「悪意など知らなかった」とあえいだ《彼女》にとっては《殺人依存性》が《残酷依存性たち》をこの世から消し去ったのは たった一つの救いだった。
前作のレビューにも書いた通り、
私は《彼女》の事を二度と忘れないだろう。
それでも、本作ではそんな《彼女》の事をほんの少し、称えてしまった。なんと流されやすい事だろう。
最後の【監禁依存性】が今 手元にある。
一日で三部作全てを読んでしまうのが勿体ないほどに私の心に突き刺さるこの本たちを、同時に手元にあるのに読まないのが勿体ないほど私は欲している。
前作の時と同様、
ひと時の休憩を挟んで 次作を読もうと思う。
Posted by ブクログ
何者かに拉致され、監禁された三人の大学生。彼らに突きつけられる奇妙な指令と拷問にも似た命令は、何のためのものなのか。一方で彼らとも交友関係にあった女子大生が殺された。怨恨としか思えないその残虐な手口、そして被害者である彼女の正体。何が悪なのか、誰が被害者なのかがわからなくなってくるような、ぞっとした恐ろしさを感じさせられるミステリです。
最初は「被害者」である彼らに同情しました。精神的にも肉体的にも追い込まれていく様子がかなりきつくて、これはただ殺されるよりも数段辛い状態です。だけれど徐々に彼らのしたことが明らかになり、さらにその所業に対して彼らがどのように思っているか、が判明するにつれ、同情心はかけらもなくなってしまいました。殺された女子大生に関しても、まったくといっていいほど同情の余地がありません。もちろん犯人の行為を正当化できるものではないけれど、それ以上に被害者たちの悪辣さが際立っていてどうにもなりません。
そして事件の影で動いていたあの人……前回のやり口にはまったく賛同できなかったですが。今回のはほんの少し、爽快感すら覚えてしまったような。たしかに一部の人と、これから増えたであろう被害者たちには「救い」となったかもしれません。
Posted by ブクログ
いろいろ考えさせられる一冊ですね。
人間の尊厳を踏みにじられても、抵抗することができない状況があるという問題。例えば、中学生に美人局をされて逃げようとした大学生が死亡した事件とか、なぜ被害者はマスコミにさらされて、加害者は守られるのか(この事件は少年法がかかわっているのでそこに問題もあると考えますが)
もちろん復讐は許されることではないけれども、事件の真相がわかるにつれて、これも一つの罰なんだろうなとも思ったりして。(法治国家の人間として法で裁かれるのが当然と思いますが)
難しい問題ですね。この作品に描かれている状況は私たちのすぐ隣にあるわけでもあり、切ない限りだと思ったりもしました。
ただ痛い描写が多いので選んで読んでくださいね。
Posted by ブクログ
ダークヒーロー爆誕してるやん…
犯人側が主人公の続編。全巻でだめだと思いつつ犯人のキャラに魅力を感じてしまったという感想が多かったのがうなずける。
正直途中まではものたりんな~と思ったのと、内容的に★5にはしたくない感じなんですが、なんかしてしまう…
犯罪者ってハンムラビ的に裁かれるのを望むのはみんなが思うことだと思うんだよなぁ…
あと、無差別殺人鬼が犯人じゃないと自分は大丈夫と思う安心感もあるのかも。でも都合よく駒として近場に転がってたら躊躇なく利用されるよな、やっぱり嫌や。
Posted by ブクログ
最初は被害者に見えていた人物が
話が進むにつれて加害者に変わっていって、
こいつは殺されて当然。
なんならもっと苦しむように
殺されたって良いじゃないかと
思ってしまう自分が1番残酷に思えた。
この作家さんに
マインドコントロールされてるんじゃないかって
思って怖くなった。
人間が1番恐ろしい。
Posted by ブクログ
またしても徹夜一気読みでした。嫌悪感という言葉では追い付かないくらいの唾棄すべきヤツらが出てくる話で、もう止まらなかったっすわ。
激しく殴打されボロボロの惨殺死体となって発見された女子大生。この殺人事件を捜査する警察の動きと並行して、現在進行形で監禁され、虐待される男子大学生3人の話が語られる。最初は気の毒な被害者だった女子大生だが、捜査が進むにつれ邪悪な本性やイジメ加害者としての過去とともに、男子大学生たちとの関係も明らかになる。中学高校時代から続くカースト上位の彼らの醜悪な行い。スーパーフリー事件などに代表される大学サークルを隠れ蓑にした、集団レイプ。もう、殺されたって仕方ないよねって、かんじで。そう、女子大生の殺人も男子大学生たちの監禁も、みな被害者の近親者による復讐だったんです。そんで、この復讐を可能にしたのが、あの、真千代だったんですよ。真千代自身も被害者の近親者に近いものがあり、復讐するは我にあり、ってかんじなんですよ。もう、容赦ないかんじで。
真千代がどこまで直接関わったのか、不明なままで事件は終わってしまいますが、
なんか真千代の好感度が上がってしまいましたよ。
次もきっと読んでしまうでしょう。
Posted by ブクログ
なにしろ痛々しい。やはり、残酷なことをすればそれだけの報復はあるのです…。それぞれの人格や人間関係が描かれていて、人間て深いな~と改めて思いました。これはとくに若い世代の人に読んでほしい。いちばん印象に残ったのは、その残酷な痛めつけかた。とにかく身体はぐちゃぐちゃになってひどいものでしたが…思っていたより冷静に読めました。誉田哲也さんの『ケモノの城』を思い出し、それを思えば…ですが…
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この世の中で確実に起きている地獄
搾取した側の人間は起こした行為も相手の名前も顔も忘れ 自分達が搾取した大勢の人間の誰か、としか認識していないのが現実味があり憎らしかった。
ラストシーン、未希のおばあちゃんはどう感じたんだろう 一度失ったものは二度と戻らない、苦しさだけが残り続ける
Posted by ブクログ
依存症第2弾。前作であんなに嫌悪感抱いていたのに怖いもの見たさというか、乗りかかった船というか、恐る恐る読み始めたところ、やはりグロさが半端なく。こればっかりは慣れようがないのは当然かとひとりごちていた。というものの、世直し的な要素まで出てきて、ラストにかけての畳み掛ける描写は全てが繋がり妙な達成感すら感じてしまった。次はどんな世直しが行われるのか、警察はどこまで追跡できるのか楽しみになってきた。不思議なお話の虜になったものだ(笑)
Posted by ブクログ
前回よりは被害者も少なくかなりマイルドになってたのでしんどくならなかった!
むしろ、やったれ!とする思う奴らでよかった(よくはないか)
前作の感じから
真千代が今後、高遠(金田一少年)みたいな立ち位置になるのかな?と予想してたけど
あまりにもそのまんまでちょっと笑ってしまった!
でも結局そういうの好きなんだよな〜〜
高遠好きですし…
道哉のことは終盤まで全然気づかなくてやられたな〜
とはいえそこは結局(警察側にとっては)事件解決に繋がらなかったから関係ないといえばそうなんだけど…
とりあえずシリーズとして読むならこれくらい軽めの方がいいかなと思った!
監禁依存症も買わねば
ていうか
最後どうやって車を運転させたんだろうか…
Posted by ブクログ
「ざまぁあああ!!」
と思いながら読みました笑
一作目の殺人依存症では理解出来なかった首謀者の心。
心を持ってる?とさえ思った。。のに!
第二段のこの作品では心を感じた。
殺人が許される世界線があるなら私も同じ事をしていたかも?なんて思いながら読んだ。
グロいと評判だったけど、グロいより痛いって方が強いかもしれない。
でも、全然被害者に同情なんて出来ない。
むしろ、もっとー!と思ってしまった。
これは読んで確認してみてほしい。
本当に同情なんて出来ないからね
Posted by ブクログ
最初は映画のソウのような展開なのかなと思いながら読んでいたのだけれど、登場人物の背景が明らかになるうちに拷問も必要悪なのかなと思っている自分もいて考えさせられた。
今回の真代子に少し前回との心の違いが感じ取れたので次回が楽しみです。
彼らがしてきたことはだいたいの予想はつくのですがそれでも事件の詳細が知りたいのでどんどん読み勧めたくなるお話でした。
一作目は読んでないのですがそれでも問題なく楽しめました。
Posted by ブクログ
「殺人依存症」の続編。話は別物だけど続き物なので、「殺人依存症」から読むべき作品。
女子大生殺害事件の捜査とボンボン大学生3人が監禁されている様子の同時並行。
「頭脳明晰で金持ちの男ほど選民意識が強く、女性を下に見る(物扱い)傾向があるから、輪姦事件が発生する」というところが、姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』を思い出させられた。
併せて読むと書かれていることがよくわかる。
前作では浜真千代に対して嫌悪感しかなかったのに、今回は応援したくなっている自分がいて恐ろしくなった。
理性・常識・倫理と正義感は相反するものだと感じた。
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サークル仲間の三人が監禁される。犯人は彼らの友情を試すかのような司令を次々と下す…
あらすじにはデスゲームとあるが今まで見たそういう系の本の中で一番グロくて読んでるだけで痛みが伝染する。
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頼りなく意識が浮遊している。ゼリー状だ。震えて、揺れている。意識だけではなく、自分そのものが、だった。ミルクのように濃い霧の中を、かたちのないなにかになって漂っていた。(P.22)
鎮痛剤の眠気がもたらす、とろりと濃い乳白色の夢だった。(P.105)
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浜真千代再び。
『殺人依存症』の続編だが読後感は悪くない。
東京・青梅で起きた女子大生殺害事件を追う刑事達の姿と並行して描かれるのは、サークル仲間三人の監禁場面。
延々と続く過激で執拗な暴力に目を背けたくなる。
けれど徐々に明らかになる真相を知れば知るほど、この女子大生と三人のクズ男達に自業自得だとの思いが募る。
実在した性犯罪を絡めながら描かれる事で、被害にあった女性や被害者家族の心情を想像し、怒りと悲しみで胸が塞がる。
私刑や報復、それらの行為が許されないと頭では理解しつつも、真千代を完全不定出来ない自分がいた。
もしこの本を手に取る人の中に
性同一性障害の方がいらっしゃるなら途中読み進めるのが辛くなると思います。
胸糞中の胸糞作品です。(いい意味で)
残された遺族の気持ちを考えるともっと残酷に拷問を与えても良かったのでは?と思うほどに加害者がクズすぎる。
Posted by ブクログ
殺人依存症の方が個人的に展開が早くて面白かった。
殺人依存症は、女の欲で殺人を行っていたが、
残酷依存症では、人の為に殺人を行っていた。
個人的に、残酷依存症の方がグロいなとは思った。
サイコパス系なストーリーが好きな人には、うってつけな作品だと思う。
Posted by ブクログ
グロが苦手な方、まったくおススメしません。
ワタシ、グロ苦手なんだよね・・・なので、監禁されている3人組のパートはほとんど読み飛ばしてしまったかも。グロがお好きな方なら、楽しめるかもしれません。
とはいえ、こんなひどい奴らが普通の顔して生きているって思ったら、怖い。
姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』を思い出した。
選民意識、女性を同じ人間とは全く考えていないんだよね。
女性に酷いことをしても楽しくないだろうになぜ?と思っていたのだが、ホモソーシャルって言葉を初めて知って少し理解できた気がした。
シリーズ3作読んでいるけれど、もう1作目とか忘れてしまっていて、浜さんのキャラクタとか思い出せない。こんなキャラだっけ?
読み直したい気持ちもあるけれど、グロが苦手なので躊躇するなぁ。
Posted by ブクログ
グロテスクな描写が多かったが、それを勧善懲悪、自業自得といった背景で読み進められる。
そういう描写が苦手じゃない人にはお勧めできると思う。
結局刑事のパートはそこまで意味を成さなかった様に思える。
Posted by ブクログ
【2024年29冊目】
1作目の「殺人依存症」から間をあけ、先に「監禁依存症」を読み、あまり間を開けずに読んだ今作。浜真千代のことをすっかり忘れていたので、殺人依存症のあらすじを確認して、ようやくなるほどと思いました。
今作はあらすじの段階から、監禁された三人はきっとどうしようもねぇ奴らなんだろうなって思ってたので、何かされていても同情も何も思いませんでした。途中であった動画のコメントのようなことまでは言葉にしなくても、そんな気持ちになるのもわかる。
性加害者は全員去勢した方が良いと思ってるので、最後の最後に崖から転落する前に、その苦しみも味わってて欲しいなぁなんて、正に「残酷」なことを思いました。
男も女も、人道に反したならば、それ相応の報いを。ブラック過ぎるスカッとジャパンでした。
Posted by ブクログ
実際にあった事件に着想を得た話の様に思えたので、物凄く現実的な世界の様に思えてのめり込む様に読んでしまいました。
犯人の狡猾さ、加害者の異常な行動、傍観者達の無責任さ・・・。
それぞれに読み触れた時、物凄く暗い気持ちになりました。
Posted by ブクログ
※
殺人依存症から始まり、残酷依存症へ続く
依存症シリーズ。
タイトルだけでも十分、登場人物の歪んだ
思考や行動への想像を掻き立てられるが、
読み始めて直ぐからの残酷な描写に
やっぱり顔を顰めてしまいます。
人間のエゴや身勝手さ、増幅した悪意を
これでもかという程、見せつけられて
負の感情を全力で拒否したくなります。
目を背けたくなるような場面が満載なのに、
どこかで起きているかもしれないという
嫌な現実味があり、同時に認めたくないけれど
絶対にカケラも抱かない感情かと問われると、
完全に否定できない醜さや弱さ、自分勝手さに
自分本位な人の業を思い知らされる。
どれだけ虐げられて歪んだとしても、
決して堕ちてはいけない最後の一線を
振り切るほどの絶望は、どれほどのものか
想像すると胸を焼くほどの息苦しい。
被害者、加害者、犯人を追う刑事の目線、
その全てに引き込まれるので、
ガッツリ読むと非常に体力がいります。
でも、読む手を止められないし、
やめられない一冊です。
Posted by ブクログ
本屋でオススメされていたのを目にして、
表紙のインパクトもあって興味を持った本作。
タイトルや表紙から何となくイメージはしていましたが、
グロい内容が苦手な私にはかなりハードでした。
さらに前作があることを知らずに読んでしまったため
突然の登場人物に戸惑いましたが、
それでも隠れていた事件の核が少しずつ見えてくる
展開の上手さにするすると読み進めていけました。
前作がどのような内容だったのか気になるので
読んでみようと思います。
★4と迷いましたが、
要らない描写が多々あったので-1に。
Posted by ブクログ
ただただ悲惨なだけというか、残酷なだけというか・・・
最期の最期で浜真千代は出てくるには出てくるのだが、今回本当に少しだけ。
結局の所犯人は誰だかもわからないし、捕まることもないという・・・
なんとなくモヤっとする漢字になってしまった。
因みに浦杉さんはもう警察を退職しており、彼がまだ刑事をしていたのなら事件の真相に迫れたかもしれない。
Posted by ブクログ
痛々しい描写が続いて読むのがしんどかった。
こういった事が行われる根幹は著者によくあるパターン。
登場人物では無く、この本を手に取った自分が残酷依存症になっていたのだと思い知らされた。
今回でお腹いっぱいになったので暫く依存症からは脱却できそうです。