櫛木理宇のレビュー一覧
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真っ白に塗られた顔、足首までの白いワンピース、肘までの手袋。山口葉月の異様な姿は、まさに仮面をかぶった存在のようで、現れた瞬間から不気味さに圧倒される。彼女が寄生する家は次々と壊れていき、その過程が淡々と、けれど確実に描かれていくからこそ、読んでいるこちらまでじわじわと追い詰められていく感覚になる。
ストックホルム症候群や拘禁反応、マインドコントロール。普通なら異常にしか見えないはずの状況を、登場人物たちが「幸福」と錯覚してしまうのが恐ろしくて切ない。洗脳がどうやって進んでいくのか、そのプロセスが生々しく描かれていて、痛々しさと共に妙な説得力があった。
恐怖の先に待っていたのは意外なエンディン -
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シリーズ3作目。弁護士の子供誘拐事件捜査と、浦杉元刑事の娘のエピソードを並行して、そのタイミングを徐々に近づけていく構成で、今回もハラハラ感をあおられ引き込まれていった。
本作は、特に世に蔓延る性犯罪への怒り、批難、被害者の苦難、悔しさを最も突き付けられるものであった。p.199の性被害裁判傍聴者に対する描写「被害者女性の痛みも苦しみも、彼らにはただの娯楽なのだ」も、情け無くも真実だろう。
丁度読んでいる時に、世間を騒がせていた神戸のマンションエレベーター内刺殺事件、川崎のストーカー殺人に対する警察の謝罪。p.102からのにあった「予期してこそのプロであり司法のプロではないのか。もしそれが -
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自分が死んでいる、見え方が違う祖父母、四谷怪談。
それはちょっとどうだろう…という真相な最初の話。
選び取るのは本人、とはいえ、これはちょっと
無責任な感じがします。
それによって引き起こされたとも言える内容。
一番の元凶は…ですが。
笑っているか、怒っているか。
これはどっちだ、と思っていたら…。
これはこれで、生きている人間も変わりないですし
本人にとっては、確かに怖くないかと。
やはり、生きている人間が一番怖い。
言わずと知れた、な四谷怪談。
上澄み程度しか知りませんでしたが
こういう話なのか、と。
これは今でも使える男女間ではありますが
写真については、当人の心があるので、なんと -
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ネタバレ前作は星3つにしたが、今回は4に。
今回も特に中盤から引き込まれて一気に読み終えた。本作は、実際にあったスーパーフリー事件を彷彿とさせる組織的輪姦事件の犯人に対する復讐劇。警察、犯人、被害者親族の3者の視点が並行して進み、次第に人間関係、背景、真相が明らかなっていく構成が巧みで今回も引き摺り込まれた。
それにしても性同一性障害の被害者の受けたであろう肉体的精神的ショックは想像を絶する悲劇としか言い様が無く、非常に切なく胸が苦しくなる展開であった。
今回は、前作ほどの暴力描写ではい印象(前作の免疫?)だったし、前作では味わえなかった切なさの残る後味から星4つに。 -
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同級生4人が集まり、14年前の林間学校での事件を振り返る。
大人になったからこそ直視できるようになった現実があって、そこから新たな事実に気づくこともあるよね。
なんだろうな、胸を抉られるというか。
子供の頃の無力感を思い出させる作品だなあと。
本来、大人が負うべき責任を子供に押しつけてどうすんの?という歯痒い気持ちでいっぱいだった。
また、意外な真相に驚くと同時に憤りも感じた。
青哉じゃないけど、ホント「なんで…」って気持ちだわ。
ただ最後には、ちゃんと希望も提示してくれたのが良かった。
人生において「まだやり直せる」って大きい。
もういろんな感情が綯い交ぜになって涙が止まらなくなった。 -
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幼い頃の事件に巻き込まれた仲間が再び集い… 子ども社会の絶望を描いたミステリー #七月の鋭利な破片
■あらすじ
2023年、中学教師の青哉は、当時の小学校の同級生たちと集まることになった。同性の友人の武丸、憧れていた凪、ウマが合わなかった若葉、彼らは2009年に林間学校でおこった事件を振り返っていた。
当時同じ班だった少年乃江瑠は、異常者に殺害されてしまったのだ。その後、仲間たちはまた会うことを約束したものの、若葉が殺害されてしまう。果たして過去の事件との関連があるのだろうか…
■きっと読みたくなるレビュー
こういった本を読むたび、未来のある子どもは守ってあげなきゃと思いますね。それぞれ -
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あぁ、読まなきゃ良かった
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ホラー小説が6作品。
私は斜線堂有紀さんが読みたくて買いました。
そして個人的にはホラーはあまり得意ではないので
他の人の分どうしようと思いましたが、
私的にはそこまで怖くなく作品を楽しめました。
怖いっていうより、気味が悪い感じというか。
「かんのさん」が一番印象に残ってます。
アニメで映像が浮かぶというか。
めっちゃ怖いのは嫌だけど、
でも怖いもの見たさで気になる、
夏だしホラーも読んでみたいかも、
という方におすすめで -
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ネタバレ1作目の殺人依存症の続きと言うことで、警察の高比良など前回登場していた人物が登場していた。
殺人依存症はなんの罪の無い男児や高校生までの女性が被害者で読んでいるのが辛かったが、今回の残酷依存症はホモソーシャルを維持するため犯罪を犯し罪の意識が全くと言って無い人物が対象だったので表現は残虐ではあったが前回より心が痛いと感じなかった。
そして読んでいくうちに再度現れる浜真千代。
ターゲットを変え、浜真千代はまだ続けていたのだと衝撃だった。
過去のノウハウなどを他人に教え、このような犯罪を犯す人が増えていくのか3作目の監禁依存症も気になった。