【感想・ネタバレ】少女葬(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

一人の少女が壮絶なリンチの果てに殺害された。その死体画像を見つめるのは、彼女と共に生活したことのあるかつての家出少女だった。劣悪なシェアハウスでの生活、芽生えたはずの友情、そして別離。なぜ、心優しいあの少女はここまで酷く死ななければならなかったのか? 些細なきっかけで醜悪な貧困ビジネスへ巻き込まれ、運命を歪められた少女たちの友情と抗いを描く衝撃作。『FEED』改題。(解説・大矢博子)

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伊沢綾希
小泉淳平
三津子
峰岸
関井眞美
リカ
ユウちゃん
宇田川海里
国井
長谷川陸
長谷川季枝
ナナ
サキ
ヒロキ

トモユキ
若月
小松
細貝
伊沢ふみ子
星野圭
関原
森内
前原

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今自分の中でキている作家さん、櫛木理宇。
注目作、少女葬をいよいよ読んだ。
ずぅーーーーん、という読後感。
物語は、ある少女が河川敷で六時間超のリンチの末惨殺されたという事件から始まる。
劣悪な環境の違法シェアハウス「グリーンヴィラ」に、転がり込む家出少女の綾希。
ある日グリーンヴィラに、同世代の少女の眞美がやってくる。
慎重派の綾希と楽観的な眞美、二人は互いの境遇を打ち明け合い仲を深めていくが…
“お父さん””お母さん”と、シェアハウス内を取り仕切る人物を中心とした、擬似家族形態が出来上がっていて気持ち悪かった。
後に綾希は喫茶店の店主である希枝に出会い、眞美は闇社会と繋がりのある海里と出会う。
それぞれの出会いが、2人の人生それぞれの明暗を分けていく様が細やかに描かれていて、読むのが辛かった。
道を踏み外す前に希枝という人物に出会い、息子の陸という少年と少しずつ距離を縮め、紹介された弁当屋で新たにアルバイトを始めてグリーンヴィラを出ることが出来た希枝。
一方、裏の世界でも輝きを放つ海里という存在に憧れ、仲間に入れてもらえた喜びで、クラブで遊び、酒を飲みまくり、挙げ句の果てには乱暴なこともされたり、酷い扱いを受ける眞美。
2人とも純真無垢な17歳の少女であり、2人が意図したわけではなく出会った人物がたまたま違っただけで、ここまで人生が変わってしまうのかと、愕然としました。
残り数十ページでは、この2人の描写が短いスパンで入れ替わるため、2人の幸の差がえげつなくて本当に読むのがきつかった…
家出なんてするからだ、と切り捨てるのは簡単かもしれませんが、生まれた環境や出会った人間次第で、その人性格云々ではなく運命が大きく変わってしまう恐ろしさを感じました。

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2025年04月26日

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ネタバレ

ちょっとしばらく立ち直れなさそう…
綾希と眞実、似た境遇の彼女たちの命運を分けたものは、危機管理の力なのかな。自分に迫る悪意や危険に気づく力。そして、信じていい人を見極める力。
…でも結局、どこで誰に出会えるか、出会ってしまうか、幼い少女たちには運の部分も多かったのかな…。
頭の悪さに甘えた眞実のキャラは全然好きになれなかったけど、生まれる場所が違えば、明るい彼女はとても愛されただろうし。性別もわからなくなるくらいの暴力などと無縁に生きていけたかもしれない。可哀想に。
終盤、恋人との温かい時間を過ごす綾希と、凄まじい暴力を受け死に向かう眞実の描写が交互に描かれ、めちゃくちゃしんどかったな。これはけして絵空事ではなく、現実に少年少女に起こっていることなんだろうなと感じた。想像力の欠如が招く暴力性、集団心理、命の軽さ。末恐ろしいわ…
残酷で、面白かったとはとても言えないけど、切なくてかなり好きな小説でした。

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2025年04月22日

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ネタバレ

私はすごく好きな作品です。
購入した日の夜、寝る前に少しだけと思い物語中盤のページをぱらぱらめくっていたらそのまま一気に引き込まれ一気読みしていました。
自分も高校生の頃に、派手な遊びをする知人の輪に入ってみたり背伸びをして遊んでいたことがあるので、眞実のことは他人事には思えませんでした。「このままでいいのかな」と思ったときに素直に来た道を戻れるか、そもそも戻れる選択肢があること自体が幸せなのかもしれません。

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2024年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

訳ありな人達が流れ着くグリーンヴィラ
汚い、プライバシーゼロ、自衛しなければ食事やトイレットペーパー、使いかけの生理用品まで奪われてしまう劣悪な環境。
そんなシェアハウスで出会った家出少女2人。

出会う人間が違うとここまで人生変わってしまうのか。

終盤の〈その日〉の2人の状況が細かく交互に展開する場面には圧倒された。
恐ろしい。


胸が痛い


朝の通勤電車で読み終えたので、気持ちがしんどくなって真っ直ぐ職場に行けず、10分だけ喫茶店に寄った。
贅沢だな私。

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2024年09月06日

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とにかく息が詰まり途中ページを進めるのも躊躇するようなシーンもあった。
ただ2人の少女が些細なことで切り裂かれ対比して描かれていく様は本当に見事だった。想像力も掻き立てられる素晴らしい構成だった。

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2024年08月31日

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ネタバレ

2人の少女の明暗をこんなにも分けたものは何だろう。
苦しくて残酷な話だけど、現実にも起きてるかもしれない。紙一重で自分と出会わないだけで。
色々考えさせられる。
重たくて辛い内容なのに櫛木理宇作品で1番好き。

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2024年07月29日

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ネタバレ

とあるシェアハウスの劣悪な環境のなかで寝食を共にした2人の少女。別れからしばらくして、うち1人は壮絶なリンチの果てに殺されてしまうが、もう一方の少女は幸せとも形容できる生活を手に入れる。もといた場所は同じだったはずなのに、何が2人の道を分けてしまったのか。
冒頭で2人の名前は書かれておらず、どちらがどちらかの少女なのかはわからなくなっている。あとがき(解説?)にこれは2人はいつ立場が入れかわってもおかしくなかったということを暗に表現しているとあり、そういうことかぁとどこか納得できた。作中に『弱さは罪、馬鹿は罪』という言葉があるが、原因は全て彼女にあってしまうのだろうか。
ラストシーンでは物語が2人の目線で交互に描かれ、その間の落差、溝みたいなものが浮き彫りになっていく。もう辛い。しかし、次の展開が気になって目が離せず、最後まで一気読みしてしまった。文章は読みやすいが決して軽いわけではなく、読みごたえがある。とても面白い一冊だと思う。

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2024年04月05日

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えぐい。おもしろくはない。
けど、すごい続き気になってしまった。めっちゃ一気読み。
上下のない人間になりたい。

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2024年04月05日

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冒頭で凄惨な少女の死に様が出てくるので、単なるグロテスクな物語かと積ん読にしていたが、とんでもなかった。
「あかんもんは、あかんのよ。それだけ」
二人の少女の先行きを変えたそれぞれの出会い。
出会いをきっかけとしてそれを自分の人生としていくことを、この物語の少女に自己責任と切り捨てるのはあまりにも酷いが、だからといって自分に何かできるかと言われると何も思いつかない。
読み終わっても物語が消化できない。物語の少女たちの穏やかな幸せを願いたい。

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2023年12月05日

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互いに過酷な過去を持つ者同士で、同じ環境化で過ごしていたのに、出会った人やタイミングよってこんなにも変わってしまうのだなと思った。一人の少女はどんどんと絶望に進んでいって、もう一人の少女は希望に進んでいく。それが同時進行に繰り広げられている描写がとても面白くもハラハラした。
本当に大切なものや存在を考えさせられるお話でした

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2025年11月28日

Posted by ブクログ


冒頭
壮絶なリンチの果てに殺害された少女の拡散された画像を見つめる少女…

家出娘や訳ありが集まる不衛生な無法地帯のシェアハウス
少女たちもそんな生活から抜け出したいが、中卒で家出状態では就職もできない
信用できない人間などいない生活のなかで絆を深めていく二人
一人は伊沢綾希
もう一人は関井眞実
だが二人の関係は少しずつ変わっていく…

冒頭のシーンから、どちらかが殺害された少女なのだ…と思いながら読み進める
程なくそれは予想できるのだが…
何がこの二人の運命を分けたのか?
彼女たちを取り巻く環境や人物の描写に震える…そしてこの対比がすごい
あの時少し立ち止まっていたら?
あの時何かできることがあったのでは?
とにかく考える
想像する!
それをやめたら終わりだ
人を虫けらのようにしか思っていない人物たちには不愉快極まりないが、これが現実なのだと思う
また貧困ビジネスのリアルにも衝撃を受けた

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

読み終わったあと、呆然としてしまった。

最初のくだりが最後にはこう繋がるのかと
伏線回収がとても良かった!

少女を取り巻く環境はどのような影響があるのか
教えてくれる1冊だったと思う。

付き合う人の違いや住む場所の環境など、
それによって
全く違う人生を歩むことになるんだなと
改めて感じた。

幸せになって欲しいな…。

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2025年09月29日

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2025.07.10
主人公のひとりはなぜ「あんな危ないところ」に住んでいて、無事に生きていけたのか、そして、もうひとりはなぜ「あんな目にあうのか」
その差、その運命を分けるのは何なのかを考えている。

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2025年07月10日

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貧困、シェアハウス、痛ましいリンチ。こんなのに未成年の子供たちが関わる話を、櫛木節で見事に震え上がらせてくる。精神的に幼い少女たちの友情や事件につながる喧嘩も生々しくて読んでて辛い。がしかし!

どうも自分は転落系というか、読んでて鬱になる小説が好きらしい。この本を読んでて確信した。もしかしたら自分も転落してしまうかもしれない身近なストーリー。でもって幸せな立ち位置から見下ろすかのように読書する。そうやってハラハラしながらも安心しているのだ。

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2025年05月07日

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私は貧困というものがいまいちイメージ出来ない。現実で起きていてもおかしくないはなしだというのは理解はできる。著者の作品を読むたびに、恐怖と絶望を感じる。

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2025年01月03日

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父からの威圧的な態度と母親から貰えない愛情
この家庭状況に嫌気が差した綾希は、16歳で家出をした。
資金は100万もあったが、未成年で住所もない子供にとって一人暮らしは不可能であった。
"誰でも住めるシェアハウス"と謳われるグリーンヴィラに綾希は住むことになった。
服は誰かに破られ、大切なものは盗られる。法治国家の中に存在するシェアハウスとは思えないほど無法地帯だった。

胸が痛いほんとに…。
日本という国でもこんな事が実際に起こってるのだとしたら許されることじゃない。
私には実際に降りかかることのない悲劇だからこそ小説として楽しめている。
これに感謝して生きようと思う

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2024年12月28日

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家出少女が暮らすシェアハウスを舞台に福祉ビジネス、正体の知れない若者たち、リンチ殺人と物語は進んでいく。哀しくも切なく、面白い。

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2024年10月23日

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貧困のループは何たるやがしっかり書かれています。
ニュースで報道される貧困問題は自分のすぐ側にあること、そしてほんの少しのタイミングで呆気なく貧したり救われたりするのだと思いました。

同じ家出少女の綾希と眞実の進む道が別れてしまった事とその先に起きたことの対比があまりにも辛すぎる。
あの時の眞実の未来を決定してしまった一言も。

あのヴィラに住んでいた人たちはどうなったのだろうか。
それぞれの思う『神さま』とは何だったのかと考えました。

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2024年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

舞台は劣悪なシェアハウス。低俗な住人の中で出会う2人の少女。芽生える友情。強い自分の芯を貫き努力する1人と環境に染まっていく1人。仲が良かった2人がどんどん交わらなくなっていく描写が悲しかったです。
自分軸の大切さ、そして周りの環境は大事で自分で関わる人(友達など)を選ぶことの大切さを再認識しました
眞美は自分の頭が良くないことを分かっていたのにそれに甘えているような気がして好きになれませんでした。
個人的には「明日世界が滅んでも、私は今日も林檎の種を蒔く」という言葉が心に刺さりました。これからも私は本を読み続けたいなと思います。
終始、物理的そして心理的にグロテスクでした。寝る前に読み進めたことを後悔するほどしんどかったです。でもこれが櫛木理宇さんの良さ。良かったです。

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2024年08月26日

購入済み

読み進めるのが辛くなる

対比する日々があまりにも辛く苦しい

#ドキドキハラハラ #ダーク

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

久しぶりにこのような作品を読みました。
息が、詰まる。

ストーリーはもちろんのこと、構成の妙も相待って苦しい感情がグッと胸に迫ります。楽しい、面白い内容ではないけれど、小説としてはとても良かったです。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

再読。
現実にこういうことが起きている事実に苦しくなる。
という感想が出てくるのは、どこかで他人事だと思っている部分があるからだろうか。

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2024年08月03日

Posted by ブクログ

社会派小説?なのかな…あまり読んだことないタイプだったので初めは読み進めるのに苦労しましたが、後半からはノンストップ。苦境から自力で抜け出して普通の幸せを手に入れた主人公と、目先の贅沢や楽しみに飛びついた結果残酷な最期を迎える友達の対比が上手い。ところどころご都合主義というか、そんな上手くいく?という点が特に主人公側にあったけど、それもこの落差を目立たせるためと捉えることもできるかな…
何より怖いのはこの話に出てくるようなビジネスが実際に行われているということだと思った。弱者につけ入る大人はいなくなって欲しい。

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2024年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2023 4/24
地獄みたいな小説を読んでしまった。
こんな結末ならいっそのことふたりとも不幸になって終わってほしいとも思った。片方が幸せに、もう片方は体はボロ雑巾のようにリンチされて殺される始末。酷すぎる
ただ自分はそういった胸糞悪すぎる地獄のような小説が好きです

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2023年09月25日

Posted by ブクログ

残酷な事件すぎて目を背けたくなる。
そんな人たちって結構いると思う。

内容が残酷だからあんまり高評価つけにくい感じするからもう少し評価されてもよさそう。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

冒頭で、ある少女が凄惨なリンチの末に殺された事が明かされる。家出少女やホームレスが集まるシェアハウスで出会った2人の少女。
2人の運命を分けたのは何だったのか。
冒頭からヒヤヒヤが止まらないが、後半の2人の対比はかなりしんどいものがあります

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2025年05月13日

Posted by ブクログ

エピローグでの少女の有様が痛ましい。
この作者は児童虐待をする親やモラハラ気質な男性、SNSのコメント、十分な教育を受けられていない児童等の人物の解像度が異常に高すぎる。
気がついたら付箋だらけになっていた。
本書は、主人公の綾希と友人の眞実が主軸となり話が進行していくのだがこの二人の対比が最高に悪趣味で素晴らしかった。
また大矢博子さんの解説がとても感慨深い。

眞実はどこで間違ったのだろうか…。

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2024年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結局は《運》なのだ。

彼女が生き延びたのも
彼女があんな目に遭ったのも
「彼女だから」というわけではなく

誰と出会ったか
どんな言葉を吐いたか
神様はいたのか

そう、全ては運なのだ。


どちらがどちらの道に行ってもおかしくなかった。


私が今、こうして暖かい部屋の中で
本を読んでいられるのも《運》が良かったから。


それを噛み締めて、生きていかなければならない

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

物語冒頭で、すでに少女が一人集団リンチにかけられて死んでいる。その死体の写真を後生大事に保存して見返すにも少女。本編はこれより過去の話になるが、訳ありの住人が集うアパートの描写も、そこに住まう人たちの事情も何もかも辛い。主人公と仲良くなった少女の転落っぷりが何より辛かったけれど、最後まであの写真の少女はどっちなんだ?ってハラハラしてしまった。
人にはあまり薦められないけれど、読んでみて心にとてつもない棘をブッ刺してくる、そんなお話でした。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

貧困ビジネスに食い物にされる若者を描いている。行き場のなくなった人たちが集まるシェアハウスで出会った綾希、リカ、眞実の3人のそれぞれの顛末が読んでいて辛い。冒頭でリンチ殺人の描写があり、そこに至るまでの経緯が物語として進められるが読んでいて辛い部分が多い。最後は綾希の初めて知る幸せの描写と眞実のリンチされている描写が交互に出てきて、その対比で余計に凄惨さがよりひどく感じられる。

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2023年10月26日

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