あらすじ
一人の少女が壮絶なリンチの果てに殺害された。その死体画像を見つめるのは、彼女と共に生活したことのあるかつての家出少女だった。劣悪なシェアハウスでの生活、芽生えたはずの友情、そして別離。なぜ、心優しいあの少女はここまで酷く死ななければならなかったのか? 些細なきっかけで醜悪な貧困ビジネスへ巻き込まれ、運命を歪められた少女たちの友情と抗いを描く衝撃作。『FEED』改題。(解説・大矢博子)
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Posted by ブクログ
今自分の中でキている作家さん、櫛木理宇。
注目作、少女葬をいよいよ読んだ。
ずぅーーーーん、という読後感。
物語は、ある少女が河川敷で六時間超のリンチの末惨殺されたという事件から始まる。
劣悪な環境の違法シェアハウス「グリーンヴィラ」に、転がり込む家出少女の綾希。
ある日グリーンヴィラに、同世代の少女の眞美がやってくる。
慎重派の綾希と楽観的な眞美、二人は互いの境遇を打ち明け合い仲を深めていくが…
“お父さん””お母さん”と、シェアハウス内を取り仕切る人物を中心とした、擬似家族形態が出来上がっていて気持ち悪かった。
後に綾希は喫茶店の店主である希枝に出会い、眞美は闇社会と繋がりのある海里と出会う。
それぞれの出会いが、2人の人生それぞれの明暗を分けていく様が細やかに描かれていて、読むのが辛かった。
道を踏み外す前に希枝という人物に出会い、息子の陸という少年と少しずつ距離を縮め、紹介された弁当屋で新たにアルバイトを始めてグリーンヴィラを出ることが出来た希枝。
一方、裏の世界でも輝きを放つ海里という存在に憧れ、仲間に入れてもらえた喜びで、クラブで遊び、酒を飲みまくり、挙げ句の果てには乱暴なこともされたり、酷い扱いを受ける眞美。
2人とも純真無垢な17歳の少女であり、2人が意図したわけではなく出会った人物がたまたま違っただけで、ここまで人生が変わってしまうのかと、愕然としました。
残り数十ページでは、この2人の描写が短いスパンで入れ替わるため、2人の幸の差がえげつなくて本当に読むのがきつかった…
家出なんてするからだ、と切り捨てるのは簡単かもしれませんが、生まれた環境や出会った人間次第で、その人性格云々ではなく運命が大きく変わってしまう恐ろしさを感じました。
Posted by ブクログ
ちょっとしばらく立ち直れなさそう…
綾希と眞実、似た境遇の彼女たちの命運を分けたものは、危機管理の力なのかな。自分に迫る悪意や危険に気づく力。そして、信じていい人を見極める力。
…でも結局、どこで誰に出会えるか、出会ってしまうか、幼い少女たちには運の部分も多かったのかな…。
頭の悪さに甘えた眞実のキャラは全然好きになれなかったけど、生まれる場所が違えば、明るい彼女はとても愛されただろうし。性別もわからなくなるくらいの暴力などと無縁に生きていけたかもしれない。可哀想に。
終盤、恋人との温かい時間を過ごす綾希と、凄まじい暴力を受け死に向かう眞実の描写が交互に描かれ、めちゃくちゃしんどかったな。これはけして絵空事ではなく、現実に少年少女に起こっていることなんだろうなと感じた。想像力の欠如が招く暴力性、集団心理、命の軽さ。末恐ろしいわ…
残酷で、面白かったとはとても言えないけど、切なくてかなり好きな小説でした。
Posted by ブクログ
私はすごく好きな作品です。
購入した日の夜、寝る前に少しだけと思い物語中盤のページをぱらぱらめくっていたらそのまま一気に引き込まれ一気読みしていました。
自分も高校生の頃に、派手な遊びをする知人の輪に入ってみたり背伸びをして遊んでいたことがあるので、眞実のことは他人事には思えませんでした。「このままでいいのかな」と思ったときに素直に来た道を戻れるか、そもそも戻れる選択肢があること自体が幸せなのかもしれません。
Posted by ブクログ
訳ありな人達が流れ着くグリーンヴィラ
汚い、プライバシーゼロ、自衛しなければ食事やトイレットペーパー、使いかけの生理用品まで奪われてしまう劣悪な環境。
そんなシェアハウスで出会った家出少女2人。
出会う人間が違うとここまで人生変わってしまうのか。
終盤の〈その日〉の2人の状況が細かく交互に展開する場面には圧倒された。
恐ろしい。
胸が痛い
朝の通勤電車で読み終えたので、気持ちがしんどくなって真っ直ぐ職場に行けず、10分だけ喫茶店に寄った。
贅沢だな私。
Posted by ブクログ
2人の少女の明暗をこんなにも分けたものは何だろう。
苦しくて残酷な話だけど、現実にも起きてるかもしれない。紙一重で自分と出会わないだけで。
色々考えさせられる。
重たくて辛い内容なのに櫛木理宇作品で1番好き。
Posted by ブクログ
とあるシェアハウスの劣悪な環境のなかで寝食を共にした2人の少女。別れからしばらくして、うち1人は壮絶なリンチの果てに殺されてしまうが、もう一方の少女は幸せとも形容できる生活を手に入れる。もといた場所は同じだったはずなのに、何が2人の道を分けてしまったのか。
冒頭で2人の名前は書かれておらず、どちらがどちらかの少女なのかはわからなくなっている。あとがき(解説?)にこれは2人はいつ立場が入れかわってもおかしくなかったということを暗に表現しているとあり、そういうことかぁとどこか納得できた。作中に『弱さは罪、馬鹿は罪』という言葉があるが、原因は全て彼女にあってしまうのだろうか。
ラストシーンでは物語が2人の目線で交互に描かれ、その間の落差、溝みたいなものが浮き彫りになっていく。もう辛い。しかし、次の展開が気になって目が離せず、最後まで一気読みしてしまった。文章は読みやすいが決して軽いわけではなく、読みごたえがある。とても面白い一冊だと思う。
Posted by ブクログ
舞台は劣悪なシェアハウス。低俗な住人の中で出会う2人の少女。芽生える友情。強い自分の芯を貫き努力する1人と環境に染まっていく1人。仲が良かった2人がどんどん交わらなくなっていく描写が悲しかったです。
自分軸の大切さ、そして周りの環境は大事で自分で関わる人(友達など)を選ぶことの大切さを再認識しました。
眞美は自分の頭が良くないことを分かっていたのにそれに甘えているような気がして好きになれませんでした。
個人的には「明日世界が滅んでも、私は今日も林檎の種を蒔く」という言葉が心に刺さりました。これからも私は本を読み続けたいなと思います。
終始、物理的そして心理的にグロテスクでした。寝る前に読み進めたことを後悔するほどしんどかったです。でもこれが櫛木理宇さんの良さ。良かったです。
Posted by ブクログ
伊沢綾希
シェアハウス・グリーンヴィラに住む。
小泉淳平
グリーンヴィラの住人。痩せっぽちの少年。峰岸の手伝いをしている。
三津子
グリーンヴィラの住人。住人の一部から「お母さん」と呼ばれている。
峰岸
グリーンヴィラの住人。「お父さん」と呼ばれている。
関井眞実
グリーンヴィラの住人。綾希と同室
リカ
グリーンヴィラの住人。綾希と同室。「彼氏」と組んで非合法の仕事をしている。
ユウ
リカの彼氏。
宇田川海里
グリーンヴィラのオーナーの知り合い。
国井
グリーンヴィラの住人。
長谷川季枝
警官に追われた綾希が逃げ込んだ喫茶店「LA STRADA」の雇われ店長。
長谷川陸
季枝の息子。高校を中退して「LA STRADA」の手伝いをしている。
ナナ
海里のグループのメンバー。
サキ
海里のグループのメンバー。
ヒロキ
海里のグループのメンバー。
亮
海里が紹介した少年。モデルのような美男子。
トモユキ
海里のグループのメンバー。
若月
グリーンヴィラの住人。
小松
グリーンヴィラの住人。“疑似家族”にいつも冷笑的な目を向けている四十がらみの男。
東南アジア人女性
グリーンヴィラの住人。綾希と同室。風俗嬢をしながら故郷の家族に送金を続けている。
細貝
グリーンヴィラのオーナー。生活保護を貰う老人やホームレスを住まわせ、金の管理をしている。
伊沢ふみ子
伊沢綾希の母親。
星野圭
海里の彼氏。
関原
「LA STRADA」の常連の客。行政書士。
森内
綾希が働く弁当屋のパート。
前原
綾希が働く弁当屋の同僚。シングルマザー。