櫛木理宇のレビュー一覧
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ネタバレとても読みやすく、没入しやすくサクサク読めて満足!!
曰く付きの家に住んでラジオ番組に投稿されたものを、その家のある村に関わるものとそうでないものにを仕分けるバイト。その間水も食料もその土地のものは口にしてはいけない。
途中まで、「近畿地方のある場所について」を読んだときのような、それぞれのエピソードの共通点や出てくる不審な踊りの描写にゾワゾワしていました。
だって絶対このあと主人公の身に起きるじゃん、何ならもう起きてるよね、この音というか声というか…。
でも真相が見えてきてからは、主人公!やってしまえーー!!!と言う気持ちに。
現実でやられてしまうと、私たちみんな巻き添えなんでしょうけど。
でもそのくらいには胸糞悪い事を女性に対して行ってきていた村。
そして主人公の父親と継母の主人公に対する態度。何でこんなやつらと結婚したり親友だったりしたんだ、お母さんは…。
主人公の心を慮ると継母からの代理返信でこんな世界無くなってしまえ、思い知れという気持ちは仕方ないよな、と思う。
結果、ざまあみろという気持ちとともに、傷ついた主人公や教授、村長の娘や、もう亡くなっているけどヨリや登代子に幸せになってほしかった…。
でもホラーだもん。そんなほんわかした終わりになるわけないね。 -
Posted by ブクログ
シリアルキラー目線短編集。読み心地は悪いですが、読み応えアリ、面白かったです。殺人も強姦も色々盛りだくさんなので、小学校NG。
阿津川辰海「シリアルキラーvs.殺し屋 」
カメラマン兼殺し屋の俺の今回のターゲットは体はでかいが人畜無害そうな男。しかし、気付くと俺はヤツの家の地下に裸で拘束されていた。
木爾チレン「脳JILL」
その女子高生は自殺幇助や教唆、殺人で逮捕され、供述を取られている。音の依存症になったらしい。最初はUFOキャッチャーで景品落ちる音。そのうち音の欲求はエスカレートして…。
櫛木理宇「テキストブック・キラー」
眞悟は父親に虐待され育ち、どうやらその影響で脳が性格を変えたらしく、小6で強盗殺人、33歳で既に3人殺し、出所したところ。そこには獄内の眞悟と文通していた春奈が迎えに来ていた。
くわがきあゆ「私の伴侶」
友だちいなかった俺は唯一好きだった女の子のことを考えながら父親と漁をしていた。ここの海は自殺の名所で時々網は遺体を巻き上げる。最近、少し頻回気味なのだが…。
結城真一郎「ご乗車の際は」
相手の生殺与奪を持っていると思うと昂奮する私は虫から始まりやがて人を手にかけ、少年院で過ごし、出所後はアルバイトから始め、タクシー会社に就職し、今は個人タクシー運転手。もちろん、更正したわけでは、ない。しかし今夜の客は同種かもしれなくて…。 -
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ネタバレ逃亡する市果たちと事件を追う番場たちの二つ視点での進行、序盤から引き込まれました。
表紙からすでに1人死んでいるので、
「ああ、また残忍な殺人なんだろうな」と思いながらも読み始めると、これでもかこれでもかと殺人が続く・・・というか、日常生活の一部として殺人が組み込まれているところに気味悪さを感じました。
数日間隔でどんどん人を殺して移動する描写が延々続くと、この状況に慣れてしまうのが自分でも理解不能なわけです。
犯人に共感するところまではいかないけど、これも一種のストックホルム症候群かなと思いました。
実は市果がいちばん冷静で、みんなを手のひらの上で転がしてたっていうのが結構ショッキングでしたね。
鳥肌立ちました。
二転三転し終盤にかけては怒涛の展開、一気読みでした。
類は友を呼ぶというか、育った環境が似ていて共鳴しちゃうのかわかんないですけど、多重人格、ストックホルムシンドローム、犯人達を憎みきれない謎の感情が芽生えてきて怖い。
『「人って」「ん?」「簡単に、死ぬね」「なにそれ」女が笑う。』
という文章があるのだが、こんなに普通に殺人について話せるのか、と少々の気味悪さを感じました。
それと、『「あの輪っかあれは美雨のものなのに イチカが欲しがってごめんねごめんね」』
ってところも結構ゾワっとしました。
まぁ、そこが良いのですが。
この「ふたり」とは、イノリとセイなのか。
市果と美雨なのか。それともイチカとイノリなのか。 -
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ネタバレ最近、怪談のような短編をいくつも含む形の作品を読んでいて、これもそのうちの一つでしたが、一つ一つの話が面白くて怖かった。
あらゆる厄災から逃れている奇跡の村の正体……こわ。こわ。
あの六部は泊めてくれた恩義と言いつつ、悪魔の化身かいな。バカー!
あんな村は滅ぶべし。
稲子のばあちゃんが、村人みんなに死相が出てるとご乱心してたので、きっと滅ぶのでしょう。
最後の方で友部が佳月ちゃんとチューした時に唇が塩辛かった、とあったので、あ、これはこの村のものを口にしてしまったのでは、と思った。
下した決断も、その影響が少なからずあったのかな。 -
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相変わらず無駄の無いエグさではある。内容も今まで以上に分かる心理といおうか、場合によっては陥りかねない依存性に、読みながら自分は大丈夫だよな?と何度も省みながら深淵を覗いた。
しかし、これで4部作通して読み終えたわけであるが、読んで良かったと思えたのは『残酷依存症』までだったのが正直なところ。最初の2作は浜真千代の明確な動機があり、感情が見えたから戦慄しつつも読み応えがあった。3と4は犯行に感情が乗ってこない。それも今作の最後で明かされたが、白けてしまった。
それと各作品が重いので、作者の他の作品を読んでみようという気が起こらなかったのが個人的には勿体無いと感じる。いや、現時点では、かな。 -
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【2026年87冊目】
馬伏町で生まれ育った菱間サチは、小学生の時に誘拐され、11年間の監禁生活を経た後、助け出された。だが、そんなサチの元に「これが本物の菱間サチだ」という手紙と共に白骨が届けられる。自分が自分であることを否定される、これ以上失うことのない尊厳を更に奪われるのか――サチの同級生であった隆之は、白骨死体が送りつけられた理由を探そうと調査を始めるが……社会構造の罪を描いた一作。
櫛木理宇さんのことは、作家としてめちゃくちゃ信用してまして、何を読んでも心を揺さぶられるんですが、今作も凄かった。
馬伏というまさしく男尊女卑を絵に描いたような町で発生した誘拐事件。当たり前のように男が上で女が下というだけでなく、兄弟の中にも年功序列があり、それが当たり前の価値観の中で育ってきた者たちにより引き起こされる悲劇の連鎖。
せめて少しでも希望のある終わり方が良いと思いながら読み進めていたものの、希望を描くために別の視点の絶望をこれでもかと突きつけてくる作者。すごいとしか言いようがない。ただのミステリーではなく、社会構造の闇をえぐり出すように書いていることに脱帽です。
描写も胸をえぐられるようなものだったりして、そこでもダメージ食らうんですが、読み進める手を止めることができない。当たり前である、当たり前でないことが、視点を変えるだけで見方が変わってくる。
解説に書かれていたことも「マジでその通り過ぎる」と思いながら読みました。気軽に勧められるようなストーリーではないのですが、これは読んだ方がいいと思わせられる一冊でもありました。 -
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妙な中毒性があり何度も読んでしまってる。
つまり私も榛村に魅了されている…。
いろんな人から見た榛村。
相手によっては別人のように思える榛村。
榛村のことを調べれば調べるほどわかるはずの正体がわからなくなっていくような感覚。
そして気付けば自分もそちら側にいきかけてる雅也。
その変わりようが自然すぎて不気味なのがよかった。
父親〜のくだりは素直に、そうだったのか…と思って読んでしまった。
現実で榛村がそばに居たら簡単に無意識に影響を受けるだろうな…と思いつつ、むしろ現実にも榛村のような人はいて、既に無意識のうちに影響を受けているかもしれない、と考えてしまう。それもいい。
何よりもオチが完璧。
多くは語らず、結局は全て掌の上ということがわかる。雅也はそれに気づいていない。
完璧すぎるくらい嫌な終わり方。最高。
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ネタバレ11歳で誘拐された少女。誘拐先で監禁、出産を経験し、解放された元の世界・・・
昔の田舎社会のありようが映し出された作品。確かに、自分の子供のころはここまでではないにしろ、似た雰囲気があった気がする。長男以外の子供の扱い。男社会の冠婚葬祭、家族の中での女性のあり方、ヤンキーへのあこがれ・・・間違いなく昔の日本にあった世界観。
今では理解できない世界でも間違いなくあった世界。
サチは思い通りではないにしろ、最後は浮かばれたが、ミユキさんはかわいそうでしかなかった。
そして、ミユキさんのキャバ仲間の女性の言葉とスナックのママのセリフが一番共感できた。 -
Posted by ブクログ
映画→原作の流れで。
原作は、榛村本人と対峙するよりも、インタビューしていって関係者から榛村を構築していっているようなところが面白かったです。
でもそれも、榛村さんの掌の上。こわい。
反社会性パーソナリティ障害も、遺伝だけでも環境だけでもなく。「遺伝✕生育環境」がダブルで影響していくところまでいってしまった、というのが伝わってきました。
榛村さんに影響され、翻弄される雅也の心理描写に息が詰まります。
金山くんは映画と結構違うんだなと思いました。呪縛から逃れきってはいないとはいえ、弱くもない。
関係者たち、特に榛村さんと接してきた子どもたちや、金山くんの同級生たちがよく見てるんだなと思いました。
衿子さんの結末も。衿子さんへの榛村さんの評価にゾッとしました。
エピローグも凄かった。
あのキラーフレーズにやられるんだろうな…