櫛木理宇のレビュー一覧

  • 殺人依存症

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    これまで読んだ中でも群を抜いて残酷で、救いがなく後味の悪い一作。タイトルからある程度の覚悟はしていたものの、想像をはるかに超える不快感と心のざわつきに圧倒された。

    性的な犯罪を繰り返す加害者の心理や、犯罪者を英雄視する人々の存在など、理解不能だった世界の一端を垣間見た。読み進めるには冷静な視点と距離が必要で、分析的に向き合わなければ心が持たなかった。

    程度の差はあれ、穏やかな日常を過ごしている自分にとって、こうした現実が確かに存在するということを突きつけられる内容だった。弱者をどう守るのか、家族の在り方やネット社会の危うさなど、多くの問いを突きつけられる、考察の余地が大きい作品。

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    2025年07月10日
  • 少女葬(新潮文庫)

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    2025.07.10
    主人公のひとりはなぜ「あんな危ないところ」に住んでいて、無事に生きていけたのか、そして、もうひとりはなぜ「あんな目にあうのか」
    その差、その運命を分けるのは何なのかを考えている。

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    2025年07月10日
  • 執着者

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    純粋にストーカー!ってだけの話ではない
    まさかこんなラストに行き着くとは想像もしなかった。というか読み終わってからも複雑すぎて相関図がほしいくらい

    幼少期に姉を殺された少年
    同棲カップルに執拗に嫌がらせをする老婆
    大学院に通う女性に猥褻なストーキングをする老人
    誰から見てもいい夫婦の夫が殺され、妻が拉致される事件が起こり少しずついろんなことが繋がっていく
    とりあえず老人のストーカーは逆にこわい
    世の中的に老人だから、って許されることが多すぎるのでは?と日頃のモヤモヤが頭をよぎった

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    2025年07月09日
  • 死んでもいい

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    ミステリ短篇集。どの話もゾワゾワする感覚で読んでいると、最後には意表を突かれる形で終わります。六話あるのでテンポ良く裏切られていきました。「ママがこわい」がタイトルどおりすぎて、特に印象に残る。
    最終話の「タイトル未定」は私には途中から意味不明。やや甘の★4つ。

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    2025年07月09日
  • ふたり腐れ

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    櫛木理宇さんの新刊です。やっと読めました。
    2人に肩入れしすぎて、自分がストックホルム症候群みたいになってました。悪いことしてて、怖いのになんかほのぼのとしてるように思えたりして。でも、ラストに向かってそう来るかって‥思ってたのと違う(笑)でも、ラスト怖すぎです。

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    2025年07月07日
  • ふたり腐れ

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    櫛木理宇先生も私の好きな作家さんの1人です。
    今作は、グロさが比較的抑えられているように思うので、そこが苦手な方にもオススメ出来るのではと思います。
    コインを手に入れる為に殺人を繰り返す、まるでゲームのように。そんな“女”が出逢ってしまった市果。市果もまた、“女”に出逢ってしまい、生活が激変する。
    想像を超えていく展開にあっという間に読んでしまいました。

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    2025年07月04日
  • 監禁依存症

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    性犯罪、というものに対して考えるきっかけになった。
    主人公たちの過去と、現代の事件が絡み合って面白かった。

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    2025年07月01日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    豪華作家陣による多様なホラー短編集で、「最大級の恐怖」というテーマをミステリや心理、怪談、幻想など多彩なアプローチで表現している。
    日常に潜む不気味さや人間の闇を掘り下げられていた。
    特にミステリ好きに響く作品が多いような気がして、ホラーもミステリも好きな自分のような読者には、どんぴしゃで刺さる作品だった。
    全体的に新鮮で読み応えのある一冊。

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    2025年06月29日
  • 死蝋の匣

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    機能不全家族のなかで育った子どもたちにフォーカスしたお話
    子どものうちから犯罪を繰り返し、大人になってから無理心中をしてしまう千草の父親
    無理心中の生き残りの千草
    幼い頃に児童ポルノに出演した過去を持つミカ
    それ以外にも"親に愛されなかった子ども"がたくさん出てきて読んでいてつらかった
    でも彼らの「自分の家族を作りたい、愛したいし愛されたい」という思いに救われました

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    2025年06月29日
  • ふたり腐れ

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    いやいや怖っ!
    この作家さん、毎回こちらの予想を超えてくる。
    結果的には面白いんだけどゾワゾワさせられた。
    連続殺人犯との歪な逃避行の末に何が芽生えるんだろう?とドキドキしながら読んでいたのに、期待した展開とは全く違う方向に行ったわ。
    でもまあ、櫛木さんだもんなあ。
    やっぱそうなるよねえ。
    ホント良い意味で裏切ってくれるわ。
    そしてまた一人、新しいモンスターを生み出しちゃいましたね。

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    2025年06月24日
  • ホーンテッド・キャンパス 最後の七不思議

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    断れない女性、親子の繋がり、男子特有のおバカ騒ぎ。

    果たしてクリスマスの贈り物とデートは
    達成できるのか?! というサブミッション(笑)
    いや、はたから見ていたら大丈夫なのですが
    どうしてこう…石橋叩き割っても
    安全性が確認できない性格なのかw

    最初の話は、別れたら終わりでは? な女性。
    端から見たら…な状態ですが、条件反射みたいなもので
    どうしようもないのだろうな、と。
    相手の男も、好きだった、とかいうなら
    もうちょっと…とも思いますが。
    これは怖い話ではなかった、という読後。

    2話目の方が、人としてちょっと、な読後感でした。
    まぁ二人とも好きな方向(?)に走っているので
    本人がいいな

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    2025年06月24日
  • 残酷依存症

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    ネタバレ

    相変わらず表現が生々しく痛々しい。
    シリーズ第2弾でどう繋がるか分からなかったなかで登場にはゾクっとさせられました。
    これからまたどう繋がっていくかが楽しみ

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    2025年06月23日
  • 監禁依存症

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    ネタバレ

    架乃〜〜;;!!!!

    第二弾、第三弾の浜真千代の被害者が法では裁かれない悪人になったことで、ある種のダーティーヒーローになりつつある…。この物語、どうやって終わらすのだろう。

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    2025年06月23日
  • 執着者

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    老人のストーカーってこんなに怖いのか…。
    まるで自分がストーカーにあってるかのような気分になりました。
    過去の事件との繋がりや、復讐心が複雑に絡み合って、読み応えありました。
    被害者の遺族がこんなにも人生狂わされるのかと、リアルな姿があって、やるせなくなります。

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    2025年06月22日
  • 死んでもいい

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    櫛木理宇〜って感じのイヤミス短編集。お気に入りは、文芸部の恩師・宇津木先生を疑惑がめぐる「彼女は死んだ」と、ホラー系短編集で最後に入ってると嬉しい著者が登場するタイプの話「タイトル未定」。

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    2025年06月18日
  • 残酷依存症

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    依存症シリーズ第二弾。
    前作でかなりダメージを負ったので気合を入れて読んだら、暴力パートの登場人物が悪い奴だったおかげで前作ほどのダメージを負わずにすんだ。良かったー。


    ここまで書いて思ったんだけど、被害者の罪の有無によってここまで気持ちの変化があることにショックを受けた。正義「感」の力が持つ恐ろしさを体感した。

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    2025年06月16日
  • 執着者

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    老人のストーカー事件かと思いきや、そんな単純な話ではない。なぜ老人がストーカー行為に及ぶのかという動機が物語の鍵であり、二十一年前の「沢館女性連続殺人事件」との繋がりが徐々に明かされていく構成は、読む側に混乱と緊張をもたらす。

    小柄な老人による異常な執着と暴走が、不気味さを超えてホラーのような恐怖を生み出しており、精神的にも追い詰められるような緊張感が覆う。被害者がなぜ狙われるのか分からないまま、孤立し、誰にも信じてもらえないやるせなさがリアルで、性による苦悩や無力感も重く響く。

    犯人像がなかなか見えず、焦らされる展開ながら、終盤には真相が明かされ、事件は見事に収束。本筋とは別に思えたプロ

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    2025年06月15日
  • ふたり腐れ

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    派遣の若い女性が殺人鬼の女性との逃避行。
    殺人鬼に対する恐怖心なのか、心が通ったのか、逃げ出すチャンスがあるのに、逃げ出さない。
    人の人に対する情愛が余す所なく表現されていて、それぞれ感情を素直に出せるようになって行くのに、怖い話だった。
    一体何人死ぬのかと思ったが、情愛があまりに強くて、人の死すら印象に残らない。
    物語の読み始めと読み終わりで味わう気持ちの変化を楽しめました。
    最後、怖いなあ。
    さすが櫛木理宇さん、この話も容赦がなかった。

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    2025年06月14日
  • 骨と肉

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    カサンドラ症候群、の話だったような。
    もう、うろ覚えです。ヤバいです。

    不穏な結末だったのは、かすかに覚えている。

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    2025年06月12日
  • 世界が赫(あか)に染まる日に

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    ネタバレ

    復讐したい櫂と、死にたい文稀
    …じゃあ死ぬまでの間、おまえ、おれを手伝えよ…

    眼には眼を、歯には歯を、暴力には暴力を
    中学生らしいと言えばそうか

    復讐本番に向けてシュミレーションを重ねる2人の姿は、何故か『ひと夏の眩しい思い出』の様で恐ろしい

    表紙も美しくて怖い

    赫…なるほど

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    2025年06月11日