【感想・ネタバレ】逃亡犯とゆびきりのレビュー

あらすじ

親友が、シリアルキラーになった。

フリーライターの世良未散のもとに「女子中学生墜落死事件」の執筆依頼が入った。エロやお笑い記事を書きながら、いずれは社会派のルポをと願っていた未散には願ってもない仕事だ。
転落死した15歳の少女・清水萌香は、死亡時スマートフォンを所持しておらず、「あたしは一一七人に殺された」という遺書を残していた。周囲の人間の、萌香に対する評価もさまざまだ。深まる謎に翻弄されつつ書いた記事の「前編」が雑誌に掲載された日、未散のスマホに着信が入る。それは、高校時代、未散にフリーライターとしての基礎をもたらした、親友・古沢福子からだった。「記事、読んだぞ」「2-Aの神崎を思い出したよ」とだけ告げて電話は切れる。しかしその言葉は、萌香の抱えていた闇を明らかにするものだった。
事件の真相に迫る「後編」の記事は評判を呼び、未散はライターとしての知名度を上げる。しかしそれを福子に伝えることは叶わない。なぜなら、福子は4人の男女を殺害した容疑で指名手配中の身だからだ。どこにいるかも、連絡先もわからない。次第に、未散は福子からの電話を心待ちにするようになる。それが、前代未聞の事件の端緒になるとも知らずに……。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった
はまれる本が久々で、2日で一気に読んだ

Netflixあたりでドラマ化希望!
(地上波は内容がエグいから無理やろし)
内容そのまんまで
演技の上手い俳優さんに演じてほしい

とにかく全ての事件が
想像超えていて、尚且つ納得できる
(殺したくなるよなって思えてしまう事件)で
リアルで、感心した
(最川の事件以外)

「かわいくない子」なんて
孫を1人だけ何回も刺すなんて
どんなばあちゃんよ?って
思ったら、まさかの結論
納得できてしまうわー
すげーわ

共通するテーマに
「親との関係」があるよね

子供の頃は、親はなんでも
正しくて、親の意見は絶対
みたいな感じあったけど
自分が大人になったら
親も所詮、人間で、自分の感情で
生きてるんやなぁと気づき
親が絶対ではないと思った

そして自分が親になったら
急にちゃんとした大人になるわけもなく
子供が成人する今も、私は全然空っぽで
子供やと思う

でも親の考えや言葉や、環境って
すごい子供に影響していて
ある意味、恐怖だよ

なんてことを、この本
読みながらあらためて感じてしまった

本の評価でも感想でもないかもやけど
そんな事を考えてしまうくらい
私には刺さった本やった

櫛木さんの本
もっと読んでみよう

0
2025年09月15日

Posted by ブクログ

事件を追うルポライターになるつもりがエロ記事が収入源の30代になってしまった未散。女子大生という肩書きがなくなることで仕事が来なくなるというところがリアルで怖い。そんな未散のもとにかつての友人、古沢福子から連絡が入る。彼女は、事件の記事の元ネタを電話口で話すのみで、自身の近況は全く話さない。というのも、福子は約3年間で4人を殺したシリアルキラーであり、現在も逃亡しながら殺人を続けているからだ。福子の手の中で未散が踊らされている感じが逆に気持ちよく感じる。未散を陥れるためではなく、未散の仕事の成功をもたらす光となるのが福子だからだ。未散の出したルポは、福子との共著と言っても良いだろう。福子のおかげで、仕事が軌道に乗ってきた矢先、事件が起きた。かつての凶悪犯の信者たちが立て篭もり事件を起こした。人を殺したという自分の功績を人々の記憶に焼き付けることが最上の目的であり、人々の記憶に永久に住み続けるという点では、最上は目的を達成したと言える。しかし、福子は、自分の存在を覚えていてほしいと思う反面、同じ、殺人犯の最上のことを客観視していた。きっと、未散だけが忘れないでいてくれるという強い信頼感があったから、海外に逃亡しようと考えたのかもしれない。誰にも知られてはならない秘密の関係。歪で共依存で、美しく、儚かった。

0
2025年06月03日

Posted by ブクログ

高校時代の親友がシリアルキラーになったフリーライターが、親友と連絡取りながらルポを書くサスペンス。櫛木理宇で1番好きかもしれない。『ダブルミンツ』好きな人は絶対好き。

0
2025年04月29日

Posted by ブクログ

櫛木理宇さんにしては珍しく(??)グロ表現は少なめでした。
虐げられた人の哀しみは相変わらずリアルでしたが…。

福子は自分の人生を取り戻せたのかな。
逃亡生活からラストに向かうまでのエピソードに少しだけ救いがありました。

0
2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一章ごとに、古沢の一言で世良が過去に起こった事件の真相を明かしていく様がおもしろかった
本作品はフィクションだけれど、実際も報道記事などでは明かされていない真相なり動機なりあるんだろうな

とくに印象深かったのは『クロゼットの骨』と『凍えて眠れ』

世良が古沢に「殺す前に、結婚前に連絡をくれたら何か月でも匿ってやったのに」って言っていたけれど、本当にそうして欲しかったな

0
2025年10月16日

Posted by ブクログ

久しぶりに櫛木さんの本を読んだ。
いつもは過激だったりグロテスクな印象が強いものの今作は本格ミステリに近い感じ。
とても完成度が高くて一瞬で読み終わってしまった。

0
2025年09月28日

Posted by ブクログ

JCの飛び降りから、こんなラストにつながるとは思わなかった。
どの事件もえぐかった。実際の事件を連想する話もあった。
暗い二人のシスターフッドが良い。

0
2025年09月10日

Posted by ブクログ

フリーライターの未散が事件の真相に迫る連作短編集
連続殺人犯として逃亡中の高校時代の親友福子からアドバイスを得て、事件の闇を暴いていく

櫛木理宇さん節炸裂で、虐げられる女性性などいまだに社会にはびこる嫌〜な部分が目白押し
考えることをやめて、心を殺したひとたちの闇が重かった

0
2025年09月06日

Posted by ブクログ

残虐さが無くて私としてはそれに慣れていたし少しそこを求めて読んでいた櫛木作品なので、あれ?という感じ。内容は面白かったです。「クローゼットの中の骸骨」、見つけた時に真実が見えてくる。

0
2025年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

櫛木理宇 というと、グロ覚悟で読み始めるのだけれど、こちらはグロ度おさえめな感じ。櫛木理宇 初心者にもおすすめ。でも毒親多すぎ。

フリーライターの世良と、世良の元親友で4人殺害指名手配逃亡中の福子 の話。
福子のヒントから、事件ルポを次々書いていく。

毎日テレビのワイドショーやニュースやネット上でもいろんな事件が起こるけど、報道は表面だけだし、本当の動機や真相なんてこちらには分からないし、怖いなぁって思った。

ただ連作短編集のような形で、事件が出てくるので、どの事件も印象が薄くなってく・・・最後の頃には、最初の事件が何だったのかも思い出せない。まあ実際の事件もどんどん忘れられていくわけで、それも真なのかも。

あと取材で世良が得た真実を実際のルポにはどう書いて発表したのか?が分からなくてスッキリしないなぁ。実は、妻と弟は計画して兄である夫をひき殺したのです!とか、殺された4歳の女の子邪悪そのもので弟を殺しそうだったので祖母が自ら手を下したのです!とか、そんなことは書いてないよねぇ、きっと。

0
2025年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだ櫛木理宇さんの作品と印象が違って、ちょっと友情のような爽やかさがあった。
ルポライターの主人公が、殺人で指名手配中の友達からたまにくる連絡にヒントをもらい過去に起こった事件の真相を暴いていく。
福子の過去に至っては同情してしまい、どうかこれからも逃亡がうまくいきますようにと思ってしまった

0
2025年05月15日

Posted by ブクログ

2025年5月13日
Skeleton in the closet
表には出せないものをみんな抱えているのか…
シリアルキラーがいけないのか、シリアルキラーにさせてしまった環境、境遇がいけないのか、何か一ついい方にずれていたら。
物事に対する新たな価値観を得られた気がした。

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

フリーライターの世良未散の高校の同級生である、古沢福子は桂井男女四人連続殺人事件をおこし逃亡中。その福子から掛かってきた電話にヒントを得て、過去の事件の真相に迫ると言う内容で、なかなか読み応えがありました。

0
2025年05月12日

Posted by ブクログ

不思議な読後感。いずれは社会派のルポをと願っていたフリーライターの未散にある事件の執筆依頼があり記事の前編が雑誌に掲載された後に高校時代の親友で殺人容疑で指名手配中の福子から連絡が。彼女の助言により事件の真相を追い求めていく。そしてどの事件にも家族の秘密と裏があった。福子が何故的確な助言を出来るのか最後まで謎だった。ただ殺人に至った理由も、まさに不幸の連鎖といった境遇で許されることではないけれど理解できてしまう。

0
2025年05月11日

Posted by ブクログ

面白かった。
赤羽 最低。(本筋には関係ないけれど)
福子 あんなに頭いいのに本当に残念。
家庭環境の悪さって、人の一生を左右する。辛かったね。高校時代を共に過ごしても、なかなかその後まで一緒に過ごせないんだよね、寂しいけれど。

0
2025年04月26日

Posted by ブクログ

丁寧に見ていけば、新たな事実が浮かび上がるのかも。世間の意見に惑わされずコツコツ調べ上げるってなかなかできないだろうな。友人からの電話があったから?

0
2025年04月20日

Posted by ブクログ

一つ一つの事件が、それぞれ一冊の小説にできそうなくらいの肉厚な小説でした。古沢福子という連続殺人犯のキャラクターが、とても魅力的です。サイコパスでも怪物でもなく、周りにいた人によって作り上げられた殺人鬼。

話は終始重いですが、後味は爽やかでした。

0
2025年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

かつての親友がシリアルキラーで逃亡犯に。
そんな親友に導かれるように事件ルポライターとして成功していく主人公。
最初は主人公を誘導しているのかなと思ってたけど、確かに誘導しているけどそれはライターとしての実力をはかり、恩返ししているのではと思った。

0
2025年03月11日

Posted by ブクログ

大好きな櫛木理宇さん最新作。
どちらかと言うと連作短編に近いような構成。
主人公の世良が過去に起こった事件の背景を調べ直し、なぜその事件が起こったのか真相をルポするという、これまでの櫛木理宇さん作品にはなかった構成で面白かった。
ただ、警察ってもっと優秀なんじゃないか。フリーライターでここまで分かるなら、警察なら調べつくしてこの真相に気付くんじゃないかと思ってしまったのは、この前に読んだのが姫川玲子シリーズだったから…?

ラストはそうきたか。と思ったけど、自分がもし世良の立場なら、やっぱり同じ道を選んだかもと思った。

0
2025年02月26日

Posted by ブクログ

単純にレクター博士モチーフかと思いきや、色々な社会と家族と親子と男女の歪みが盛り沢山で、そのくせ爽やかな女の友情もあって、感情をかき混ぜられる

0
2025年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

売れない物書きの未散が、高校の同級生で今は逃亡中の福子からヒントをもらいながら売れっ子ライターになる。事件一つ一つが大きすぎて今何を読んでいるのかわからなくなる。事件事故に限らず自分の見えているものと他人から視点、当事者視点というのは随分違うものだと改めて思う。

0
2025年11月12日

Posted by ブクログ


逃亡犯こと福子からヒントを得て、ライターの主人公が描き出す事件の姿が興味深い。特に「円鍋市兄弟ストーカー過失致死事件」は飛び抜けて鮮やか。
どの情報をどの順で読ませるか、どこまで見せるか、そして鍵となる切り札をいつ出すのか。そのカードの切り方が素晴らしい。「は?どこに落とし所があるんだこの話?」とやきもき読み進めてきて最後に「あ、勝手に勘違いしてたの自分だ」と呻いたのちに感嘆のため息。してやられた感さえ楽しかった。この第2話部分までは星★★★★★だった。

赤羽の一件で「こんな支配欲野郎の機嫌を損ねまいと無駄に社会性を発揮する未散を見たくなかった…」と落ち込んだのと、10代の黒歴史を卑下して自分を一刀両断する件がくり返されるしつこさがひっかかった。考え方や行動など、過去の自分が恥ずかしくてのたうち回る気持ちは共感する。けれど「言うてそんなぶった斬ることか?」とも思うから。もっと大らかに子どものころの自分を見てやれるといいのに…

そんな未散の自意識過剰気味な部分が、福子の淡白さを際立たせる。
終盤、ことが始まり、息もつかせぬ急展開からのラストにわけのわからない涙が出た。

環境によって学習の機会を奪われてきた人たちが、夜間学校に通って文字の読み書きができるようになり、書いた作文を読んだことがある。そこには「文字を取り戻した」とあった。
福子は、あまりに長い間ずっと、人としての尊厳を得られる環境になかった。
やっと、取り戻せたんだとわかる。
どうなったのか、どう行動したのか、その後は予測しようもないが、どうかそのままの心で生きていってほしいと祈らずにはいられなかった。
少しさみしくて、強くてあたたかいラストだった。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

主人公の未散による過去の事件のルポを書くための取材と逃亡犯の古沢からの助言を通して、過去の事件の真実を明らかにしていくので、短編集を読んでいる感覚だった。

古沢の起こした事件に関してはあまり掘り下げられておらず、グロさも櫛木先生にしてはマイルド。
ただ、ひどい家庭環境で育った子供の行先の描写は相変わらず見事。読んでいてしんどくなる。

個人的に、古沢の存在が薄くなりがちで、未散の追った事件の方が印象に残った。

0
2025年08月14日

Posted by ブクログ

最近どはまりしている櫛木理宇さん。かなり残虐な殺人事件の印象が強いから、ちょっと私的にはもの足りたい感じもしたけど、一つ一つの事件の真相というのが、主人公の唯一の親友であり連続殺人犯の逃亡犯の言葉から明らかになっていくところが面白かったな。最後の終わりかたもなんかかっこよかった

0
2025年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】
第一話 一一七人の敵
第二話 クロゼットの骨
第三話 シリアルキラーによろしく
第四話 かわいくない子
第五話 凍えて眠れ
第六話 逃亡犯とゆびきり

ライターとしてチャンスをつかみかけていた世良未散。高校時代の親友・福子からヒントをもらい、未散は事件記事でヒットを飛ばすようになる。どの事件も家庭の歪みが生んだもの。そこまで追い込まれた加害者(1人除く)の痛みがつらい。

0
2025年07月09日

Posted by ブクログ


物語の中に何度か出てくるフレーズ
『skeleton in the closet/
クローゼットの中の骸骨』
公にできない秘密や隠し事

家庭内の暗黙のルールや外に出さない話は、
どの家庭にも多少はあるだろう。
でも各々に秘密の重さや深刻さは違っていて、
それが一人の人間の人格を歪ませたり、
壊してしまった結果、他人の人生までも
狂わせる凄惨な事件が起きたら。

押入れの再奥に隠した死体を見た時、
殺人に至った理由が分かるのだろうか。

それとも、理解できないことが不安だから
自分に都合がよくて納得できる理屈を見つけて
分かった気になってしまうのか。

0
2025年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フリーライターの世良未散は「女子中学生墜落死事件」の記事を書かせてもらったことをきっかけに、いろんな事件記事を書くようになった。すると中学時代の友人であり、殺人で指名手配中の古沢福子から連絡がくるようになり……。

未散のあつかう事件はどれも裏があるものばかりで、出てくる人たちも歪な環境のなかで育った人ばかり。それは指名手配中の古沢も、そして主人公の未散もおなじだった。

ストーリーはおもしろかった。事件の真相もいろいろ工夫されていて、納得のできるものになっている。でもなんかスッキリしない。どの章をみても気分のいいものはなく、鬱々とした気持ちにさせられる、そんな一冊。

スッキリしないのはおそらく物語の〆かたのせいだと思う。未散の行動に文句はない、というか私もそうすると思うし。それよりもMアノンのことに終止符を打たないまま終わってしまったのがすごく気持ち悪い。古沢のほうでいい終わりかたをしたのに、なんで全部書ききらないで終わっちゃったんだろうなぁ。

0
2025年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おお!と思えたのは最初の弟の彼女と結婚した兄の話だけだったかな。完全に車に轢かれたのは弟だと思ってた。あとは似たような話がプツプツと続くのでちょっと飽きてしまった。度々出てくる福子と主人公共通の友人もそんな都合よく沢山いるか?という感じ。
ただ毒親や最低な家族たちの描写は心が痛かった。体の暴力は無くても言葉の暴力で傷が増えていき、最後には感じない方が楽で幸せとまで思わせてしまうのは本当に罪深い。

0
2025年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

逃亡犯となった親友の福子と事件ライターの未散。ふたりの話が中心かと思ったら、福子からヒントを得て未散が事件の真相に気づいていくという展開が意外で、またその真相自体が最初の事件と印象が変わっていったのに驚いた。
でも女子中学生の亡くなるまでの心理や福子の殺人犯となるまでの環境など、胸がムカムカする人間が多すぎてしんどい。

0
2025年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

櫛木理宇作品 初読み。
1章ずつのストーリーは完結型で とても読みやすかった。
でもラストはそういう終わり方かぁ…とちょっとモヤモヤ…。
最川は福子に利用された事に気付くのかな。
あの暴動の決着はどうつくのかな。
とか その後の事が気になってしまう…。

0
2025年02月25日

「小説」ランキング