櫛木理宇のレビュー一覧
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三十三年に一度の儀式に呼ばれた黒沼従兄弟コンビ。一方でサイコメトリーの能力を発現して行方を絶った父を探してほしいという依頼がオカ研に寄せられる。過去の幼女連続殺人事件、行方不明の指名手配犯、そしてオシラサマ伝説。さまざまな要素が絡み合い、怖気を震わせるホラーミステリ。もちろん少ししか進展のないラブコメも健在……。
今回森司と鈴木が陥った状況には、読んでいても驚かされました。今までにも彼らが何者かと共鳴することはあったにせよ、今回のこれは本当に恐ろしくて心配になりました。しかし森司の想い垂れ流し状態にはもうひたすらに笑わされていたので、程よくバランスは取れていたのだと思います(笑)。
白葉家の儀式はなんとなくそういうことじゃないかと思えていましたが。やはりそれでも恐ろしい。神の圧倒的な存在感もだけれど、それに比べればはるかにちっぽけなはずの人間の悪行というのもそれに劣らず恐ろしいんですよね。ああ本当に嫌だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初っ端からほんのりネタバレでいきます。
1冊で1つの物語・長編でした。
櫛木理宇さん、書くの早くてどんどん刊行されますが、やっぱり短編3話で1冊は読み重ねると物足りなさが生まれてしまうみたい。
(もちろん短編もしっかりとした物語なのだけど!)
長編読んで、「そうそう、この充足感を求めていたのよ」と思う程度に、物足りなさ生まれてました。
長編読むと物語の作り込み方の緻密さと、それをライトに読める文章にしている、櫛木理宇さんの技術感じますね。
前半までは、出てくる人物の多さ(特に今回は同じような年頃だったり、同じような境遇だったり、そうにう「似たような」人物が多さ)に、
よく分からないながらも、状況に取り込まれていく森司たちと同化したように「なんだなんだ?」「りどういうことなんだ?」と読み進めました。
ここからネタバレ深まりますが、
サービスエリアに立ち寄った時に、人物の関係性なども明らかになり、明瞭に頭が整理整頓されていく感覚。
物語の明かし方もすごいよね!
森司たちも同じような明かされ方で、多分同じように頭が整理整頓され、脳内がクリアになってるんだろうなという、その場で自分もサークルの一員であるような体感です。
今回の長編は、かつてこよみちゃんの叔母さんのお話があったように、黒沼部長がメインとなる話でした。
ずっと気になっていた黒沼部長の過去・トラウマ・誘拐について明かされます。
過去のお話について触れましたが、
これだけ連続で刊行しているけども、
こよみちゃんの叔母さんだったり、百々畝家の話だったり、黒沼部長の弟の話だったり、
結構すっぱり忘れてもーてます(笑)
(百々畝家の奥座敷を覗く話は、割と最近な気がしてほんのり覚えてたけど)
毎回、過去全部読み直さなきゃーなと思うくらいに、割と忘れてしまってます(笑)
黒沼部長のあれこれ、覚えとかなきゃな。
ところで、ホーンテッド・キャンパスは、
ちゃんと怪異があって、人ならざるものの存在がいて、人間の力が及ばない出来事があったり、
やたら厄介で邪悪な人の力が及ばないものの存在も出てきたりしながら、
なんだかんだ「人が1番怖いよね」
という話でまとまっています。
今回の長編もそうでした。
そしてそういう怖い人が怪異を及ぼしたりもします。因縁、因果。
悪である人は初めから悪ではなかったけど、何かのきっかけがあって、悪になる。
そのきっかけをそのまま悪に染めるか、反面にするかはその人の素質かもしれませんね。
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櫛木理宇さん作品、私は5冊目でしたが、今作が一番面白かった‼︎
サイコサスペンスであり(いつもながらの櫛木さんらしい)誠に残酷でむごたらしく、本当に不愉快になる犯人の悪行シーンやその心情は、読んでいて辛く腹ただしく、思わず顔をしかめるところもありました。(幼い子に対する性犯罪って本当に最悪最低だ)
しかし、今作はなんといっても「星野班」の活躍を追うのが面白く、先に先にと気がはやりました!
元刑事の誠司、孫の旭(この子がまた、いい!)その友達の哲、弁護士、関係遺族、記者やジャーナリスト、立場の違いはあれど、彼らの誠実さと正義感、真実を求めるための行動力など、応援する気持ちで夢中で読み進めました。
この30年で、捜査の精査さも、メディアでの情報の流布も速さも、匿名の反応も、はたまた、昔だったら判明しなかった病気や障害など、すべてすべて、変わってしまった…それを痛感しつつも、結局は人が人を裁くことの難しさを強く感じたのでした。
印象に残ったところ少しだけ。
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亡き娘に捧げる正義には、一点の曇りもあってはいかんのです。
娘の魂が、安らかであるためには
墨一点の疑いも…。
完全なる善人も悪人もこの世には存在しない。そしておれたちはとりわけずるい。公明正大に生きていけるのは、得てして自己評価が高く強い人間だ。“おれたち”は弱くて自分に自信がないから、よく嘘をつく。
犯罪者は緊張作用、つまり爆発する緊張度が普通の人間より高い。
愛情ってのはどうしてこう、間違った方向へ目をくらませがちなのかね。
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読み応えたっぷり…しかも、エピローグはやっぱり櫛木さん…。
櫛木理宇さんは、続けざまに読むのはちと苦しいですが、これからも読んでいきたい作家さんです -
購入済み
ワハハ
今回もあっという間に読了しました。面白かった!オカルトと神話と事件が絡みあい、どんどん読み進めました。それにしても、森司くん、自分が何を口走ったか知ったら、恥ずか死んじゃうじゃないでしょうか。でも、こよみちゃんは気合が入ったようで、良かった良かった。
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Posted by ブクログ
初めて「角川ホラー文庫」を買って読んだ。
きっかけは「死刑にいたる病」の巻末に載っていた。特別な経緯はありません。ホラー小説と言うだけで、作品を前にしてブルブルと震えながら読み始め、何故か途中で止めようとは思わなかった。
物語:皆川家は現在、女四人で暮らしている。留美子は、付き合っていた男性の紹介で小姑たちに、「ふしだらな女」呼ばわりされていた。お腹には既に小さな命が宿っていたからだ。「わたし、絶対に彼と結婚しますから」それから留美子は順調に三人の娘を生んだ。三人目を産んだ九年後、四度目の妊娠で検診の結果、男児だった。
あの日の事故を境に、生活のすべてが一変した。以来、留美子は心を塞ぎ「よき母、よき妻」であることをやめた。―智未(長男)のいない我が家なんて、もう見たくない。
玄関先でうつむいたまま、留美子はため息をついた。小さな爪先が視界に入った。顔をあげる。途端、留美子は目を見開いた。目の前に、四、五歳見当の男の子が立っていた。男の子は「トイレ…貸して、下さい」と言い、留美子は場所を教えたが、男の子は間に合わなくて漏らしてしまった。
両方の拳を握り、その場に立ったまま、粗相をした自分を恥じて声もなく泣いていた。
その姿に、思わず留美子は胸を衝かれた。
ちいさい子に、こんな泣き方をさせてはいけない。子供が他人の前でこんな風に声を押し殺して屈辱の涙を流すだなんて、あってはならないことだ
ひどすぎる。この子の親は、どこでどうしているんだろう。靴も履かずに子供一人で徘徊させているだけでも異常なのに、こんなに痩せさせて、お風呂にも入れず、トイレにも行かせないなんて。
その後交番に届けたが、留美子は、亡き長男のこともあり、親が見つかるまでの間だけ預かることにした。
子供に名前を聞くと「朋巳。山口朋巳」という。
勿論、家族の反対があったことはいうまでもない。事故で亡くなった智未は、留美子に溺愛されていた。朋巳が皆川家に来てから三週間、荒んでいた皆川家は、なんとなく落ち着いてきた。ある雨の日の午後、長女琴美が自宅の軒先に立っている女を目にとめた。何とも言えぬ風貌に、琴美は思わず身を引いた。
皆川家の人たちは、女がⅮVを受けていたと勘づいた。
「あのう、もしどこへも行く当てがないのでしたら、よかったらー」と声をかけてしまったのが悲劇の始まりだった。
朋巳の母、山口葉月が住み着いた。巻末に、この小説は単行本『寄居虫女』を加筆、修正の上、改題し文庫化したものです。と書いていた。
冗談キツイぜ‼
あらま、読書は楽しい! -
Posted by ブクログ
ーどうして人は、孤独を恥ずかしいと思ってしまうんだろう。(P.12)
…顔の皮膚一枚で浮かべたらわれながら薄っぺらな笑みであった。(P.180)
西の空には、橙と薄桃を刷毛で交互に滲ませたような色あいが広がっていた。細い電線と、まわりに群れ飛ぶ鴉とがくっきりと黒く浮かびあがっている。(P.250)
焦燥はなかった。かと言って解放感もなかった。ただ、ぽっかりと胸に穴があいていた。たったいまできた穴ではない。ずっと昔からあった、誰にも埋められない、そして誰も埋めてくれない穴だ。深く深く穿たれた穴だ。ふだんはそこに穴があると認識せずに暮らしている。それほどまでに見に親しみ、意識に馴染んだ穴だ。いや- 欠落だ。(P.261)
とくに行くあてはなかったが、ただ歩いた。青一色だった空に桃いろが刷かれ、やがて橙が混じってまだらに染まり、西に陽が落ちて茜が群青に呑みこまれていっても、まだ歩きつづけた。
濃紺の夜空を背景に、信号の灯りが冴え冴えと浮きあがって映える頃、…(P.311)
榛村の表では人を惹きつけ、裏では残忍な犯行を繰り返す、まさにサイコパスな描写がとても上手で、自然にこんな人かなと想像できた。
雅也がどんどん榛村に乗っ取られていくのが分かり、後半からゾクゾク。後半にかけて面白くなる本ってそうそうないので、新鮮。様々な人が入り組み、複雑な人間模様でたまに頭が混乱、、、
人の弱みに漬け込み、上手く足りない、満たされないところに入り込む、これは才能なのか…
現実にこんな人、会ったことないが、いたら怖すぎる…
チェインドッグ、鎖に繋がれた犬だが、誰が鎖に繋がれていたのか…雅也か、雅也の母か、それとも雅也の前に現れた謎の男か…
空の描写もとても素敵で、色を交えながら描くところが好き。 -
購入済み
駆け抜けた
あー面白かった。駆け抜けるように終わってしまったけど、エンディングには気になることが。まだ終わりじゃないのね。森司くんとこよみちゃんはクリスマス・イブのデートまでして、学生には高価なアクセサリまで贈ったまでして、まだ付き合ってないことになっているのだろうか。二人のことはそっと見守り続けるとするか。
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購入済み
一気に読みました。
普段あまり小説を読まないのですが、TV欄で見たタイトルが気になり購入しました。とても読みやすく一気に読めちゃいます。終盤の展開の頃にはもうこの物語の虜になっていました。
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ネタバレ 購入済み
一気読みしました。
雅也が大和に飲まれて行き過ぎて犯罪を犯すのではないか・・と、ヒヤヒヤ。
雅也と大和・・パン屋の客よりも親密な関係性があるのでは?と予想はしていましたが・・・
最後の面会で、やはり殺人犯は殺人犯なんだな・・・と。自分をしっかり持つ事って大事ですね。 -
Posted by ブクログ
第19弾。だけれど二人の仲の進展は……うーん、ま、こんなもんでしょか。全くの進歩がないわけではないけれど。その他オカ研メンバーの気持ちはよーく分かるぞ。
ホラーの部分は今回も怖いです。ほんわかムードに騙されずやっぱりどこまでも怖い。しかし実は一番怖いのって幽霊……よりも生きている人間……よりも……雪っ!? これは雪国の人なら共感できるのでしょうか。閉じ込められるって驚愕すぎます。全然ロマンチックじゃないんだ。
というのはさておき。「四谷怪談異考」が凄いです。ざっくりとしか知らなかった「四谷怪談」も分かりますし。それになぞらえた現実の事件の謎解き、そしてラストの一番恐ろしく惨たらしい真相の解明まで、ぞくぞくが止まりませんでした。鼠と櫛の謎が怖すぎた……。