櫛木理宇のレビュー一覧
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妙な中毒性があり何度も読んでしまってる。
つまり私も榛村に魅了されている…。
いろんな人から見た榛村。
相手によっては別人のように思える榛村。
榛村のことを調べれば調べるほどわかるはずの正体がわからなくなっていくような感覚。
そして気付けば自分もそちら側にいきかけてる雅也。
その変わりようが自然すぎて不気味なのがよかった。
父親〜のくだりは素直に、そうだったのか…と思って読んでしまった。
現実で榛村がそばに居たら簡単に無意識に影響を受けるだろうな…と思いつつ、むしろ現実にも榛村のような人はいて、既に無意識のうちに影響を受けているかもしれない、と考えてしまう。それもいい。
何よりもオチ -
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「自己責任、自己責任ってよく聞くけど、この世代に生まれたことも自己責任なんですかね」
人は生まれる時代も、生まれる家も選べない。だからこそ、時代と運の巡り合わせで転落するしかなかった人生もある。それを“自己責任”と切り捨てていいのか。
私だって、あと10年遅く生まれていたら、今のような生活は送れていなかったかもしれないと、ゾッとすることがある。だからこそ、今の自分は運に恵まれた面もあるという謙虚さを忘れてはいけないと思う。
ネットに溢れる他者への容赦ない攻撃。“自己責任”と弱者を切り捨てる者は、自分の今いる位置を全部自分の努力で勝ち取ったと思っている。運がよかっただけかもしれないのに。
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ネタバレ11歳で誘拐された少女。誘拐先で監禁、出産を経験し、解放された元の世界・・・
昔の田舎社会のありようが映し出された作品。確かに、自分の子供のころはここまでではないにしろ、似た雰囲気があった気がする。長男以外の子供の扱い。男社会の冠婚葬祭、家族の中での女性のあり方、ヤンキーへのあこがれ・・・間違いなく昔の日本にあった世界観。
今では理解できない世界でも間違いなくあった世界。
サチは思い通りではないにしろ、最後は浮かばれたが、ミユキさんはかわいそうでしかなかった。
そして、ミユキさんのキャバ仲間の女性の言葉とスナックのママのセリフが一番共感できた。 -
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この作者の他作品によくある後味の悪さが、ほどよくマイルドになっており、人に勧めることはできる作品。
主人公をはじめ、登場人物たちは皆、時代に翻弄されている。自分の力ではどうにもならない環境のなかで、それでももがいていた人たちがいたのだと感じた。ブラック企業でのパワハラ、親の介護、事故や災害、テクノロジーの変化——こうした境遇には、誰もが同じように陥る可能性がある。
作中で触れられていた、京都で実際に起きた尊属殺人の話。当事者の立場に身を置いて想像すると、虚しさと悲しさで涙がこみ上げてくる。
作中でも語られているとおり、ネット上で支持されがちな「自己責任論」は、当事者の立場を思いやる想像力 -
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大手広告代理店の就職面接で起きた毒殺と同時刻に電力会社で起きた立てこもり事件。
二つの事件に関連はあるのか…。
衝撃的な場面から徐々に明らかになってくる犯人像。
彼ら⁈は、1973年代に生まれた氷河期世代であり、ロスジェネとも言われる、そして団塊の世代が生んだ子どもたちである。
理不尽な社会に鉄槌を下すべく起こした事件は、社会の理不尽に苦しみながら負け組だった者同士が、個人では太刀打ちできない叫びをネットで共有して起こした。
腐った社会を変えようとしたのだが、果たしてその声は届いたのだろうか…。
そんな事件もあったよ、とそれだけで済まされるものでは決っしてあってはならないと思う。
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2026.06.17
教授が募集する高額バイトに参加することになった大学生が、閉鎖的な村の因習に巻き込まれる物語。
今もどこかにあるかもしれないと思えるような業の深い話。「食べることで命を濃くする」こともあれば「飢えることで恨みを濃くする」こともあるのかと、妙に納得。「末代まで呪う」「未来永劫祟る」とよく聞くが、そうやって濃く生きることで我が身を守り抜いてきた村人には気持ち悪さしか感じない。また、主人公の大学生もたまたまそこに放り込まれたわけではないことが分かり、教授という人間のいやらしさも感じた。
とにかく「村ホラー」という名のヒトコワな話で、終始気持ち悪い。最後の最後、若者2人が出口 -
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映画→原作の流れで。
原作は、榛村本人と対峙するよりも、インタビューしていって関係者から榛村を構築していっているようなところが面白かったです。
でもそれも、榛村さんの掌の上。こわい。
反社会性パーソナリティ障害も、遺伝だけでも環境だけでもなく。「遺伝✕生育環境」がダブルで影響していくところまでいってしまった、というのが伝わってきました。
榛村さんに影響され、翻弄される雅也の心理描写に息が詰まります。
金山くんは映画と結構違うんだなと思いました。呪縛から逃れきってはいないとはいえ、弱くもない。
関係者たち、特に榛村さんと接してきた子どもたちや、金山くんの同級生たちがよく見てるんだなと思いました -
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就職氷河期世代(1973〜74年生まれあたり)の社会に対しての復讐の話
大手企業で同時発生した毒殺と籠城
テロ事件をつなぐのは、氷河期世代の悲痛な叫び
社会の理不尽さに苦しむ人たちが、やり場のない怒りを積み上げていき、社会への恨みを晴らそうとする
「親世代は、何の取り柄もなくても、ごく凡庸でも生きていけた。結婚して子どもを作れて自分の稼ぎで家を買えた。なのに、自分たちはだめなのか、贅沢なんか言ってない、普通に暮らしたいだけだ。それを、何で自己責任だの努力不足だの言われなきゃなんないんだ、自己責任なんていう、くだらない言葉がはびこる前の社会に戻せ!おれたち世代から奪ったもの、全部返せ!これ -
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連続して起こる猟奇殺人、被害者は瞼と唇と耳が切り取られている。過去の類似事件、その犯人が主人公の従兄弟であると手記を渡されて、とミステリー。
主人公の刑事と従兄弟の2組の兄弟、そして少女ら三組の親とその親。一族という遺伝、双子という血か、生活環境という肉か、どちらがその人を形創り、その人をサイコキラーたらしめるのか。主人公自身もそれを想像し、恐れ、目を逸らして解決に進んでいく。
形はあるものの、中身が無理矢理動かされている家族はその時もそれ以降も地獄なのだとこの作品では終始ある。主人公自身も壊れかけているし、ラストも運が良かったかご都合主義のようにしか見えない。
一番気になったのは主人公の従兄