櫛木理宇のレビュー一覧
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臼原市で起きた死体遺棄事件。残虐的に殺された遺体は約二十年前の連続殺人事件と共通点があった。
主人公八島の家族や親族が関係していた。
八島の一族は幼いながらどこか人間性が欠落していたり、劣悪な環境に身を置いていたせいもあって、どこかで歪んでしまったんだろうと思う。
劣悪な成育環境、頭部外傷、虐待やいじめによる心の傷、過度なストレス。それらが一列揃って満たされた時、人を殺せるハードルを超えてしまうという。
そして今回の場合は、一卵性双生児による心の結びつき、幼い頃に引き離されたことによる弊害。
色んな環境や条件が重なって事件が起きた。
最初は、家族間の歪んだ環境のせいで心が引き起こしたものだと思 -
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6人の著者による恐怖短編集。お目当ての斜線堂有紀作品は「輪廻の果てまで愛してる 現代の短篇小説 ベストコレクション2025」で既読でした。読み心地はあまりよくない系です。中学校以上。
「カタリナの美しき車輪」斜線堂有紀
「かんのさん」尾八原ジュージ
越した先の隣家には"かんのさん"という何かがいて、近隣の人たちはそれを見たいがために捧げ物をするのだ。
「夢見鳥」木江恭
私の所属する営業五課に来た深山蝶(ひらり)は仕事のできる子で、私を慕ってくれる。でも彼女のいく部署では偶然とは思えない頻度で不幸があるらしく…。
「やどりこ」櫛木理宇
目が痛くて受診している私。何かよからぬ疑 -
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Posted by ブクログ
昭和の田舎を舞台に、少女が長年監禁される凄惨な事件を描いた作品。読みやすい文体とは裏腹に内容は非常に重く、救いのなさが胸に刺さる。少女がが犯人の母親に親近感を抱いてしまうストックホルム症候群的な心理や、救出後も居場所を失う残酷さが印象的だった。
本作で強く感じたのは「閉じた世界」の恐ろしさだ。昭和の因習や男尊女卑の価値観は外から見れば異様でも、当事者にとってはそれが当たり前なる。現代でも家族という共同体が閉じた環境になれば同じことが起こり得る。
だからこそ、外部の視点に触れる機会がどれほど重要かを考えさせられた、苦しい読書体験だったが、環境や価値観を疑う視点を持ち続ける必要性を突きつけられ -