【感想・ネタバレ】少年籠城のレビュー

あらすじ

猟奇殺人×子ども食堂立てこもり
究極のサスペンスミステリ。

地方の温泉街の河原で、子どもの惨殺遺体が発見された。
警察は、小児わいせつ事件を繰り返していた15歳の少年・当真への疑いを強める。
逃亡中の当真は警官の拳銃を強奪し、子分とともに子ども食堂に立てこもった。
自分は無実で、人質を殺されたくなければ、警察は真犯人を捕まえろという。
子ども食堂の店主・司は、人質の少年少女を守るために戦うことを誓うが――

当真は本当に無実なのか。他に殺人犯はいるのか。
さらに新たな遺体が発見され、暴走する当真は引き金に指をかける――
誰もが予想できない結末が待つサスペンスミステリ。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読み終わってみると、切ない気持ちになりました。弱き声もちゃんと然るべきところに届き、変わっていくこと、互いに助け合うことをいとわない世界であってほしいと思いました。

1
2024年05月26日

Posted by ブクログ

お…重かった…!!
やるせない、いたたまれない
こんなに人権を無視されている子どもたちが生きている地域があるだなんて思いたくないけど…
貧困の連鎖、警察の不祥事、後手後手にまわる児童虐待、教育格差など、ときにテレビを騒がす問題がぎゅっと濃縮されていて読んでいてつらかった
立てこもり現場の緊迫感で読む手が止まらず一気読み
また読みたい

0
2025年06月23日

Posted by ブクログ

面白かった! 籠城してる側と外の警察でジリジリ話が進んでいく焦燥感。こういうサスペンスなミステリって精神削られるけど、好き。

0
2025年06月18日

Posted by ブクログ

泥首という温泉街の河原で子供の遺体が発見された。犯人と疑われた少年は町でも不良少年として有名な少年。職質の最中警官を襲い拳銃を奪って食堂に立てこもる。という話。少年は殺人を犯していないと言い、真犯人を捜査する警察と、立てこもられた食堂での話が並行して進んでいきます。
世間のみんなは、死んだ子どもにしか興味ない。生きているうちは「自己責任」死んではじめて「かわいそうという」セリフが印象的。
読後感は悪くない。傑作でした。

0
2025年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか子供が起こす立て篭り事件っていうのがショッキングというか…。
小学生が学校に行けない、自分の気持ちを表す言葉を知らないってなにより悲しいなぁと思ったよね。
日本に今でもそんなところあるのかな…?

0
2025年03月20日

Posted by ブクログ

不良少年2人が子ども食堂に立て籠った。動機は何か。所詮、子どもが考えることだと侮っていた大人たちは、凶器が刃物と拳銃であることと、少年が躊躇わず引き金を引いたことに動揺する。子どもを人質にとり、敵意や殺意を剥き出しにし、欲望のまま行動する様子は、ひどく動物的であった。籠城が長引くにつれ、司や幾也に疲れが滲む。その中、ふたりがたどり着いた真実とは。当真たちは、親から虐待されていることを知りながら何もしてくれなかった大人や警察への怒りが溢れ、籠城することで自分たちの存在を知らせていた。重大なことを起こすことでしか自分の存在を知って貰えなかった。親になるべき人となるべきではない人。子どもは、子どもを望んでいる人のところを選んで生まれたら良いのになんて。親ガチャなんて言葉があるが、親から子への影響は人生を形づくるほど大きい。親になることが怖いと思うと共に、日本にもこのように流れ着いて馴染めずにいてもいなくても同然の扱いをされている子どもがいるのだろうと思った。私の知らない世界が本の中に広がっていた。

0
2025年03月14日

Posted by ブクログ

重い、とにかく重かった。
しかし、続きが気になって一気に読み切った。

子供たちがみんな幸せになってほしい。
馬鹿な大人たちには天罰を。

もしかしたら続編もあるかも。
期待したい。

0
2024年05月10日

Posted by ブクログ

やはりハズレのない櫛木さん。櫛木作品との出会いは「世界が赫に染まる日に」。装丁は印象的だったが、正直内容はまぁそこまで印象に残ってなかった。その後「FEED」の改題「少女葬」でそのグロ描写と息苦しくなるような閉塞感に激ハマり。それから「寄居虫女」や「赤と白」「チェインドッグ」の改題「死刑にいたる病」「殺人監禁依存症」ですっかりその世界観のファンに。最近では「氷の致死量」や「老い蜂」「209号室には知らない子供がいる」「鵜頭川村事件」を読んだ。やはりハズレなし。すこし作風が違うように感じてあえて読んでいなかった「ホーンテッドキャンパス」のシリーズも読んでみた。

と、過去作のお話はこの辺にして、今作は「少年籠城」とのタイトル。今までのタイトルに比べて面白そうとは思えない。だがそれは読むと覆される。舞台は地方の温泉街。脛に傷のある者たちが引き寄せられるように集まる泥首。子供がいなくなっても誰も気に留めない。学校にも通えず戸籍も不明瞭。識字率も低い。そしてそんな土地柄には特殊な性的嗜好者もいる。そんな街で育った司と幾也。2人は成長し、司はこども食堂を継いだ。幾也は警察官になるも自己肯定できない。そんなある日、河原で男児の惨殺遺体が見つかった。疑われたのは15歳の少年、当真。当真札付きのワル。職質した警官を傷つけ、銃を奪い子ども食堂に立て籠る。ここでタイトルを思い出す。この籠城の結末は?犯人は当真なのか?

率直な感想、現代日本にもこんな地域や現実があるのだろうか?私が知らないだけなのか?バックパッカーをしていた頃にアジア諸国を周った。その時に見た光景に似ている。ここまで露骨ではないにしろ、未だにこども食堂とかあるのはその問題が残っているからか。昨今キックバックで叩かれつくしている行政に期待できるのか?子供からしたら大人の不甲斐なさを感じずにはいられないだろう。櫛木さんの社会派作品でもっと問題提起して欲しい。

0
2023年12月22日

Posted by ブクログ

終始緊迫感があった。
行き場のない人達が集まるとこにある、食堂で起こった籠城。
貧困や、住所がない子供たちが読んでいてつらくなる。
とてもいい、1冊でした。

0
2023年11月25日

Posted by ブクログ

少年の貧困問題を余すところなく描く必読の大傑作小説、と言い切ってしまおう。被疑者少年が困窮する子供を支援する食堂に籠城してから事件解決までの、籠城と事件捜査、生安課の腐敗、そして育児放棄された子供たちの精神性と思考回路を確り描きながらも、エンターテインメント性を忘れず、とても読み易いながら重厚感たっぷりのミステリー小説に昇華している。後味の良さも好感触。「死刑にいたる病」よりもこちらの方が映画化に向いている気がする。遡って櫛木作品を読んでみたくなった。

0
2023年10月24日

Posted by ブクログ

すごい本に出会った印象です
徐々に引き込まれていきました
3時間ほどでかかりましたが
一気に最後まで読んでしまいました
読みながら胸が苦しくなりましたが
考えさせられました
確かに、自分の地域にも子供食堂が増えております
小説の中の、子供がお腹いっぱいご飯を
食べたいと言った言葉が印象的でした
色々考えさせられました


0
2023年09月30日

Posted by ブクログ

「この世にはキリストだのアッラーだのいろんな神様がいて、神様が違うごとに常識や正義も変わる。だが子どもを飢えさせないってのは、世界共通の、唯一絶対の正義なんだ」この言葉を聞いて、心理学を学んでいた「やぎら食堂」の店長柳楽司は親の店を継いだ。
その店で起きた少年二人の籠城事件。
疑われる小児わいせつ殺人事件の犯人は彼らなのか⁈行き詰まるサスペンスの中で、少しづつ真相が暴かれていく。
子どもを飢えさせないために店に立つ司。
食事にも愛にも飢えた子どもたち。
自分の欲望のために子供達を見殺しにする大人たち。
親の本当の愛とはなんなのか?
殺された子供達に描写には目を背けたくなったが、籠城事件の解決に向けたサスペンスに読む手が止まらなくなった。

0
2023年09月27日

Posted by ブクログ

 櫛木理宇さんの作品、今回も重~い、考えさせる作品でした。結構、厚みのある本なのですが、ほぼ一気読みです。

 地方の温泉街の河原で、子どもの惨殺遺体が発見され、警察は15歳の少年に嫌疑をかける…。15歳の少年は友達とともに、この地で子ども食堂を経営する司の家に立てこもる…。その少年は無実を主張し、嫌疑が晴れるまではここから出ないと訴える…。この地では様々な事情を抱えた子どもたちがいて、常に親からの愛情と食べるものにも満足にありつけない子どももいる…。警察は、少年の嫌疑を晴らすことができるのか…そして真犯人は…?

 借金、DV、虐待、ネグレクト、小児性愛…様々な要素を盛り込み、また警察の不祥事まで白日の下にさらされます。でも、子どもたちは、そんな大人の被害者…死ななきゃかわいそうだと思われない、勉強したくともできない…そんな子どもたちの思いが痛みを持って伝わってきます。どんな子でもどんな家庭環境の子でも、夢を持てる社会であってほしいと強く思いました。

0
2023年09月19日

Posted by ブクログ

表題からも内容が推察されて、ある程度はお話を予測していたけれどその何層も上をいく凄まじさだった。子ども食堂を中心に展開される籠城劇には背筋が凍る思いだった。小さな子どもに理不尽な仕打ちをする周囲にも、貧困な社会にもやるせなさばかりが募ったが、司さんの心意気には救われた思いだった。警察と少年のやりとりやラストにかけての壮絶な捕り物にも手に汗握る展開。一行一行から目が離せなかった。今の時代にこんなにも貧困な世界があるのかと、それがとても心に残った。

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

読み物としても、迫力があり、とても面白かった。そして、ただ面白いだけではなく、考えさせられる作品だと感じた。
フィクションだけど、実はすごくリアルな話だと思う。

0
2025年01月20日

Posted by ブクログ

面白かった!話自体が面白いのはもちろん、子供好きの主人公の司の視点というフィルターを通すことで、読者もストックホルム症候群を追体するのが読書体験として面白かった。

0
2024年11月02日

Posted by ブクログ

この作家さんの作品はかなり過激でグロいイメージがある。映像化されたものは何本か観ているが、原作本は初読み。

こちらはグロさは控えめだが、やはり苦しいシーンはあり。
親からの児童虐待のエピソードの回想シーンだけでもとても苦しかった。

そんな中、子ども食堂を営む主人公が立てこもりの人質になってしまった。同じく人質の他の子供を守りながらも犯人と闘う姿に、私も共感、応援、ハラハラの連続。

籠城の前の、冒頭の主人公の学生時代の切ない話もかなり気になったし、それが解かれていくのもスッキリで、結果的にはかなり面白かった。

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2024年10月01日

Posted by ブクログ

 舞台は地方の温泉街の泥首という地域。そこでは子どもが突然いなくなっても、誰も気に留めない地域だという。

 そんな泥首で、子どもが無惨に殺される事件が起こる。

 問題児である15歳の少年当真と、子分の慶太郎がその現場から立ち去るのを目撃され、警官に職質された2人は警官を切り付け、拳銃を奪って立て籠りを起こす。
 立て篭もりの現場は、親に食べさせてもらえない子たちに食事を提供する『子ども食堂』だ。『子ども食堂』には経営者の司と、その場に居合わせた子どもたちが人質にされてしまう。殺したのは自分たちではないと言い張る2人。解放されたければ、犯人を見つけ、テレビで名前を言うことを条件にしてきた。

 今回の子どもの死体以外にも、近くから2人の死体が見つかる。1人は死後20年は経過していた。犯人は一体誰なのか・・・。

 凄惨な事件もさることながら、こんな地域があるのだろうか。慶太郎が言う『世間のみんなは死んだ子どもにしか興味がない。生きているうちに、ぼくは、ここから逃げたかった』という言葉があまりに悲しい。

 立て篭もりが起こっている店内のジリジリした緊迫感と、警察側の犯人を探し出していくミステリが大いに楽しめた。

0
2024年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近忙しく、触りだけ読んで3日。一章の途中まで読んでからはノンストップで夜通し読んでしまった。

櫛木理宇にしてはグロテスクな描写はなく、後味も悪くないが やはり刺さるナニかがある。


私がこうして本作を最後まで読めたのも、《教養》を持っていたからであり、《それらを学べる場》があったから。


腹いっぱいご飯が食べられ、
色んなことを学べて、本が読める。
そんな子供たちで溢れますようにと願うばかりだ。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

お、重かったです。辛かったです。
でも、ノンストップで読んでしまいました。止められませんでした。

私、特に理由もなく、性善説を信じたくて、
そもそもみんないい部分はあるのに、育った環境でどうとでも変わってしまう。でも実は奥底の底の根っこの部分は優しいものが残ってるって、信じたいんだけど。
よく分からなくなりましたね。
読みながら自分の考えが一転二転して、もう、よく分からなくなりました。

実際にこんなことって、あるの?
なんでそんなことができるの?
って理解できなくて、それは私が恵まれてるからかな…
実際にこういうことが日本で世界できっと起こってるのかな…
つら…つらすぎる

夜も寝る前にずーーっとなんだか気分がスッキリしなくて、ものすごく影響されてしまいました。

もう二度と読みたくないけど、一度は読んで良かったなと思いました。

0
2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重いテーマだったが引き込まれた。不良少年と子分の事件と思ったらとんでもない大人の悪行だったし、この地域の設定に戸惑った。

0
2023年12月29日

Posted by ブクログ

貧困が生んだ事件
子供たちが必死に生きようとする逞しさ
それを無残に踏みにじる壊れた大人
最後はハッピーエンドと言えるのかな

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

少年の惨殺遺体が発見され、その犯人と目された15歳の少年当間が拳銃を持って食堂に立てこもる。自分は犯人ではない、人質を解放してほしければ真犯人を見つけ出して自分の前で謝罪させろと要求。

面白かったです。なんというか、ネグレクトであったり親に虐待されたりみたいな背景というか舞台があってのお話なので暗い気持ちに・・・は案外なりませんでしたね。それよりも話の展開が気になって先を読み進めたくなりました。籠城中のじりじりとした緊迫感がなんともいいですね。
もちろん、虐待されたりとかそういう劣悪な環境で育った子供たちのあれこれのような真面目な側面もあるんですが、それよりも小説の面白さが際立ったかな、と。

0
2023年11月06日

Posted by ブクログ

面白かったです。
残虐描写もほどほどで、トラウマになりそうだった「避雷針の夏」に比べたら、なんか丸くなったというか、マイルドになったというか。

全編緊迫感があり、真犯人は誰なんだという謎もあり、ウマそうな食事描写もあり、で大満足の一冊でした。

オススメです。

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

温泉地の歓楽街だって、さすがに今は違うだろうと信じたいような環境。街立て籠り事件から連続殺人事件、署内の非違事案と飽きずに一気に読んだ

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2023年09月29日

Posted by ブクログ

2023/9/25

子供の惨殺遺体が見つかり、犯行を疑われた少年が籠城事件を起こす。

親に虐待や育児放棄され、学校に通えない子どもたちが主題。
わたしにとってはニュースの中の話。この子達が亡くなってから「かわいそう」と思うだけ。
この子達が生きている間に救うために動きたいよねぇ...

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2023年09月25日

Posted by ブクログ

小学生男児の遺体が見つかり、容疑者に浮かんだ15歳の少年が自分の無実を主張し、地元の子供食堂で立てこもり事件をおこす。

舞台になった温泉街の土地がありえないくらい治安が悪く、家庭環境の悪い子供が多い。

分厚くて暗めなテーマだけど、おもしろくて1日で読み終わりました。
主人公で子供食堂の店長の司が銃を持った少年相手に籠城され、子供たちを守るために考えを張り巡らせる描写がリアルで感情移入がすごかった

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

悲惨な生育環境下にある子供達を少しでも救おうと奮闘する主人公の生き様に心を打たれた。
自分がいかに恵まれていたか、当たり前のことを当たり前に享受していたことに心から感謝する。
事件の渦中にいる主人公の子供達に対する心情の変化が苦しくも応援したくなった。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

考えさせられる作品でした。
ストーリーは、サクサクと読み進められました。
社会問題とその背景をうまく描写しており、
自分の見えていない世界、境遇を垣間見た気がしました

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

少年たちが自分達の潔白を証明するために人質をとって子供たちに優しかった食堂に立て篭もる。この子供の本当の願いを知った時、その計画性に称賛の思いで学びたいという気持ちに圧倒された。不幸な場所で育つしかない子供たちに行政の目は届かない。まして腐敗した警察官たちがいるとあっては。ただの事件ではなくそういう社会に波紋を投げかけた物語でもある。
また司が作る料理が美味しそうだった。

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2023年09月20日

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