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茨城県の住宅で顔面に劇薬をかけられ滅多刺しにされた男女の死体が発見される。
現場には犯人の下足痕・指紋・DNAまでもが残されていた。
関係者を洗う敷鑑班に割り振られた捜査一課の和井田は、被害者たちがジュニアアイドル事務所を経営し、12歳以下の幼い少年少女にきわどい仕事をさせていたとの情報を掴む。
多方面から恨みを買っていたと確信する和井田のもとへ指紋鑑定の結果が。
指紋は椎野千草という女性のデータと一致し、彼女はかつて起こった一家心中事件の生き残りで、和井田の親友・白石が家裁調査官として担当した少女だった。
和井田は千草の話を聞くために白石を訪れるが、白石は「彼女に人は殺せない」と主張。
それには千草の父親が起こした一家心中事件が深くかかわっていた。
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Posted by ブクログ
初めは死蝋という所持するにはおぞましいものがキーワードの猟奇的な事件というハラハラ感の面白さがあって好みでした。
櫛木さんの作品は読み始めたばかりで今3冊目ですが、物語の序盤で既に犯人の名前が出ているのにこれだけの深みがだせるのはすごいと思います。
そして今回の家族についての話が深い。
状況はとんでもなくえぐいですが、家族というコミュニティの中に父親が見えない、母親に女という姿が見えないと追求するところが日本の家庭のあり方の確信をグサグサとついてる。
いつも子育てのことを追求されて振り回されるのは母親で、でも家事育児に翻弄される姿だけでは役割を終えれず、女であることを疎かにすれば夫婦仲を追求される。
海外の、夫がいつまでも妻のことを一人の女として求めて愛する姿勢をだすのは日本だと少ないと思えます。
そして子どもの愛着形成や、発育の時期の影響が与える将来の末路が今の日本のどこかでも似たことが起きているのではと思わせる背筋が凍る話でした。
和井田と果子のラブラブしたやり取りがあまりに対照的に感じられるのも読み手の息抜きでもあれば、これが本来の愛情だったんだと思えるいい塩梅に盛り込まれているのも凄いです。
ラストの彼女が安心できた、ここで生まれたかったと思った場所が寂しすぎて彼女にとってはハッピーエンドとすら思えるのかもしれないけど、こんな終わり方が哀しすぎました。
Posted by ブクログ
児童ポルノで食い物にされた少女たち。彼女たちは、かつての所属事務所の関係者が殺された後も、自分の動画や写真を晒されることに怯えていた。児童売春など、摘発されているものの、実際は見えないところでこのようなケースはあるのだろう。親から心理的虐待をされ、愛情を知らないまま育った人間の、間違えた愛し方が歪ながらも、でも、そこに愛情はあって。愛情の種類があることに気づいた。千草の自分の家族を殺した父親のことが知りたい、理解したいという気持ちは、愛し方の分からない父親でも、自分のたった1人の父親だからという、見捨てたくても捨てられない千草の気持ちがあった。実花は、母親の芸名と同じ名前をつけられ、児童ポルノに出演させられてきた。自分に家族というものはなく、愛そうとも愛し方を知らない。彼女が心を開けた人間は千草と白石だけだったのかもしれない。
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