あらすじ
サチは美しく利発な少女だった。だが彼女は誘拐され、何年も男に監禁された。教育を、青春を奪われ、子を産まされ……けれどようやく事件は発覚し、生還を果たす。しかしそれは新たな苦痛の始まりだった。旧弊な価値観のまま変化のない住人による嫌がらせや無理解に疲弊する彼女の元へこの骨が本物のサチだと白骨死体が送りつけられる――。重なる悪意の根幹に何があるのか。衝撃のミステリ。(解説・大矢博子)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
田舎の社会と男尊女卑をじっくりことこと煮詰めた作品でした。
そこに幼女誘拐&監禁が加わったので流石に…おえーでした。
そこに無かったことにされた人たちの存在もしっかり描かれていて読後感としては少々物悲しかったです。
残った皆に明るい未来がありますようにと思いたくなる作品でした。
Posted by ブクログ
集落で小学生のサチが誘拐、11年間の監禁の挙句、犯人の子を出産。
保護されたサチ達を持て余す家族。周囲のマウント混じる同情。男尊女卑や家督が優遇される町。
ある日この骨がサチだという白骨死体送りつけられる。
救いようのない理不尽の極み!!
Posted by ブクログ
馬伏町という、周りの町とは方言も違う、いまだに古い因習の残る田舎を舞台にした物語。
美しく賢い小5のサチは、男に誘拐され、約10年もの間監禁され、子供まで産まされる。
ようやく発見された後も、古い価値観の残る町で生きていくのは、非常に困難をともなうことだった。
昭和の頃までは、多くの地方でよく似た空気が流れていたように思う。
解説には、現在もネット上のコミュニティで、同じ価値観を持った「仲間」だけで集い、意に合わない者を排斥している。と書いてあったが、なるほどと思った。
ストーリー自体は興味深く読めたのだが、前に同じような監禁事件があり、どうしてもそちらの事件を連想してしまう。
被害者の方のことを思うと、フィクションとはいえ、興味本位のように感じてしまい、嫌悪感があった。
また、小5の短期間だけ友達だった転校生の男性が、音信不通だったのに、わざわざ東京から来て探偵まがいの行動を起こすのも不自然に感じた。
Posted by ブクログ
人間は弱いし愚かだ。
全編を通して気分が悪くなるが、しかし、だからといって読み進めるのを止められない迫力があった。
形を変え、名前を変え、時代を変えても、こんな糞みたいな社会のあり方はそこら中にあり続ける。それが一番胸糞悪い。
Posted by ブクログ
依存症シリーズを読んでめっちゃ面白かったのでこちらを読んでみました。相当覚悟して読んだのですが、思ってたいたのと違う方向で抉られ大ダメージくらいました。でもこれまた思っていたのと全然違うラストで…すんごくしんどいけど、救いになる所もあったりで、やはしこの作者さんはすごいです!面白かった〜しんどいけれども。。
Posted by ブクログ
小学五年生の女の子が誘拐された
誘拐された女の子のことが描かれていた
そして監禁は11年に及んだが発見され保護された
が、話はそれで終わりではなかった
監禁時の話もひどいけどそれからの話も
またそこの土地特有のという感じもしたが
そういうところはいまだに残っているらしいとも
なんともいえないどろどろ感を感じました
Posted by ブクログ
ひたすら辛く悲しい物語だった。犯罪そのものより、犯罪を生み出していることに気づかない社会に私達は生きていること。小さく狭いコミュニティで暮らしている私にとって、深く考えさせられる作品だった。
色々な方が書かれているように、最後のシーンだけが唯一の救いでした。
1つ分からない事は加代ママの心理です。自殺を図ったのは保身や息子を守りたいが故の行動だったのか、それともサチを解放させたかったのか。
他の意図があったのか。どうだったのかなぁ。。
Posted by ブクログ
古い価値観が色濃く残る田舎の村を舞台にした社会派ミステリ。
11年間監禁され、子どもまで産まされた「美しいと評判だったサチ」。救出された彼女のもとに、「本物のサチの白骨」とされるものが届く。真相解明の物語かと思いきや、この作品の核心はそこではない。
ひたすら酷く、そして悲しい。
声にならない悲鳴、心の奥に押し込められた悲鳴が、読み進めるほどに伝わってくる。因習に縛られた閉鎖的な村、男尊女卑、長男至上主義。描かれる価値観には強い嫌悪と恐怖を覚えるが、「あり得ない話」と切り捨ててはいけないのだと思わされる。かつて、そしてもしかすると今も、似た構造はどこかに存在しているのかもしれない。
解説にもある通り、現代に生きる私たちもまた、何らかのコミュニティに属し、その中の価値観に知らず知らず影響されて生きている。その事実を突きつけられる一冊でもある。
信じがたい風習に胸が塞がるが、最後にわずかな光が差し込む終わり方だったことが、せめてもの救いだった。
Posted by ブクログ
物語の設定から、実在の長期監禁事件を思い起こさせる部分があり、読み始めた時点で気分が重くなりました。
犯行の異常性は言うまでもありませんが、それと同じくらい印象に残ったのは舞台となる田舎町の空気。古い価値観に囚われを踏みにじっていく様子に強い嫌悪感を覚えました。不遇だからといって、他人の幸せを奪ってよいはずがない。その身勝手な様が、より心の“苦み”を強くさせられます。
一方で、エピローグで描かれる現在のサチの姿にわずかながら救いを感じました。少なくとも不幸ではない場所にたどり着けたことに安堵しつつ、現実には同じ結末を迎えられない被害者も多いのだろうと思うと、心の中に棘が引っかかったような痛みが残りました。
Posted by ブクログ
馬伏町を通して昭和の田舎の慣習の気持ち悪さで一杯になった。
読む前はあらすじの少女誘拐のそれ以降がテーマかなと思っていたけど、彼女が住んでいた町の男尊女卑というか、女は男の3歩下がってみたいな文化がテーマだとわかった。現代ではここまではそうそうないと思うけど、外の情報が全く入ってこず、変わらないことを望み続ける閉鎖的な地域だとどんなに理不尽な慣習でも残ることの絶望感を感じた。
外の情報は全く入っこないのに、中の情報は筒抜けで誰にも苦しさをわかってもらえない、理解してくれないことの心の悲鳴は誰にも聞こえない。
Posted by ブクログ
あーー気持ち悪い。嫌な気持ち。嫌悪感。
もう読むのをやめたいぐらい、馬伏の空気と慣習と常識が嫌い。
閉塞感がずっと続く中で、それぞれの人間性もとてもキャラが立っていて面白い。
サチが幸せになってくれますように。。
Posted by ブクログ
物語は1983年から始まる。
平成へは近いものの、旧弊な家族観・地域観が色濃く残る閉鎖的な村が舞台となる。
まず、“昭和的家庭内飲み会”の描写に息苦しくなった。親族や父親の友人が集まり、女子は何歳でも給仕に回る。
子供ならお触りが愛情として許されると勘違いしている集団。それが当然とされた社会。
今なお、地方によってはこの空気が残っているかもしれません。
本作では、こうした価値観の延長線上に二つの事件が描かれる。
一つは、少女が誘拐され十一年にわたり監禁されてしまう事件。
そしてもう一つは、不可解な嫁の失踪。
一見まったく別の出来事のようでいて、その根底には共通して“昭和的男尊女卑”と“共同体を優先する意識”が横たわっている。
恐ろしいのは、事件そのものより、むしろそれを黙認する空気。被害者をも追い詰める言動。
加害者がどれほどのことをしても、
「そんな悪い人じゃない」
「事情があったのだ」と擁護まで現れる。
被害者よりも加害者に近いところで、村全体が彼らを包み込む。
これはまさに、当時の日本で全国的に共有されていた価値観の暗部であり、閉鎖的な地域社会が持つ恐怖そのもの。
世界に目を向ければ、いまだに同じ構造を引きずる社会は存在する。
本作は、特殊な村の異常性を描いているようでいて、完全に〈どこにでもあった社会〉の残滓でもある。そう思うと、読後しばらくは胸がざわつく。
Posted by ブクログ
依存症シリーズが面白すぎて、こちらも読んでみた。社会問題にフォーカスを置きつつ、結構スラスラと読めた、、!でも依存症シリーズに比べるとグロさ、胸糞さが足りないなあと感じてしまった、、、
Posted by ブクログ
櫛木さんはこういう閉じられような田舎の嫌な感じ書くのすごくうまい。馬伏町をおそらく出たことないであろう人たち、お父さん世代だけでなくサチの同級生達も含めて嫌な感じがすごい。
皆から見下されている、スナックのママが一番ちゃんと周りと時代を見れてる。
最後、サチたちが馬伏を捨てて幸せになれていてよかった。
Posted by ブクログ
イヤミス作品。割と私はイヤミスが好きだとわかった笑
監禁場面も興味深く読んだけど、この時代背景が自分にピッタリなのも面白い。そしてこの昭和なままの村の感性が考えさせられた。スナックのママの言葉が刺さる。最後の解説も読んで刺さる。
よく何かの犯罪が起こった時に、この犯人が今後生まれないような社会を…とか言うけど、こういうことかもね。
Posted by ブクログ
ずっと気持ち悪さが残る。それと共に腹立たしさ、胸糞悪い。何度眉間に皺を寄せながら読んだか…
面白かったけど、今後この作品を読み返す事はないだろうなと思う。
Posted by ブクログ
小学生で誘拐・監禁されたサチの話。
かと思って読んでいると、後半は、ひどく時代錯誤な男尊女卑の習慣と、ひどすぎる長男教が引き継がれた集落の話で、二つの事件の2つの話になってしまって、感想もぼんやりした感じに。
自分の子ども時代と同じような時代のはずなのだけれど、
この集落、昭和の初期のような雰囲気なのよね。ここまで露骨に時代遅れな集落あるのかなぁ。なかなか現実味がなくて話に入りこめなかったかも。
Posted by ブクログ
11歳で誘拐・監禁されたサチ。
22歳でようやく生還したサチのもとに、本物のサチだという白骨が送られてくる。
生還したサチは本物なのか?白骨を送ったのは誰なのか、なぜなのか?をめぐるミステリー。
11歳から11年も外界と遮断されて自由も教育も尊厳も奪われ、やっと戻れても家族は世間体を気にし、地域の住人から傷物として扱われる。
何年たっても変わらず古い価値観が残り続ける馬伏に傷つけられ、言葉として発せられることのないサチの悲鳴が痛い。
「こちらが本物のサチ」と書かれた白骨死体に添えられた手紙に、「まだ私から奪うものがあるのか」と絶望する心理描写は秀逸。
価値観が変わっていることにも気付かない人たち。
尊厳を奪う環境に不満を抱いている自分も、誰かの尊厳を奪っている。
作品が「馬伏」というわかりやすい舞台なだけで、現実にどこでも起こっていることだと思った。
Posted by ブクログ
諦められないけれど、順応していくしかない田舎町、根強く残る男が上、長男が敬われ、女は男のために動く。長男以外は何も与えられない。腐っていく感情。
サチが救い出されても、周りの反応は冷たい。
言いたいことがあっても飲み込んでいる。
とうに、限界はきているのに。
全身で叫んでいるというのに、誰も気がつかない。わかろうとしない、寄り添わない。
無知無学、大人たちの対応、感情をぶつける場所、社会、閉鎖的コミュニティ、無関心…。
狭い世界で生きていくしかなかった人々。
届かない悲鳴。
ラスト、誰も知らない東京に行けたのは救い。
Posted by ブクログ
※
痛ましい事件と悍ましい因習。
身勝手な大人や他人に尊厳を踏み躙られた
無力な子どもの物語。
櫛木理宇さんの話は色んな意味で残酷な
部分が多いので、目を覆いたくなる事が
多々あるけれど、絶望だけで終わらなかった
点がせめてもの救いだった。
Posted by ブクログ
誰もおかしいと思わない慣習が今も根強く残っている。
そこに住んでいる者は当たり前だから。
その街を出たいと思うのがおかしいことではない。
時が流れ彼女が新しい世界に出れたのは良かった。
Posted by ブクログ
もう40年以上前、当時小学5年生の女の子が
目撃情報からわずか3分の間に消息が
わからなくなり未だに解決していない事件が
広島にはある。
方言やら閉鎖的な民度やらがなんだか身近に
感じられて胸糞悪さが飛び抜けていました。
ただ、
櫛木作品ならもっとえげつなく描けたのでは?
もっと!もっと!!!もっと来い!って
なりました。
サチに興味をなくしたアイツが、エリカをも
毒牙にかけ、悲劇が繰り返されるとか
加代ママのような救いの手はサチには
届かないとか。容赦ない胸糞悪さを求めていたので
コッコの存在に救われる思いはあったけど
結果ハッピーエンドなのは少しがっかり
(と言っていいのか分からないけど)
Posted by ブクログ
11歳の時に拉致され何年も監禁された少女。理不尽過ぎるおぞましい犯罪に辟易しながらも少女同様、光が見える事を願う気持ちになる。他、様々な背景のある深いストーリー。この地方での変わらぬ因習や同調圧力、男尊女卑、無知無学、差別。一気読みしました。
Posted by ブクログ
1995年。東京で働く男のもとに、一時期住んでいた田舎の友人から電話が入る。サチが、自殺未遂をした。サチの家の前に「この骨が本物のサチだ」というメモ入りの段ボール箱が置かれたことが引き金になったのか? サチは小学五年生、11歳の時に誘拐され12年間監禁されていた同級生。時は1983年に戻り、小学五年生、男三人、女二人の仲良しグループ、各視点で、サチが誘拐されるまで、誘拐後の変質者による監禁生活、23歳になって家に戻ってきてから、の話がそれぞれ語られる。もう一つ、サチより年長で、美人で、高校卒業後すぐに結婚した女が、離婚するために夜の仕事を始めるという話も。サチの家の前に置かれた骨は、その女のものだった。
小学生で誘拐監禁、男の子供を産まされるのも、かなりエグかったが、この小説で書かれている最大の悪は、その田舎の村の古い因習。祭りなどの集まりで、男が座敷で飲み食いし、女は台所でおさんどんというのは、よく描かれる田舎の姿で、いまだにそれが当たり前とされているところがあり、それに対する愚痴、相談はネットなどでも見られるが、この小説の村は、もう少しおかしい。男の宴会の場も、長男、次男という、家を引っ張っていく家長グループと、三男以下の、役に立たない男グループ、二つに区切られているのだ。この長男グループの、村の女は男の所有するもの的ふるまいが、胸糞悪く、また、役に立たないグループの酒浸り感、ヤカラ感も疎ましい。が、誰も声を上げない。「そういうもの」だと思っている。タイトルの「悲鳴」とは、虐げられることが当然とされてきたものたちの、心の叫びだった。