櫛木理宇のレビュー一覧
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依存症シリーズ4作目。
作者の櫛木理宇さん曰く、当初の編集者さんとの予定では、5部作ということになっていたらしい。
でももしかしたら、4.5巻が出るかも。
そもそも残酷は1.5巻っぽい。
と呟いてらしたので、このシリーズ、あと1〜3冊出ると思われる。
冒頭シーンで
(え、なんて余計なことを…。絶対ダメだろ)
と思ったんだけど…あんたの仕業だったんかーい(ドン引き)
自分の中では、『最後の良心』みたいに思っていたのでショックだったな。
私には、浜真千代の考えていることがさっぱり分からない。
架乃がどこに向かっているのかも…。
依存症シリーズは、他の櫛木理宇さん作品によく見られる「謎の読後感 -
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阿津川辰海、木爾チレン、櫛木理宇、くわがきあゆ、結城真一郎『シリアルキラーアンソロジー 人殺し日和』双葉文庫。
5人の作家による完全新作の5編を収録したアンソロジー。
1980年代から2000年代に掛けては、シリアルキラー物の翻訳ミステリーが多数刊行された。ハヤカワ文庫だけでなく、扶桑社ミステリー、新潮文庫、角川文庫、講談社文庫などから面白い作品が毎月のように刊行されていた。当時は、ローレンス・サンダース、ジョナサン・ケラーマン、ロバート・R・ウォーカー、トマス・ハリスなど名だたる作家の作品を読んでいた。知っている人には当然のことと思うだろうが、マイクル・コナリーの『ハリー・ボッシュ』シリ -
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物語は1983年から始まる。
平成へは近いものの、旧弊な家族観・地域観が色濃く残る閉鎖的な村が舞台となる。
まず、“昭和的家庭内飲み会”の描写に息苦しくなった。親族や父親の友人が集まり、女子は何歳でも給仕に回る。
子供ならお触りが愛情として許されると勘違いしている集団。それが当然とされた社会。
今なお、地方によってはこの空気が残っているかもしれません。
本作では、こうした価値観の延長線上に二つの事件が描かれる。
一つは、少女が誘拐され十一年にわたり監禁されてしまう事件。
そしてもう一つは、不可解な嫁の失踪。
一見まったく別の出来事のようでいて、その根底には共通して“昭和的男尊女卑”と“共同 -
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ネタバレこの作品は、私が初めて読んだ櫛木理宇さん作品。
シリーズ最新作を読む前に、おさらいのため再読。
再読なのに、またも号泣してしまった。
幼い男児の母なので、我が子がこんな目に遭ったらと考えると、気が狂いそうになる。
浦杉の「なぜすぐ絞め殺してくれなかった」が痛いほど分かる。
初めてこの本を読んだ後、夜中に悪夢で飛び起きたことがあった。
多分トラウマ。
それなのに、なぜかそのまま櫛木理宇さんにハマるという…。
2作目、3作目では拷問を受け、殺される対象が胸くそ野郎どもなので、読後に爽快感すら感じてしまった。
浜真千代がダークヒーローのように思えた。
だけど、今作での真千代の犯行を考えると、決し -
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依存症シリーズ第4弾。『アビコ』『カタヒラ』『ウラスギ』『ミサ』四つの視点で進む物語が、じわじわと同じ闇に集まっていくような感覚がある。
廃墟のラブホテルで拷問死体が見つかり、間を置かずに似た事件がまた起きる。復讐なのか、快楽殺人なのか、その境目が曖昧なまま物語が深まっていく。
今回は悪質な暴力AVがテーマで、実在のバッキー事件にも触れられている。フィクションの中に現実の痛みが紛れ込んでくる感じが、読んでいて重たく響く。
エグさも痛みも強いのに、不思議とページをめくる手が止まらない。シリーズに流れている“必要悪”の気配もここでしっかり生きている。
浜真千代が悪なのか正義なのか、その揺れ方が -
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おもろい!理解できない狂気っぷりに吸い込まれること必至 #シリアルキラーアンソロジー #人殺し日和
■きっと読みたくなるレビュー
いま脂がのりまくってるミステリー作家先生たちによる、シリアルキラーアンソロジーです。
なんちゅう題材でアンソロジー作品集にするんだっつー感じですが、実は発売を心待ちにしてました。だってメンバーが豪華すぎるんだもん。なにせ作家先生ごとの強みや特徴もそれぞれ違うから、このメンバーがどんなシリアルキラーものを描くのか気になって気になって。
いやー、みなさん想像以上の素晴らしい出来栄えで楽しかった~。もうサイコパスの目白押しですよ! もっとも狂ったシリアルキラーだった -
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ネタバレ『殺人依存症』は、序盤から拷問シーンが描かれ、事件も少年少女を狙った強姦殺人というあまりにも救いのない内容で始まる。読んでいて胸がざわつく描写が多く、全体を通して重苦しい雰囲気が続く作品だった。
主人公の浦杉は過去に息子を亡くし、その喪失感を抱えたまま事件に向き合っていくが、最終的には全てを失い、犯人の女に完全に振り回されて終わる展開となる。この結末は後味が悪い一方で、逆にここから続くシリーズがどう収束していくのか非常に気になる。浦杉がどう立ち直るのか、あるいはさらに深みに落ちていくのか、続きが読みたくなる終わり方だった。
ただ、題材が重い一方で物語のテンポは良く、読みやすさはあったと思う -
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ネタバレだいぶ前に読んだけどほとんど覚えていなかった(多分読んでて怖くなって薄目で読んでた)ので再読。
やっぱり中学のときに読んだのと同じくらい真相に近づいていくにつれ、怖くなった。サイコパスって常人には彼らの考えに理解が及ばないと思うのだけれど、人を魅了するのがとんでもなく上手いんだと思う。心にぽっかり空いた隙間にピッタリハマることができる才能をもっと別のことに活かせば一角の人になるんだと思う(この小説の中ではいむらはある意味そういう存在)。雅也が真相に近づくにつれ、はいむらのように同化していくのが怖かったし、雅也は母の生い立ちを知って絆を感じることができたから呪縛から逃れられたけど、雅也に寄り添っ