櫛木理宇のレビュー一覧
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ネタバレまさかね、まさか。だってあれはもう、十年も前の話。いまさらこんな田舎町に、あの子が戻ってくるなんてありえない。
-ああ、だめだ。その刹那、小柚子はそう悟った。もう逃げられない。たったいまわたしは捕まった、と。誰に、なにに捕まったのかはわからない。でも本能が告げている。おまえは終わりだ。これは終わりのはじまりなのだと、低く嘲笑っている。
みんな死んでしまえ。世界なんて、いますぐなくなってしまえばいい。
降り積もる雪の重たさに、小柚子、弥子、そして京香が抱える重たさに、押し潰されそうになった。
母と娘。難しい。どちらが支配していたのか。されていたのか。
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Posted by ブクログ
地獄の中にさらに地獄へ叩き落とすことが出来るなんて。
生きるか死ぬかの状況に置かれた人間の心理のぐちゃぐちゃさや、理解できなくて訳が分からなくなる思考回路が生々しく描かれていて、体験したことでもあるの??ってくらい恐ろしかった…
しかも、あえてあからさまな回想シーンみたいなのが出てくる度に心がザワザワして、誰が復讐してるかなんて全く想像がつかない。
『依存症』というタイトルにふさわしく、ひとりの人間の依存先や依存理由の違いがものすごく出てくる。
でもなんでか、最後はスッキリしてしまった。あの女に「よくやった」なんて言いたくなってしまって自分も怖い。
このシリーズの依存になってる私…!! -
Posted by ブクログ
秀作。キャラがいい。テンポがいい。でも体調が悪い時は読まない方がいい。
櫛木理宇みが序盤から全開。文が上手くて、するする読めてしまうだけに「辛い!読みたくない!でもこの文章を浴びていたい!」というアンビバレンツな状態に陥る。
女児が惨殺されるまでを、そして遺体になってからも惨たらしい目に遭う様を文字でつぶさに見るのは精神にくる。
また、ボディブローのようにじわじわくるのは、搾り出す無念の言葉、子を偲んでの涙、仏壇が登場する度に垣間見える変わらぬ愛情といった、親の心。子をなくすことが、この世で最も辛い苦しみの一つだと理解できる作品。
SNSを筆頭にメディアから世論を動かす進め方がいかにも現代 -
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ヤングケアラーや、精神的虐待をする大人たちに振り回される子どもたち。凪が実の父親から母親に似ていることを罵られ、友達の若葉にまで手を出されていて、可哀想どころか、こんな父親死んでしまえば良いのにと思った。凪の父親の浮気で乃江瑠といとこ同士であり、担任の六田先生とも浮気をしており、人間関係がめちゃくちゃ。後半になるにつれ頭がこんがらがってくる。短くまとめると凪の父親が根っからの犯罪者で周りの人を洗脳しながら事件を起こしたということ。乃江瑠のような子どもは私が小学生の時にもいたが、「そういう子」ということで、仲間はずれにしてはいけませんといった声で、何となく皆嫌だけれど仲良くしていた雰囲気だった。
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Posted by ブクログ
大好きな櫛木理宇さん作品。
14年前の林間学校で起きた同級生の殺傷事件。
小学生時代の事件発生までの話と現在の話が交互に綴られていて、残酷描写は薄めだけど、終始不穏さに胸がザワザワしながら読んだ。
後半からはストーリーの疾走感が凄くて、夜更かしして読み切ってしまった。
途中で自分が予想した展開とは全く外れていて、思っていたよりかなりマイルドだった…。
そしてエピローグで号泣。
櫛木理宇さんは、残酷描写がかなり有名だけど、それが好きな人というわけではない。
どの作品でも不遇な子どものことを憂えていて、その描写が私のことも救ってくれる。
だから私は櫛木理宇さんが好きなんだなとあらためて思った