櫛木理宇のレビュー一覧

  • 虎を追う

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    秀作。キャラがいい。テンポがいい。でも体調が悪い時は読まない方がいい。
    櫛木理宇みが序盤から全開。文が上手くて、するする読めてしまうだけに「辛い!読みたくない!でもこの文章を浴びていたい!」というアンビバレンツな状態に陥る。

    女児が惨殺されるまでを、そして遺体になってからも惨たらしい目に遭う様を文字でつぶさに見るのは精神にくる。
    また、ボディブローのようにじわじわくるのは、搾り出す無念の言葉、子を偲んでの涙、仏壇が登場する度に垣間見える変わらぬ愛情といった、親の心。子をなくすことが、この世で最も辛い苦しみの一つだと理解できる作品。

    SNSを筆頭にメディアから世論を動かす進め方がいかにも現代

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    2025年10月25日
  • 殺人依存症

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    タイトルでひるんで読むのに躊躇していましたが、おすすめされたので読んでみました。もちろん残酷な描写はあるのですが、ストーリー展開にスピード感があって目が離せませんでした。実行犯の男達を陰で操る女が怖過ぎる。

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    2025年10月24日
  • 悲鳴(新潮文庫)

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    文句なしに面白かった。

    昭和初期で時が止まったような、男尊女卑と女性軽視が根深く残る田舎町で起きた誘拐事件。
    11年も監禁され、犯人の子どもを産まされ、ようやく救出されたサチ。

    けど、本当に苦しかったのは監禁されていた時間じゃなく「救出された後」なのではないかと思う。
    終わりのない田舎特有の視線、差別的な言葉、逃げ場のない小さな世界。
    この町からもう抜け出せないと諦めているサチの、“声にならない悲鳴”がずっと響いてくる。

    サチだけじゃなくこの町で暮らす他の女性たちも、そして町の人々から見下され続けている弱者男性たちも、言葉にならない叫びを抱えている。
    世界がこの小さな町だけで完結してしま

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    2025年10月23日
  • 七月の鋭利な破片

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    ヤングケアラーや、精神的虐待をする大人たちに振り回される子どもたち。凪が実の父親から母親に似ていることを罵られ、友達の若葉にまで手を出されていて、可哀想どころか、こんな父親死んでしまえば良いのにと思った。凪の父親の浮気で乃江瑠といとこ同士であり、担任の六田先生とも浮気をしており、人間関係がめちゃくちゃ。後半になるにつれ頭がこんがらがってくる。短くまとめると凪の父親が根っからの犯罪者で周りの人を洗脳しながら事件を起こしたということ。乃江瑠のような子どもは私が小学生の時にもいたが、「そういう子」ということで、仲間はずれにしてはいけませんといった声で、何となく皆嫌だけれど仲良くしていた雰囲気だった。

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    2025年10月24日
  • 殺人依存症

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    事件の真相が暴かれていく様が、序盤からノンストップで面白く進んでいく。出てくる奴らがこれでもかというほど胸糞悪い癖を持ち合わせているが、メインがもはや〝生きた悪魔〟そのものである。最後こそはと読者の希望も見下し嘲笑っているかのような感覚で本を閉じた。私の大好物である、このシリーズ一気読み。最高です。

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    2025年10月22日
  • 七月の鋭利な破片

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    大好きな櫛木理宇さん作品。

    14年前の林間学校で起きた同級生の殺傷事件。
    小学生時代の事件発生までの話と現在の話が交互に綴られていて、残酷描写は薄めだけど、終始不穏さに胸がザワザワしながら読んだ。

    後半からはストーリーの疾走感が凄くて、夜更かしして読み切ってしまった。
    途中で自分が予想した展開とは全く外れていて、思っていたよりかなりマイルドだった…。
    そしてエピローグで号泣。

    櫛木理宇さんは、残酷描写がかなり有名だけど、それが好きな人というわけではない。
    どの作品でも不遇な子どものことを憂えていて、その描写が私のことも救ってくれる。
    だから私は櫛木理宇さんが好きなんだなとあらためて思った

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    2025年10月21日
  • 鵜頭川村事件

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    集中豪雨で孤立した山間部の集落。ある事件をきっかけに少しずつ崩れていく村人たちの均衡。昭和54年というちょっとレトロな設定。悲鳴を上げる世代や男女の軋轢。パッと火花が散るみたいに起きる惨劇。密度濃いです。

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    2025年10月19日
  • 悲鳴(新潮文庫)

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    始めから後半までずっと胸糞が悪い(褒めてる)
    初めは読みながら顔を顰めてしまうような生活だったが、読み進めると不快感がサチが外に出てからのほうが強くなっていたことに気づき恐ろしくなった。今でこそ、罪として目を向けられているが実際一昔前には、それが当たり前だったということにもゾッとしながら、時代が変化しても根本はまだ消えてはいないんだよなぁと。これをうまく表現されているのが素晴らしくて一気に読めた。

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    2025年10月15日
  • 殺人依存症

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    読み進めていく度に、やめて、待って、待ってと顔を覆いたくなる。
    どう見ても悪であって、許してはいけないのにその人の背景を知ってしまったら同情が湧いてもおかしくないと感じてしまう人格形成を考えつけるこの作品が怖すぎます。
    そして事件の残酷さ。「助けてくれる大人なんて本当にいるのか」という言葉の重さと罪悪感があらゆる場面で怒涛に押し寄せてきて、まるで読者すらも追い詰めていくほどの選択を迫られるなんて…
    あまりのめり込んでしまって一気に読んでしまいました。

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    2025年10月10日
  • ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁

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    ホラーパートと青春パートが明確に対照的で良かった。ホラーエピソードは村の因習だとか、サークルの人間関係だとか色々あったが、いずれも他者の気持ちを全く考慮しないディスコミュニケーションの末に発生している。一方、青春エピソードの方は森司がこよみの気持ちを尊重し(若干キモいとこもあるけど)、あえて発言を控えたり、思い切った行動に出たり。これまでじりじりとしていた仲だったけど、急速に近づいてきたね。

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    2025年10月10日
  • 監禁依存症

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    シリーズ3作目、2作目が1番好きです。笑

    櫛木先生の本はやはり素晴らしくグロいです(褒めてます…)

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    2025年10月07日
  • 死刑にいたる病

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    ネタバレ

     榛村大和、化け物すぎる。主人公が榛村の息子だということすら嘘だったのが、特にサイコさを際立たせていて良かった。
     主人公が、自分を榛村の息子だと思い込んでいた時には殺害欲を抱いていたのに、マニピュレートされてると気づいた途端に何も感じなくなるというところは最高に痺れました。榛村が悪びれないのも極悪で良い。
     劣悪な環境、煮詰まった悪意、類稀な知能が融合した結果生まれた怪物。ゾワゾワしますね。

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    2025年10月02日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    装丁とかタイトルがチープだからといって侮るなかれ
    作家は皆ホラーの第一線で活躍している人ばっかりで、期待にそぐわない面白さでした。

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    2025年10月01日
  • 殺人依存症

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    ネタバレ

    この女、いったいなにが目的なんだろう。

    -あんたやと、わかっとったわ

    「やっと、会えたなあ」間延びした声で真千代は言った。「ああ」浦杉は言った。「そうだな。-やっと、会えた」

    ノンストップ過ぎる。浜真千代、コワスギル。

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    2025年09月29日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    こういうアンソロジーって玉石混交のイメージのところ、これはほぼハズレなしの一冊!!移動中とかにさくっと読みたくなる本だね。どんどん読めた。全部良かったけど、背筋が特に好みかな。他にも同じようなアンソロあるみたいだから来夏にでも読んで涼みたい。気づいたら今年はもうホラーの季節じゃなくなっちゃったし。

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    2025年09月26日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ネタバレ

    聞いたことある著名な作家さんがホラーの短編を書くアンソロジー。ホラー作家ではない人も描いてて新鮮。個人的には窓から出すワ、車窓が好み。背筋さんのは短編の中で怖い話が読めるのでワクワクしてよんだ、そして最後のオチ、ページを捲るのが怖かった…、これで私にも見えたらって。
    車窓は短いながらもすっと引き込まれて上手いなと思った。オチはどういう意味なのか…、楕円の看板が見えちゃう呪い?に主人公も巻き込まれたってこと?かな。

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    2025年09月25日
  • 逃亡犯とゆびきり

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    ネタバレ

    おもしろかった
    はまれる本が久々で、2日で一気に読んだ

    Netflixあたりでドラマ化希望!
    (地上波は内容がエグいから無理やろし)
    内容そのまんまで
    演技の上手い俳優さんに演じてほしい

    とにかく全ての事件が
    想像超えていて、尚且つ納得できる
    (殺したくなるよなって思えてしまう事件)で
    リアルで、感心した
    (最川の事件以外)

    「かわいくない子」なんて
    孫を1人だけ何回も刺すなんて
    どんなばあちゃんよ?って
    思ったら、まさかの結論
    納得できてしまうわー
    すげーわ

    共通するテーマに
    「親との関係」があるよね

    子供の頃は、親はなんでも
    正しくて、親の意見は絶対
    みたいな感じあったけど
    自分

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    2025年09月15日
  • 死刑にいたる病

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    なかなか変わった展開。
    死刑囚から届く手紙。サイコパスに振り回される人達。
    知らず知らず洗脳されていく主人公。考え方や仕草まで変わっていく姿が本当に怖い。
    主人公以外の人達が死刑囚の撒き餌に釣られないように祈る。

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    2025年09月14日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    ネタバレ

    「堕ちる」が面白かったので今作も期待して読みました。期待以上でした。
    今作品もネコが出てきます。ネタバレ感想

    アイソレーテッドサークル
    異世界に大学生達が迷い込み殺戮に巻き込まれる。得体の知れないモノに殺される恐怖とリセットされたかと思いきや夢の続きは…。

    お家さん
    このお話一番怖かったし戦慄しました。
    まじめな丁稚くんが主人公でお家さんに気に入れられるが数々の霊を目撃していき…。
    お家さんの得体の知れなさに恐怖しました。ショート映画を見てるみたいで面白かったです。

    窓から出すヮ
    今話題の背筋さん作品。
    途中意味わからなくなりましたが現実なのか非現実なのか混乱してしまう作品でした。どこか

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    2025年09月13日
  • 執着者

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    佐坂湘
    佐坂美沙緒
    北野谷輝巳
    中郷
    菅原
    今道弥平
    永尾剛三
    友安小輪
    岸智保
    丹下薫子
    佃秀一郎
    鴇矢亨一
    鴇矢亜美
    鴇矢ミレイ
    鴇矢シゲ子
    綿谷
    緑川
    竹根義和
    竹根作市
    宮崎保雄
    宮崎千秋
    野呂瀬百合
    野呂瀬辰男

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    2025年09月13日