櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
血は遺伝するのだろうか。かつて妻を人形のように扱い、人の心がわからなかった曽祖父。そこから代々の人間が精神を崩し始め、不幸な死に方や、アル中になり、人生が滅茶苦茶になっている。連続殺人事件の被害者は皆、曽祖母に似ていて、母親に対する怒り、悲しみ、恋慕、愛情を欲しがり、自分の手で殺すことがゴールになっており、母親を殺す前の準備として、曽祖母に似た女性が殺されていた。母親に捨てられた尋也と毒親に育てられた願示。認知症になる前からとっくに壊れていた曽祖母に押し入れに閉じ込められ、遺体の写真を見せつけられていたら心身もおかしくなるに決まっている。「人を殺せる人間だったか」物静かで、心の中に怒りを溜めて
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Posted by ブクログ
ネタバレ今自分の中でキている作家さん、櫛木理宇。
注目作、少女葬をいよいよ読んだ。
ずぅーーーーん、という読後感。
物語は、ある少女が河川敷で六時間超のリンチの末惨殺されたという事件から始まる。
劣悪な環境の違法シェアハウス「グリーンヴィラ」に、転がり込む家出少女の綾希。
ある日グリーンヴィラに、同世代の少女の眞美がやってくる。
慎重派の綾希と楽観的な眞美、二人は互いの境遇を打ち明け合い仲を深めていくが…
“お父さん””お母さん”と、シェアハウス内を取り仕切る人物を中心とした、擬似家族形態が出来上がっていて気持ち悪かった。
後に綾希は喫茶店の店主である希枝に出会い、眞美は闇社会と繋がりのある海里と出会 -
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ネタバレちょっとしばらく立ち直れなさそう…
綾希と眞実、似た境遇の彼女たちの命運を分けたものは、危機管理の力なのかな。自分に迫る悪意や危険に気づく力。そして、信じていい人を見極める力。
…でも結局、どこで誰に出会えるか、出会ってしまうか、幼い少女たちには運の部分も多かったのかな…。
頭の悪さに甘えた眞実のキャラは全然好きになれなかったけど、生まれる場所が違えば、明るい彼女はとても愛されただろうし。性別もわからなくなるくらいの暴力などと無縁に生きていけたかもしれない。可哀想に。
終盤、恋人との温かい時間を過ごす綾希と、凄まじい暴力を受け死に向かう眞実の描写が交互に描かれ、めちゃくちゃしんどかったな。これ -
Posted by ブクログ
ネタバレきみたちいつになったら付き合うねん!というツッコミを毎回しつつ、結局進展しないよなとこれまた毎回勝手にがっかりするのだが、今回は思いのほか進展した気がする。
手も繋いだし、何だったらハグもした。
なお告白はまだらしい。
……もうそのままでいいよ、きみたちは。
一方でオカルトネタは今回もなかなか怖かった。
結局救いはなく、ただ見届けるだけになった展開は久々ではないだろうか。
オカ研への依頼的には解決したけど、怪異の思い通りになる展開というか。
女性が性的に搾取されていたという隠されていた真実と共にぞっとする展開だった一話と三話だった。
ゆえに二話目に救われる訳である。
もう本当に泣けた……あ -
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いたたまれない。本当にこんなことあっちゃいけない。許されちゃいけないよ。なんでこんな、非人道的なことができてしまうのか。呪いは呪いでしかない。復讐は復讐でしかない。
でも、でもさ、絶対に許せないよ。復讐したとして何も残らないけど、何も返ってきやしないけど、新たな憎しみを生むだけだと分かっていたとしても、それでも、許せないんだよ。
“彼らは楽しんでいた。被害者の悲嘆を、あますところなく楽しみ、骨までしゃぶって消費しようとしていた。”
“ある意味ではひどく楽だった。“被害者”できればよかったからだ。その立場に甘んじてさえいれば、周りが勝手に気をまわしてくれた。世界から隔絶された、安全な殻の中に -
匿名
이건좋은괴이만화다워요
Hon Ted Campus Wolf Howling at the Moon? This novel's art style is strangely similar to the art style of The Night of the Magician. It's a novel with a surprising, suspenseful, and terrifying atmosphere among novels with a monster theme. This is a good manga. It would be good if this was m
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Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった!
櫛木さんの“陽”寄りの作品って新鮮だ。
陰惨な事件を扱いつつもエンタメ要素は満載で、最後までどう転ぶか分からずドキドキした。
手に汗握るってまさにこういうことよね。
冤罪が疑われる殺人事件についての再審請求を認めさせるべく、SNS・警察・テレビを駆使して世論を動かしていく『星野班』の連帯感が快い。
孫の旭とその友人・哲、昔なじみの記者、弁護士、被害者遺族等の協力を得て、ひたすらに突き進む様からは目が離せない。
どうすればバズるか、動画再生数を稼げるか、多くの人に見てもらえるか。
ネットが人々に与える影響の強大さを、まざまざと見せつけられた。 -
Posted by ブクログ
不良少年2人が子ども食堂に立て籠った。動機は何か。所詮、子どもが考えることだと侮っていた大人たちは、凶器が刃物と拳銃であることと、少年が躊躇わず引き金を引いたことに動揺する。子どもを人質にとり、敵意や殺意を剥き出しにし、欲望のまま行動する様子は、ひどく動物的であった。籠城が長引くにつれ、司や幾也に疲れが滲む。その中、ふたりがたどり着いた真実とは。当真たちは、親から虐待されていることを知りながら何もしてくれなかった大人や警察への怒りが溢れ、籠城することで自分たちの存在を知らせていた。重大なことを起こすことでしか自分の存在を知って貰えなかった。親になるべき人となるべきではない人。子どもは、子どもを
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Posted by ブクログ
これは一人暮らしの方は読まないほうがいいかも…平凡な会社員の女性に突如降りかかった、老人による執拗なストーカー行為。警察に相談しても「老人だから」「寂しい人なんだから優しくしてあげましょう」と取り合わず…途中までのストーカー行為の描写が本当に薄気味悪かった。
物語としてはこのストーカー老人は過去のある事件が引き金となり、何代かの世代にわたり復讐を果たすことが目的だったということが判明し、ストーリーが完結するので、ちょっと肩透かしだったかな。
どうせなら、ストーカーの心理が謎のまま、常識の通じないホラー要素が濃い人物で終わるほうが不気味だったかも…
現実として数日前に起きたストーカー殺人事件