櫛木理宇のレビュー一覧
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匿名
購入済み面白くて続きが気になり、一気読みしました。小学生の何も判ってない頃から性的な対象として大人に見られていた事を思い出しましたし、小諸成太郎が酷すぎて目には目をと思ってしまう話しでした。読んでいて辛くなったし、外に出るのが怖くなりましたが、作者の怒りを作品にすごく感じたしとても面白い作品でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ個人的最注目作家の櫛木さん、依存症シリーズに手を出してみた。
最初の舞台は痴漢電車。
痴漢が当たり前になっている車内で、我慢するしかない小、中、高校生達。
ネットの掲示板では、痴漢専用のスレがあり、対象となる児童や学生の姿や年齢、学校等がこと細やかに共有されている。
掲示板でやり取りをし、電車内で合流し、複数人で犯行に及ぶ。
そんな恐ろしい犯罪に巻き込まれた被害者、被害者の親、加害者等、あらゆる視点からのシーンが描かれています。
とにかく頭がキレ、残酷なまでに少年少女を”襲わせる”、謎の女、真千代
襲わせる、というのがポイントで、真千代は決して自分では手を下さないのです。
真千代はとても人心掌 -
Posted by ブクログ
「─楽しませて。」
少女や少年を狙った殺人事件。その影に潜む1人の女性。本作品は息子を失った刑事とその女性を主軸としたクライム・サスペンスだ。激しい性的暴行と拷問の末に亡くなった少女を主観としたプロローグから始まり性的嗜好が歪んだ容疑者達の心情の吐露が続く。読者である自分は目を逸らしたくなりつつも骨太かつテンポの良いストーリーテリングにより物語の世界に引き込まれます。
本作品を通して作者は誰が『悪』という定義をすることもなく、最後まで淡々と暴力の世界を描き切っています。事件の首謀者である女性ですら幼い頃に性暴力に晒され壊され侵された人物として描くことによって読者の心の中に(僅かではありますが -
Posted by ブクログ
いや面白いな!こんな話になるとは予想外。
良い意味で裏切られた。
相変わらず凄惨な殺害シーンや胸糞悪いシーンはあるものの、性的マイノリティである十和子が本来の“自分”を取り戻すまでを描いたサスペンスだといえる。
それにしても、歪な親子関係が齎す悪影響には腹立たしくて虚しい気持ちになる。
「じゃあ第三者として何が出来るの?」と問われると、何も言えなくなるのが歯痒いな。
性的指向でも、初めて聞くようなものがあって「知らないことばかりだな」と思った。
何においても少数派は理解されにくい事が多い。
作中の『ASMA』のように、それを安心して開示できる場ってホント大事ですよね。
全体的に重めだけど、希望 -
Posted by ブクログ
父に捨てられたという忌まわしい記憶が邪魔をし、人と上手く話せなった翼が出会ったのは、人形サイズの女の子。しかし、翼以外には美しい猫に見えている。モナミは上手く話せない翼と周りの人との仲介者となり、翼を助ける。ツンデレなところや、甘いものが好きなところ、猫を擬人化したらモナミなのだろうなという感じで、モナミがとにかく可愛い。ファンタジー要素もありながら、翼を捨てた人物を探るところはミステリーのよう。家系の中にミステリーを散りばめる感じが櫛木理宇。私は、諸橋のような自分を見下している人物に依存してしまいがちであるが、本当に自分を想ってくれる人はだれなのか、と考えて人間関係を整理した時に、本当に大切
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Posted by ブクログ
中学の英語教師である青哉は、久しぶりに小学校の同級生4人で会う。
そのときに14年前の林間学校で起きた凄絶な事件の話になり、誰もが忘れたくても忘れられないほどわだかまりを持ったままだと知る。
物語は、林間学校の始まりの日から事件が起きるまでと現在の青哉たちを交互に振り返るのだが、彼らが久しぶりに会ったあとに若葉が遺体で発見されたことで、林間学校で起きた事件で捜査していた岩割刑事と再び会うことになる。
その犯人は…。
戦慄のサスペンス・ミステリーとはこのことか…と。
楽しいはずの林間学校で起こった事件が、4人が久しぶりに会ったことで再び甦ったのか…と思うほどで。
あまりにも残酷。
子ども