櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
せいぜい殺人事件が2-3起こるくらいだろうと思って読んだのが甘かった…集団パニックと疑心暗鬼の末、村全体がおかしな状況に陥っていく様が、リアルで怖すぎる。
岩森明は都会に集団就職する。自動車整備工場。やがて親になった。妻は看護師の節子。子供は愛子。三年前節子は膵臓がんに倒れた。半年で亡くなった。愛子は3歳。墓参りに田舎へ。鵜頭川村へは最寄りの駅から40分かかる。
長雨でバスが止まる。飲酒運転でお地蔵さんの祠が壊れて、村人は祟りを恐れている。20歳くらいの若者が胸と腹から血を流して死んでいる。被害者は長江の敬一さん。駐在さんは爺さんが川に落ちたとかでそっちに行ってしまっている。土砂崩れが起きた。駐在さんは閉め出しだ。村は閉ざされた。
死体が診療所に運ばれた。電話が使えない。停電もしている。とりあえず葬儀だけして、遺体は氷室に移すことになった。プロパンなのでガスは使える。水道はダメ。井戸はある。7時に公会堂で集会。集会で得られるものはなかった。
雨はまだ降り続いていて、崖や山側に近い家には避難勧告が出ているが、説得は難渋している。みんなに殺人犯と目されている大助が秀夫の兄嫁を犯そうとしているところを、秀夫が見つけて殴りかかって騒ぎになる。
若者は自警団を組むことにする。矢萩一族は大助を庇う。なかったことにして欲しいと村のみんなに頼む。矢萩姓のものだちは水も食糧も手に入らなくなる。伸平が自警団のリンチに合う。自警団は50-60人に膨れ上がっている。矢萩の女衆でも仲間割れが始まり、有美が突き飛ばされ食糧を奪われる。自警団は突っ走り始めた。
自衛隊から救援物資が投下されるが、それは盗まれた。降谷秀夫が後ろから殴られてザマアミロと言われた。矢萩が救援物資を盗んだんだという風説が出る。大助が袋叩きになる。
元市が由美と岩森が密通していると信じて殴りかかってきて、出て行けと叫んだ。とりあえず愛子と車に避難する。自衛団のリーダーの辰樹はラジオで扇動している。
矢萩の嫁3人が自警団に駆け込む。続いて自警団の西尾が刺される。自警団はいまや100人。岩森と愛子は託児所の邦枝に引き取られる。殺された敬一の母親だ。ご飯を頂いて車に帰る。自警団が決起する。 -
Posted by ブクログ
言葉が出ない
プロローグからエピローグまで一気に読んでしまった
冒頭では主人公と思われる人物が、かつての友人が集団リンチされた末に遺体となった写真を見るシーンから始まる
物語が始まると2人の少女が主軸となり描かれている
舞台は訳ありの人間が集う汚らしいシェアハウス
社会の底辺と呼ばれるような人間ばかりが住み着いている
そこへ同時期に流れ着いた2人の少女が出会い、心を通わせながら親交を深めていく
家庭環境に恵まれず家出をしてきた少女2人
1人は現状を打破するために前へ進み、もう1人は社会に巣食う深い闇へ取り込まれていく
終盤は読むのが辛くて苦しくて悲しくてやるせなくて、こんなのどうすれば良かったんだろうって眉間に皺を寄せながら読み進めました
書評で想像力について「読書におけるそれは、他者の体験や感情を我が事として受け止める力であり、それを私たちは別の言葉で優しさと呼ぶ」と書かれていて、それにも深く胸を突かれました
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Posted by ブクログ
地元が舞台なので痛いほど良くわかる
冬の閉塞感、雪かきの辛さ、太陽が登らない暗い空、いつまでも溶けない重い雪
冬の間はどんなに陽気な人間でも毎日の雪に辟易して眉間に皺を寄せてしまうほどの豪雪地帯
この作品は雪国に住む者ほどリアルに情景を思い浮かべることが出来ると思う
そして主人公となる少女たちの家庭環境
現実にありますよ
こんなに不幸なのはリアリティを感じられないと言う人はなんて恵まれた幸せな人生なんでしょう
そもそも人には人の地獄があるというのに
人には言えない家庭の秘密を抱く少女たちの物語です
読後感はとても悪いです
絶望が転がっています
私はとても好きですが苦手な人には受け入れ難いかもしれません
全体を通して大変素晴らしかったのですが、精神科の入院形態について一点だけ大きな間違いがあったのが残念
✕▶︎措置入院
〇▶︎医療保護入院