櫛木理宇のレビュー一覧
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今まで読んだ中で1番残酷だった。
作者の文章力や構成力が秀逸で読み始めから佳境に入る中盤でも楽しめた。
ハラハラドキドキが、止まらない。
時系列が少し複雑でどのキャラクターのエピソードなのか確認しながらページを戻って読み返したり、頭の中で整理したりして読書というものを楽しめたと思う。
読み終えた時の余韻が強く残る。
どのキャラクターもその人となりが説明されているでもなく自然と頭に入ってきた。
やはり作者の文才なんだろうなと思う。
ストーリーは残酷でそれを好きと言ってしまうのが少し躊躇してしまうが、この作品は大きなエンターテイメントだ!と思えるほど満足して読み終えた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画化され、公開当時に観て、衝撃と満足感から「絶対に原作を読むぞ!」と意気込んでから、はや3年。
やっと読んだが、個人的には正に傑作。
まず、今作の連続殺人鬼:榛村大和のキャラクターが映画版と違い、美青年という設定で驚いた。映画版で榛村大和を演じる阿部サダオは「近所に住む、接しやすいおじさん」という印象があったが、作中での書かれ方的には「40代とは思えないゴリゴリのイケメン」という感じ。
この差分が決してマイナス評価という訳ではなく、この采配をした、白石和彌監督の思い切りが良いなと感じた。
しかし、原作と映画版の榛村大和の一番の共通点はやはり「眼」。
この「眼」は、時に相手に充足感を与え、時 -
Posted by ブクログ
ネタバレまさかね、まさか。だってあれはもう、十年も前の話。いまさらこんな田舎町に、あの子が戻ってくるなんてありえない。
-ああ、だめだ。その刹那、小柚子はそう悟った。もう逃げられない。たったいまわたしは捕まった、と。誰に、なにに捕まったのかはわからない。でも本能が告げている。おまえは終わりだ。これは終わりのはじまりなのだと、低く嘲笑っている。
みんな死んでしまえ。世界なんて、いますぐなくなってしまえばいい。
降り積もる雪の重たさに、小柚子、弥子、そして京香が抱える重たさに、押し潰されそうになった。
母と娘。難しい。どちらが支配していたのか。されていたのか。
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Posted by ブクログ
地獄の中にさらに地獄へ叩き落とすことが出来るなんて。
生きるか死ぬかの状況に置かれた人間の心理のぐちゃぐちゃさや、理解できなくて訳が分からなくなる思考回路が生々しく描かれていて、体験したことでもあるの??ってくらい恐ろしかった…
しかも、あえてあからさまな回想シーンみたいなのが出てくる度に心がザワザワして、誰が復讐してるかなんて全く想像がつかない。
『依存症』というタイトルにふさわしく、ひとりの人間の依存先や依存理由の違いがものすごく出てくる。
でもなんでか、最後はスッキリしてしまった。あの女に「よくやった」なんて言いたくなってしまって自分も怖い。
このシリーズの依存になってる私…!! -
Posted by ブクログ
依存症シリーズ第四弾。
次はどう展開するのかとずっと楽しみに待っておりました。
タイトルに拷問とつくことから分かりきったことだが、4作品中1番殺人描写がエグかった。
今回のプロローグからの終盤への落とし込みは絶望的すぎた。
インターネット上でよくあるストーカーによる家族と偽っての人探し。
ちょうどそろそろ出所するであろうバッキー事件首謀者のエピソードを盛り込んだ今回のテーマ。
一般的には認められないアダルト作品を好む男性は、現実にも一定数いる恐ろしさと、ネットあるあるな女性蔑視に私自身が女性であるからの恐怖や気味悪さがあった。
また、シリーズの最悪人物、浜真千代のやり口の進化。
序盤からの