櫛木理宇のレビュー一覧
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ちょっと待て、まだ付き合ってなかったんかい!!! と冒頭から突っ込む人はどれほどいたでしょうか(笑)。でも今回はいよいよ進展が……? しかしやっぱりというか何というか、怪異によって邪魔されてしまうのですね。とはいえ怪異に対処する森司の優しさとカッコよさが際立つ気がするので、これは高ポイントかも?
と、あのカップルの行方が何よりも気になってしまうこのシリーズですが、もちろんメインはホラーであり謎です。今回の作品はどれもが、生きた人間の情念によるもの。死んだ人間よりやはり生きた人間の方が怖い、というありがちな印象でありながら、どうしようもない悲しさも感じました。「さよならカサブランカ」は切ないし、「さえずりとドライブ」は身勝手といえば身勝手だけれど、意図したものでないなら悲しいこと。「狼は月に吠えるか」も恐ろしいものの、あまりに悲しくて。そしてあんな恐ろしい目に遭いながらもそちら側を理解し寄り添おうとする森司があまりに素晴らしい……なるほど、これは惚れるな。 -
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愛情って誰に向けるものなんだろうか。
「死に至る病」を映画で見てすごく作家さんが気になってこちらを読みました。
殺人の手口のグロさがまず衝撃すぎる。映像化したら気持ち悪くなっちゃう人絶対いるよって思いながらも見たい好奇心がでちゃいます。
母親の愛を求めて女性の臓器を取り出して抱きしめる殺人犯、14年前に殺された女性教師とよく似た主人公の女教師。このふたりの視点が交互に動くからこそ、どこで交わるのかハラハラしました。
サイコパスの猟奇殺人かと思えば、愛情って何だったんだろうと親子関係の在り方を問われる作品で重みが十分にありました。
また、女教師がなぜ殺されて、自分も嫌な雰囲気に巻き込まれているのかというところも性別や、人を愛すること、自分とは何だったんだろうと社会の息苦しさを自らの殻を破っていく成長も見える壮大な問題提起でした。
問題行動に見えて実はSOSだった、大人になってからはもう変わることがないなど、思春期の行動や言葉の1つ1つが分岐点になって未来が歪んでしまった行く末をそれぞれ見せられています。
でもラストはまた事態が大きく変わって、こんなにも連続殺人犯の印象が変わる作品は中々ないと思います。ちょっと好感度あがってしまいました。 -
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血は遺伝するのだろうか。かつて妻を人形のように扱い、人の心がわからなかった曽祖父。そこから代々の人間が精神を崩し始め、不幸な死に方や、アル中になり、人生が滅茶苦茶になっている。連続殺人事件の被害者は皆、曽祖母に似ていて、母親に対する怒り、悲しみ、恋慕、愛情を欲しがり、自分の手で殺すことがゴールになっており、母親を殺す前の準備として、曽祖母に似た女性が殺されていた。母親に捨てられた尋也と毒親に育てられた願示。認知症になる前からとっくに壊れていた曽祖母に押し入れに閉じ込められ、遺体の写真を見せつけられていたら心身もおかしくなるに決まっている。「人を殺せる人間だったか」物静かで、心の中に怒りを溜めている人物ほど、殺人の線を越えてしまうのではないだろうか。武瑠は琴子が近くにいるのに、向き合うことから逃げ続けて、父の影に怯える。父のようにはなりたくないと願いながら、段々父に似てきている自分に焦りを感じている。彼の平穏な日々は、事件が解決するだけではなく、昔、琴子が好きだったブルちゃんに戻ってからやってくるのだろうな。
最後、琴子ともう一回、やり直せて救いがあった。
家系の問題は難しくて、人物が複雑に入り組んでいて、この人誰だっけ?となることが多かったが、特殊な双子の例の引用で、文章が理解しやすくなっていた。 -
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ネタバレ今自分の中でキている作家さん、櫛木理宇。
注目作、少女葬をいよいよ読んだ。
ずぅーーーーん、という読後感。
物語は、ある少女が河川敷で六時間超のリンチの末惨殺されたという事件から始まる。
劣悪な環境の違法シェアハウス「グリーンヴィラ」に、転がり込む家出少女の綾希。
ある日グリーンヴィラに、同世代の少女の眞美がやってくる。
慎重派の綾希と楽観的な眞美、二人は互いの境遇を打ち明け合い仲を深めていくが…
“お父さん””お母さん”と、シェアハウス内を取り仕切る人物を中心とした、擬似家族形態が出来上がっていて気持ち悪かった。
後に綾希は喫茶店の店主である希枝に出会い、眞美は闇社会と繋がりのある海里と出会う。
それぞれの出会いが、2人の人生それぞれの明暗を分けていく様が細やかに描かれていて、読むのが辛かった。
道を踏み外す前に希枝という人物に出会い、息子の陸という少年と少しずつ距離を縮め、紹介された弁当屋で新たにアルバイトを始めてグリーンヴィラを出ることが出来た希枝。
一方、裏の世界でも輝きを放つ海里という存在に憧れ、仲間に入れてもらえた喜びで、クラブで遊び、酒を飲みまくり、挙げ句の果てには乱暴なこともされたり、酷い扱いを受ける眞美。
2人とも純真無垢な17歳の少女であり、2人が意図したわけではなく出会った人物がたまたま違っただけで、ここまで人生が変わってしまうのかと、愕然としました。
残り数十ページでは、この2人の描写が短いスパンで入れ替わるため、2人の幸の差がえげつなくて本当に読むのがきつかった…
家出なんてするからだ、と切り捨てるのは簡単かもしれませんが、生まれた環境や出会った人間次第で、その人性格云々ではなく運命が大きく変わってしまう恐ろしさを感じました。 -
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ネタバレちょっとしばらく立ち直れなさそう…
綾希と眞実、似た境遇の彼女たちの命運を分けたものは、危機管理の力なのかな。自分に迫る悪意や危険に気づく力。そして、信じていい人を見極める力。
…でも結局、どこで誰に出会えるか、出会ってしまうか、幼い少女たちには運の部分も多かったのかな…。
頭の悪さに甘えた眞実のキャラは全然好きになれなかったけど、生まれる場所が違えば、明るい彼女はとても愛されただろうし。性別もわからなくなるくらいの暴力などと無縁に生きていけたかもしれない。可哀想に。
終盤、恋人との温かい時間を過ごす綾希と、凄まじい暴力を受け死に向かう眞実の描写が交互に描かれ、めちゃくちゃしんどかったな。これはけして絵空事ではなく、現実に少年少女に起こっていることなんだろうなと感じた。想像力の欠如が招く暴力性、集団心理、命の軽さ。末恐ろしいわ…
残酷で、面白かったとはとても言えないけど、切なくてかなり好きな小説でした。 -
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ネタバレきみたちいつになったら付き合うねん!というツッコミを毎回しつつ、結局進展しないよなとこれまた毎回勝手にがっかりするのだが、今回は思いのほか進展した気がする。
手も繋いだし、何だったらハグもした。
なお告白はまだらしい。
……もうそのままでいいよ、きみたちは。
一方でオカルトネタは今回もなかなか怖かった。
結局救いはなく、ただ見届けるだけになった展開は久々ではないだろうか。
オカ研への依頼的には解決したけど、怪異の思い通りになる展開というか。
女性が性的に搾取されていたという隠されていた真実と共にぞっとする展開だった一話と三話だった。
ゆえに二話目に救われる訳である。
もう本当に泣けた……あの展開は勘弁してくれよ。
亡き妻の教え子たちを出迎えた彼と共に涙目になったという…… -
匿名
이건좋은괴이만화다워요
Hon Ted Campus Wolf Howling at the Moon? This novel's art style is strangely similar to the art style of The Night of the Magician. It's a novel with a surprising, suspenseful, and terrifying atmosphere among novels with a monster theme. This is a good manga. It would be good if this was made into a movie animation. I also think this is a good manga.
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めっちゃ面白かった!
櫛木さんの“陽”寄りの作品って新鮮だ。
陰惨な事件を扱いつつもエンタメ要素は満載で、最後までどう転ぶか分からずドキドキした。
手に汗握るってまさにこういうことよね。
冤罪が疑われる殺人事件についての再審請求を認めさせるべく、SNS・警察・テレビを駆使して世論を動かしていく『星野班』の連帯感が快い。
孫の旭とその友人・哲、昔なじみの記者、弁護士、被害者遺族等の協力を得て、ひたすらに突き進む様からは目が離せない。
どうすればバズるか、動画再生数を稼げるか、多くの人に見てもらえるか。
ネットが人々に与える影響の強大さを、まざまざと見せつけられた。 -
Posted by ブクログ
不良少年2人が子ども食堂に立て籠った。動機は何か。所詮、子どもが考えることだと侮っていた大人たちは、凶器が刃物と拳銃であることと、少年が躊躇わず引き金を引いたことに動揺する。子どもを人質にとり、敵意や殺意を剥き出しにし、欲望のまま行動する様子は、ひどく動物的であった。籠城が長引くにつれ、司や幾也に疲れが滲む。その中、ふたりがたどり着いた真実とは。当真たちは、親から虐待されていることを知りながら何もしてくれなかった大人や警察への怒りが溢れ、籠城することで自分たちの存在を知らせていた。重大なことを起こすことでしか自分の存在を知って貰えなかった。親になるべき人となるべきではない人。子どもは、子どもを望んでいる人のところを選んで生まれたら良いのになんて。親ガチャなんて言葉があるが、親から子への影響は人生を形づくるほど大きい。親になることが怖いと思うと共に、日本にもこのように流れ着いて馴染めずにいてもいなくても同然の扱いをされている子どもがいるのだろうと思った。私の知らない世界が本の中に広がっていた。