あらすじ
「ぼくが殺しておけばよかった」中学三年の不良少年・樋田真俊が何者かに刺殺された事件。彼にいじめを受けていた同級生・河石要は、重要参考人として呼ばれた取り調べでそう告白する。自分の手で復讐を果たしたかったのか、それとも……少年たちの歪な関係を描いた表題作他、ストーカーの女と盗癖に悩む女の邂逅からおきた悲劇「その一言を」など書き下ろしを含む全六篇を収録。人間の暗部に戦慄する傑作ミステリ短篇集。
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Posted by ブクログ
ちょっと前に書店にて見たので、読んでみた。
何の気なしに手に取ったが、1作目から傑作でびっくり!
いじめられっ子といじめっ子、この構図に隠された真の関係性とは…「死んでもいい」
ランチ会、ホームパーティーに突如現れ大荒らしするクラッシャー家族は如何にして…「ママがこわい」
叔父の葬儀で、異母の姉との少年時代の、少しエロティックでグロテスクな雰囲気の数年間を思い出し…からたねおがたま」
死ねと言われ続けた人生で、鉈をふりおろす瞬間に自分が死ねと言いたかったことに気づくストーカー女。殺される主婦は盗癖持ちで、ずっと泥棒と言われたかったときづいた…「その一言を」
文学部の顧問に借りた小説は、現実では先生で夢の中では王国を束ねるための勇者である主人公のストーリーを描いたファンタジー。しかしそこに出てくる登場人物は、皆現実世界に存在する生徒や家族で…「彼女は死んだ」
作家の櫛木理宇には突如届く一通のファンレター。その中には、櫛木の盗作を咎める文面があり、読んだ直後にTwitterに届く「読みました?」のメッセージ。その後も続々起こる出来事…「タイトル未定」
Posted by ブクログ
本屋にてふいに目が合い、なぜかとても惹かれて購入した一冊。期待通りとても面白くて一気読みしてしまいひた。
犯人や真相は読みながら想像がつくものもありましたが、なによりも表現と描写が滑らかで、読みやすいのに独特な不気味さを含んでいて最後はしっかりゾッとさせられました。
書き下ろしの「タイトル未定」は、読んでいて頭がおかしくなりそうでクラクラしました。(最上級の褒め言葉)
Posted by ブクログ
なんとも毒々しい短編集。何これ大好き。
ゾッとするような人間の闇をこれでもか!と見せてくる短編6話。一つ残さず面白かった。
なんとなく全体的に気味が悪くて気持ち悪いんだよな。よくこんなに色んな種類の人間の歪みを気持ち悪く、切なく、腹立たしく描けるもんだなあ。
期待よりも更に斜め上をいくどんでん返しをバシバシ叩きつけてくる。毎話読んでて本当に気持ちがいい短編集でした。
イヤミスと呼ばれるのかもしれないけど私にとっては全然イヤじゃないです。
最後の「タイトル未定」はまんまと作者に弄ばれた感があってやだもう、好き。笑
櫛木理宇さん、好きな作家の仲間入り。
痺れました!
いつ頃からか本にのめり込むように向き合うことがめっきり減った中で、何気なく読み始めた本書。
「あれ、私こんなに活字に飢えてたっけ」と錯覚するほど「次は?次は?」と読み進めてしまいました。
特にああとため息を漏らしたのは、中盤辺りの一作!
作者さんのギミックにまんまとしてやられてしまいました。
と同時に感じる得も言われぬ爽快感。
現実世界ではまず起こり得ない設定ながら(いやいや、こんな世の中だから無きしもあらずだけれど)、作品に何の矛盾も破綻もなく完結させる作者さんの説得力にただただ感服しております。
今回はお試しで短編を読みましたが、ぜひ長編も読みたいと思っています。
素敵な作品に出会えたこと、感謝しています。
展開が読めない
叙述トリックを楽しみたいのなら、最初におすすめする一冊になったかもしれない。
今回、著者の作品は初体験だったのだが、他のものも是非読みたくなった。
Posted by ブクログ
読後感ずっしりのイヤミス短編集
盗癖のある女性とその周囲を描いた「その一言を」がお気に入り
最後まで読んで「そういうことか!」となる構成がおもしろかった!
Posted by ブクログ
ミステリ短篇集。どの話もゾワゾワする感覚で読んでいると、最後には意表を突かれる形で終わります。六話あるのでテンポ良く裏切られていきました。「ママがこわい」がタイトルどおりすぎて、特に印象に残る。
最終話の「タイトル未定」は私には途中から意味不明。やや甘の★4つ。
Posted by ブクログ
櫛木理宇〜って感じのイヤミス短編集。お気に入りは、文芸部の恩師・宇津木先生を疑惑がめぐる「彼女は死んだ」と、ホラー系短編集で最後に入ってると嬉しい著者が登場するタイプの話「タイトル未定」。
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短編であっても人間の暗い部分を上手く描いてくれるからたまらない。やっぱり直接関わることのない安全圏で、狂ってる人間を楽しませてくれるから凄くいい。「ママがこわい」と「タイトル未定」が特に良かった。
Posted by ブクログ
この人の作品を読むといつも「嫌やな」と「おもろい」が同時発生する。
この嫌悪感の詰め合わせみたいな短編集ですら、面白かったなあと思ってしまう。
ホント癖になる作家さんだわ。
プロットも秀逸で、そうきますか!と毎回裏切ってくれるから嬉しい。
表題作は当然ながら、『ママがこわい』『その一言を』の展開が好みだった。
全体的にメリバ風味だけど、不思議なことに読後感は悪くない。
Posted by ブクログ
嫌なのに、顔をしかめながら、読む手が止まらない。毒薬短編集って感じ。ほんとに全話嫌!笑
星5にしたいけど、星5の気分の読後感じゃないから星4。
好きだったのは、「死んでもいい」「その一言を」
事実は一つだけど、真実は各々の中にあるんだな、て感じる二篇。結構びっくり。
「タイトル未定」は背筋凍った。好きではない。死刑にいたる病の時もサイコパスにゾッとしたけど、著者の本読むとストーカーとか、頭おかしい人とか、普通にその辺にいそうな感じがしてザワザワする…こわ…。
Posted by ブクログ
私が櫛木理宇先生と出会うきっかけとなった作品は「侵蝕」だった。人間の醜さをこれでもかと描き切る手法と残酷な真実を織り交ぜる着想の豊かさには驚かされる。ただし今回は短編集だ。短い文章の中でいかに私達を裏切り先入観を打ち砕くのか楽しみでもあった。6篇どれも現実世界のすぐ傍の誰の中にも起こりうるものであった。最後のタイトル未定は作者は女性だったよなと思わず櫛木理宇先生のWikipedia を検索してました(^o^)
現実に起きたら怖いだろうけど櫛木理宇先生が遊んでいる感じがして面白かったです。これからも櫛木理宇先生を応援したいと思います。
Posted by ブクログ
以前読んだ「寄居虫女」の作者が「死刑に至る病」の原作者だと知った。
短編集でもしっかりと後味悪く、どんでん返される。最近長編を読み通す気力があまりないので短編集は助かる。
表題作の「死んでもいい」はまさかの展開だし、めちゃくちゃ退廃的で耽美で良かった…。
「彼女は死んだ」は、死んだのがあいかではないだろうなとは思ってたけどさらに一捻りある結末で良かった。
Posted by ブクログ
「死んでもいい」「ママがこわい」「からたねおがたま」「その一言を」「彼女は死んだ」「タイトル未定」
6話収録の短編集。
これでもかというぐらい人間の醜さや毒が散りばめられていて不穏極まりないが、怖い物見たさで読み進めると、想像の上を行くオチにやられ、それが癖になる。
表題作の真実は誰もが予想出来ないであろう意外性を持つ。
有りえない言動を繰り返す女性に嫌悪感を抱いていると、その裏に隠された真実に驚愕する『ママがこわい』。
盗癖とストーカーを絡めた『その一言を』は深過ぎる闇に慄く。
読後は人間が持つ多面性に慄然とする。
Posted by ブクログ
表題作の「死んでもいい」を読んで
ちょっと嫌な感じの作品だなぁと思ったが
全体的にイヤミスならぬイヤ本だったが
いろんなバリエーションの嫌な話がおもしろかった!
技巧に満ちた嫌な感じの「その一言を」
意外に読後感はいい「からたねおがたま」
逆に読後感の悪い「ママがこわい」「彼女は死んだ」
メタ的な「タイトル未定」
Posted by ブクログ
初めましての作家さん(多分)タイムラインで見かけて気になっていた一冊です。
これはいいイヤミスを読んだ。特に「ママがこわい」がお気に入り。厭な女を描くのがお上手だ。どの話も意外な結末が用意されており、面白かった。
Posted by ブクログ
登場人物がなんだか厄介で嫌な人ばかり! 読めば読むほど嫌な気分になってくる、だけれど読む手を止められないミステリ短編集。毒がたっぷりなのだけれど、なんだか読後感はすっきりするような気がしなくもありません。
お気に入りは「その一言を」。一番嫌な話だと思うのですが、一番結末が収まるべきところに収まったように感じました。傍目には恐ろしい惨劇であり悲劇としかいいようのない事件なのですが。普通ならば到底理解できないであろうと思えた最後の一文がすとんと腑に落ちてしまったところが凄いです。
「ママがこわい」も本当に怖い。ここまで極端でないにしろ、こういう人っていそうだもの。そしてその裏に隠された作為と、それが招いてしまう結末。これは案外、喜劇として読めるかもしれません。
Posted by ブクログ
作者さん、長いことずっと男性だと思ってました。
女の子にたいする容赦のない描写から、勝手に思い込んでいました。
この方、女性だったのか。すごいな~。
一番面白かったのは「ママがこわい」だけど、いまいちタイトルの意味がしっくりこない。
Posted by ブクログ
短編集。え!?そっち!!、えっ!どういうこと!?えっ!?という感想が出てくるものばかり。あまり小説を読まない人でもこれ1冊でミステリーの醍醐味を味わえる、濃縮された作品。
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6篇からなる短編集。
1話目から、思ってたのと全然違う展開にびっくり!!
え〜!と予想の上を行きました!
どの話も毒々しくて不穏。
でもこういうの嫌いじゃない笑
櫛木さん、長編しか読んだ事なかったけど、短編もハズレなしで面白かったです!
「ママが怖い」と「その一言を」が特に面白かった。
最後の「タイトル未定」は、なんと作家の櫛木理宇さん登場!!
ほんとの話なのか、創作なのか頭ごちゃごちゃしたけど、こういう自分を作品に登場させるのって、サプライズ的で私は好きです。
そして1番驚いたのが櫛木さんの性別!!
てっきり男性かと思ってましたー
名前にミスリードされてた笑笑
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もうムカムカが突き抜けて気味悪ささえ感じる不愉快な人物を描かせたら、右に出る者はいない櫛木先生のダークで意表を突く短編集。
各話当てられていたスポットライトの角度が「え?そっちなの?」と途中でガラッと切り替わり、予想もしない結末に嘆息。
『ママがこわい』の亜沙美のモンスターぶりが凄まじかったな。園児のいる自分は唖然と怒りと呆れがごちゃ混ぜ。彼女がキーパーソンと見せかけて、まさかの人物の浮上はどんでん返しの醍醐味ががっつり。恐ろしいには違いないのだけど、女の自分は「よくここまでやったな」とニヤリとしてしまう。
Posted by ブクログ
もうこれ以上なんてない、今この瞬間に死んでもいいわ……そんな意味かと思って手に取った。全然違った。生きていて絶対に味わえない視点をいくつも体験させてくれる、でも最高にイヤミスな短編集。最後の書き下ろしは読んでいて文章に酔いそうになった。
Posted by ブクログ
「死んでもいい」
「ママがこわい」
「その一言を」
「彼女は死んだ」がよかった。
短編はもっとよみたい、その先は?と思ってしまって苦手意識があるが、今回は読みごたえあり。
Posted by ブクログ
短編集。どの話も思いもよらない方向に展開していく。嫌な気持ちにさせる人の描写が上手いので、読んでいる側の心がざわつく。
ある作品は藤子不二雄のノスタル爺を連想させた。
Posted by ブクログ
★★★
今月3冊目。
いやーこの人の本はだいたいわかってきた。
家系とか桐野夏生みたいな気持ち悪い文章。
女性作家だけど、頭はだいぶぶっ壊れてるな。好きだけど。
まだまだこの作家さん掘ってきます。
Posted by ブクログ
短編も悪意が凄い…どす黒い気持ちのままで終わるお話も、当人たちには救いだったのかも?となるお話もありました。
「その一言を」と「タイトル未定」、どちらも電波…と思いました。「その一言を」の締めの一文がいちばん狂気。でも「その一言を」、本人たちは悪くなくて育てられた相手と育った環境がかなり悪かったのが原因という心苦しさはありました。
「タイトル未定」は作者が自身で遊んでいて面白かったですがよく考えたら怖い。盗作されたと思いこんで起こってる事件あるから現実的じゃなくはないので…商業作家じゃないけど身近でもあったので、本当にこういう人いるよね…という恐怖でした。妄想を信じ込んでる人はその世界に生きてるから極力関わらないどこうと思うけど、ひょんな事で関わられたりするので。わたしも気を付けようという自戒を込めて。
「彼女は死んだ」はほのぼの読みました。櫛木理宇でわりとほのぼのするとは思わなかったです。
Posted by ブクログ
屈折した闇の心が怖かった。
本人達しかわからない闇。
ママが怖い。は、女性の執念が最後に見えて本当怖かった。。その一言を。や、タイトル未定。は、なんとも言えない、現実的にありそうでいて、でも非現実的で、背筋がぞっとする怖さだった。
短編集で読みやすく、面白かった。
Posted by ブクログ
6篇の短篇集。
ここまで人間の暗部を抉り出してくるとは…。
想像外の世界で、先入観をことごとく打ち砕いてくれる。
「ママがこわい」なんてある意味誰を指して言っているのか…ラストでまさか⁇と思わせてしまうところがもっとこわい。
Posted by ブクログ
短編集だと知らないまま読み始めた。しかし…嫌な人がいっぱい出てくる素敵な(?)1冊でした。色々感じるところはあれど、『彼女は死んだ』とかは、好きだけど、なんでわざわざ帰省したの?って疑問にまで立ち返ってしまった。『タイトル未定』に至っては二転三転していくうちに訳が分からず、ただ、嫌な感じが癖になる。