櫛木理宇のレビュー一覧

  • 骨と肉

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    遺体の一部が切り取られて激しく損傷している連続殺人事件が起こった。それは過去に起こった遺体と同様であった。全編通して不穏が漂う物語で櫛木さんらしい作品だった。一番記憶に残ったのはこの文章。「犯罪心理学には”ビンゴ理論”なる用語があるという<中略>数字の代わりに揃えるのは、劣悪な生育環境、頭部外傷、虐待やいじめによる心の傷、過度なストレスなどだ。それらが一列揃って満たされたとき、人は人を殺せるハードルを越えてしまう――。そんな仮説らしい」。櫛木さんの過去作を振り返るととてもしっくりきた。

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    2025年12月31日
  • ぬるくゆるやかに流れる黒い川

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    可哀想な登場人物ばかりで気持ちが重くなる。色々な種類の不幸がギュッと濃縮されていてどの不幸も考え深い。

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    2025年12月27日
  • 執着者

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    薄汚い老人がとあるカップルやOLを執拗に追い詰めていく…
    色ボケ老人によるストーカー犯罪かと思いきや、物語は21年前の連続強姦殺人事件に繋がっていく

    主人公は姉をストーカーに殺された過去を持つ刑事
    事件マニアと呼ばれるほど、過去の事件のデータベースを頭に入れている
    実際にあった事件を扱っており、作者の勤勉さに舌を巻きました

    今作も胸糞悪くなる登場人物ばかり、でも読む手が止まらず一気に読み終えた

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    2025年12月27日
  • ホーンテッド・キャンパス 最後の七不思議

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    2つの短編は相談者含めて周りの人たちもなんか…特に2つ目の短編の相談者はなんとも言えない気持ちになった。
    3つ目の中編のほうもなかなか重たい話だったけど、陸上の話や料理、プレゼントについての話がちょいちょい入ることでバランスが保たれていた印象。

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    2025年12月27日
  • ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く

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    久々に読んだけどこの回も面白かった!
    もう両思いなの確定の2人。
    小山内くんまで応援したくなっちゃうの笑える笑

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    2025年12月24日
  • シリアルキラーアンソロジー 人殺し日和

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    悪悪悪
    善なんてものはこの世界には存在しない。
    なのに、、こんな惹き付けられるシリアルキラーは他にはきっと存在しない。

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    2025年12月22日
  • 執着者

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    怖かった。
    始めは寝る前によんでいたが、怖い夢をみてしまい
    昼間読むようになった。
    ストーカーって恐ろしいことは間違いないが

    寒い外で長時間待ち伏せしたり、真っ暗な夜中に手の込んだ嫌がらせしたり、尋常ではない精神状態にならないと とても出来ない事で、その邪念、執念に取り憑かれるともはや人ではなくなるのでしょう。

    なのであまり人やモノに執着するのはやめようと思いました。

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    2025年12月19日
  • ホーンテッド・キャンパス 秋の猫は緋の色

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    死んだペットに会えるカフェの話はオカルトの中でもほんわか系の話でよかった。
    反対にユキさんの話はドロドロで怖かった…

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    2025年12月14日
  • 逃亡犯とゆびきり

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    帯の「親友が、シリアルキラーになった」って…やっぱりいいなぁ、櫛木さん。連作短編で、ライターの世良未散が事件の取材をしながら真相にたどり着く。知らなかった言葉「クロゼットの中の骸骨」は、どんな家庭にも人には言えない隠し事はあると。どの事件にもそんな秘密があった。最後の表題作で「陰謀説だろうと捏造だろうと、脳を喜ばせてくれるものなら受け入れる。物語を脳の中で育て、さらにねじ曲げる。現代ではSNSのエコーチェンバーが、それを助長し加速させる」と。ここにグッときた。そして全ては古沢福子の計画通りだった…。

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    2025年12月11日
  • ふたり腐れ

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    ✾ふたり腐れ
    ✾櫛木理宇
    ✾早川書房

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    殺人者と二人で連れ合って逃避行!?

    ーーーーーー

    平凡な日常を静かに過ごしていた、
    コールセンターで働くイチカ。

    ある日居酒屋で隣り合った大柄な女が人を殺す場面を目撃。
    連続殺人鬼との奇妙な共同生活が始まる。

    その関係は支配か友情か恋か。
    ふたりが堕ちてゆく果てにあるものとは?

    ーーーーーー

    好きな小説。
    だけど悲しい小説だ。

    それでも、
    何度も思い返してしまう。

    推し本です✧

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    2026年05月31日
  • シリアルキラーアンソロジー 人殺し日和

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    ネタバレ

    5人の作家さんによる、短編集。
    あまり短編集って好んで読まないんですけど、
    好きな作家さんが多かったので、購入。
    読み終わった最初の感想は、どれもが圧巻の作品でした。
    流石、今話題の作家さんたちだな、という印象です。
    一気読みしました。
    ページをめくる手が止まらなかったです
    個人的にはチレンさんの脳JILLが一番好きですね
    元々チレンさんの作品どれもすごく好きなんですけど、
    次はこう来たか、!!という圧巻の出来でした。
    チレンさん、次の本も待ってます

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    2026年07月07日
  • 赤と白

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    ネタバレ

    まさかね、まさか。だってあれはもう、十年も前の話。いまさらこんな田舎町に、あの子が戻ってくるなんてありえない。

    -ああ、だめだ。その刹那、小柚子はそう悟った。もう逃げられない。たったいまわたしは捕まった、と。誰に、なにに捕まったのかはわからない。でも本能が告げている。おまえは終わりだ。これは終わりのはじまりなのだと、低く嘲笑っている。

    みんな死んでしまえ。世界なんて、いますぐなくなってしまえばいい。

    降り積もる雪の重たさに、小柚子、弥子、そして京香が抱える重たさに、押し潰されそうになった。
    母と娘。難しい。どちらが支配していたのか。されていたのか。

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    2025年11月09日
  • おとどけものです。―あなたに届いた6つの恐怖―(新潮文庫nex)

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    6つの恐怖。どのお話も短くて読みやすく、怖かった(面白かった)です!ホラー初心者ですが、時々意味不明なところも良い!

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    2025年11月08日
  • 虎を追う

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    秀作。キャラがいい。テンポがいい。でも体調が悪い時は読まない方がいい。
    櫛木理宇みが序盤から全開。文が上手くて、するする読めてしまうだけに「辛い!読みたくない!でもこの文章を浴びていたい!」というアンビバレンツな状態に陥る。

    女児が惨殺されるまでを、そして遺体になってからも惨たらしい目に遭う様を文字でつぶさに見るのは精神にくる。
    また、ボディブローのようにじわじわくるのは、搾り出す無念の言葉、子を偲んでの涙、仏壇が登場する度に垣間見える変わらぬ愛情といった、親の心。子をなくすことが、この世で最も辛い苦しみの一つだと理解できる作品。

    SNSを筆頭にメディアから世論を動かす進め方がいかにも現代風でいい。pixivや Xや某掲示板を思わせる一連の流れは異様にリアルだった。

    櫛木理宇作品に登場する人物らは「これと決めたらとにかくこう!」みたいなキャラ付けが強く、ヒーロー映画やマンガのキャラっぽく感じていたが、これは違う。特にメインの登場人物がやけに生っぽく、リアルに生きている人間みがある。家族や関係者それぞれの立場から見た姿、さらにはSNSを通した素性の知れぬ人々の反応からもキャラの姿が浮かび上がり、人としての厚みや立体感が感じられた。

    集団に馴染めず「無価値なもののように扱われた」経験は、案外多くの人が感じることかもしれない。
    家庭、学校、社会、どこでもいつも「自分に対する評価」が他人と自分とで完全に一致する人なんていないだろうから。

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    2025年10月25日
  • 七月の鋭利な破片

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    ヤングケアラーや、精神的虐待をする大人たちに振り回される子どもたち。凪が実の父親から母親に似ていることを罵られ、友達の若葉にまで手を出されていて、可哀想どころか、こんな父親死んでしまえば良いのにと思った。凪の父親の浮気で乃江瑠といとこ同士であり、担任の六田先生とも浮気をしており、人間関係がめちゃくちゃ。後半になるにつれ頭がこんがらがってくる。短くまとめると凪の父親が根っからの犯罪者で周りの人を洗脳しながら事件を起こしたということ。乃江瑠のような子どもは私が小学生の時にもいたが、「そういう子」ということで、仲間はずれにしてはいけませんといった声で、何となく皆嫌だけれど仲良くしていた雰囲気だった。現代の生きづらさを抱える子はクラスに馴染めなかったら通信制に行くこともできるが、当時は通信制が主流ではなかったため、親も子どもも居場所が感じられなかったのではないだろうか。六田が本当に無理すぎる。あんなヒステリックで、すぐに生徒のせいにする担任。あんな先生が担任だったら、私も学校に行きたく無くなるだろう。凪の、「思ったより世間が全然やさしい」という言葉。周囲から、犯罪者の娘と罵られるのではなく、あなたは悪くないという周りの人の優しさがあるところが唯一の救い。殺したいほど憎いという感情は抱いたことは無いが、学校にいると、あの子目障り、いなくなって欲しい…と感じたことは生きていれば誰にでもあるのではないだろうか。小学生の時に感じたモヤモヤを上手く表現していて、私も楳平第一小学校の1人となって物語に参加できた感じ。

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    2025年10月24日
  • 七月の鋭利な破片

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    大好きな櫛木理宇さん作品。

    14年前の林間学校で起きた同級生の殺傷事件。
    小学生時代の事件発生までの話と現在の話が交互に綴られていて、残酷描写は薄めだけど、終始不穏さに胸がザワザワしながら読んだ。

    後半からはストーリーの疾走感が凄くて、夜更かしして読み切ってしまった。
    途中で自分が予想した展開とは全く外れていて、思っていたよりかなりマイルドだった…。
    そしてエピローグで号泣。

    櫛木理宇さんは、残酷描写がかなり有名だけど、それが好きな人というわけではない。
    どの作品でも不遇な子どものことを憂えていて、その描写が私のことも救ってくれる。
    だから私は櫛木理宇さんが好きなんだなとあらためて思った。

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    2025年10月21日
  • 鵜頭川村事件

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    集中豪雨で孤立した山間部の集落。ある事件をきっかけに少しずつ崩れていく村人たちの均衡。昭和54年というちょっとレトロな設定。悲鳴を上げる世代や男女の軋轢。パッと火花が散るみたいに起きる惨劇。密度濃いです。

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    2025年10月19日
  • ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁

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    ホラーパートと青春パートが明確に対照的で良かった。ホラーエピソードは村の因習だとか、サークルの人間関係だとか色々あったが、いずれも他者の気持ちを全く考慮しないディスコミュニケーションの末に発生している。一方、青春エピソードの方は森司がこよみの気持ちを尊重し(若干キモいとこもあるけど)、あえて発言を控えたり、思い切った行動に出たり。これまでじりじりとしていた仲だったけど、急速に近づいてきたね。

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    2025年10月10日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    装丁とかタイトルがチープだからといって侮るなかれ
    作家は皆ホラーの第一線で活躍している人ばっかりで、期待にそぐわない面白さでした。

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    2025年10月01日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    こういうアンソロジーって玉石混交のイメージのところ、これはほぼハズレなしの一冊!!移動中とかにさくっと読みたくなる本だね。どんどん読めた。全部良かったけど、背筋が特に好みかな。他にも同じようなアンソロあるみたいだから来夏にでも読んで涼みたい。気づいたら今年はもうホラーの季節じゃなくなっちゃったし。

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    2025年09月26日