櫛木理宇のレビュー一覧
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初めは死蝋という所持するにはおぞましいものがキーワードの猟奇的な事件というハラハラ感の面白さがあって好みでした。
櫛木さんの作品は読み始めたばかりで今3冊目ですが、物語の序盤で既に犯人の名前が出ているのにこれだけの深みがだせるのはすごいと思います。
そして今回の家族についての話が深い。
状況はとんでもなくえぐいですが、家族というコミュニティの中に父親が見えない、母親に女という姿が見えないと追求するところが日本の家庭のあり方の確信をグサグサとついてる。
いつも子育てのことを追求されて振り回されるのは母親で、でも家事育児に翻弄される姿だけでは役割を終えれず、女であることを疎かにすれば夫婦仲を追求さ -
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事件を追うルポライターになるつもりがエロ記事が収入源の30代になってしまった未散。女子大生という肩書きがなくなることで仕事が来なくなるというところがリアルで怖い。そんな未散のもとにかつての友人、古沢福子から連絡が入る。彼女は、事件の記事の元ネタを電話口で話すのみで、自身の近況は全く話さない。というのも、福子は約3年間で4人を殺したシリアルキラーであり、現在も逃亡しながら殺人を続けているからだ。福子の手の中で未散が踊らされている感じが逆に気持ちよく感じる。未散を陥れるためではなく、未散の仕事の成功をもたらす光となるのが福子だからだ。未散の出したルポは、福子との共著と言っても良いだろう。福子のおか
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ちょっと待て、まだ付き合ってなかったんかい!!! と冒頭から突っ込む人はどれほどいたでしょうか(笑)。でも今回はいよいよ進展が……? しかしやっぱりというか何というか、怪異によって邪魔されてしまうのですね。とはいえ怪異に対処する森司の優しさとカッコよさが際立つ気がするので、これは高ポイントかも?
と、あのカップルの行方が何よりも気になってしまうこのシリーズですが、もちろんメインはホラーであり謎です。今回の作品はどれもが、生きた人間の情念によるもの。死んだ人間よりやはり生きた人間の方が怖い、というありがちな印象でありながら、どうしようもない悲しさも感じました。「さよならカサブランカ」は切ないし、 -
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愛情って誰に向けるものなんだろうか。
「死に至る病」を映画で見てすごく作家さんが気になってこちらを読みました。
殺人の手口のグロさがまず衝撃すぎる。映像化したら気持ち悪くなっちゃう人絶対いるよって思いながらも見たい好奇心がでちゃいます。
母親の愛を求めて女性の臓器を取り出して抱きしめる殺人犯、14年前に殺された女性教師とよく似た主人公の女教師。このふたりの視点が交互に動くからこそ、どこで交わるのかハラハラしました。
サイコパスの猟奇殺人かと思えば、愛情って何だったんだろうと親子関係の在り方を問われる作品で重みが十分にありました。
また、女教師がなぜ殺されて、自分も嫌な雰囲気に巻き込まれているの -
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血は遺伝するのだろうか。かつて妻を人形のように扱い、人の心がわからなかった曽祖父。そこから代々の人間が精神を崩し始め、不幸な死に方や、アル中になり、人生が滅茶苦茶になっている。連続殺人事件の被害者は皆、曽祖母に似ていて、母親に対する怒り、悲しみ、恋慕、愛情を欲しがり、自分の手で殺すことがゴールになっており、母親を殺す前の準備として、曽祖母に似た女性が殺されていた。母親に捨てられた尋也と毒親に育てられた願示。認知症になる前からとっくに壊れていた曽祖母に押し入れに閉じ込められ、遺体の写真を見せつけられていたら心身もおかしくなるに決まっている。「人を殺せる人間だったか」物静かで、心の中に怒りを溜めて
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ネタバレ今自分の中でキている作家さん、櫛木理宇。
注目作、少女葬をいよいよ読んだ。
ずぅーーーーん、という読後感。
物語は、ある少女が河川敷で六時間超のリンチの末惨殺されたという事件から始まる。
劣悪な環境の違法シェアハウス「グリーンヴィラ」に、転がり込む家出少女の綾希。
ある日グリーンヴィラに、同世代の少女の眞美がやってくる。
慎重派の綾希と楽観的な眞美、二人は互いの境遇を打ち明け合い仲を深めていくが…
“お父さん””お母さん”と、シェアハウス内を取り仕切る人物を中心とした、擬似家族形態が出来上がっていて気持ち悪かった。
後に綾希は喫茶店の店主である希枝に出会い、眞美は闇社会と繋がりのある海里と出会