あらすじ
六年前、武内譲は二つの家族を惨殺し動機を明らかにしないまま拘置所で自殺した。遺族の栗山香那と進藤小雪は事件当時の武内と同じ二十歳になったときに再会する。「事件を改めて調べよう」と小雪は香那を誘う。なぜ私たちの家族が殺されなければならなかったのか。真相の周縁にあったのは、世代を超えて女性憎悪の感情で繫がる男の存在だった。注目の作家がおくる長篇サスペンス。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
栗山香那
武内譲
峻
進藤小雪
晶子伯母
栗山隆司
香子
進藤ハツエ
佳織
三咲
今道刑事
海老沼弁護士
宅間守
武内昭也
猛討ゆづる
今道弥平
伊野田
小柳
菅谷
片山
加藤智大
YZR
緒方
松隈
和偉
藤間
ジェニファー
綾子
武内由布子
進藤早月
木野
城下
光子
鶴巻
江添
スズコ
堤田ヒサヨ刀自
武内元治郎
武内正造
からゆき
キク
ハツ
武内チヤ
由良すず子
根田
手島
森井
Posted by ブクログ
読み終わった時、もう一度最初のページを開きたくなった
なんて重苦しく辛い物語なんだ…
でもものすごく勉強になった
絶対に知っておいた方がいい、学校では決して学ぶことの出来ない日本の仄暗く罪深い歴史を見せつけられた
グロテスクすぎる
人の欲望と愚かしさの骨頂を見せられた
終章のラストがあまりにも辛くて胸が痛い
どんな思いでこんなことを………泣けてしまう……………
女性として生まれた者にしかわからない地獄がある
どんな男性にも少なからずあろう女性軽視の思想、それに翻弄させられる私たち女という生き物の悲しさよ
男社会の中で虐げられた男性は、なぜ自分を虐げる男性を憎まずに無関係の女性に対して「なんで助けてくれなかった!」といって憎むのだろう
どういう教育をすれば真っ当な精神の持ち主となれるのだろう
生まれた土地にもよるのだろうか
これからの時代が女性にとって生きやすい世の中になることを祈って止まない
Posted by ブクログ
櫛木作品を毎回読む度、そこに描かれる絶望に打ちひしがれる。
二つの家族を襲った悲劇、犯人の自殺、残された遺族に付きまとう「何故?」という問いかけ。
二人の少女が女性憎悪の謎に向かっていく様に目を見張った。SNSを駆使して当事者たちから話を聞き出すのだが、ここで描かれるのはSNSを活用している人間のそれ。見ただけではなく、それを行い、自分の言葉で消化して描かれている。
並行して描かれる警察の捜査も小さな手がかりから真相に迫っていく様は読み応え抜群だ。一見、何の関係もなさそうな出来事や物証を一つずつすくい上げていく。
本書を読み終えて、我々を動かし続けるネットの声について考えた。それはあくまでも神の声などではなく、誰かが作り出した声で、我々はそれを仕分け、善か悪かの判断をしなくてはならない。善のふりをしながら、友人のような顔で悪が我々の中に忍び込んでくる。我々が生きている時代の、憎しみの、根源がここには描かれているようだった。必読の傑作である。
Posted by ブクログ
構造的差別の描写を貫く櫛木作品の中でも真正面にジェンダークライムを描いていると思う。
発端はジェンダークライムだけど加害者も虐待や構造上の被害者でありその被害と加害の逆転は何世代にも連鎖していて…これが構造よな。ぬるくゆるやかに流れる黒い川ってこの温存される構造のこと?
主人公である事件の遺族女子二人で育まれる連帯は悲しくも清らかだが、決定的な真相解明には力及んでいなくて最後はなんか蚊帳の外になっていたのが残念に感じた。
短い終章が涙を誘った。
Posted by ブクログ
始めの事件からどんどん深掘りして行って派生して行くうちにとんでもない結末に回収されていって、、続きが知りたくて止まらず1日で読んでしまった。
読み始めと終わりでは全く違う物語みたいだった。チヤ泣ける。
Posted by ブクログ
男尊女卑、男とは、女とはこうあるべきであるという考え方。今でこそ多様性が叫ばれる世の中ですが、その今であってもこのような考え方は拭えません。私自身もそんなきらいがあります。
この物語の中では、特にこの連鎖を強く感じました。私にとっての救いは、彼女が怒っても良い、悲しんでも良いと自分自身の感情を受け入れることができた点です。手紙も含めて、櫛木先生のお話の中では、スッキリというか、あたたかい最後のように思いました。
Posted by ブクログ
一家惨殺どころか、そのままもう一軒にも侵入し連続で殺人。何も語らず拘置所で自殺。女性蔑視、インセル、犯人だけの思想でなくとりまく環境まで広がっていく根深いものは、どう受け止めれば良いものか。それを、ぬるくゆるやかに流れる黒い川とタイトル付けるセンスはさすが。
Posted by ブクログ
栗山家、進藤家、チヤ、すず子
女性への根深い怨恨のせいで起こってしまった多数の理不尽な殺人。
昭也の死だけは自業自得としか思えないけれど。
事件を一緒に追いかけていくうちに香那と小雪に信頼関係が生まれて、上辺だけではない本当の友達になっていくのは嬉しかったし、2人がきちんと父親に対して怒りをあらわにできるようになって良かった。
最後の犯人がわかるところはちょっと唐突だったかな…。
Posted by ブクログ
なぜ、どうして、から遠ざかった香那。
自ら真実をつかもうとする小雪。
協力してほしいという小雪。
悩みながらも協力することにした香那。
自分達はあのときの犯人と同じ二十歳になった。
事件を忘れられない刑事と弁護士。
調べれば調べるほど闇は濃くなる、深みにはまる。
177ページ~180ページ
345ページ~349ページ
453ページ~454ページ
重い話だった。読んでいて苦しかった。
女性蔑視など女性の問題を多く取り扱っている。
いろいろと考えさせられるテーマだったと思う。
救いは、香那と小雪の関係性の変化と刑事の家族団らんシーン。
Posted by ブクログ
始まりは衝撃的だけど、被害者家族が動機を淡々と追う様が本筋。
日本の表立って出てこない負の歴史を背景に、三代に渡って繰り広げられる動機を探す展開で、ベースには被害者家族同士の友情や、定年間近の警察官の心の動きがある。
最後の一ページは、本編を読み終わった後にグサリと刺さりました。
Posted by ブクログ
感想を書くのが難しい。
そんな感想を抱いたこの作品。
男尊女卑。女尊男卑。
からゆきさん。
モラハラ、マタハラ、DV、虐待、ネグレクト。
そんな色んな問題が詰まった作品でした。
武内譲に家族を殺された栗山香那と進藤小雪。
そして、その事件を追っていた今道刑事。
六年の時を経て、武内譲の過去を追っていく。
譲の親族である武内昭也は、譲の祖父である武内和偉の弟であった。しかし、香那と小雪が会おうとしていた前日に何者かに殺害されてしまう。
譲が産まれてすぐに失踪してしまった母、由布子。
冒頭の手紙に出てくる武内チヤ。
由布子の母である光子。
祖父、和偉が結婚を考えていた由良すず子。
それぞれの女性に起こった、それぞれの残酷な運命というか、因果というか、そんな何かに薄ら寒くなった。
唯一の救いは、香那と小雪の間に友情が育まれたことかな。あの教室でのシーンを書きたくて、きっと櫛木さんはこの本を書いたんじゃないかな。
急に現れた光子と、急に今道刑事が会いに行った犯人は本当に何も伏線がなくて、え?どっからその推理出てきたの?ってなりました。
Posted by ブクログ
家の施錠をしていなかったため、香那と小雪の家族が惨殺された。
副担任が二人を呼びに来て、それぞれ事件を知らされた。
犯人は拘置所で自殺した。
それから六年。
香那と小雪は再会し、事件を調べ始める。
事件の背景にあったのは世代を越え女性憎悪の感情で繋がる男たちの存在だった。
Posted by ブクログ
登場人物が多すぎて全体的にとっちらかっている印象。結末が唐突に突きつけられた感じでした。
ただ小雪と香那の間に本物の信頼と友情が芽生えて、「怒っていいんだ」という感情を得られたところはとても良かったと思う。
タイトルの川って血筋の事なのかな?と。
Posted by ブクログ
★★★
今月2冊目。
2つの家で起きた殺人事件。そして犯人は自殺。
ころされた両家の娘が犯人はなぜそんなことをしたのか?を犯人の家系を探っていく。
なかなか凄まじい過去がある家系だった。
この作者初めて読んだがなかなか良かった
Posted by ブクログ
❇︎
ある日突然、当たり前にあるはずだった
家族を惨殺されてしまった二人の少女。
二人は6年の年月を経て、犯人が何故
犯行を行なったか動機を調べて始める。
過酷な生育環境。
負の感情の連鎖。
歴史的な背景。
抗えず歪んでしまった人、抗って生き抜いた人。
どうしようもない闇い感情に取り込まれて、
生きていたいと思えない人が
いまもどこかで膝を抱えているのかも
知れないと想像してまいました。
どうか、その衝動が自分や人を傷つけることに
向かわないでほしいと感じた物語です。
Posted by ブクログ
櫛木理宇『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』双葉文庫。
長編ミステリーという触れ込みであるが、過去の日本の男尊女卑に端を発したある一族の血を巡る事件の全貌を描いた小説だった。乏しい伏線の中で、いきなり犯人が登場するという終盤の展開、犯人の動機もまた希薄で、とても納得出来るストーリーではなかった。
横溝正史が描いてもおかしくないなテーマであり、横溝正史が描いたならもっと重厚でおどろおどろしいミステリー小説になったであろう。
閑静な住宅街で起きた極悪非道の無差別殺傷事件。中学の同級生の栗山香那と進藤小雪は昼休み中に教師から呼び出され、家族の悲劇を知る。栗山香那は母親と弟を失い、進藤小雪は祖母と母親、妹を失ったのだ。現行犯逮捕された20歳になったばかりの武内譲は動機を明らかにしないまま拘置所で自殺する。
6年後に再会した大学生の栗山香那と進藤小雪は事件を根本から調べ直そうとする。少しずつ見えてくる武内譲の異常な動機と武内一族を巡る忌まわしい過去……
本体価格780円
★★★