あらすじ
近づくクリスマス。こよみとのイヴデートを夢見る森司をよそに、オカルト研究会には今日も相談が。夜の学校に現れる七不思議「ササラ先生」。この先生が真夜中に自宅を訪れ、呼びかけてきたと依頼人は話す。
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少年の集団による犯罪心理
単にホラーと恋愛だけでなく、社会問題に切り込んでいく作品。今回オカ研メンバーは少年の集団による犯罪によって起こる霊障と立ち向かう。世の中を支えていく社会人にもうすぐなろうという若者たちが、社会問題について調べ、考えを巡らすのを好ましく頼もしく読みました。
固すぎす軽すぎずで楽しく読みやすい作品です。
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ホーンテッド・キャンパス18巻目
最後の七不思議 読みました。
櫛木理宇さん、書くのがめちゃ早いとはいえ、18巻まで、出ては買って読み、を繰り返してると、物語はすぐに忘れがちな私は「どこまで進んだっけ?」と毎回毎回思います。
内容的には、短編が3つ組まれているのが一冊なわけなんだけど、全体の流れがね。
でも安心してください。
1巻から両思いだった森司とこよみちゃんは、まだ両思いだけど、想いが通じ合ってないし、付き合ってもいません。
そして、18巻目が終わってもまだ進展ありません。
今回の巻は、だいぶ時事的だなぁという印象を受けました。
何か事象が起きた時の、黒沼部長の
「過去にこんな事件もあったように」という話が、だいぶ今に近い内容が多かったように思います。
それと表題にもなっている、第三話目の「最後の七不思議」ではSNSを使うこともまた今の時代っぽさがあります。
使い方として、誰か一人を標的にしてサンドバッグにしてたり、悪口言ったりというものじゃないけど、証拠を残すための1つに利用していたり。
ホーンテッド・キャンパスを読んで毎回思うのは、
『理屈だけでは説明できない事柄の物語であるにも関わらず、怖いのはその事象ではなく、それを引き起こす人間の方である』
ということ。
このような事柄を引き起こしている生身の人間の考えは、この話の中だけではなくて、現実にもたくさんいるんですよね。
今回の話の中で私が実感したのは、
第二話の最後。
145ページの部長の言葉
「無神経ゆえの残酷さというのは、十代特有だからね。……いずれ彼女も親になって、千草さんの気持ちがわかる日が来るかもよ」
誰も相槌を打たなかった。
そうなんですよね。
十代特有ではないというのも、最近はよく感じること。
親になっても、“千草さん”の気持ちが分からないでいる人もたくさんいるということ。
今回は、「親の心子知らず」を煮詰めた言い方で話される内容だけど、それ以外の人と人との関わりにおいても、そんな人がたくさんいますね。
残念ながら、私はそれをSNS関連で感じることが多いです。
一話目からイヤな登場人物に恐い怪異とアクセル全開。
二話目は読み始めと終わりで登場人物への見方が変わりました。
そして三話目は過去から連続する入り組んだ事件・人間関係とさすがの恐さでした。
閉ざされた環境で育まれる人間関係、周りから押しつけられる価値観とテーマも興味深かったです。
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……ラブコメの進展具合については、もう諦めました(笑)。いいんだ、これからも温かく長ーい目で見守っていく所存です。この人たちはいっそこのままでもいいよなあ。
ホラーな事象の数々は、相変わらず安定っぷりの恐ろしさです。今回の事件はどれも、「当たり前」な価値観や世界観を押し付けられてしまった人たちの悲劇が描かれていて、怖いというよりむしろ悲しく思えてしまったのでした。そんな中で自らの男らしさを模索する森司はものすごく男らしいと思うのですが。……うん、そういう自覚のないところがいいんですよねきっと。見ていて癒されます。
一番恐ろしく思えてしまった物語は「涙壺に雨の降る」。無神経ゆえの残酷さというものがここまで恐ろしいとは。絶対的な愛情があったはずなのに、それをこれほどの憎しみに捻じ曲げてしまうだなんて!
Posted by ブクログ
断れない女性、親子の繋がり、男子特有のおバカ騒ぎ。
果たしてクリスマスの贈り物とデートは
達成できるのか?! というサブミッション(笑)
いや、はたから見ていたら大丈夫なのですが
どうしてこう…石橋叩き割っても
安全性が確認できない性格なのかw
最初の話は、別れたら終わりでは? な女性。
端から見たら…な状態ですが、条件反射みたいなもので
どうしようもないのだろうな、と。
相手の男も、好きだった、とかいうなら
もうちょっと…とも思いますが。
これは怖い話ではなかった、という読後。
2話目の方が、人としてちょっと、な読後感でした。
まぁ二人とも好きな方向(?)に走っているので
本人がいいなら問題なし?
3話目が、前2話合わせて煮詰めた、みたいな話で
想像してしまうとなかなか…な展開と内容。
おれかっこいい、の基準が女の事違うので
ただただ恥ずかしい歴史、なだけですが。
男は黙って! という教育をされたら
確かにこうなるかも、ですが。
Posted by ブクログ
安定の面白さ(怖さ?)です(*´꒳`*)
今回は、価値観や常識、そして男はこうあるべき女はこうあるべきなどの固定観念を周りの人間に押し付けられて、抑圧されてしまった人々のお話でした。
特に[涙壺に雨の降る]に出てくるお母さんが不憫でたまりません。娘の青葉の残酷さや無神経さが読んでいて薄ら寒く感じました。
それにしても森司とこよみちゃん、クリスマスを一緒に過し彼はプレゼントのアクセサリーを渡せるのでしょうか?そして続きは次巻で読めるのでしょうか〜(*≧∀≦*)
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1壁の美人画・・・古館文音が住みだした古民家は夜な夜な掛け軸から女性が這いだしてくる。身体醜形障害の話。
2涙壺に雨の降る・・・武市青葉が泉水を通じて買い取りを求めた涙壺、泉水が触れたとたん、青葉の寝ているそばでのぞき込む人と屋根裏から覗く人の映像が浮かんだ。亡くなった母と住んでいた格安の借家は瑕疵物件だった。
3最後の七不思議・・・部長の先輩、早乙女雛子が持ってきた相談は学校の七不思議の七つ目、ササラ先生の話だった。過去の噂話を確かめようと早乙女幹太と大江田遥が夜の学校を訪れ、同行した楢木先輩が行方不明になったが、その先輩が夜、それぞれの家を訪ねてくるという相談だった。
社会人のリレーに代役出場が決まった森司は応援に来てくれるこよみにいいところを見せたかった。そして優勝したらイブデートに誘うと宣言する。
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すっかりお気に入りのシリーズになりました。
今回は全体的にホラー色強めでゾッとするシーンが多かったです。
それでも読後感がスッキリしているのは、やはり所々で日差しのように射し込んでくる青春エピソードのお陰ですね。今回もニヤニヤしながら楽しませてもらいました。
リレーの結果が気になって仕方ない…はやく次巻を読みたいです。
Posted by ブクログ
今回も面白い
どれも人間の弱い心に影響してるようで
草食男子森司君のがんばり、特に最後のこよみちゃんへのことば!
男ですねぇ!
頑張ってって応援したくなるw
Posted by ブクログ
相変わらず進展が遅い!(主役二人の恋模様の)
今回まさか肝心のシーン前で終わってしまうとは思いもしなかった。
彼らのクリスマスは長いのである。
……次の巻でさらっとクリスマス終わってそうな気がしないでもない。
今回はどの話も虐げるもの・虐げられるものの話だったなと。
問題を解決しても救いがあるパターンとないパターン(というか解決しても甲斐がない)があるのが、また世知辛い。
特に2話目の彼女は助けたところで、ああいうオチだとねえ……でも、ああいうタイプ程長生きする。
ずるいけども。
学校の七不思議の話は今回の話の中でも折り紙付きの怖さ。
かなり昔からの連鎖と謎解きになっていて、読み応えも凄かった。
よくぞ退けられたなと本気で思う。
学校の閉鎖的空間、夜の非日常感プラス登場人物たちの後ろめたい過去が相まって本当に怖い七不思議になっていたと思う。
相変わらず時事ネタというか、昨今の社会問題も織り交ぜての話は、色々考えさせられるものもありました。
勉強にもなるシリーズである。
Posted by ブクログ
販売は夏だけど、作品内はクリスマスシーズン。森司はクリスマスデートとプレゼントに悩みまくり。ほほえましいカップルは相変わらずですが、怪奇はいじめや自己中心的な人物が原因で起こってしまうことが、相変わらずシビアですね。
でも、面白かった!
Posted by ブクログ
ホーンテッド・キャンパス第17弾です。今回も2つの短編と1つの中編。
最後の学校の七不思議が怖かった。ホラー的な怖さと人怖が混ざった作品でした。
森司のリレーの結果が次作に続くで次作も楽しみです。
Posted by ブクログ
櫛木先生の作中の事件は陰惨でドロドロと
生唾ひとつ決して体内に呑み込んではいけ
ない悍ましいものだが、主人公とその彼女
のピュアな恋愛事情が気持ちよくて困る
ドロドロなしの作品が読みたい!(´・ω・`)
Posted by ブクログ
「壁の美人画」いらいらするくらい自己主張のできない古舘文音.大叔父さん宅の留守番をさせられていたら,掛け軸の女が這い出してきて・・・.醜形恐怖症のお話.
「涙壺に雨の降る」瑕疵物件に住んでいる武市青葉は,幸福な家庭を夢見ながら無理解な娘に絶望して事故死した母親の怨嗟を受けていた.こうあるべきという思いに捕らわれた死人と無頓着な青葉,怖いのはどっちだろう.
「最後の七不思議」リンチ殺人を発端とする怪異の連鎖.らしさをはき違えた行為が魔を招く.家に入るのに許可を必要とるのは吸血鬼などでもおなじみなんだけど,結構怖い.結局,ササラ先生は学校だったのだろうか?