【感想・ネタバレ】ホーンテッド・キャンパス この子のななつのお祝いにのレビュー

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今日も灘はかわいいよ!

シリーズ初のオムニバス形式では無い単一の事件。
ホラーの王道とも言える、古くからの因習が残る山奥の山村モノを相変わらずの量の参考文献の元で書き上げられた傑作。
森司とこよみのゆっくり進んでいく関係に、本命のホラーも合わさって、もう恐怖に顔をこわばらせたり微笑ましさにニヤけたり、感情が大忙しだ。

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2021年12月01日

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ネタバレ

村が秘めた過去の所業から生まれたしきたり
「7の倍数で・・・」この子のななつのお祝いに
瓜子姫の話を知る(民俗学のるつぼみたいな印象)
「瓜から生まれた瓜子姫」パクリではなく植物由来
の主人公の民話で、歌いながら機織りをするがアマ
ノジャクに騙されて誘拐・・・後のバリエーション
は多い
柿の木を登らされ墜落死
剥いだ皮で成りすまし老夫婦に姫の肉料理を喰わす
化けた天邪鬼を姫の骨から化生した鳥が告発
殺された天邪鬼の血でソバの根が赤く染まる

桃太郎・シンデレラ・猿蟹合戦・おおかみと七匹の
子ヤギ・そらまめとわらすみ・カチカチ山と同じ様
だが瓜子姫の物語は桃太郎よりも古いらしい

興味深いじゃないか(´・ω・`)

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2021年11月20日

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ネタバレ

シリーズ初の長編である本作は、瓜子姫伝説をテーマとしている。
瓜子姫ものの伝奇作品というと、私は真っ先に諸星大二郎の『妖怪ハンター』に収められている一篇を連想するのだが、本作もなかなかどうして、面白い解釈でスリリングな展開となっている。
特に、瓜子姫と天邪鬼の争いに、(片方だけが偏愛される)きょうだいをあてはめるのはとても興味深い。単に「そういう説がある」のではなく、たまたま主人公たちが滞在した時に現存する、いくつかの「きょうだいの諍い」がここに絡んでくる。
今までも、このシリーズはホラーにミステリ風味が強い作品となっていたが、今回はまさしく、ミステリであった。
ところで、私は瓜子姫の物語や桃太郎の物語で語られていないある要素が存在すると考える。
それは、「誰が桃(瓜)を流したのか?」ということだ。
マヨイガ、隠れ里などの伝説では、たいてい上流から漆器や箸などの木器が流れて来る事によって、隠れ家などの存在が主人公に知れる。(必ず木器である事から、これらの隠れ里を木地師と結びつける考え方がある)。
しかし、瓜子姫や桃太郎の果物がどこに由来するのかは、謎のままとなっている。
ならば……。
森司が(渓流の流れる)谷底に投じたあるものは、一体その後どうなったのだろうか?
……まさかね。

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2016年09月01日

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大学生を取り上げた作品の中でもトップクラスに面白いと思う。大学生活にありがちな要素を織り交ぜた描写や、主人公の恋模様を含めた人間関係も洗練されている。
全体的にホラー要素だけでなくミステリー要素もある作品だけど、こちらの謎の表現も絶妙で読みすすめるなかで驚かされるシーンが多くて楽しい。

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2016年06月05日

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シリーズ初長編。そしてシリーズ最強にホラー感ばりばりです。因習めいた村にクローズドサークル、いわくありげな秘祭と伝説。連続殺人こそ起こらないものの、はらはらどきどき。民俗学的な謎解き部分もあって楽しめます。こういうの、大好き。
一方でラブコメ部分も健在なので、ホラー度が高いわりには読みやすいです。でももういいかげんにしようよ、って思わないでもない(笑)。いやー、この二人、傍目で見てたらほんっと面白いだろうなあ。抱腹絶倒です。進展があってほしいような、ほしくないような。

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2016年01月16日

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このシリーズ初の長編。
今までの短編も良かったけど、今回の長編も楽しかった。
雪中で半ば迷い込んだ村、
閉ざされた村で、穢れた血、巫女筋、近親相姦、古の因習、昭和テイストのストーリーを見事に平成で成り立たせている。
土地由来の風俗、オカルト、だんだん滅びゆくものだと思うが、残ってほしいのもあるね。
もちろん悪い風習は消えるべきだが。
昔話って、ばばあを殺してじじいに食わせるとか、オリジナルだとひどい話たくさんあるんだね。
今回の瓜子姫の話って初めて知った。

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2022年06月16日

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読書録「ホーンテッド・キャンパスこの子の
ななつのお祝いに」4

著者 櫛木理宇
出版 角川ホラー文庫

p261より引用
“「ハイヌウェレ型神話は、インドネシアの
セラム島に伝わる伝承だ。ココヤシの花から
生まれた少女ハイヌウェレは、尻からさまざ
まな宝物を生むことができたという。村人た
ちはそんな彼女を気味悪がり、殺してしまっ
た。ハイヌウェレの父親は、掘り出した死体
を切り刻んであちこちに埋めた。すると、彼
女の死体からは芋が生えてきて、人々の飢え
を満たしたそうだ」”

目次より抜粋引用
“ここはどこの細道じゃ
 天神さまの細道じゃ
 ちいっと通してくだしゃんせ
 御用のない者通しゃせぬ
 御札を納めに参ります”

 見たくないのに幽霊が見えてしまう大学生
を主人公とした、短編連作青春オカルトミス
テリの長編作。シリーズ第八弾。
 副部長・三田村藍の卒業旅行を理由にして、
部員全員で温泉旅行へ出かけた雪大オカルト
研究会。色々なトラブルに見舞われた挙句、
とうとう吹雪で立ち往生までしてしまい…。

 上記の引用は、昔話の瓜子姫と世界の神話
についての部長の台詞。
距離も時代も離れた世界で、同じような神話
や昔話のエピソードが語られるのは、人が生
きることはどんな所でも同じような物という
ことなのかもしれませんね。
 シリーズ初の長編。終わりに向けて怖さや
気持ち悪さが積み重なり、濃密になっていく
のが、ここまでのシリーズとは少し違った味
わいです。ホラー度は長編の方が、高く描き
やすいのかもしれませんね。
 どんなことでも、執着が過ぎると人は狂っ
てしまうものなのか、と思わせる話でした。

ーーーーー

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2021年12月27日

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2019年42冊目。今回はオカルト研究会副部長の藍の卒業旅行ということで、旅に出た一行がいわくつきの村に雪のせいで立ち往生し、事件に巻き込まれるという、どこか探偵小説にあるような話のシチュエーション。部長が部室に寝泊まりしている原因となった人物も登場し、色々と物語の理解が深まった巻。あと、もう森司は自覚のない鈍感野郎に認定。ここまで鈍感だといい加減腹が立ってくるな。さっさと映画に誘いなさいよと自分が森司の周りにいる人間だったら言いたくなります。あーもうじれったい。感想はこんなところです。

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2019年05月24日

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今一番新刊が出るのが楽しみな小説。
読み終わった後に一種の虚無感に襲われるぐらい好き。

今回のお話はなかなか壮大で面白かった。
ストーリーの作り込みが楽しかったのか、登場人物の描写が少し
これまでの作品より弱めだった印象。

いつもよりホラー要素強め、ラブコメ要素弱めの配分。
まぁ、それでもファンは楽しく読んじゃうんだけどね!

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2018年10月14日

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シリーズ8作目にして、長編化!
うりこひめとあまのじゃくの話は知らなかった。でも解説されているので、予備知識なくても問題ないです。作者の元の話を知らない人を置いてけぼりにしない姿勢に感謝しています。
人の因縁の怖さが身にしみます。
物語だからいいけど、現実に神司君とこのみちゃんのような関係ははたで見ているほうが恥ずかしくなってしまうような展開があります。
新キャラも出てきますが、今後の展開に期待。

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2018年03月19日

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 これもなんとなく惰性で付き合ってるシリーズなのだが、今回が8巻目にして初の長編。毎回一話完結の読み切りで内容が右から左に抜けていくんだよね。

 
 副部長、藍の卒業前にオカルト研究会そろって隣県の温泉旅館へ。
 その先で吹雪に見舞われ、たどり着いたのはとある村だった。

 さらに運の悪いことには村へ通じる吊り橋が落雷で切れて谷に落ち、村への林道は雪で埋まってしまい村は孤立した。
 霊が見える体質の森司は、この村に列をなす異様な霊の集団を見る。
 
 村の子どもか、女の子が森司に警告する。隣にいる、こよみに災難が降りかかるから目を離すな、と。その女の子は数年前、村の祭りの最中に何者かに殺された霊だった。

 村に伝わる瓜子と蛭子の言い伝え、そして閉じられた村の複雑な人間関係に巻き込まれていく。


 櫛木理宇は、このくらいのドロドロした重苦しい話のほうが読んでて面白い。8巻目は表紙と違って、かなり重苦しい話でした。

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2016年01月27日

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瓜子姫から。

たまたまだけど、くだんのははブームなのか。
モンタージュの人の新連載といい、新耳袋のうしおんなといい、世も末か(笑)

神話とか伝承にフィルターをかけると今も昔も人は変わらないな-、そんな風に思えるところがおもしろいシリーズですよね。

家族関係を整理しながらもう一度読み返します!

「サービス過多」でわらた。

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2015年10月25日

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シリーズ第8弾。
シリーズ初の長編。

オカルト研究会の部員1人の卒業旅行をかねて温泉旅行へ。
そこで巻き込まれる日本の田舎の悪しき風習なお話。

楽しめるは楽しめるがいつまでたってもゴチャゴチャ感がなくならず読みずらいのは何故だろうか・・・?

部長の親族登場により部長の謎めいた部分も一部あきらかになります。

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2022年09月27日

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副部長の卒業記念旅行に出かけた一行。
しかし色々な突発的事故と最後の天災で
近くの山奥の旅館に泊まる事に。

そしてそこは、かなりの閉鎖的な村だった?w
作中でメンバーも言っていますが、この状態だと
2~3人確かに死んでそうな流れがあります。
今回初登場、の部長の異母弟も出てきています。
おかげで、何故部長が部室で生活しているのか、の
謎も判明してしまいました。
ものすごく、自分は善良! という塊…。

おかげさまで(?)迷惑もやってきたわけですが
どちらでもいい、なら彼でもよかったのでは?w
女の子が、という話になっているから、その代案は
浮かばなかったのでしょうか?
民話も都市伝説も、どこかしら改ざんされて
こうなるものです…。

今回は旅行先だったためか、完全長編。
そして主人公は、本人はかなり前進で
他者から見たら、1歩しか動いてない進展w

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2018年12月03日

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ネタバレ

シリーズ8巻目。映画化おめでとうございます。


瓜子姫伝説って全国で有名な話らしいが聞いたことなかった。
徐々にこよみと森司がイチャついているのがまたニヤニヤできて良いっす。
分かりにくいときはミステリアス、分かりやすくても可愛らしくて良い、要するに灘こよみであればなんでもいい。ってのは正直な森司の気持ちで素敵です。
いや絹代さん出てくるなよ空気読めよ!って思ったけど、その後の森司のテンパりにより、「可愛いよ」発言が飛び出しニヤニヤ。
洞窟でも「先輩、旅行中だからですか」、「旅の解放感で、サービス過多なんですか」とすねたように言うこよみ、可愛いに同意。
森司をかばうこよみと、こよみのために死んでも構わないと決心する森司。どちらもお似合いです。


部長の異父弟の久裕くんが出てきたが、どうもうさんくさいキャラだ。
天然のお坊ちゃまのように描写されているけど、御役目を務められる人としてこよみを助役に提案する流れ、わざと仕向けてる感が文章でぷんぷん匂う。
これ天然でうっかり言ってしまったように描きたいなら文章選びが失敗だと思うな。
そのせいで最後の微笑ましいデコピンエンドがうすら寒く感じてしまった・・・。

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2016年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての長編ですね。
劇場版、といった感じです。
卒業旅行に出掛けたオカ研一同が、閉ざされた集落で事件に巻き込まれます。
いつになく登場人物が多くて、しかもみんな兄弟姉妹なもので、途中でどれがだれやらわからなくなりました…。巻頭に人物一覧が欲しかった。
ともあれ、森司とこよみの仲も着々と進捗し、相変わらず安心して読める一冊です。
が、以前「長編も読みたい」とレビューしておいてなんですが、やっぱり短編のほうがしっくりくるかな…

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2016年10月03日

Posted by ブクログ

第8弾、初長編。
オカルト研究会で温泉旅行に出かけるが、吹雪で吊り橋が落ち村に閉じ込められる。宿は高級だが閉鎖的な村、子どもの幽霊を目撃したり、祭りで生け贄の風習が残っていたりと、オーソドックスな作り。
今回は、ホラーより犯人探し、ミステリー色が強かった。

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2015年11月12日

Posted by ブクログ

読み方が悪かったのか、あまり山もなく、オチもなく?
サービス過多に笑いを取られたのは、確かに。あとはPTA。
いつか こよみちゃん視点の話が出たら良いのに。

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2015年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

え、映画化なの?
アニメ化じゃなくて、と帯を見て思った。

本編の感想。待望の長編だったんですが、割と早くネタがわかってしまい、淡々と読み続けた感じが^^;

諸星大二郎さんや星野之宣さんも扱われている瓜子姫の話と比べてはいけないとは思いますが、天神様の歌の目次にも意味があるのかと深読みしてからぶってしまいました。

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2015年10月24日

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