あらすじ
藍の卒業を祝し、オカ研の面々は温泉に出かけることに。しかし猛吹雪のせいで、吊り橋を渡らないと行けない秘境のお宿に行き先を変更する。ところが吊り橋が落ち、宿に閉じ込められることになり……。
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Posted by ブクログ
村が秘めた過去の所業から生まれたしきたり
「7の倍数で・・・」この子のななつのお祝いに
瓜子姫の話を知る(民俗学のるつぼみたいな印象)
「瓜から生まれた瓜子姫」パクリではなく植物由来
の主人公の民話で、歌いながら機織りをするがアマ
ノジャクに騙されて誘拐・・・後のバリエーション
は多い
柿の木を登らされ墜落死
剥いだ皮で成りすまし老夫婦に姫の肉料理を喰わす
化けた天邪鬼を姫の骨から化生した鳥が告発
殺された天邪鬼の血でソバの根が赤く染まる
桃太郎・シンデレラ・猿蟹合戦・おおかみと七匹の
子ヤギ・そらまめとわらすみ・カチカチ山と同じ様
だが瓜子姫の物語は桃太郎よりも古いらしい
興味深いじゃないか(´・ω・`)
Posted by ブクログ
シリーズ初の長編である本作は、瓜子姫伝説をテーマとしている。
瓜子姫ものの伝奇作品というと、私は真っ先に諸星大二郎の『妖怪ハンター』に収められている一篇を連想するのだが、本作もなかなかどうして、面白い解釈でスリリングな展開となっている。
特に、瓜子姫と天邪鬼の争いに、(片方だけが偏愛される)きょうだいをあてはめるのはとても興味深い。単に「そういう説がある」のではなく、たまたま主人公たちが滞在した時に現存する、いくつかの「きょうだいの諍い」がここに絡んでくる。
今までも、このシリーズはホラーにミステリ風味が強い作品となっていたが、今回はまさしく、ミステリであった。
ところで、私は瓜子姫の物語や桃太郎の物語で語られていないある要素が存在すると考える。
それは、「誰が桃(瓜)を流したのか?」ということだ。
マヨイガ、隠れ里などの伝説では、たいてい上流から漆器や箸などの木器が流れて来る事によって、隠れ家などの存在が主人公に知れる。(必ず木器である事から、これらの隠れ里を木地師と結びつける考え方がある)。
しかし、瓜子姫や桃太郎の果物がどこに由来するのかは、謎のままとなっている。
ならば……。
森司が(渓流の流れる)谷底に投じたあるものは、一体その後どうなったのだろうか?
……まさかね。
Posted by ブクログ
初めての長編ですね。
劇場版、といった感じです。
卒業旅行に出掛けたオカ研一同が、閉ざされた集落で事件に巻き込まれます。
いつになく登場人物が多くて、しかもみんな兄弟姉妹なもので、途中でどれがだれやらわからなくなりました…。巻頭に人物一覧が欲しかった。
ともあれ、森司とこよみの仲も着々と進捗し、相変わらず安心して読める一冊です。
が、以前「長編も読みたい」とレビューしておいてなんですが、やっぱり短編のほうがしっくりくるかな…