小野寺史宜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私自身も高校卒業を機に地元から離れ、東京に5~6年暮らし主人公と同じく一人っ子でなんとなく
地元に戻ってきた。今は子供がいるからか慣れ親しんだ田舎のこの地元にも発見があったりする。
この物語の主人公は人を救いすぎではないか?
30歳でこんなしっかりしてることある?
近所にこんな兄ちゃんいたら惚れちゃうよ!!!
そば屋“ささはら”に来てくれるお客様もあたたかいし
従業員2人も優しさが溢れていて愛しかないよ、この作品。
小野寺さんの作品はお茶を飲んでホッとする感覚に似ている。
大好きな作品の一つになった。
地元にずっと帰ってない人とか遠のいてる人読んでほしいな。。 -
Posted by ブクログ
大袈裟ではない、日々の小さな出来事、人との会話なんかに、温かな気付きをくれる本でした。
うんうん、こういう事あるよな、こういう人いるよな、こんな風に感じることあるよな、って私は主人公にたくさん共感しました。
読み終えた後に、じわじわと、自分の中にある優しい気持ちが込み上げてきて、譲ること、許すことの大きさを感じさせてくれました。
そしてだんだんと主人公が前を向いて成長していく姿に勇気をもらいました。
文体などもとても読みやすい本だったので心が疲れた日にもスーッと入ってきて読めちゃうと思います。本屋大賞2位でしたっけ、ご一読をお勧めします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ出たばかりの小野寺史宜さんの新刊。
主人公は40歳の独身男性。
母が亡くなってから、78歳の父が一人で故郷の千葉の館山市に暮らしている。
その父の様子が最近おかしい。
車をぶつける…何度も同じことを聞く、歩くのが遅い…目の当たりにしたのは、父の「老い」だった。
以下、ネタバレあり。
主人公は仕事を不安に駆られ父との同居を決め、会社に申請して仕事を在宅にして、都内から館山市に引っ越してしまう。
しかしそのことを付き合っていた彼女に相談もせず決めてしまったため、二人の間に溝が生まれ、別れることになる。
父親はおそらく認知症だ…はっきりとしたことは記されないが、行動や発言から何となく読者もわかる -
Posted by ブクログ
ネタバレ父を亡くした直後、役所の手続きで町に出たときに本屋で偶然手に取ったのがこの本でした。
あまり会話は多くなかったけれど、僕を否定することもなく、静かに見守ってくれた父。その記憶と、いま自分も息子を持つ身になったことが重なり、「これは自分にとってぴったりのテーマかもしれない」と思って読み始めました。
主人公・富生さんは78歳になる父の介護をきっかけに、東京から千葉へ引っ越してきます。父には認知症の兆しがあり、不安を抱えながらも息子として支える日々が始まります。
作中で描かれる父の姿は、知っているようで実は知らなかった断片にあふれていて、うどんを茹でるのが驚くほど上手だったり、不器用ながらも確かに