小野寺史宜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小野寺史宜さんの『いえ』を読み終え、心がじんわりと温かい感動に包まれています。
主人公・三上傑が抱える悩みは、「面倒くさい」と自覚しながらも、家族や友人、そして職場の人間関係すべてに影響を及ぼす、複雑でリアルなものです。妹の事故という重い出来事をきっかけに、彼は「どう接するべきか」「何が正しいのか」という思考の堂々巡りに陥ります。
しかし、この物語が素晴らしいのは、そんな主人公が劇的にヒーローになるのではなく、ごく自然な「気づき」を通して、行動で自らを更新していくプロセスが描かれている点です。軽やかなユーモアも交えながら、不完全な自分や他人を「そのまま受け入れる」ことの尊さを教えてく -
Posted by ブクログ
ネタバレHKさんのおすすめ。
何も始まらないし
事件は起きないし、
どこにも行きつかない。
だが面白かった。
「とべ」は元プロレスのスター選手が店主で料理人の居酒屋。
妻の急死をきっかけに子供二人を育てるために選手を引退し、
二ヶ月だけ修行をし、上に住める居酒屋を開く。
プロレスラーだったことを売りにせず、
なんとか十年、子どもを育てながらコロナも乗り切りやってきた。
家族がそれぞれ主役となった話が連なり、
店主は8年も毎週通ってきている女性客を思っていることに気がつき、
娘は大学で同級生とお笑いコンビを組むことにして、
息子は就職活動に迷いながら第一志望の会社を見つける。
最後の主役が、亡くな