小野寺史宜のレビュー一覧
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みんな何かしら抱えて生きていて、まさに人には人の地獄があるというもの。
自分自身の置かれた環境や境遇を認めたくない自分も時には表れる。
この本に出てくる登場人物たちも、大人子ども関係なく、誰かに打ち明けるのがちょっと勇気がいるような、悲しかったり、つらかったり、ネガティブになりそうな、いろんなバックグラウンドや境遇や感情を持っているけど、『子ども食堂』という場所、そこで過ごす時間、出会う人を通して、自分自身の過去を受け入れて、認め、『生きる意味』
を見出しているような気がした。
彼ら彼女らのほんの一部の人生に想像力を巡らせて、自分だけじゃないんだというちょっとした安堵感を得るとともに、だからこそ、それを言い訳にして立ち止まっていてはいけないよと、背中をそっと押されたような気もする。 -
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電車の中で7人の登場人物がそれぞれ悩みや事情を抱えていて各々の行動が後に奇跡を生むお話です。
実際に電車の中で起こった事実談の様な内容です。
電車の中で体調を崩してしまった女性に席を譲ってあげようとしたり、体調を崩した女性が駅のホームで休んでいる時に気にかけて飲み物をあげたり、痴漢冤罪で犯人に仕立て上げられそうになっていて困っている男性にその人はやっていないという事を証言したりと実際にその場にいたら声を掛けるのに勇気が必要ですがもしその様な事があったら自分も実践して少しでも助けになれたらなと思いました。
こういうちょっとした奇跡の話は心が温まってとても好きです。 -
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天使や悪魔が人の死の周辺にいて、ちょっとその運命を調整したり、霊となりふわふわ移動できる元人間が、自分の死後の様子をみに行く短編集。
死という重いテーマをサラッと軽妙に描き、切なくなったり、ホッコリしたりする。
自分の死をアッサリ受け入れたり、無駄死にしないように調整するなんて、受け入れがたいけど、読んでいくうちにその世界観もあるように思えてきた
霊として、ほよん、と漂って残された人たちを見に行くなんて事もありそうな気がしてくるから不思議
すべての話がバラバラのようで、実は繋がっている物語
「ひと」とは全く違う作風で、どちらも好きな作家 -
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ずっと読みたかった作品。いざ読んでみたらとても好きな雰囲気だった。
小野寺さんの作品は好きでよく読むけれど、女性が主人公というのは初めてだった。失礼ながら、おじさん作家が描く若い女子ってなんか変な人になっちゃうこと多いよなぁという偏見があったので、あまり期待はしていなかった。
がしかし、とても良かった。主人公の夏子はとても普通の子で、ちょっと変わってる所も含めて、自分の友人にいそうなくらいリアルな女性に感じた。本作の言葉を借りるなら、意外も意外、超意外。
彼氏ができたことを同期女子に報告するLINEの内容とか、強面の先輩にオドオドしながらも「こわいです、ちょっと」と正直に言っちゃうところとか。
そこも含めて作品の空気感が心地よくて、読んでいるのが楽しくて、まだまだ夏子を見ていたいと思った。
過去作の登場人物もちらほら出てきて、まだ私が気付いていない人もいそう。
続編もすぐ買います! -
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自動車学校の教官、益子豊士45歳。四葉市に住んでいる。彼女あり、遠距離。元妻あり、娘が一人。元妻のところにいる。子供を身籠った。
益子豊士はごちゃごちゃ神経質に繰り返しなんかを小言みたいに考える人である。仕事は無難にこなすけど、そんななので娘のことに良い判断が効かない。最初はなんでしゃしゃり出てくるのかと怒られたし、一緒に散歩すれば怒らせるし、わりとうまくいかないのだけれど、娘と話ができるだけで嬉しいし、無視とかされなければそれだけで良いと思えるような父ではある。
娘が子供を産むまでの彼の生活を淡々と綴った手記。うざったい父なのに読後感がいいのが不思議。 -
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横尾成吾、50歳、職業作家。新人賞をもらったり、小説が映画化されたりはしたが、その後は鳴かず飛ばすの状態だ。ただ書くことにはストイック、早朝4時に起きて書くことを自らに課している。食生活だってストイック、おかずはいつも納豆、キムチに1パック30円の豆腐だ。最近豆腐のパックが開けにくいのでメーカーのコールセンターに電話するが強く言えず、安くて美味い豆腐を提供してもらえることにお礼を言っちゃったりするなんとも気の良いヤツだ。
そんな頑張ってる男に陽が当たらないはずがなく、編集者の菜種くんと二人三脚で成長していく物語り。作家の苦労や編集者の仕事が良くわかる、全ての本好きに読んで欲しい本だ。
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ネタバレ相変わらずいいわ〜
小野寺さんのこの感じ
「刑事」を意識して、読み始めた人には
物足りないんだろうけど
私は小野寺さんの小説を
読みまくってるから
刑事なのに、刑事な話じゃない
このノリが、すごく好きやった
刑事の話なのに、メインが恋愛!
なのに、ちゃんといたるところに
「正義」が散りばめられてる
律、絶対めっちゃ性格いい奴やん
まんまとはまった
普段あまり悲しいことが起きない
小野寺さんの話に
悲しいことが起きたのは
びっくりした
そして最後の展開
普通なら、こういう展開には
いやいや子供育てるって大変やで?
無理やろと否定的に考えちゃうけど
律くんなら、どうにかするんやろなぁ
刑事辞める覚悟と
刑事辞めない覚悟(澄音さんのためにも)と
刑事をする上で死ねない覚悟
(海音ちゃんのために)
全部が詰まっていて「くーっ!」って感じ
良い本でした
子供の何気ない発言を
うまく取り入れてる小野寺さん
性格良い作家さんなんやろなぁ
次作も読みます!