小野寺史宜のレビュー一覧

  • いえ
    最高です。
    三部作の中で、話のテーマとしても、主人公としても、個人的には一番好みです。
    「ひと」や「まち」は、周囲の人との関係性などに焦点が当たっていましたが、「いえ」は家族がメインテーマ。
    家族や周囲の人とのギスギスした関係が、ゆっくりと氷解していく感じが、読んでいて本当に心地良かったです。
    で、...続きを読む
  • ひと
    とても心温まる話だった。
    両親を立て続けに亡くし、大学を中退した僕、柏木聖輔は、砂町銀座の惣菜屋田野倉でバイトを始める。55円の手持ちで、残り一つだった50円のコロッケを買おうとしたところをおばあさんに譲り、そこから店長の督次さんにメンチカツを50円に負けてもらって、残ったご縁。お金をたかってくるお...続きを読む
  • 今夜
    タクシードライバーの女性が出てきて、もしや「タクジョ」の彼女かと思ったら、別の女性だった。仮に同じ月を見ても、皆に違った人生があるんだなとしみじみ思った。今の私は三連休の最後の晩にビールを飲みながら、のどかにこれを書いている。幸せだ…。
    小野寺さんの小説は登場人物がかぶる時があって面白い。川のシリー...続きを読む
  • 太郎とさくら
    太郎は鈍感なところがいい所だと思う。

    小野寺さんが書く本はみんな主人公が良い奴。私は血の繋がらない姉の父を結婚式場で追いかけたりしないし、そいつを1万でアパートに住まわせたりしない。そういう類の優しさのエッセンスを私は持っていなかったけど、小野寺作品を読むことで得ることが出来る。太郎のような選択を...続きを読む
  • とにもかくにもごはん
    ボランティアすごいなぁと思った。ありがとうという言葉すら求めず、人の役に立ちたいと思えることがすごい。こども食堂はもっと広まればいい取り組みだと思う。その反面、こどもを大切に育てられないのならなんで産むんだろうと苦々しい気持ちになった。他人からは見えない環境や感情もあることは分かるが、夜ごはんも一緒...続きを読む
  • ひと
    すき。
    これめっちゃくちゃすき。
    ノンストップで一気に読んで、ラストページの最後の一文読み終わって本を閉じた瞬間、感極まって表紙をしばらくなでなでしてしまった…

    ストーリーがへんに広がりすぎず、聖輔の生活圏内でコンパクトに、静かに進んでいく等身大さで、地に足ついた地道な物語になっていて説得力がある...続きを読む
  • とにもかくにもごはん
    子ども食堂に集う大人も子供も、いろんな気持ちを抱えてやってくる。次第に心が通っていく様子にとてもあたたかい気持ちになれた。
    小説の世界だけでなく、現実社会ではもっと切実に子ども食堂は必要なものだと思いながら読みました。
  • いえ
     心理小説なのである。ゆっくりゆっくりごまかさず、心の中をみつめていく。
     ただ日常の描写が続くのではない。そこにある生き方を、とても丁寧に描き出すのだ。
  • まち
    声を出して笑っちゃったり
    思わず涙してしまったり。

    まちに暮らして、人と交わる。瞬一の生き方は、じいちゃんも安心してくれてると思う。

    田野倉のエイキ君にも会えてよかった。
  • 近いはずの人
    事故で死んだ嫁さんが義姉の旦那になる人と2人で旅行に行く予定だったって話。

    救われない旦那
    だめな旦那
    相手を分かろうとしない旦那
    行動しない旦那

    うん。旦那目線だから哀愁漂ってるけど、中身は辛辣。
    これは読み応えあった。うまくいえないけど、世の中の夫婦なんてそんなもんなんだろうなって思った。
    ...続きを読む
  • 今夜
    やはり、小野寺史宜さん、面白い!!!
    人間模様が細かく書いてあるんだけど、サクサクと読める具合が凄く良い。
    小野寺さんの作品を読むと、色々な職業の事が知れるからすごく面白いし、今までと違う目線で考えたりすることが出来る。
    それと、話が繋がっているので、『次、どうなるんだろ〜!!!』という、ワクワク感...続きを読む
  • とにもかくにもごはん
    みんなが少しずつ進んでいく。
    それも勇気の一歩を。
    じーんと。じわっと涙が出て何度も出る。

    子ども食堂をめぐる物語。その一日を描いただけなのにドラマに満ちている。

    そして、最後は特大のサプライズ。
    もう涙、涙です。
  • タクジョ! みんなのみち
    面白かった。小野寺さんの本を読むと東京の大河沿いのそよそよとした風を感じる。おかずの田野倉が出てきて嬉しくなった。タクシーの仕事は大変なこともあるだろうが、一期一会のいい出会いもあるんだろうなと思った。女性のドライバーの存在の重要性を感じた。
  • タクジョ!
    タクシードライバーって、年配の方のイメージがあったり、中島みゆきさんの歌にもあるように人情味溢れる人の印象が深い。
    今でもそうした人が多いのだろうが、女性ドライバーや若い大卒ドライバーも増えてきた。

    主人公の夏子が、タクシードライバーの仕事を通じて、さまざまな人と出会っていく。良いこともあれば、酷...続きを読む
  • まち
    こういう人に私はなり
    たい。

    瞬一くんは宮沢賢治の
    雨ニモマケズの人だ。

    器が大きい!というか
    人してとても綺麗♡

    なにをしても見返りを
    求めない。

    ああ私には遠い道のり
    ・・・(汗
  • 君に光射す
    日常の自分の中での善と悪に翻弄された先生の物語

    春 三十二歳
    春から夏 二十八歳
    夏 三十二歳
    秋から冬 二十九歳
    秋 三十三歳
    冬から春 二十九歳
    春 三十三歳

    石村圭斗はネグレクト気味のシングルマザーに育てられ、そして長野の祖父母へ預けられる。母はガンで急逝し、東京へ出て、教師となる。
    教師...続きを読む
  • ひと
    世の中捨てたもんじゃ
    ないですね。

    たとえ物語のなかでも
    こんな青年に出逢える
    なら♡

    情けは人のためならず
    を地で行く聖輔くん。

    心から応援したくなる
    主人公の聖輔くん。

    あ、揚げたてコロッケ
    食べたい♪
  • ホケツ!
    母を亡くし、伯母と暮らす男子高校生の大地。サッカー部のレギュラーになれない秒な立場と、伯母と暮らす微妙な家庭環境を、男子高校生の揺れる心境を通して描く。小野寺史宜ならではの、不器用だけど真っ直ぐに生きる主人公がここにもいた。悩みながらも、おぼろげながらも自分の道を決めていく姿が清々しい。最後のフリー...続きを読む
  • ホケツ!
    やっぱすごく良かった。
    そんな語彙力の無い感想を言ってしまうくらい
    すごく良いストーリーだった。

    著者にしか書けない、「ひと」に通づる
    心の描写が本当に素晴らしい。

    解説の人も言ってたけど、
    私ももっと早くこの本に出会いたかったと
    読んでる最中に思ってここに書こうと思ってた。
    なのに、してやられ...続きを読む
  • とにもかくにもごはん
    文句なしの5つ星。小野寺さん史上最高傑作だと思う。森下牧人君だけで一冊書いてほしい。「ちょっとは太ってる」が笑えて仕方ない。