【感想・ネタバレ】いえのレビュー

あらすじ

『ひと』まち』に続く新たな感動作、誕生!

妹が、怪我を負った。
案外面倒な兄なんだな、おれはーー。
家族と、友と、やりきれない想いの行き先を探す物語。

友がいて職場があって、
ひとが築く、まち。
その中に暮らす我が家。
近くて遠い、家族。

社会人三年目の三上傑には、大学生の妹、若緒がいた。
仲は特に良くも悪くもなく、普通。しかし最近、傑は妹のことばかり気にかけている。
傑の友だちであり若緒の恋人でもある城山大河が、ドライブデート中に事故を起こしたのだ。後遺症で、若緒は左足を引きずるようになってしまった。
以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡って、三上家はどこかぎくしゃくしている。
教員の父は大河に一定の理解を示すが、納得いかない母は突っかかり、喧嘩が絶えない。
ハンデを追いながら、若緒は就活に苦戦中。家族に、友に、どう接すればいいのか。
思い悩む傑は……。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「ひと」や「まち」の主人公より人間らしい嫌な部分もしっかりある主人公で、共感が持てました。
そういう風に思うことあるよねーって感じで。
でもそこを乗り越えていけるところが、やっぱりすごい。
嫌な感情を抱いた人との関わり、話合いはしんどいのに、あえてきちんと向き合う主人公に尊敬です!

「まち」の登場人物達がちょこちょこ出てくるのも嬉しい(´∇`)

作中に出てくる小説「三年兄弟」が読んでみたい!と思いましたが、実在しないんですね〜f^^*)

あっという間の読書時間でした。

1
2025年09月07日

Posted by ブクログ

​小野寺史宜さんの『いえ』を読み終え、心がじんわりと温かい感動に包まれています。

​主人公・三上傑が抱える悩みは、「面倒くさい」と自覚しながらも、家族や友人、そして職場の人間関係すべてに影響を及ぼす、複雑でリアルなものです。妹の事故という重い出来事をきっかけに、彼は「どう接するべきか」「何が正しいのか」という思考の堂々巡りに陥ります。

​しかし、この物語が素晴らしいのは、そんな主人公が劇的にヒーローになるのではなく、ごく自然な「気づき」を通して、行動で自らを更新していくプロセスが描かれている点です。軽やかなユーモアも交えながら、不完全な自分や他人を「そのまま受け入れる」ことの尊さを教えてくれます。

​読み進めるうちに、彼の心が少しずつ解き放たれていく様子に共感し、最後はまるで自分の心のわだかまりが洗い流されたような、温かい解放感を覚えました。「謙虚に生きる」ことの大切さを改めて感じられる、深い余韻の残る作品です。

0
2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしは、主人公の三上くんは、最初は周りの人のちょっと不快に聞こえた言葉に対して突っかかってしまったりして、あまり好印象を持てませんでした。

しかし、終盤でそれが一気に変わりました。

パートさんに向かって「こいつが邪魔なんだ」「こいつはいらっしゃいませもねえんだ」と言いがかりをつけてくるお客さんに対し、「こいつとおっしゃるのはやめていただけますか?わたしどもの大切な従業員ですので」という発言は、すごくカッコ良くて、先に進む前に何度もその場面を読み返していました。

そして、以前自分が突っかかってしまった相手に連絡を取り、謝罪をする。これもなかなかできない事です。
わたし自身もささいな言葉で相手を少し嫌な気持ちにさせてしまったかもしれない、と思ったことが何度かありますが、次に会話したときは特に変わりなく普通だったので、謝るのも変かと思い流してしまっていました。

「沈黙は金なり」と言いますが、言わないと伝わらなくて誤解されてしまうこともあります。
そういうときは、相手の立場に立って考えることが大事だと思いました。
若緒ちゃんが、お母さんの立場になったらやっぱり恨んじゃいそうだから、恨んでもいいよって言ったように。
三上くんが大河くんの立場になって、助手席に彼女の美令さんが座っていて、事故を起こしたらおれはどうするかを想像したように。
想像力と、相手に謝罪を伝える小さな勇気を持てば、人間関係が順風満帆に行くとは決して言えませんが、何かが変わるのではないでしょうか。

「人間、ものの感じ方は変えられない。これはちょっといやだな、と感じてしまうのはしかたない。でも感じたあとの行動を変えることはできる。」

最後の場面。いい言葉だと思いました。

ちなみに今度、喫茶店でコーヒーとクリームソーダを頼んだものの、一人で飲み物を二つ頼むのは変に思われるんじゃないかと想像力を働かせた結果、「今日、暑いですよね〜!つい飲み物二つ頼んじゃいました!!」と店員さんに言い訳してる人を見かけたら多分わたしです( ̄▽ ̄;)

0
2025年06月25日

Posted by ブクログ

『ひと』『まち』に続く小野寺史宜さんの『下町荒川青春譚』シリーズの第三弾。やはり面白かった。

主人公には妹がいる。その妹が自分の同級生の友だちと付き合うこととなり、友だちの不注意から交通事故を起こし、片足が不自由になってしまう。円満だった家族や兄妹の関係もギクシャクして…
友だちと妹も事故がきっかけで別れるが、その後にその友だちが別の同級生の女性と付き合っていることを知り、複雑な思いを抱く…自分の彼女とも微妙になり、仕事(スーパーの店員)でも失敗が続く…
マイナス思考でいると、いいことが無いものだ。働いているスーパーのベテラン社員とシフト組みのことで言い争いになる…同窓会で喧嘩になる…

しかし、足を怪我した当の妹は明るく前向きに就職活動をして、見事に内定を勝ち取る。

ネガティブだった主人公が前向きにさまざまな問題を解決していくのが、心の霧が晴れるようでよかった。

僕には妹はいないが、もしいたら…そう思うと主人公の気持ちが痛いほどつたわかった。いい兄ちゃんだなあ…

0
2025年03月05日

Posted by ブクログ

妹と親友が付き合っていて、その車が事故をしたところから始まるおはなし。
傑くんは、スーパーで働いてるけど、パートさんとの関係や、仕事のやりがいや、学生時代のもやもやや、色々なことに悩んでる。
でも、最後は小野寺さんの本らしく、とてもステキな終わり方でした。

0
2025年02月24日

Posted by ブクログ

「ひたすらに小野寺史宜さんの作品がツボ。ひと、まちの登場人物も出てくるから、読み返したい」

「傑と自分の考え方が似ていた。よくない方向に物事を考えて、勝手にイラついてる感じが、同じだった」

「相手に伝えるのは大事。伝えないとわからないし、ずっと解決しない」

「仕事の人間関係も気をつけようと思った。自分がイラついてると、それを見て周りも反応してしまうかもしれない」

「歩けるだけでいい。自分がなってから言え。そこに共感したが、若緒がそれでいいなら。それでいい。に共感した。結局、相手が1番良いと思えてるってことが納得できるし、安心できる」

0
2025年02月23日

Posted by ブクログ

主人公は傑。傑作の傑で「すぐる」 スーパーの店員として働き始めて3年目。就活中の妹と教師の父と主婦の母。妹は傑の友人、大河と付き合っていたが1年ほど前に大河の運転する車で事故にあい、足を引きずって歩くようになってしまった。あとの家族の1年間の話。大きな出来事は起こらない。傑の心情ベース。淡々と心情。読みやすい。
今までの主人公で1番人間味がある(と言っても基本的にいい人間。登場人物みんないいやつがベース)というか、人間くさいというか、仕事で嫌なことがあってひとりで居酒屋で飲んで、駅のホームで吐いてしまうようなダサいところもあって、それをきちんとダサいと受け止めているのが共感できるし、好感が持てる。やってしまった全てに謝罪に行ったり、向き合ったりできるのはできすぎ感があったり、物語として大きな波とか出来事がなくてインパクトに欠けたりはあるけど、温かい気持ちになれる作家さんとして小野寺さんのこのシリーズは好き。
小学生のときに自分は好きだけど相手からは嫌われている友だちの誕生日会に行ってしまい、やんわり嫌な顔をされた、好きな相手にも嫌われることがあるんだと学んだ、誰にでもこういう苦い経験あるよね、と主人公の人柄を表すエピソードもリアルでうんうんとなった。主人公が終盤で「おれは嫌なやつだ。人の好き嫌いも、多分多い。・・・ただ、嫌いな人が嫌な目に遭えばいいとは思わない。幸い、そう思うようにはできてなき。それだけが救いだ。」と考えるところ、充分いいやつだし、そういうマインドで生きていきたい、生きていくべきだなあと感じた。
サラッと出てきた「父に友だちはいるのか?」の疑問に、たしかに歳をとってから男同士の友だちてなかなかいないよな、家族ができて仕事の人と会ってとなったら会う理由なくなるよなとつくづく感じた。

0
2025年02月20日

Posted by ブクログ

 荒川沿いの町、江戸川区平井を舞台にしたヒューマンドラマ。

     * * * * *

 主人公は三上傑。スーパーのハートマートに勤める25歳。描かれるのは、仕事でもプライベートでも屈託を抱える傑の8ヶ月間。

 と概要だけで馴染んた名称が2つもあり、読むのが楽しくなってきます。

 のっけから「喫茶羽鳥」です。ファンにはおなじみ、昭和の名残り漂うお店です。
 「カフェ」でなく「喫茶店」。だからピーナッツの小袋。この感覚がいい。

 三上家のご近所もまたいい。
 まずは「筧ハイツ」。なんと「江藤瞬一」君も登場します。それも結構重要な役どころでの登場です。
 おまけに三上家の隣家には「郡唯樹」君が住んでいるのです。

 「面倒な兄」。そんなことありませんよ。
 妹の脚に残る障害。
 仲違いする両親。
 難航する妹の就活。
 すべての責任は親友と妹を結んだ自分にあると思ってしまうのはしかたないことかもしれません。

 気に病むな。そう思って、傑にエールを送りながら読み進めてしまう作品でした。


 『ひと』『まち』でもそうでしたが、自分ではどうしようもない出来事と向き合う主人公に対して、温かい目線でもって描くのが、小野寺さんは本当にうまいと思います。読んでいても希望の灯が感じられて安心できるところが、小野寺作品の魅力です。

 さらに本作では、主人公には実にステキな彼女までいて、ひどいことには絶対ならないんだろうなと予想できたので、小心な自分には大好きな作品になりました。

 「筧ハイツ」が起点となって描かれる「江戸川区平井」を舞台とした一連の作品は大好きなシリーズです。どんどん書き足していってほしいと願っています。

0
2022年10月23日

Posted by ブクログ

小野寺史宜さんの『ひと』『まち』に続く物語
今回の『いえ』は、家族が主なテーマ。

舞台は変わらずに主人公だけチェンジ!
という構成なので、前作までの主人公にもひょっこり出会えるのが楽しみだったりする。


【あらすじ】
主人公の三上傑には、大学生の妹、若緒がいる。
ある日のデート中の交通事故で、若緒は後遺症で足を引きずるようになった。運転していた若緒の恋人は、傑の友人でもある城山大河だった。
この事故をキッカケに、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡って、一家はギクシャクし始める・・・


【レビュー】
兄の傑は社会人3年目、
妹の若緒は就活中の大学生。
家族との付き合い、
友人との距離感、
社会との接し方、
この年頃特有の世間にあまり揉まれていないが故の不器用さやもどかしさ、苛立ちや葛藤が、傑目線でとても真っ直ぐに描かれていた。一方で、自分の至らなさや未熟さに向き合い、誠実に対処していこうとする姿は、とても新鮮で好感が持てた。

私自身どうだっただろうと思い返してみても、何だかもっと奔放に自分勝手に生きていたように思えて、気恥ずかしくなった。

人と人が出会い、繋がり、家族を持った先にある『いえ』を舞台にした本作。血が繋がっていてもいなくても、言葉にして伝えなくては伝わらないことって必ずあると思う。

特に、人に謝ることって本当に難しい。
たとえ大人になっても、
これは出来る人と出来ない人がいる。
謝ることによって、他の誰でもない自分自身が救われるのかもしれないと、本作を通じて改めて気付かせてもらった。

余談だが、物語の舞台となる総武線の平井駅。
私も一昔前、江戸川区に住んでいたので、情景が思い浮かび再来したくなった。
当初はディープな街というイメージしか持てなかったが笑、きっと同じ場所でも、出会う人、訪れる場所、その時の自分の置かれた環境によって、見え方が180度変わるんだろうと思う。
それもまた人、面白い。

0
2025年05月08日

Posted by ブクログ

生きていると色々な悩み事が出てくると思います。それらをどう乗り越えていくのかは人それぞれ違うのでしょう。
本作品でも主人公は悩みを抱えて家族のこと、仕事のこと友人のこと、様々な人間関係の悩みを抱えています。どのように乗り越えていくのか興味津々で読み進める事ができました。

何かのキッカケで前に進んでいけるのでしょうが、そのキッカケを自分で作る大事さ。学ばせていただきました。

0
2025年04月27日

Posted by ブクログ

自分が悪い時は謝る、自分は悪くないが謝らないといけない。逆の立場で許すこともエネルギーがいることだと感じた。人間関係を保つバランス感覚が少し成長したきがした

0
2025年03月24日

Posted by ブクログ

『まち』から続いている人物、場所。
かつて自分も住んでいたかのような懐かしさを憶えた 笑
江藤くんとじぃちゃんの関係を思い出し、また涙してしまった
やっぱり江藤くんは良い。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『前向き』についての語り
╍嫌なことがあっても前向きに╍
いつか前向きになればいい
それ前提でいればいいと思う
しかし あっという間に誰かがやってきて「後ろ向き」のレッテルをぺたんと貼っていく
「前向き義務違反」のキップを勝手に切っていく
前向きでないことが罪であるかのように
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
賛同!!
何かあれば少しの猶予も与えず「前向きに考えよ」って言う人苦手だ、嫌悪感すらおぼえる
ゆっくり向き合わせてくれ!って思う


物語自体は可もなく不可もなく
お兄ちゃんの成長記録的な 笑
でも 気付かされる文章は結構多かった




0
2025年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025/2/8
同じ町なんだな。
コロッケ屋さん覚えてる。
アパートのその人も知ってる。パン屋になった人。
緩やかに続いてて私もその町にいるよう。
今回はウィンウォーンがなかったな。
誰も訪問しなかった。
ちょっと重めのスタートがいつもと違う?と思ったけどいつも読後が爽やかやから忘れてるだけで重めもあったね。
今回もそんな感じ。
うーんでもやっぱ重めか。
主人公が悩んでる時間が多かったからそんな印象。
よっしゃ!私も頑張ろう!タイプではなく、そうやんなーこんなもんやんなーこれくらいでいいよなーみたいな優しく肯定してくれる感じでまあこれはこれで。

0
2025年02月11日

Posted by ブクログ

「ひと」「まち」に続き3冊目。特別驚くような展開がある訳でもないが、いつも最後にはほっこりくる。なんならちょっとポロッ!と来る。

ものの見方は感じ方は、見る側によって変わる。そのせいですれ違ったり険悪になったりする。反対の立場から考えてみるということに気付かされた。

0
2024年12月06日

Posted by ブクログ

よかった。
主人公が家族や仕事について悩みながら日常を過ごし、その中で色んなことを受け止めていくお話。

妹の事故の後遺症のこと、その事故を起こした友人とのこと、事故をきっかけに不仲になった両親のこと、うまくいかない職場の人間関係のこと…、最初は重たいなと感じていたが、読み進めていくほどにほんのり温かく、色んなことが案外悪くないかもなと思える。

著者の文章は、登場人物の存在の良し悪しをジャッジせずあるがままを受け入れている感じがして、読みやすいし心地が良い。
登場人物みんな、完璧じゃない、人間らしい感じがある。

世界観が良い一冊。

☆4.0

0
2024年11月20日

Posted by ブクログ

やっぱり小野寺先生は人と人との繋がり、会話がスラスラ読めて分かりやすいし、なるほどな、と思うとこも突っ込み具合も絶妙で一気読み。
こういう職場のモヤモヤあるよなぁ〜、自分の兄弟と友達付き合ったことはないけど別れた時ってどうするかな、とつい考えた。

それと作中に出てくる『三年兄弟』めちゃ読みたい❢
確か前作の『まち』でも出てきたと思う。

0
2024年10月08日

Posted by ブクログ

妹の事故によって、やりきれないモヤモヤを抱えていて…
うんうん 消化するのに時間がかかるモヤモヤってあるよなぁと共感。時間がかかっても考えて向き合って行動して、いい方向に進み出してホッとした。

0
2024年09月23日

Posted by ブクログ

「ひと」「まち」に続く物語。家族や友人関係、仕事、そこで生まれるやりきれない想いの行き先を探す物語。懐かしい人物の再登場もあったり、「ホケツ!」の本も出てきたり、続けて読んでいると分かることも多く楽しく読めた。
特に大きな山場があるわけではないけれど、生きていく上で生まれる悩みや妬みなど、共感できる内容が多く、すらすら読めた。最後には主人公も色々と抱えていた人間関係のあれこれを、一歩踏み出して精算していく姿も心地よかった。

0
2024年07月14日

Posted by ブクログ

あぁ、やっぱ好きやな。 文章のリズムから、
人物の描写、
考えてること、話してること、
何でもないような、
それでいて大事なこと。
小野寺史宜の生み出す雰囲気、
やっぱ好きやな。
集めようかな。
いやどうしよかな。

0
2025年12月06日

Posted by ブクログ

友達が運転する車に同乗していた妹が、
事故により足を引きずってしまうというお話。

友達と妹、どちらへも複雑な思いを抱えながら過ごす主人公のやりきれない気持ちが日常生活にも表れてしまってなかなか上手く日常生活を送れなかったりもするけど、その気持ちをどう処理するのかみたいなのが描かれている。

個人的にはもう少し友人との場面展開が欲しかったかな。。

0
2025年11月19日

Posted by ブクログ

お手本のような好青年が主人公だった「ひと」「まち」とは違い同じ好青年だが劣等感や卑屈さなど人間誰しもがもつマイナスの感情が繊細に描かれているので親近感が湧いた。
「人間、ものの感じ方は変えられない。~でも感じたあとの行動を変えることはできる。」という一文もあったように傑が最初に感じていたマイナスの思いからプラスの行動に変えていく様は立派だなと思った。傑が泉田さんや亮英に自分から謝って和解したように僕も自分から素直に謝ることの出来る人間でありたい。
「ひと」に登場するおかずの田野倉、「まち」の主人公である瞬一などやはり過去作品と繋がっているの要素がいくつかあったので嬉しかった。
瞬一が消防士試験に受かっていてよかった。

0
2025年10月22日

Posted by ブクログ

前半、ちょっと退屈だなぁ、テンポ悪いなぁと思って、脱絡しかけたけど。最後まで読めてよかった。傑が、いい子なの。完璧じゃなくて、時々、毒をはくけど、それが人間らしくていい。彼女も押し付けがましくない優しさがいい。煮詰まって、実家に帰って、普通に帰っきた母も、それを迎える父も良い。

0
2025年06月14日

Posted by ブクログ

2025.5.28
主人公の妹と主人公の親友がつきあい、ドライブ中親友の運転の不注意で助手席に座っていた妹が怪我をして左足を引きずって歩くようになった。
妹が心配な気持ちと親友への複雑な気持ちが混ざりつつ段々折り合いをつけて前向きになっていた。
こんな大事に思ってくれるお兄ちゃんいいなあ。

0
2025年06月11日

Posted by ブクログ

主人公は上手くいかないことが多い三上傑。前作からの絡みでおかずの田野倉やハイツも登場で嬉しい。人と人との間には言葉が必要だとしみじみ感じた。

0
2025年06月07日

Posted by ブクログ

江藤くんや郡くんなど前作の登場人物たちも加わって平井のまちにある三上のいえの話しが展開していきます。人生って本当は、こんなものにまとまれば上出来なのかもしれません?

0
2025年05月15日

Posted by ブクログ

読みやすく1日で読み切った。主人公の僻みっぽいところやそこから自己嫌悪でがんじがらめに陥っていくところの閉塞感の表現がうまかった。「家族会議」を機に霧が開けたかのようにモヤモヤを乗り越えていく様子は気持ち良い。
突っ張って負けていないふりするより潔く謝ったりひとつ殻を脱いで歩み寄る方がかっこ悪いようでとてもカッコいい。意外とそれができない。

0
2025年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
三上傑は江戸川区平井、荒川沿いの一軒家に、両親と妹(若緒)と暮らしている。友人の城山大河と若緒は付き合っていたが、大河の運転する車の事故で若緒の足に怪我をさせてしまい、ほどなくして2人は分かれることになる。不自由な足を持った若緒の就職活動に心配する兄、傑。両親の関係も兄弟の関係も友人との関係も若緒の怪我で変化していく。同作家の小説「ライフ」と舞台が同じため、喫茶店「羽鳥」、井川幹太、一人暮らしをしている郡君、劇団東京フルボッコの劇団員坪内幾乃、「ひと」に出てくる砂町銀座商店街の田野倉コロッケなども話に出てくる。
傑も働いているスーパーのパート、泉田と話すことでわだかまりを修復したり、同窓会であたってしまった劇団員の亮英に謝罪したり、やけ酒帰りに駅のホームで嘔吐の対応をしてくれた駅員さんの深津にお礼したり、異動になった恋人美怜と話合いをして関係を継続できたり、妹の内定が化粧品会社に決まったり、荒川沿いを毎日のように走っててアパート筧のハイツB に住む江藤瞬一くんの消防の試験合格が決まったり、後半にポジティブな話題がつまっている。

【感想】
「ひと」「ライフ」と間を開けずに読んだので登場舞台や人物がリンクして楽しんで読めた。日常を切り取ったような小説で、共感できる状況や感情が多いし会話文が多いのでさらっと読める。家族や友人がいて働ける場所があって、そういうことに改めて感謝できる小説。

0
2025年01月05日

Posted by ブクログ

家というより家族のお話だと思いました。

人の感情は一方向からでは本質が見えない。そんなことを思い出させてくれた主人公の行動だったように思います。

ただ最後の方で気になった人達へ謝罪に行くのはいただけませんね。その行動力があると、どうしても現実離れしていくと思います。

それでは話は成立しないんですけどね

0
2024年10月28日

Posted by ブクログ

いえ、に留まらず仕事や人間関係、何でももやもやと消化できないことって多いことだと思いますが、読んでいると全て肯定されるような安心感があります。別に解決するわけじゃないけど、悩んだりすることは当たり前なのだと。

わたしが傑の立場ならどうするか?若緒ならどう考えるか?母なら?と主人公視点で語られるお話しながら、色々考えながら読めるのが楽しい。
江藤くんにも会えて(そういう気分になる)、ほっこりしました。

0
2024年10月03日

Posted by ブクログ

妹の事故から起きてしまっている家族のギクシャクがこれからどう展開していくのか、気になります。「5月花」の章まで。126ページ。家族の幸せを考えるきっかけになりそう。

0
2024年08月23日

「小説」ランキング