あらすじ
わかるよ、みんないろいろあるけどさ――。
ほら、あたたかいごはんを食べれば、きっと元気になれるはず!
子ども食堂を舞台に、市井の人々の生きづらさと希望を描く、読んで「美味しい」老若男女群像劇の傑作。
営業時間は午後5時から8時まで。
亡き夫との思い出をきっかけに松井波子が開いた「クロード子ども食堂」。
スタッフは、夫とうまくいかない近所の主婦や、就活のアピール目的の大学生。
お客さまは、デートに向かうお母さんに置いていかれる小学生や、娘と絶縁し孤独に暮らすおじいさん。
子どもも大人もお年寄りも、みんなまとめていらっしゃい!
うまくて泣ける、心温まる絶品群像劇!
感情タグBEST3
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子ども食堂を開くきっかけが、なんとも言えないエピソード。波子さんの行動力すごい。様々な事情を抱えた子どもが集まる子ども食堂。ほんとに困っている子どもたちや大人の救いになればいいな。登場人物の人柄がどれもやさしくて、心地よい。作者の小野寺史宜さんの作品、もっと読みたくなった。
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夫、隆大さんに先立たれた波子さんは「クロード子ども食堂」の主宰者だ。隆大さんが亡くなる直前に話していた意思を、持ち前のガッツで実現してしまう波子さん、素敵な女性であり素敵な航大君の母親だ。登場人物みんながそれぞれ何やら厄介ごとを抱えているが、波子さんにかかればスッキリしちゃう。たくさんの人に読んで欲しいお話し。
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初めての小野寺史宜さん。
そもそも子ども食堂なんて、自分が小学生だったころからあったのか…記憶にないのだからなかった(と思う)。
そんな気持ちもありつつ、子ども食堂に興味があり手にしてみました。
波子が亡くなった夫・隆大が公園で出会ったパンが夕食の男の子がきっかけで立ち上げた『クロード子ども食堂』。
波子や食べに来る子どもたちや親など、さまざまな事情や思いを抱える人間模様が描かれてる。
どんな事情があっても、どんな出来事があっても、ご飯のパワーで元気になれる、ご飯ってまさに生きるためのエネルギー。
それは子どもたちだけじゃない、大人だって同じ(大人も食べにいけるんだって、この小説で知りました)なんですよね。
料理を作る立場として…みんなの『親』としての気持ち。美味しいご飯を食べて元気になってもらおうって、波子の気持ちもとても共感。相手の心に寄り添えるような思いがとても温かかったです。
少しでも手を差し伸べる場所…『クロードこども食堂』のようなコミュニティが増えていって欲しいですね。
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子供視点、母親視点、親子関係、夫婦関係、家族関係、全てにおいてグッときた( •̥ ˍ •̥ )
私の心に留めておきたい言葉がたくさん詰まった一冊。時々読み返そう°˖✧◝
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小野寺史宜さんの作品は、「タクジョ」以来2作品目。1文1文がスパっと短くて、私は割と好き。
月に2回、3時間だけ開かれる子ども食堂の、とある日の出来事が、関わる人たちの目線で時系列で描かれていく。
何か大きな事件が起こるわけではなく、何かはっきりした結論が出るわけでもないのだけれど、ジワジワと心に沁みたり、共感したり、考えさせられたり、自分も何か動きたくなったり、心地よい重さのある読後感だった。
最後の終わり方も良かった。
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美味しそうなほっこりした表紙デザインに一目惚れして読んでみました♡
表紙絵のイメージ通りほっこり優しいお話でした♡色んな子供や大人がこども食堂を通して出てくるんだけど、すごくリアルだった。
こども食堂ってテレビでは見た事あるけど近くにはない。ボランティア募集してたら手伝いたいなと思ってたので、この本に出会えてすごく良かった。こどもの居場所を作る人ほんと尊敬する(;;)
老若男女問わず、ほっこりもできるし自分の今の生活を考える事もできる優しい1冊☆
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小野寺さんの作品は人と人との会話に人間味を感じて読んでいてほっこりします。
この本は子ども食堂が物語の中心になっていてそこでボランティアをする人や、利用する小学生、大人等色々な人の視点から書かれているので子ども食堂の雰囲気を想像しながら読めました。
波子さんが子ども食堂を立ち上げたのが亡き夫との会話がきっかけというのが凄く心に染みます。
最後に登場した高校生が亡き夫が話していたエイシン君だったというのが安心と感動の終わり方で良かったです。
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子ども食堂をはじめた波子さんと、ボランティアや利用者さんのお話。
章ごとにそれぞれの目線から語られる形式になっている。
句点が多めで一文が短い独特な文体だなと思ったけど、慣れると話し声が聞こえてくるようで読みやすかった。
内容は切なくも心暖かくなるものだった。私自身、家族の死を数回経験していて、あの時ああしていればこうしていれば、と後悔の波が押し寄せてくる感情も知っているから、なんだかずっと泣きそうだった。
波子さんのキャラクター、いいなあ。波子さんも救われる暖かいラスト。電車のなかでちょっと泣いた。
【追記】仕事で同僚との関係がちょっとしたことで曇ったのだけど、モヤモヤとした気持ちでいる時にふと、この本の「ありがとう」の章が浮かんだ。
夫との関係でやきもきしている石上さんへ、波子さんがかけた言葉。
「ありがとうはね、言った方の負けじゃないですよ。言ったもん勝ちですよ」
シンプルだけどじんわりと広がってきて、私の言動を少し変えてくれた。
そうなのよ。結果物事が円滑に運ぶのなら、言ったもんがちなのよね。この本を読んでいてラッキーだったと思う。波子さんありがとう。
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すごく温かくなるお話。
それぞれに家族の形や様々な思いがあって生きてきて、今ここで同じ豆腐ハンバーグを食べている。
この近すぎず遠すぎず、見守ってくれている場所があることがすごく安心できるんだと思う。大人も子どももみんなにとっての温かな場所。
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暖かいごはんが食べられる。家族でも友人でもない人との繋がりってきっとあるだけで助かることがあると思う。立ち入りすぎず、でもちゃんと覚えてもらえる。最後に、話が全て繋がって本当によかった。いままでのことが報われた気がする。
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こども食堂を舞台にして紡がれるそれぞれの物語…色々な背景が隠されていてそれは子供だけでなく関わるスタッフにも有りましたね
一冊の中で一日が経過し、その時間軸の中で様々な物語が語られるのが新鮮でした
最後の伏線回収もお見事でした
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自分が子ども食堂に関心があることも手伝って、面白く、興味深く読んだ。ものすごく大きな出来事があるわけじゃないけど、それぞれのちょっとした生活のモヤモヤが子ども食堂を通じて少しだけ和らいでいく様子はとてもほっこりした。
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亡くなった旦那さんの言葉がきっかけで始めた「クロード子ども食堂」
様々な事情を抱えた子どもやその親が訪れてくる。
登場人物それぞれが語り手となって、それぞれの思いが描かかれている。
温かくて心がほんわかした。
「ありがとうは言ったモン勝ち」の言葉は素敵だなと思った。
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ほっこり。なんだか、心が温かくなった。
とある町にオープンした「クロード子ども食堂」。
そこには、様々な事情をもった人達が集う憩いの場。それはお客だけではなく、働いている人たちも同じ。死に別れた旦那や離婚寸前までに関係が壊れかけた家族。でもほ悲壮感の中、この「クロード子ども食堂」にいると、少しづつ救われていく感じがする。氷が溶ける様に。
なんだか、映画「かもめ食堂」を観ているようなほんわかな雰囲気だった。
現在、夜中の1時半。5月なのに風が冷たく、車の音も少ない心地よい静けさ。こんなに幸せに気分はいつぶりだろう?たまには、こんな静かな夜の読書も悪くない、いや、環境も相まって最高な読書体験だった。
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よむーくとちいかわのコラボ栞が欲しくてたまたま購入した本でしたが、思った以上に良かったし、好きなお話しでした。
こども食堂を始めて、そこにボランティアで来てるスタッフさんや来てくれる子供や親の視点でのお話しを短編でつづったものでした。
最初はこども食堂が題材だし、いい話風にして終わるのかなぁと思っていましたが、ちゃんと個人個人の気持ちが書かれていて、しかも現実的というか共感する部分が多くて、ただこども食堂を開いて子どもの為にやってます、良いことしてます!みたいな単純な話しではなかったから良かったのかなぁと思います。特に主人公?の松井さんの考え方や話し方に凄く好感がもてたのも良かった要因かと。
特に最後のシーンはホロリと泣いてしまいました。
この作者さんの作品はこれが初読みでしたが、他の作品も読んでみたくなりました。
好きな言葉があったので…
「ありがとうはね、言った方の負けじゃないですよ。言ったもん勝ちですよ。」
「汚いところをきれいにするのが掃除。きれいなとこをまたきれいにする掃除じゃ意味がないの。それはただの自己満足」
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亡き夫との思い出をきっかけに始めた「クロード子ども食堂」。
そこには子どもだけではなく、様々な事情を抱えた親たちも訪れ、ボランティアの大学生たちも、様々な事情を抱えている。
子ども食堂を通じて、大切なことが見えてきたように感じる。
近くにこんな子ども食堂があったらいいなと思った。
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いろいろな事情を抱えた人々が集う、子ども食堂の物語。
突然、交通事故で亡くなった夫との思い出をきっかけに子ども食堂を開く。試行錯誤しながらの運営が時系列に描かれていく。
近所の小学生や、ひとり親のホステス、娘と絶縁した老父など、一つ一つに物語がある。
最後は最高の終わり方で良かった。
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こども食堂、物語ではじめて知ったかもしれない。この作品で知ったわけではないけど、身近にはないと思っていたら隣の市には結構あるよう。あまりネットとかでは大々的にはやらないところもあるのかな。
始めるきっかけが悲しい。いきなりの別れからふと残された言葉が行動へ。
思ったら行動にというところ、さすが航大くんにも引き継がれている様など親子なんだなあ。
こういう活動をよく偽善的とか言われるけど、別に構わんやんと思わされる。やってる人も食べにくる人らも幸せな気持ちになるんなら。まさにありがとうは言ったもん勝ち。
子供の心情もよくあらわされている。まさに女の人がやっているのがいい、という鈴彦くんの言葉は自分も40数年前に思いを馳せてみるとそうだった気がする。もちろん下心なしに安心感があったと思う。
各話の副題か挨拶になっていて、引っかかっていたあの事も回収されスッキリした。
話は終わっても続けて行くことが勝負、この先も引き継がれて行くことを願うが、ホントはこんな貧困差が存在するのが問題なのだ、と憤りも感じてしまう。
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始まったばかりの子ども食堂を舞台にまわる群青劇。心がギスギスせず、ちょっと疲れ気味の時にさっと読めるよい話。
「お米をつくってくれた人のことを考えて、ごはん粒は残さず食べましょう、みたいなことを言われる。現実には、そこまで考えない。人は、顔も知らない他人のことまでは考えられない。もっと近いとこでいい。食器を洗う人のことを考えたら、ごはん粒は残せない。」
というところ、よかった。
欲を言えばもう少し登場人物の背景や気持ちを知りたかったなと思う。
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波子さんのこども食堂に集まる人たちのお話。
波子さんはとてもフラット。距離感も絶妙。
そういられることは、簡単なようでとても難しい。
どきっとするするどさもある。
最後のお話にはグッときました。
あったかくて、ライトなようで、色々と考えさせられ、また読み返したくなるお話でした。
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子ども食堂ってワードでほのぼの系ではないだろうなと身構えていましたが、そこまで大きな出来事がある訳でもなくだからと言って軽すぎる訳でもない、丁度いい重さの物語でした。それぞれ様々な事情があるけれど、全体的に最後はちょっとほっこりした気持ちになれました。
個人的に子ども食堂をするきっかけの子との再開シーンがあっさりし過ぎてるように感じて、え!?これで終わり!?続きは!!って思っちゃいました…
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パートナーの死をきっかけに子供食堂を開く話。
さまざまな家庭事情を抱えてやってくる親子、運営の厳しさなど少し胸の痛い部分があったが、いい方向へ向かっていく終わり方でほっとした。
来る子がみんないい子で良かった。少し個性的なお母さんも気を許してくれて良かった。
最後のおじいさんの話は切なかった。孫でなく勘違いだったけど子供食堂を通じて活力が漲っていた。
そしてこの食堂を開いたもう一つのきっかけ、公園で一人ご飯を食べていた小学生の男の子が立派に育ち、食堂を利用していた子のお兄さんだったとは!
伏線も回収され、穏やかな余韻が残りました。
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小野寺ワールド
子ども食堂をめぐる1日のお話。
とにもかくにもごはんて、とにもかくにも豆腐ハンバーグとサツマイモの付け合わせ食べたい
地域には見えなくともいろんな人がいる
それだけ子どもも。
おとなの事由で振り回される子ども。
波子さんは冷えきっていた亡き夫の言葉にちからをもらう。何処にそんな力があったのたろうか。
見えないから見ない。
見ないからきずかない人にはなりたくない
垣間見る格差。
これを埋めていく何かはやはり人しかないのかも。