あらすじ
元女優の母、元叔父さんの父、反抗期の妹、そしてヒッチコック好きのぼく。訳ありそうに見えるけれど、ぼくら安井家は平穏で普通のはずだった。それなのにある夜、母が突然、ぼくらの知らない男の人を看とると宣言した瞬間、歯車が狂い始める。母の恩人だというその人に、ぼくは会いに行く決意をしたけれど……。揺れ動く家族と少年の心を瑞々しく描ききる、成長の物語。
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Posted by ブクログ
まち、に続いて小野寺さんの2作目
母ひ元女優で、しかも再婚相手が叔父なんていうとんでもない設定だったけど、想哉は物静かで控えめでぶっ飛んでないから、物語のバランスが取れていた。想哉は波瀾万丈な人たちに囲まれても静かにそれを受け止める器があって、現実に想哉みたいな人がいたら、多分惹き込まれちゃうだろうなぁと思った。
登場人物はみんな優しくて読んでいて心地がいい。
演劇部の愉快な仲間との騒がしい青春と、刻々と死に近づいていく谷口さんとの静かな時間の対比が印象に残った。
Posted by ブクログ
面白かったなぁ。この設定、なかなかないと思うんだけど、なんか、しっくりくる。あるよねーって思っちゃう。なんだろうこの感じ。
高校生が出るやつ、進んで選ばないんだけど、小野寺史宜だからなぁって、読んで正解!
Posted by ブクログ
この作品も面白かったです。「好き」と言える作家さんが増えました。まだ二作しか読んで無いので、他の作品も読んでいきます。本屋に行くのが今までよりもっと楽しくなりそう。
Posted by ブクログ
感想
家族の距離感がリアルに描かれているし、徐々に変化する想哉の心情もなんとなく伝わる感じで書かれていることを感じる。
大きな変化はないけど、人はこうやって成長するんだなぁと感じる。
あらすじ
僕こと安井想哉はヒッチコックの映画好きの高一。元女優の母、叔父が父、中一の妹がいる。
ある日、母親の帰りが連日遅く、理由を問うと元マネージャーの谷口が独り身で膵臓癌になり、その人を看取るために世話すると言い出す。
離婚で母親との仲が悪くなっていた妹は、母との対立を深める。
僕は、高校に入って始めたテニス部を3日で辞め、無理矢理誘われた演劇部にしぶしぶ入ることにした。
日々雰囲気が悪くなる家庭のなかで、想哉は谷口のお見舞いに行き、女優だった頃の母親の話を聞く。
冬になって谷口さんが亡くなり、その頃、叔父さんと妹と三人で母親が若かりし頃に出演した映画を見ていた。
想哉は冬休みに自分で台本を書き上げ、それを新歓で演劇することになる。同じ部活の美衣に微妙に告白したが、彼氏がいることを告げられ、淡い失恋をする。
最後は家族みんなで谷口さんの散骨に海へ行く。
Posted by ブクログ
高校生の青春物語かと思いきや、複雑な家族関係の中で悩みながらも成長していく主人公の姿が描かれている。
親の離婚。しかも母親の再婚相手は実父の弟であり、お互い近くの団地に住んでいる。それだけでも子供達にとっては複雑なのに、ある日、母親は末期癌の恩人を看とる決断をする。
母親の過去とその恩人との関係が気になり、赤の他人の死を見届けることになる子供達。そこで色んなことを学び成長していく。
主人公で高校生の想哉がこの複雑な環境の中で、淡々と状況を受け入れる姿はかなり大人びているし、多感な時期の妹のれなの気持ちは十分理解できる。重い話のわりにさらっと読めるのは登場人物が優しく温かいからだろう。
母親の恩人を看とりたいという気持ちは理解出来るが、母親の再婚相手が実父の弟で、子供達と仲良く一緒に住むという気持ちは理解出来ないなぁ。
Posted by ブクログ
家族の話?
家族として以外の誰かを看取る話?
演劇の話?
面白い、面白くない以前に、
正直、よく分からず。
誰かこの話のテーマを教えてほしい。
Posted by ブクログ
悪く言えば覇気のない、良く言えばずっと穏やかな著者の作品の定番男子、想哉。
著者の作品は、実はかなりヘビーな内容であることが多いのですが、主人公の性格のせいか、まったりと優しい気持ちで向き合うことが出来ることが多く、かなり好みです。
ヒッチコック映画、実は見た事がなく、今回この期に1度見てみたいと思いました。
今回も再読。
短いセンテンスの文体が読みやすく、休日に良い読書時間を持つことが出来ました。
Posted by ブクログ
ドラマティックに書こうと思えば
いくらでも書けそうなエピソードなのに
小野寺さんにかかると
なんともいえない「ありのまま」感がでる。
もう、大好きとしか言いようがない。