あらすじ
町も変わる。人も変わる。
変わることは、始まることだ。
「歳をとったニュータウン。オールド・ニュータウン。
おれが育った町。離れて、戻った町。離れる前よりは根づけたような気がする」
母が亡くなったことを機に会社をやめ、父が遺した日本そば屋を継いだ鳴樹。父の時代にやっていなかった出前サービスで商機を見いだそうとした鳴樹は、幼なじみの小枝に声をかける。気持ちを新たに二人で再開した『ささはら』には、徐々に客も増えてきた。そんなある日、出前先で再会した顔見知りの和太は少しヤンチャな青年になっていた。どこか気にかかる鳴樹は、和太にある提案をしてみるのだが――。この町に暮らし、さまざまな結びつきを持つ人々が織りなす、心に染み入る人間模様。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
気になって次の日仕事なのに
夜ふかしして読んでしまいました。
この街に
この主人公は必要な存在で
一緒に働く2人の行方が気になります。
こんな感じの二人なのに
別れてしまった知り合いがいます。
どんな差なのかな。
今は幸せそうだからいいのかな。
なんて事を考えながら読んでいました。
Posted by ブクログ
みつばの街が好き、小野寺さんの作風が好き。凄く読みやすくて知ってる名前やマンション名が次々と出て来る、もうみつば住民になった気分(笑)
小野寺さん続きで次は『日比野豆腐店』『町なか番外地』を読みます。
Posted by ブクログ
この作品もとてもいい。書き出しの一文からつかまれた。もうそばを食べたくてたまらなくなった。
蕎麦屋を親亡き後、再開した息子のお話。小野寺さんの作品らしく素朴でいい人ばかりで、会話も楽しく心が温まる。小説家の横尾成吾さんや鷲見翔平さんも出てきて、にんまり。小野寺さんの別の小説の人物が出てくるので楽しい。
パティシエを目指していた小枝の技術を活かして蕎麦屋でスイーツを出そう、まずは出前で試そうとそのアイデアがいい。こういうお蕎麦屋さんが近くにあったらいいなぁ。最後に小枝への恋心もほのかにみえてよかった。小野寺さんの小説が読めて幸せだ!
Posted by ブクログ
小野寺さんのこの感じ、やっぱり好きだなぁ。
温かくて、柔らかくて、包んでくれるような
世界観がやみつきになる…
笹原鳴樹は実家に戻って、両親の亡き後のみつばでそば屋を始める。そんな彼を支えるのは、製菓学校を中退し行き止まっていた小枝と、高校を中退しバイクを乗り飛ばしていた和太。3人が織り成す“みつばそば屋ストーリー‘’は、地域の人をいい方向に巻き込みながら、マイペースに進んでいく。
Posted by ブクログ
私自身も高校卒業を機に地元から離れ、東京に5~6年暮らし主人公と同じく一人っ子でなんとなく
地元に戻ってきた。今は子供がいるからか慣れ親しんだ田舎のこの地元にも発見があったりする。
この物語の主人公は人を救いすぎではないか?
30歳でこんなしっかりしてることある?
近所にこんな兄ちゃんいたら惚れちゃうよ!!!
そば屋“ささはら”に来てくれるお客様もあたたかいし
従業員2人も優しさが溢れていて愛しかないよ、この作品。
小野寺さんの作品はお茶を飲んでホッとする感覚に似ている。
大好きな作品の一つになった。
地元にずっと帰ってない人とか遠のいてる人読んでほしいな。。
Posted by ブクログ
地元の人を顧客にする蕎麦屋さん。かつてはニュータウンだった都市。街も人も歳を取る。
しかし、街も人も入れ替わりながら永続していく。テセウスの船か。
他の作品の登場人物のクロスオーバー出演も増えてきた。一大サーガになってきたな。
Posted by ブクログ
どことなく懐かしさを感じる、みつばオールドニュータウン。
登場人物も暖かく、昭和感満載の内容でほのぼのとした気持ちになりました。
みつばちゃんシリーズのほっこりとした後味が好きです。
Posted by ブクログ
みつばの蕎麦屋2代目の奮闘。
・冬 木場忠道と鴨南鴨
・春 洞口和太とかつ丼
・夏 荒瀬康恵ときつねそば
・秋から冬 星川心奈と親子丼
30歳にして地元みつばの蕎麦屋を再開した笹原鳴樹。
同級生の杉戸小枝と幼少から知るアルバイト・洞口和太と店を切り盛りする。
みつばに思い入れのあるお客に愛されながら、新たな挑戦をしていく3人。
続編に期待して星4つ。
Posted by ブクログ
みつばシリーズ。安定の小野寺ワールド。
お蕎麦屋さんの2代目が主人公。蕎麦屋の店長は30歳と若い。でも義理堅く、礼儀正しく、コツコツと自分のやり方で店を切り盛り。
バイトの小枝ちゃん主導でスイーツにも挑戦。
ニュータウンが舞台だが下町情緒が溢れていて、こんな町に住んでみたいと思えた。
小枝ちゃんとのこれからが気になる〜♥
Posted by ブクログ
安定の小野寺さん これで何冊目かな。
今回はみつばのお蕎麦屋さん。中々 お蕎麦屋さんに行ったり出前を頼んだりって無いけど 読後はとにかくお蕎麦屋さんに行きたくなりました。
何か大きな事件が起こる訳でもなく 本当に店主 鳴樹とお客さんとの 何気ない会話のやり取り。何気なさ過ぎて 逆にリアルな感じもしました。
そんな何気ない日々でも お客さんも鳴樹も いろいろ考えて 新しいことにチャレンジして変化して行く感じがいいですね。
Posted by ブクログ
主人公・鳴樹のお節介加減が絶妙で表向きは気持ちの良い青年でありながらも近しい人にだけ見せるダル絡みにも癒された。
人と話すのが億劫になってしまったときに読んだが嫌みのない健全さが身に染みて、いつの間にか人と話したい、関わり合いたいという意欲がわいてきた。
Posted by ブクログ
日本そば屋さんの2代目店主さんと、店員さん、お客さんたちのお話。
何気ない日常の話のようでいて、読んでいてじわじわと心が温かくなってくる。
今では失われつつある、ちょっとだけ踏み込んで、人と関わろうとする感じ。
こんなお蕎麦屋さんが近くにあるといいなぁ。
Posted by ブクログ
蜜葉市みつばは埋立でできた、新しいけど、もう40年以上たつニュータウン。鳴樹(30)の家はそこで蕎麦屋笹原を家族経営していたが、父が亡くなり次いで母も亡くなり、閉店していた。南砂町で一人暮らしをし、厨房機器販売会社で働いて田野倉のコロッケも全制覇していたが、色々考え28で退職し、実家へ戻り、蕎麦屋ささはらを開店する。
製菓学校に途中まで通って、別の仕事をしていたが今はフリーの4軒隣人の小枝を雇い、試行錯誤しながら、周りの人への心地よいおせっかいを焼きつつ経営への工夫をこらす日々。
プレスリーに例えられた(どう例えられたかは面白いので読んでのお楽しみ)鳴樹の日常が非常に心地よくホッコリされられ、気持ち的には★5に近い読み心地でした。ささはらの今後も知りたいし、みつば界隈、もう少し読み込みしていきたいと思います。
読みたがれば小学生も大丈夫。基本は中学校以上。
Posted by ブクログ
大学を卒業して自分の育った町を離れた主人公。両親を亡くし、再び育った町に戻って来た。退屈でこれといって何もない町だと思っていた主人公がこの町の人々と繋がって、この町で生きて行くのも悪くはないなと思う。
月日が経てば人も町も変わって行くけれど、新しい出会いや繋がりもある。その繋がりもべったりでは無く、負担にならない程度に助け合えたらいい。そして、これからの自分の生き方を模索していく。そんなゆったりとした繋がりの話は読んでいて心地よく、あっと言う間に読み終えてしまった。暖かみを感じる一冊です。
Posted by ブクログ
素敵な人間関係。
ささはらに行きたくなりました。
店長のおせっかいサイコー
甘味担当の人とぜひ幸せになって欲しいです
他の作品の登場人物か随所に登場してくるのも良かったです
Posted by ブクログ
亡き父親がやっていた蕎麦屋を久しぶりに復活させた若き店主。たまたま手伝ってくれることになった人達や常連、新しいお客に囲まれる日々。
小野寺史宜らしい淡々としてそれでいて滋味のある一作。とても面白かった。
Posted by ブクログ
私が読んだことがある小野寺さんの本の登場人物やお店が随所に出てきました。小野寺さんの本をもっとたくさん先に読んでいたら、更に楽しめたはずです。ちょっと残念。
密葉市みつばの蕎麦屋「ささはら」。
亡き父のこのお店を再開させた鳴樹が主人公でした。
読み進めると、鳴樹の人柄でお店が、じわじわといい方向へ向いていく感じがしました。それとともにお客さんとの繋がりがどんどん広がってきたので、鳴樹は人が好きなんだなと思いました。さりげなくお客さんのことを気にかけて話しかけたり、一緒に働く2人のこともよく考えていたからです。そして読んでいる私までが、みつばの町の人達の知り合いがどんどん増えてくるような感覚を味わえました。
優しさのおすそわけをしてもらったような小説でした。
Posted by ブクログ
育った町を離れていたが、戻った町で父が遺したそば屋を継ぐことにした鳴樹。
両親がやっていたそば屋だが、出前をやろうと思いつき、アルバイトを…と思っていた矢先に幼馴染の小枝が洋菓子専門学校も卒業せずに辞め、バイトも辞めたと聞き、働いてもらうことに。
鳴樹の始めたそば屋は、ゆるゆると人との会話を楽しみながら常連客をつくっているんだなぁと感じた。
40年前に子どもの頃に来たという木場やさんや母子で来ていたと記憶のある今や高校中退して改造バイクで走る和太。
認知症に気づくことになった荒瀬さん。
ひとりで来る中学女子の星川さん。
老若男女問わずにすっーと心のなかに入り込んでいく鳴樹。
この押し付けがましくなく、うるさくなくて自然な距離感の取り方がとても上手い。
和太の説教も嫌味もなくて、ちゃんと人としての生き方を導いているようで何気に凄い。
荒瀬さんのことも丼の間違いから認知症では…と気づき、さりげなく娘婿に伝えるのが、おせっかいだと思わせない気遣いに上手いとしか言えない。
小野寺さんは、ほんとうに人と人との繋がりを上手く描いているなあと思う。
みつばの郵便屋さんまで出てくる…という。
もう、忘れてしまってるからまた読み返そうかなと思ってしまった。
Posted by ブクログ
いい話だ〜。出前バイクはあんまり見たことないけど、幸せなシステムだな〜。待ってる人のところへ美味しいものを届けるの幸せだし。配達バイクの後ろ走ってたらいい匂いしてきそうだし。。ちゃんと箱に入ってるからあんまりしないのか??
プラ器じゃなくちゃんとした器で届くのも大事なポイント。おばあちゃんとか、お店に食べに行きにくい人もお家でおそば屋さんのおそば!って感じを食べれるの、うれしい。
今は近所付き合いが薄れてたり距離感が遠くなってきてる。しょうがないことだし、急に声かけても警戒させちゃうし、ご近所付き合いがストレスになってたところが今は楽になってる部分があるし。おそば屋さんがおばあちゃんの認知症に気づいて家族に声をかけることも、実際やると「うちのことに踏み込んでこないで」ってなることもあるだろうし。
もうご近所付き合いの時代じゃないよねって割り切ってるけど、この本の中みたいに、いやここまで行かなくても、みんながゆるーーーーくつながってたら、ちょっと幸せで、ちょっと安心だよねって思う(顔知ってて、会ったらぺこってするくらい?たまに話せたらよりハッピー?)
でもご近所の噂とか詮索とかはめんどくさくて絶対嫌だから、最適な距離感は難しいけど、互いに優しさと、リスペクトと配慮があればいい感じになるかな。
Posted by ブクログ
良くも悪くもただただ平和な物語。
何も起こらないからこそ、読む自分の環境に左右される。
焦ったり、寝る時間削ってまで積極的に読み進めたくなる物語ではないけど、余裕のある時間に読み始めるといつのまにか時間を忘れて読み進めていた感じ。
ほっこりした気持ちになれる本。
Posted by ブクログ
今度のお話はお蕎麦屋さんが舞台。
いつもの通り、何も事件は起こらずそこに住む人たちの日々。
そこが良い。何も起こらないのが良い。だから読んじゃう。
Posted by ブクログ
蕎麦屋の亭主(独身)、店のお客さんとの会話がほのぼのする、よくこんなに会話が続くものだと思う、立派な営業努力。その努力で自分に関わる人を少しだけ幸せにしている。
Posted by ブクログ
小野寺さんらしいと思う一冊。他の口コミに読んだ後おそばが食べたくなるとあったが、同感。
小野寺さんの文章って特徴的で、良い意味で普通の人が喋っているというか、短い語りで物語が進む。
すごく悪い人が出てこないのと、たくんさんの人が出てくる。人は多くて覚えきれなかったりする。
和太くんとの絡みと、荒瀬おばあちゃんとの絡みが印象に残った。
終わり方はあまり印象に残らなかった。
Posted by ブクログ
ニュータウンが抱える光と影、そしてそこに暮らす人々の人生が、リアルに、そして温かく描かれており、読み終えた後には、じんわりと心に温かいものが残りました。
「ひと」「まち」シリーズに出てくる描写もあり、同じ世界線であるが故に、なぜそのシリーズにしなかったのかとちょっと思うところも。
Posted by ブクログ
30歳手前で父の後を継いで蕎麦屋になった鳴樹.手伝ってくれる人やお客さんたちとの交流,いろんな問題もその時々に解決しながらお店は繁盛とまではいかないけれど続いていく.鳴樹の真っ直ぐで優しい人柄が好ましい.
そして、蕎麦とスイーツ、グッドアイディア