感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月02日
小野寺さんの本が好きで、本屋で買った一冊。
「ひと」や「まち」と同じで心が温かくなる物語。
サッカーは全然詳しくないけれど、全く問題なく話に入り込むことができた。
周りから愛される人ってこんな人だよな、と思うような素敵な主人公だった。人間にとって大事なことは能力とか外見だけではないと改めて感じた。
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レギュラー争いだけではなく受験や仕事なども含め、生きていく中で経験する「選ばれる側」「選ばれない側」のそれぞれの思いについて考えさせられた。主人公がレギュラーではない事を告白する場面で、叔母が「結果だけを重視する人はたくさんいる。でもそうじゃない人も、たくさんではないけど、いる。」と言ったことが心に響いた。頑張ったけれど結果を出せなかった自分の経験を思い出し、少し涙が出た。結果が重視され、批判される人も沢山いる世の中だけど、〝そうじゃない〟人がひとりでも多くいてくれたら結果が出せなかった人の心が救われるのだと思う。表には出ていない部分にまで目を向けられる人間になりたい。
Posted by ブクログ 2024年02月15日
普段読まないジャンルでしたがとてもおもしろかったです。ここ最近読んだ小説で一番よかった。
高校生の強豪ではない普通のサッカー部を中心に進む部員たちのお話。
公式戦に出られない選手、レギュラーの選手、レギュラーを奪われた選手、さまざまな人がいる中でそれぞれのポジションを探し出していく様子は自分の高校時...続きを読む代と被る部分もあり共感しながら読むことができました。
できることなら中学や高校のときに出会いたかった1冊かもしれません。
Posted by ブクログ 2023年07月28日
母を亡くし、伯母と暮らす男子高校生の大地。サッカー部のレギュラーになれない秒な立場と、伯母と暮らす微妙な家庭環境を、男子高校生の揺れる心境を通して描く。小野寺史宜ならではの、不器用だけど真っ直ぐに生きる主人公がここにもいた。悩みながらも、おぼろげながらも自分の道を決めていく姿が清々しい。最後のフリー...続きを読むキックを蹴るシーンには涙が滲んだ。小野寺史宜の作品に外れなしだ。
Posted by ブクログ 2023年07月20日
やっぱすごく良かった。
そんな語彙力の無い感想を言ってしまうくらい
すごく良いストーリーだった。
著者にしか書けない、「ひと」に通づる
心の描写が本当に素晴らしい。
解説の人も言ってたけど、
私ももっと早くこの本に出会いたかったと
読んでる最中に思ってここに書こうと思ってた。
なのに、してやられ...続きを読むた感じ笑
あの頃の自分に、もっと全力でチャレンジを
しろと言いたい。
Posted by ブクログ 2022年12月29日
素晴らしい青春小説に出会ってしまった!
どこにでもありそうな公立高校のサッカー部、そこの万年ホケツでベンチウォーマーである宮島大地君が主人公。団地におばと二人で暮らす大地君の描写は、最初欲が少ないけど情熱も少ない、色んな事に醒めてしまった少年なのかなと思わせる。
だが、読み進めるうちに、彼は決し...続きを読むて醒めた少年ではないことが分かってくる。醒めて見える原因は、彼の境遇からくる気遣いであり、その境遇の中で培ったものが、彼を優しく強くしなやかにさせていく。
とにかくいい子なんだよ、大地君。お前は絶対幸せになれ、なってほしいと思わされてしまう。
自分がこんな善き人間でないことが分かっているだけに、善なる行動を自然に条件反射的にできてしまう、彼を尊敬する。
伯母さんや顧問、サッカー部の友人たち、恋心を描くマネージャー…彼らとの絡みがすべて暖かくて味わい深く、どのエピソードも読むごとに心にホワッと来る。中盤から後半のエピソードオンパレードがまた素晴らしい。
サッカーには全く疎い俺だが、サッカーの知識はほぼなくても大丈夫。どんな部活をしている人でも、いや社会人であれ、隠居生活者であれ、老若男女を問わず是非読んで、心ほんわかして欲しい1冊。
Posted by ブクログ 2022年11月11日
自分がサッカー部員を経験しているのもあって
共感することも多く、ラストはうるっときちゃいました。
ホケツならではの悩み
レギュラーならではの悩み
ずっとレギュラーの人なんていないこと。
ポジションは与えられるものではなく
見つけるもの。見つかるもの。
「サッカー」「部活」というより
「人生ある...続きを読むある」として共感できました!
感動を味わえる青春小説として楽しめるのはもちろん
とっても前向きになれる作品です。
小野寺史宣さんは「ひと」を最初に読みましたが
登場人物に優しい人が多く
本作品も人の温かさを感じられる作品でした。
部活をやっていた頃。
学生の頃。
小野寺さんの小説に出会えてたら
心もより成長できただろうなと思いました。
Posted by ブクログ 2019年11月06日
高3サッカー部補欠の不遇な少年・大地の物語。
・風薫る五月
・風潤む六月
・風熱き七月
両親の離婚、母との死別を乗り越え、伯母と暮らす高3の大地は、みつば高校サッカー部の補欠。
しかし、自覚のないチームの潤滑油として働くも、熱い血が流れ、自分でも知らないうちに物語を動かしてしまう。
同級生の...続きを読むキューピッドから、離別した父との再会、伯母の結婚など、大地らしく生きる姿がまぶしい。
今年、いや、いままで読んだ中でBEST3.
小野寺作品の中で、一番。
心から皆に読んでほしい。
Posted by ブクログ 2024年02月03日
小野寺さんの本の主人公はいつもあたたかい。表現が一番最適かはわからないが、実直で素直で、謙虚でまっすぐな言葉で話す。それがとても嬉しい。自分が人間関係で悩んでいる時、小野寺さんの小説を読むと、もしかしたらこんな人に出会えるかもしれない、まだ人との関係を諦めなくてもいいかもしれないと思わせてくれる。今...続きを読む回の主人公も周りのメンバーもみんな幸せになってほしい。できれば素敵な人と出会ってほしい。
Posted by ブクログ 2023年10月08日
大地は伯母と2人暮らし。
みつば高校の三年生で、サッカー部では補欠。
大地の母は、大地が中一の時にがんで亡くなっていて、母の姉である絹子伯母さんが大地を引き取って育ててくれている。
学校と家を往復するだけの日々。
伯母さんはキャリアウーマンのしっかり者で、いつだって大地の味方だし、決して強豪チーム...続きを読むではないけれど、監督をはじめ、サッカー部の部員たちと女子マネージャーとのふれあいも、読んでいてとても好感が持てます。
物語が淡々と進んでいくのだけれど、不思議と続きが気になります。
高校三年生という貴重な時間の中で、部活も進路も淡い恋心も、大地の心の揺れが痛いほどわかります。
主人公の描き方がさりげなくて受け入れやすく、小野寺作品にはこういうところに魅力があるのだと思います。
人として大切なことは何なのかをそっと教えてくれるような、とても温かみのある物語でした。
Posted by ブクログ 2023年01月17日
☆4
何も知らずに読み始めたのですが、「みつば南団地」に住む宮島大地くんって、「みつばの郵便屋さん」にも登場したあの大地くんですよね!?
あの頃から「大地くんは良い子だなぁ」と思っていたのですが、本作ではそんな大地くんを主人公にした作品とのことで、大地くんのことを詳しく知ることが出来て良かったです...続きを読む❁⃘*.゚
家族、仲間、将来…迷い悩みながら自分だけのポジションを探し出す素敵な物語でした。
Posted by ブクログ 2022年08月09日
サッカーや、サッカー部に偏見を持っている。悪い方にね(笑)。これは、話として面白かった。家族のシナリオ読んですぐだったし。高校生もの読まないしって、言ってる側から読みました。今、小野寺祭りだから。
Posted by ブクログ 2021年08月23日
サッカーの小説は名作が多い!いや、サッカーを愛する作家に素晴らしい人が多いのか?とにかく面白かったです。主人公は万年ベンチの補欠の選手。かといってレギュラーに対して劣等感を感じ、卑屈な高校生活を送っているということではなく、それぞれの選手や登場人物が、それぞれの立場から悩んだり喜んだりしています。5...続きを読む月から7月までのほんの3か月の物語ですが、豊かな青春生活の貴重な体験を、一緒に過ごさせてもらって、充実感は抜群でした。
Posted by ブクログ 2021年08月17日
サッカー全く興味なし
高校生の息子はいるけど
高校生が主役の小説なんて別に興味なし
何も事件起きないし
え?どうなるの?なんて展開も全くない
なのに、引きつけられる
あっという間に読み終わってしまう
こんな子いいなぁ
こんな風に生きたいなぁ
小野寺さんの本を読むと
毎回思わされるなぁ
最後あり...続きを読むがちな終わり方なのに
嬉しくて、ちょっとうるっときた
真乃ちゃんと家族になって
大地がお父さんになって
サッカー部のみんなと集まったり
子育てと仕事におわれたり…
そんな日常を描いた続編希望します♪
Posted by ブクログ 2020年03月28日
部活への考え方、レギュラーの考え方、補欠の考え方。一人一人の思いが書かれていて、そのどれもに共感できる部分がある。
クラブチームのようにとにかく上を目指してやりたい人もいる。
弱小だからこそサッカーをやろうと思う人もいる。
周りからの後押しでやってみようと思う人もいる。
レギュラーに選ばれていても、...続きを読む自分の中では違うと感じる人もいる。
レギュラーになれなくても続ける人もいるし、レギュラーになれないならやめる人もいる。
レギュラーの気持ちはレギュラーにしか分からないのか、と言われればそうなのかもしれない。でも、やっぱり一人一人考え方が違うわけだから、完全に理解することなんてできない。
補欠を下に見るなんてない、とどんなに口では言っても、そう見る人もいる。
そんなあれこれがよく描かれていた。
大地はよくくさらずにやっていたと思う。ちゃんと楽しんでよくやっていた。周りから「お前がいないとだめだ」「潤滑油だ」的なことを言われてそりゃ多少は意識するだろうけど、でも、そんな驕りもなく、よくやっていた。
少しずつ少しずつ伯母さんとの距離が縮まっていく様子がまたよかった。
泣いたのは2箇所。「優しい嘘をつける子になった」と「最後の切り札」。
ラスト、大地が決めてほしい!と読者は思うけれど、それじゃああまりに出来過ぎ。(それもいいけど!)
勝っても負けてもきっと私たちはうまく物語にするんだろう。でも、伯母さんの言うように、負けた時に認めればいい。勝つよ、僕らは。
Posted by ブクログ 2020年03月02日
小野寺君の本は登場人物が優しい。べたべた優しいのではなく、ふとした人間の善の部分を取り出すのが上手いという感じです。
悪い人だったとしてもとっさに席譲ったり、落とし物を拾ったり、人命救助したりするじゃないですか。そういう人間の根幹部分の善を表現していると思います。
万年補欠の大地もまた、身のこだわり...続きを読むの無さが包容力に変換されて、株を上げるのに一役買っています。何も誰かの為にと躍起になっているわけではないけれど、結果的に人の為に動いてしまっている。そういう人っていますね。
気を遣うのがデフォルトになっている人間というのは、気を使わない事がストレスになったりするので、一概に傍若無人にしたからストレスフリーになるのかというと、そこはやはり違うんですよね。
そんなナチュラルにいいひと道を邁進する大地にはその自覚がありません。周りが勝手に人格者扱いしているだけです。
でも読んでいるとやはり大地いいやつ。こだわり無いから自分から歩み寄っていけるんだろうけれど、大事なところはのんびりでもしっかり考えてる。
僕はひたすら影が薄い人間だったので、同級生は誰も自分の事を覚えていない自信があるけれど、彼は皆の記憶にしっかり残るんだろうな。ある意味うらやましい。
スポーツものなのだけれど、ぐいぐいスポーツ一直線でもないのがいいな。強くなくても同じ方向を向いた仲間がいればおのずと熱血になるよね。若いってそういう事だったんだな。今になってふと思う。
Posted by ブクログ 2019年05月02日
2019年本屋大賞候補作に選ばれた小野寺さんに興味があったので、「ひと」を読む前に購入。
初めての小野寺作品を読みますが、特徴だったのは会話でした。普通ならセリフとセリフの間は、解説のような文章があるのですが、この作品での会話の部分では、解説は最小限に留め、ほぼ鍵かっこだけで会話が流れています。
そ...続きを読むの分、どのような心情になっているかは、読んでいる人が想像してくださいというような提示になっています。この作品だけがそういう風になっているのか、小野寺作品の特徴なのか不明なので、本屋大賞第2位受賞の「ひと」も注目したいと思います。
内容ですが、サッカーをメインにした小説ではありますが、試合という場面はほとんどなく、サッカー部補欠の主人公が、高校3年生の3か月間に友達や家族、将来などの問題に直面し、成長していく物語です。
帯では、「今までは一番号泣した」と書いていますが、涙というよりは、じんわりと温かく、さわやかにさせてくれます。
補欠ならではの悩み、レギュラーならではの悩み、人それぞれに悩みがあって、読んでいると、「あーそういう悩み昔あったな」と共感できる部分もあり、親近感をわかせてくれます。決して気持ちは暗い感じにはならず、読んでいると明るくさせてくれるので、最後は青空をバックに場面が終了するような爽やかさで終わったように感じました。
個人的に最後の試合の結果がどうなったのか書いて欲しかったです。
Posted by ブクログ 2023年07月04日
いつも補欠の高校サッカー部員の物語。上級生になっても補欠でも好きだから続けられる姿勢はよくわかるなぁ。319ページ目辺りから最後まで怒涛のエンディング。
Posted by ブクログ 2022年11月19日
中村憲剛推薦書。
高校サッカーの1ページ。
経験者なので、
当時を思い出しながら読むことができた。
戻りたいような戻りたくないような。
まあ良い思い出です。
Posted by ブクログ 2022年06月16日
万年ホケツの大地。私もつい思ってしまう、レギュラーにならないのに、サッカー部にいて楽しいのだろうかと。大地は楽しいんでいる。ベンチを温めているだけの自分だが、いつかレギュラーになれるのではないかと諦められないでいる。いつも、レギュラーになれない自分とさげすんでいるように思える。誰かにレギュラーになれ...続きを読むないなら、サッカー部なんてやめちゃえと言われるのではないかと恐れて、周りの人に嘘をついてしまう。しかし、レギュラーを外されたら、部をやめるはもっと違う気がする。ということは、レギュラーかそうでないかはこだわる必要はないということか。
Posted by ブクログ 2021年11月07日
中学・高校と常にベンチを暖めている彼、ホケツと聞くと、どうしても劣等感や自分をよく魅せたいという気持ちありますよね。でも彼は彼の立ち位置があり、好きだからこそ続けている理由もあり、自分では気づけないけど、周りは分かっていたり、頼りにしていたりする。
団体競技って、こういうバランスが大事なんだろうな...続きを読むぁ。
勝つことも重要だけど、それだけじゃなく、勝つためのプロセスは最も大切な気がしますね。
目指せ、冬の国立‼目指せ、一勝(笑)
Posted by ブクログ 2020年06月09日
だいぶ前に作者の「ひと」の広告と一緒に、こちらも好評って感じで載っていたので、文庫のこちらから買ってみた。
中高とサッカーを続けているが、公立校の弱小チームでもレギュラーにはなれない大地。
両親は離婚し、引き取られた母とは死別し、今は伯母と一緒に暮らしている。
レギュラーになれないまま続けている中...続きを読む途半端な気持ち、伯母への遠慮、12年振りに会いに来た父への屈託、仲間との交歓、女子マネージャーとの仄かな関係、大学受験、アルバイト…。
大地は本当に仏様のような子だな。あんな子はいそうでいないね。
色々と書かれているけど、全体的に何だかふわーっとしていて、私にはあまり響かなかった。
Posted by ブクログ 2020年05月25日
補欠目線で部活生活を描いた本
補欠に甘んじてしまう心だったり、またレギュラーからの一言を気にしたりと補欠ならではの心がたくさん書かれている
最終学年で補欠が確定した時にレギュラーを諦めてその立場に甘んじるのか、レギュラーになるために更なる努力をするのか、または辞めるのか色んな選択肢の中でどれを選択す...続きを読むるのか
その決断の時の気持ちもそれぞれ書かれている