小野寺史宜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
結婚三年目の夫婦が危機を迎え、どんどんすれ違う日常が重くなって行く。自分も含めて、良くある光景と思ってしまう。
二人ともデパートに勤める31才の同い年の夫婦。夫はデパートのサッカー部に入っていたが廃止され、その後、大学の先輩に誘われ、プロを目指すチームに入る。妻には同意を得ずに開始。デパートが一番忙しい日曜日が試合となり、休まざるを得ない。職場でも悪評判が立ち、同じ職場の妻にも影響。対抗するかのように、お客様と映画や食事に行く妻。それを知った夫は、控えめながらも対抗で、、。
自制しつつ夫婦生活が進行するのが重く暗い。離婚しそうでいながら踏みとどまる。お互いに新しい道を見つけながら、お互いを見つ -
Posted by ブクログ
佐原夫妻、足立夫妻、船戸夫妻、江沢夫妻、四組の夫婦が直面する結婚生活の危機。四組とも夫又は妻が出版社「景談社」の社員という繋がりのある連作短編。
年齢も抱える問題もそれぞれな四組の夫婦。しっかり互いの想いを曝け出し、相手を尊重した上での結論だからかそれが離婚だったり、別居だったりしても不思議と嫌な気がしない。
どちらかが我慢をすることで成り立つ表面上の平和を選んでいない彼らの選択がとても清々しい。
「夫婦三部作」の宣伝?がさりげなく、いやいやあからさまにぶっ込まれるのもご愛嬌。足立夫妻や江沢夫妻の選択を耳にして、佐原滝郎が考えを柔軟に変化させていくのもいい。
そして作家として登場する小倉 -
Posted by ブクログ
まずこの表紙を見てください
ちょっと切ない(ノ_<)
父・敏男78歳 息子・富生40歳
母が亡くなって舘山で一人で住む父がちょっとおかしい…ほんのちょっとの違和感。
母がいなくなった実家には足が遠のく。
この親子の距離感が何ともリアルです。
特別好きでもない
かといって嫌いと言うわけでもない
でも心配ではあるのだ。
富生が父の老いを感じ、一つ一つ確認するように
一緒に暮らしていく物語は小野寺さんらしい文章でゆっくりゆっくり進みます
会話文が多いのも小野寺さんらしい
慣れない人にはちょっともどかしいかも…
色々な方のレビューを見たときに、何故8年付き合った彼女と別れて父と暮らすのか?と感