小野寺史宜のレビュー一覧
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大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。
遅刻常習犯で、人に仕事を押し付けたりする映樹だが、不思議と嫌われない。
それと対照的に、青葉の元カレ高瀬涼。
『はい、とそうですね、をいったい何度言わされるのか。こういう人は男女どちらにもいる。すでにそうとわかっている事実を挙げて、相手に肯定させる』
「おれはたまたまちょっといい大学に行ってるけど、そんなことは何でもないと思ってるよ。」
『高瀬涼は今の発言に引っかかりを覚える人がいることに気づかないのだ。』『生まれつき高いところにいて、そこから下りたことがないから』
惣菜屋で、週五で働く聖輔に
『「尊敬するよ」尊敬、重そうな言葉が軽めに -
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新しいことへの挑戦を後押ししてくれる物語
亡き両親が営んでいた蕎麦屋、
主人公の鳴樹は継ぐつもりはなかったが、
始めてみたら、父はやっていなかった出前を開始したり、新味の開発や蕎麦打ちまで習得しようと前向きだった。
小枝は学校と1つ目の仕事は続かなかったが、
鳴樹の誘いや提案には全て「やってみる」と挑戦しているのが印象的だった。持ち前の製菓技術で作ったプリンを私も食べてみたい。その前向きさに勇気をもらった。
和太もやんちゃな人柄で、鳴樹とのリズミカルな会話が楽しい。なんだかんだで人の意見も素直に聞き、接客も頑張っている。早く母親と一緒におそばを食べてほしいと思う。
この作者の小説は始め -
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千葉の館山でひとり暮らしをする78歳の父が、最近少しおかしい。
東京の大手求人広告会社で働く那須野富生は、久しぶりに会う父の様子に戸惑いを隠せなかった。
それまで意識しなかった父の「老い」。生活の見直しを迫られる富生。勤務形態、恋人との関係。不惑を迎えた富生の困惑と決断を描くヒューマンドラマ。
◇
「あれっ。車、へこんでるじゃん。どうしたの?」
久しぶりに館山に帰省し、父の車で買い物に行こうとしてリアバンパーがかなりへこんでいるのに気がついた。驚いて理由を尋ねるが、父の返答はひどく頼りない。
「ああ。ぶつけたんだな。確か」
などと言い、ぶつけた時期もかなり前 -
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この本を読んで思いました。私に合った本だなと。
小野寺さんの書く小説、ぬるっとしていて、呆気なくって、でもそれが心地よくて、やっぱり好きですわー。
取り立てて大きな事件が起こるわけでもなく、どんでん返しがあるわけでもない。ただ、淡々と過ぎていく(過ぎていった)日常の断片を丁寧につなぎ合わせ、ある日の青春の1ページを、ふと呼び起こしてくれる。そんな小説でした。
合唱がメインの物語かと思いきや、途中からバンドの話へと舵を切る展開。元バンドマンの私としては、そこで一気に心を掴まれてしまい、気づけば最後まで一気読みでした。(私も主人公と同じく“V”のみでした)
少し脱線しますが、My Little L -
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那須野富生(40)はJR館山駅徒歩15分に実家あり、母は6年前に72歳で亡くなった。一流企業で東京勤務中。しかし、正月の帰省などで父の様子がちょっとおかしいことに気付き帰省を増やし、リモート勤務が許されているので、ついにUターンを決意する。昔のことで、わだかまりのある父との生活やUターン生活、リモート生活、東京に住む彼女とのことなどが、小野寺ワールドでたんたんと語られるお話です。
表紙、地味!そして、お話もけっこう地味系です(まあ、いつもだけど)。でも、決して読み心地は悪くなく、語られる内容はどこかその辺でよく起こるようなこと。だから、なんとなくするするっと読めてしまいます。地名がやたら具体的