小野寺史宜のレビュー一覧

  • 太郎とさくら

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    「夜の側に立つ」に続いて小野寺作品7作目、読んでいてやっぱり落ち着く。会話のテンポ、語り口が何とも心地良い。
    静岡県由比町で育った太郎、今は東京(千葉だけどね)で一人暮らしをしている。職場の先輩に押し切られて草野球チームでプレーしたりする良い人ぶりは、お約束どおり。そんな彼が大いなる決断をあっという間にしちゃうところが、いつもと違う展開でヒヤヒヤさせられるけど、そこは小野寺ワールド、安心して読めちゃう。
    自信を持ってお勧めできる小説。

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    2021年10月20日
  • 天使と悪魔のシネマ

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     10編からなるホラーファンタジー。

          * * * * *

     人の生死を司る天使と悪魔が狂言回しとして登場します。
     不必要にやり過ぎる悪魔の殺人規模を調整するのも天使の仕事とやらで、人間を介して勝負を繰り広げるという設定がおもしろい。

    全10話とも人の生死を描いているのに悲惨さや深刻さはさほど感じない。小野寺文宜さんらしく軽妙かつマイルドな作風でよみやすかったと思います。


     伊坂幸太郎作品に似ていますが、もっとほっこり感がありました。個人的には『夜の側に立つ』よりも好もしく思いました。小野寺さんならではのこのテイスト、大変気に入りました。

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    2021年10月03日
  • リカバリー(新潮文庫)

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    小野寺さんの作品3冊目。どれを読んでも面白いです。主人公はいつも苦しい状況に見舞われ、人生の中で道に迷ってしまうような霧の中を歩いているよう。でも、どの作品でも、一緒に横を歩いてくれる人がいて、出口に手を引いてくれる人がいて、そして霧が晴れそうな光が見つかったあたりで、物語が終わります。今回の作品の状況は、さすがに苦しすぎてどうなるのかと危ぶみましたが、最後には心が幸せな気持ちで満たされました。どんな人生でも生きる価値がある。力をくれる作家さんです。感謝!

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    2021年09月29日
  • 夜の側に立つ(新潮文庫)

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    「人」、「ライフ」、「ナオタの星」のような安心・安全小説とはちょっと違って、何度かアクシデントがあるお話。そのアクシデントが了治の人生のターニングポイントだ。人にはそれぞれいくつかターニングポイントがあって、後悔しながら生きていく。君香にとっては、ボートの事故が人生最大のターニングポイントで、最良の結果なんだと思う。

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    2021年09月05日
  • ナオタの星

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    「ライフ」に続き作者5作目。アパートの2階の住人がたてる音が気になったり、幼なじみとばったり会ったりするところは、「ライフ」と同じパターンだけど、そんなの気にならない面白さ。登場人物全員いい人、まさにオノデラワールド全開。
    最後に頼也とキャッチボールするシーンが、お気に入りかな。さ、次のオノデラ作品読まなきゃ。

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    2021年08月13日
  • 夜の側に立つ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    昼と夜。光と影。
    表裏一体だな、と思う一冊だった。

    主人公の了治の目線で描かれているが、
    それぞれの目線でそれぞれの夜があるのかも。

    読み終わってみれば
    あれ?けっこう重い話では…?
    と、感じるが、
    読んでいる途中はふわっと日常に溶け込んだように
    読めるのが不思議な感覚。

    私は私の中の夜の側に立つ気持ちを
    知っているけれど、
    私以外の人の夜の側に立つ気持ちを
    知らない。

    それは一瞬襲いかかるような衝動的なものかもしれない、それとも常に覆われたものなのかもしれない。
    そんな気持ちが誰にでも在ることを
    知りたくて安心したくて
    私は本を読んでいる。と、思い出した。

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    2021年08月05日
  • みつばの郵便屋さん 奇蹟がめぐる町

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    ネタバレ

    2021/7/19
    あー癒し癒し。
    秋宏は癒し。堪能しました。
    何がどうとかじゃないねん。もうひたすらに爽やかな風が吹いてる。ずっと。
    いいなぁ秋宏。平和だ。

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    2021年07月25日
  • まち

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     江戸川区の筧ハイツシリーズ。主人公の部屋はB201号室。

     主人公は江藤瞬一くん。高卒で群馬の山村から上京して5年の23歳。アルバイトで生計を立てて日々、地道に生きています。

     人生の方向を決める。それはまったく焦る必要などないことです。生きるスタンスさえ間違えなければ、それでいいのです。

     ゆったりと、そして濃密な瞬一の1年間を描く青春小説です。

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    2023年09月03日
  • 家族のシナリオ

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    この作品も面白かったです。「好き」と言える作家さんが増えました。まだ二作しか読んで無いので、他の作品も読んでいきます。本屋に行くのが今までよりもっと楽しくなりそう。

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    2021年06月07日
  • 夜の側に立つ(新潮文庫)

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    18才(高3)、20代、30代、40才(現在)の視点を終始行き来する。
    が、全く読みづらさなし。
    むしろすごく効果的。
    小説の技法って無限大なのだな、と今さらながら気づく。

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    2021年06月06日
  • ライフ

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     小野寺史宜さんの真骨頂。

     淡々とした物語展開。激することなく、受け入れ、受け流す主人公。
     自分らしく生きるとは、よりよく生きるとはどういうことかを、さりげない描写のなかに込めていく。

     まさに清々しいほどの小野寺節でした。とても楽しめました。

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    2021年06月06日
  • 夜の側に立つ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最後の方で、「夜の側に立つ」の意味が分かった。
    小野寺史宜先生は、ありきたりの日常を持ち前の筆力で読者を惹き付ける天才だと思う。

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    2021年05月28日
  • みつばの郵便屋さん 幸せの公園

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    ネタバレ

    2021/3/4
    あー安らぐ。
    お正月気分が落ち着いてきたことを「新年が軌道に乗った」って表現するの最高じゃない?
    覚えとこう。
    あとインタホンの音が「ウィンウォーン」なのも毎回ニヤニヤしちゃう。
    優しくない相手にも優しくできちゃう秋宏の世界はこんなにも優しいのだな。
    守ることで、人は守られる。
    って局長さんのことを表現してたけど秋宏も同じだよ。
    その局長さんのサインのくだりは笑った。
    秋宏のサインも目に浮かぶようで。何してんの。
    ものすごく安らぎました。

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    2021年03月04日
  • それ自体が奇跡

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    ネタバレ

    平和な夫婦だけど、すれ違っていく様子と元に戻れたところがちょうどよくリアルで、私もいつか夫婦の雰囲気悪くなったとしても、こうなりたいなと思った。
    素直な気持ちを相手に伝える大切さも改めて感じた。

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    2020年12月20日
  • みつばの郵便屋さん 奇蹟がめぐる町

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    ほっこりしたい時には最高です。
    いい人たちが織りなす、心温まるお話でした。
    特別なことはしていないけれど、気持ちが落ち着きます。
    初恋の人はそんなに特別かなとは思うが、人それぞれということで。
    主人公のように些細なことにも気がつける人になりたいです。

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    2020年08月12日
  • ナオタの星

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    ネタバレ

     何度も失敗しても、それでも真っ直ぐに。
     かたくなで無いところが、素直に受け止められる。
     出てくる人が、みんな良い人でもいいじゃない。

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    2020年08月06日
  • それ自体が奇跡

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    ネタバレ

    登場人物が皆素敵で読んでて楽しかった。
    仕事から逃げるために妻に相談しないでサッカーチームに入団する貢と趣味が合うお客といい感じになる綾。
    お互いが向き合うまで時間がかかったが、結婚はそれ自体が奇跡。紙切れ一枚で、他の誰よりも好きだと公的に表明し、相手にも表明される。結婚は人生の墓場と言うが本当に嬉しいことだなと思った。
    最後はお互いの思いをぶつけ合い終わる感じでした。
    時間がたってからまたゆっくりと読みたいと思った。主人公の挨拶だけはするとか人柄が素敵な人はいいなと思った

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    2020年05月24日
  • ひと

    購入済み

    清々しい

    何が良かったっていうより、物語全体に流れる雰囲気がとても優しく清々しい。あっと言わせるような終わりが待っているとかじゃないし、思わずドキドキするような展開があるわけじゃないのに、どんどん先を読み進めていきたいって思わせられる、不思議な本です。

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    2020年05月08日
  • 太郎とさくら

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    再読。

    著者の作品に通して言えるのは、主人公が情緒の安定した穏やかな男子であるということ。
    そのために誤解されることも無くはないけれど、とても魅力的だなと毎回思います。

    今回の太郎。
    家族思いで、人にも優しい。
    でもそれを前面に出すことがないので、押し付けがましいところは皆無。
    こんな子いいなー。

    太郎のお父さんだから当然かもしれないですが、春夫さんもいいですね。お姉ちゃんの夫も素敵。
    みんないい人ばかり。
    野口さんと丸山家はいい距離感でいられるだろうなと思わされる終わり方が良かったです。

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    2020年03月19日
  • ひりつく夜の音(新潮文庫)

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    冷え切った心にじわりと火を灯すような。停滞と熱狂とその狭間にあるような。内へ内へと潜るようで外に向けて発散するような。とにかく良い物語に触れたという満足感。
    解説文の最後の三行に、泣かされる。

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    2019年10月22日