ひりつく夜の音(新潮文庫)

ひりつく夜の音(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

46歳の下田保幸は、プロのジャズクラリネット奏者。演奏に全てを捧げた若い日の情熱は潮が引くように褪せ、いまは音楽教室講師の僅かな収入で過ごす。そんな暮らしがギタリストの青年・音矢との出会いで動き出す。どうしても困ったら下田を頼るよう、亡き母に言われたという音矢の名字は佐久間。下田が昔愛した女性と同じだった……。人生の折返し点で迷う大人たちの心をはげます感動作。(解説・北上次郎)

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ひりつく夜の音(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年10月22日

    冷え切った心にじわりと火を灯すような。停滞と熱狂とその狭間にあるような。内へ内へと潜るようで外に向けて発散するような。とにかく良い物語に触れたという満足感。
    解説文の最後の三行に、泣かされる。

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    Posted by ブクログ 2023年12月24日

    多少、名の知れたクラリネット演奏家だったが、46才になり仕事が無くなってきた。男やもめの侘しい生活が延々と書かれて行く。節約のために豆腐が入っているパッケージの汁を飲み、週1回のモーニングを食べにファミレスに通う。スーパーでも安い物だけ購入。それでいて、クラリネットを上手く吹けるようにという気力も無...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月14日

    ゆったりしたジャズを聴いているみたいにストーリーもゆったりと進む。節約の食生活がこと細かに語られ、やけにリアル。一方、演奏している時に気持ちが昇り詰めていく描写もリアル。どちらも一人の人の中にあるリアルで共感できました。
    全体の雰囲気が心地よく、居心地のいいライブハウス(行ったことないけど)で、たゆ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月17日

    46歳の下田はプロのクラリネット奏者。現在は音楽教室の講師のみで節約生活をしている。過去にあったものと、今にあるもの。失ったのか、見ようとしなくなったのか。そういうものが色々な出会いからまた動き始める。ジャズの演奏シーンは楽しくて本当に聴こえてくるような感覚。ジャズは全然聴いたことないのに。過去には...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年07月26日

    小野寺さんのこの感じが良いなぁ~。
    何も大きな出来事はないけれど、日々流れていく時間がいいなあと思う。
    最初から、それは息子でしょうと思う人物が登場するが、それを突き詰めるわけでもなく、お互いの世界を大事に接していく。昔の同級生の女性しかり。
    このあいまいな流れの中に人としての温かさを感じ、読後感が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月02日

    ちょうど46歳なので読んでみた。正直、46歳としての共感はなかった。ただ、このひとはおっさんの話を書いても良い人たちのお話になるのだなぁ、と思った。

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    Posted by ブクログ 2020年06月26日

    46歳独身の下田保幸がひょんな事から22歳の青年、佐久間音矢と出会う。
    .
    前半は下田の性格や暮らしぶりが丁寧に書かれている。
    .
    クラリネット奏者の下田は常日頃、節約生活に努めていて、節約ぶりに余念がない。
    .
    そして週に一度はファミレスで750円の朝食バイキングに行きたらふく食へ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月01日

    仕事も少なく、細々と暮らしてる46歳独身のプロのジャズクラリネット奏者が主人公。 
    良い意味で“親父の哀愁“が溢れている文体で描かれている日常。その日常とは変わり、演奏している描写は生き生きと楽しそう。

    “朝食怪獣にまた今日もなってる“
    レストランでのバイキングを朝食海賊と呼ぶ例えは個人的にハマっ...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年08月31日

    小野寺さんが描く中年が主人公の作品を始めて読んだ。
    でもほかの作品の青年と同じように、内側に熱を秘めた静かに自分と周りを観察している人物で心地よい。きちんと自分の手の届く範囲を見て、自分の生活を「生きて」いる感じがして、不思議と安心する。

    さて本作。
    ジャズマンでクラリネット奏者の下田保幸のところ...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2020年04月26日

    人生を諦めて、世捨て人のような生活を送っている主人公。読んでいて前半は苦しかった。しかし、人との関わりの中で光が見えてきてほっとしながら、音楽のことは詳しくないので、最後は’do you know what it means to miss New Orleans?’を聞きながら読み終えた。ミュージ...続きを読む

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